これを機に例の一家とは拘らない事

 昨日 行われたボクシングの‘暫定’世界タイトルマッチで亀田大毅は王者の
テーバリットに0-3の完敗を喫し、兄弟での2階級制覇は ならなかった。

 今回の暫定世界戦で話題になったのが本来なら正規王者の清水智信が8月
にタイトルを奪取したものの眼窩骨折で例の一家が主催するショーイベントで
兄弟での2階級制覇に挑む試合に臨めなくなったため、強引に清水を休養王者
に棚上げして暫定王者に過ぎないテーバリットを正規王者に格上げさせての
世界戦になった事。

 これは本当にタチの悪い話である。

 正規王者の清水智信は今年の8月に本来のフライ級から1階級上げてWBA
のSフライ級王者のウーゴ・カサレスに挑戦し激戦の末に所属していた金子ジム
としても悲願の世界王者になった。

 ただし このタイトルマッチは前日ぐらいまでWBAがタイトルマッチとして認定
するかどうかで右往左往して ようやく世界戦として行われたのだが、実は この
世界戦は亀田長男の防衛戦とのダブルタイトルマッチで勝者に1位に昇格して
いた亀田大毅が挑戦するための露払いイベント的な位置付けでの試合となって
いたのだ。

 常に強敵と戦わず自分が確実に勝てる相手とばかり戦う事で評判になっていた
例の一家が昨年末にボクシングのようなショーイベントを開催し長男が‘自称’
3階級制覇に成功していた。

 そして今年も同じようなイベントを企画したのだが今年の看板が‘兄弟揃っての
2階級制覇’で、これまた確実に勝てそうな相手との挑戦を画策したものの肝心の
標的である清水がケガのために試合がてきないという状況になった。

 お役所的発想のJBCも最近の乱立する(特にWBA)への批判が強いので国内
での暫定世界戦を原則として禁止する事になっていたので、本来なら暫定タイトル
挑戦が国内でできないため清水をWBAに働きかけて休養王者にするように画策
したらしい。

 休養王者とは世界王者がケガのために防衛戦が なかなか行えない場合に限り
設置されるものの定義は曖昧で、WBAのSフェザー級王者の内山高志は1月の
防衛戦で右手を痛めたため大晦日に行われる次の防衛戦まで1年近く休養しても
休養王者にはなってないのだから清水が12月のイベントに出場できないからと
いって休養王者にする事は矛盾する。

 思えば この一家はトラブル続き。
 例えば08年の大晦日にWBAフライ級王者の坂田健史をKOしたデンカオーセン
は3度目の防衛戦で坂田とのリターンマッチを受けるはずが亀田陣営の横槍で
2度目の防衛戦の相手だった亀田大毅との再戦を割り込まれて返り咲きのチャン
スを逃している。

 内藤大助も知名度こそ上がったもののタイトルを失った試合では興毅のバンテ
ージ疑惑など何かとイチャモンが付くし、リターンマッチで取り返そうとしたらポン
サクレックに敗れ興毅もバンタムに上げてしまったためモチベーションを失い先日
引退した。

 一方 WBCミニマム級王者の井岡一翔は昨年の7月に例の兄弟と同じリングで
試合をしたものの袂を分かって2月に単独興行でタイトルを奪取した事を考えると、
いくらTVが付いて名前が売れるからといって例の一家と組むとロクな事がないのが
分かる。

 清水ではないが例の一家が‘負のオーラ’を発しているのは世間も認めている
ので、例えタイトルを取れてもトラブル続きで食い物にされるのがオチだろう。

 故・金平会長の息子でも持て余した一家なのだから‘必要悪’などと正当化して
組んでもトラブルに見舞われるだけなのだし幸いにして彼らは日本人相手の試合
には興味がないようだから、人気回復のためには例の一家を完全に無視した本格
派の興行でアピールするべきだろう。

 

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