ウルトラマンエース23話でエースが異次元空間に乗り込んでヤプールを倒
した。
以後ヤプールは怨念となって登場するもののエース前半の頃の恐ろしさは
なく、ウルトラシリーズ初の共通の敵という設定が うやむやになった感は拭え
ない。
個人的に最大の原因はヤプールという設定を作った市川森一が2クール目
から降板してしまったので、他の脚本家達がその存在を持て余してしまい最後
は放り投げた形と言ったら大げさかもしれないが当たらずとも遠からずだろう。
例えば盟友の上原正三ですら1つ前のEP・復讐鬼ヤプールではTACのメン
バーが宇宙仮面の事を宇宙からの侵略者呼ばわりしていたのだから本当の
テーマを図りかねていたのではないだろうか。
もっともバキシム編を担当した田口成光などは過疎の村出身の子供一家を
交通事故で殺害し、その孫に成り代わって暗躍していたし‘子供の心が純真
だと思っているのは大人だけだ’という言葉など市川森一作品かと思うぐらいの
内容だった。
市川森一にしてみればバキシム編やゴルゴダ編の前編を田口成光が担当し、
上手く解釈できていたので‘後は任せられる’と考えたのかもしれないが・・・・
94年4月にNTVで1時間バージョンで復活した いわゆる‘平成セブン’と
言われるシリーズの中で99年にウルトラセブン1999最終章6部作が作られた
のだが、何とウルトラセブンの中でも1番の問題作と言われるノンマルト事件の
続編が語られていた。
メインライターの武上純希が自分なりのノンマルト事件を決着させるために
6話も要して作ったのかもしれないが、正直言って何だか中途半端な終わり
方でガッカリしたのを覚えている。
ノンマルトについては第2期の特徴だった‘夏の怪奇シリーズ’のような感じで
霊の話という位置付けで作られたという解釈もあるし、何より作った金城哲夫が
亡くなっているのでエンディングナレーションではないが永遠の謎になっている。
やはりノンマルト問題は金城哲夫自身で完結させないといけないものだと思う
のだ。
それを考えればヤプールも生みの親である市川森一の手で終わらせないと
いけないのではないかと考えるし、このEPも真船監督自身の脚本より市川森一
に書いて欲しかったと見る度に思うのだった。