憐と尾白高志は

 ウルトラマンネクサスのEXエピソード:詩織・ロストメモリーの冒頭で私服姿の
詩織を‘オレの好み’と言って声をかけたのが、遊園地でバイトをしている憐の
同僚の尾白高志である。

 現役の大学生で化学が今ひとつ苦手。
 実家が工務店なので憐の部屋の修理や内装まで行う器用さがあり、一緒に
働いている憐に関しても明るい笑顔の裏に秘めたものがあると直感している。

 残念ながら このEPで尾白は姿を消すのだが、ある意味 憐編でも魅力的な
キャラだっただけに放送短縮の影響を受けた形になっているし 実際 憐編の
脚本を書いた太田愛も‘憐と尾白の決着をつけたかった’とインタビューで語って
いる。

 尾白は前記したように孤独な憐の日本で2番目の理解者(1番目はオーナー
の針巣直市)で、憐と歳が近いだけに ぶっちゃけた話をできるものの憐が
どこかで心の底を覗かれまいとしているのに気付いている感じだ。

 だから憐の従兄弟と名乗るもののウソをつけない孤門に対し、少なくとも憐を
悪いようにはしないと直感してウソを受け入れたのではないかと思うのだ。

 そして憐を監視している者が瑞生との格闘の末に落としていったメモリー
チップを拾って孤門達に手渡したのだが、これが尾白の一番印象に残るシーン
でもあった。

 憐は結局ダラスのアカデミー出身でイラストレーターの吉良沢優と一緒だった
という事から憐を巡る2人の友人といった形になり、アメリカでプロメテの子と
して一緒に暮らしていた吉良沢の方が日本で最初の友人になった尾白よりも
親密度は高いと思われたので このEP以降は尾白の出番は おろか憐編の
メイン舞台だった遊園地や針巣直市も退場となるのだった。

 次回の溝呂木戦死編からは新宿でのネクストとザ・ワンの戦いなど過去を
探ったりするハードな展開になるので、のどかなムードの代表者だった針巣と
尾白の退場は止むを得なかったのかもしれない。

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