世界王者と引き分けたのに批判されたアポロ嘉男

 40年前の昨日74年3月14日に富山で行われたのがWBA:
Jライト級タイトルマッチで挑戦者のアポロ嘉男が王者のベン
・ビラフロア相手に三者三様の引き分けでタイトル奪取に失敗
した。

 王者ビラフロアは前年10月に柴田国明とのリターンマッチで
柴田を1RKOしてタイトルを奪回しての初防衛戦だったのに対
し、挑戦者のアポロは1年前にWBC王者のアルレドントに挑戦
して中盤までリードしながら終盤ポイントを失い逆転負けして
以来の世界挑戦だった。

 足を使ったアウトボクシングが持ち味のアポロが強打のビラ
フロアをどう捌くかというのが焦点になった試合だが、前回の
アルレドント戦で終盤スタミナ切れした反省からか前半を抑え
気味に入り終盤勝負というプランを描いたもののビラフロアの
プレッシャーに気圧されて手が出ずヒット&ランならぬラン&
ランで試合は進む。

 13Rには連打を浴びてダウン寸前に追い込まれるなど完敗と
思われたが意外にも判定は引き分け。

 試合前ビラフロアは‘倒すからジャッジは関係ない’と自信
満々で、日本人によるレフェリー&ジャッジ3名構成にOKを
出していたので結果的に三者三様の引き分けになった。

 もっとも74-73でアポロの勝ちに付けたジャッジは非難の
的になったのは言うまでもないし、強打の世界王者と引き分け
るという健闘を見せながら批判された挑戦者という事になって
しまった。

 ちなみに王者ビラフロアは最初にタイトルを奪取した時も初
防衛戦は引き分け防衛だったし最後に防衛したサムエル・セラ
ノ戦も含めて合計6度の防衛中引き分けが3度もあるという珍
しい記録を残している。

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