自分が その立場にならないと

　現在花粉の飛散が最盛期で花粉症持ちの私としては辛い時期だが
今から40年ほど前は花粉症という概念はなく鼻カゼといわれていた
ため、当時ジャイアンツの江川卓は春先に花粉症の症状に悩まされ
ていたのを王貞治監督から‘体調管理がなってない’と苦言を呈され
ていた。

　ところが王が95年にホークスの監督に就任した頃から花粉症を患
大変だったようで、‘花粉症がこんなに辛いとは思わなかった、江川
には悪い事を言った’と言っていたらしい。

　これなど自分がその立場にならないと分からない、典型的な事例
だろう。

　我が家でも今は亡き父親が83年から97年までの間に3度程ぎっくり
腰を患っているのだが痛がる姿を見た母親は‘大げさな’と言っていた
のだが、以前も記したように今から20年前に母親もぎっくり腰を患
うと‘こんなに大変とは思わなかった’と父親に謝っていたのが印象的
だった。

　その点でいけば私は3年前の暮れに脳幹出血から左片麻痺になって
いたため当然のように車イス生活をしたり歩行訓練をしたので、同
じく脳障害を患ったお客さんの大変さを実感しているため先述した
ように自分がその立場になっている事から以前以上に対処できるよ
うになった気がする。

　こういった場合自ら脳障害が出ると仕事復帰できないのだが、あ
りがたい事に仕事に復帰できたため脳障害の麻痺体験を生かす事が
できているのでこんな幸運はないだろうと思う。