ROOM 402

日々多くを思うものですがその思いはすぐにきえて忘れてしまうものです。忘れられない想いや日々の出来事を書き綴ります。

いつまでもデブと思うなよ

2007年10月08日 | BOOKS

ものすごく売れているようです、岡田斗志夫のこの本。
なんせ1年で117キロから67キロと50キロの減量したのだからスゴイ。
テレビで見たときも別人かと思いましたから。
私も毎日同じようなことやっているので岡田氏のこの1年のつらさ心底わかります。
しかしこの本、読み進めていくとわかるのだが、
これはただの「ダイエット本」ではなかったのである。
この本は単なるデブ親父がどのように過酷な人生と戦い、いかにして最大の敵である
自分自身の精神に勝利したかという戦いの報告だったのです。

それにしても50キロの減量とは凄すぎる。
岡田さんによると、ダイエットを始めた人の大半は最初のうちは成功する。
でも、最終的に減った体重を維持することのできる人はたった0.025%。
なぜなら、楽しくないので(というか辛いので)持続できないらしい。
だから岡田さんはこう訴える。楽しくなけりゃ、ダイエットじゃない!
では、どうすれば楽しくダイエットできるのか。
ここから岡田さんの独創的なダイエット論がはじまるのである。

その前に根源的な問題がある。
いったい、なぜ、人はデブであってはならないのか。
そんなの自由じゃないか、という人だっているだろう。
その質問に対して、岡田さんは簡明に答える。
現代は「見た目主義社会」だからである。
「家柄主義社会」では、その人はどんな家に属しているかが大切だった。
「学歴主義社会」では、どんな大学を出ているかですべてが判断された。
だが、いまは違う。いまはまさに「人は見た目が9割」なのである。
そのとき、デブはただデブであるというだけで、故無き差別を受ける。

だらしないんでしょ、
いつも食べてるんでしょ、
意地汚いんでしょ、
しまりがないんでしょ、
意思も弱いんでしょ、
汗臭いんでしょ、

すべて見た人のイメージにしか過ぎないのに・・・。

中身は違うんだ!と叫んでも無駄なのだ。
そこまで見てくれる人はいないのである。
だとするなら、デブからの脱出は人間の尊厳を賭けた戦いになるのである。
これよりダイエットの実践の話になるのであるがこれまた独創的でとても面白いのだ。
要はひたすら自己の行動を記録するだけ。
詳しくは皆さんも本屋で立ち読みをしていただくとして、
このレコーデイング(記録する)というのが意外に効き目があるんですな。
私の場合無意識に日記を2冊書いており、これが岡田氏の言うレコーディングダイエットに
なっていたようです。偶然だが、私の場合、無意識にそういう行動をしていたのだ。

ひたすら自己の行動(岡田氏の場合は食行動)を記録する。
人によっては自分のあまりに無謀な行動の記録を目の前にして愕然とする人もいるだろう。
これが岡田式ダイエットの根本なのだが私にはとてもよく理解できた。
なるほどな!家計簿と一緒なんだな!と私は思わず手を打ったのです。
恥ずかしい話だが私はここ数年、家計の詳細な記録をつけるようになった。
そうするとなぜか家計における無駄な出費や赤字が劇的に減少してきたのだ。
実のところあまりにアホなことやおバカなことにお金を湯水のごとく使っており、
冷静に日々の私や家族の出費記録を見て恥ずかしくて平常心で記録をつけていられなくなったのだ。
ここが重要なポイント。
逆を考えればわかりやすい。
サラ金で破産する人のパターンは決まっているのである。
それは借金の正確な額を知りたくない人なのだ。
本当の自分、実際上の自分を見たくない人・・・。
すごくシュールな問題だ。
サラ金から借金はしてなくてもけっこうそういう人多そうだし・・・。

自分が食べたあらゆるものを記録する第一段階を過ぎると、
その次には一つ一つのカロリーを計算する第二段階へ、
さらに、そのカロリーを制限する段階へと移行していく。
詳しくは岡田氏のこの本買ってあげてくださいな。立ち読みでもいいけど。
だが、問題の根本は変わらない。
自分が何をしているのかを知ることによって、
無謀な行動がおさまり、あらゆる「借金」(マイナスのイメージ)が
減少していく楽しいプロセスが始まる。

最終段階で50キロも体重が軽くなった岡田氏はスーパーマンになったように感じる。
自分を自由にコントロールできるようになることで、自信がつき、他人からも認められる。
岡田氏はこの時、ダイエットに成功したのではなく、人生に勝利したことを感じたのですね。

偶然にも、岡田氏より少し早く同じことをやり続けた者としてとても共感する部分が多かったです。
私は30キロの減量成功、そして1年たった今も体重の増加がないのですごく精神も安定している。
今の体重で日々すごしていると本当に毎日気分がいいのである。
健康と体重管理はとても大切です。

目下、カルロス・ルイス・サフォンの「風の影」(これも面白い!)と
福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだに」(これはスゴい!)の3冊を併読しているのですが
この本を読み終えるのが一番早かった。
まぁ、それだけ面白かったのですけどね。でも、ダイエットってすごいね。
その後の人生さえ変えちゃうんだからね。
ダイエット馬鹿にしながらも、実は痩せたがってるデブに読ませてやりたいよ。
Mさんのことじゃないですからね。

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2 コメント

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凄いですね (鎮目 浩二)
2007-10-12 09:59:30
ダイエットも此処まで来ると人生を掛けた戦いなんですね、I氏のダイエットも凄いと思っていましたからこの人は尋常ではないですね。それにしても「見た目主義」とは本当なのでしょうか?、確かに「デブ」は良くは見られないでしょう。しかしそれだけで全人格を否定されてしまうのはどうかと思います、体質も大いに関係する問題ですから。でも昨今の”イジメ”問題などを考えるとあながちこの「見た目主義」が謳歌している時代なのかも知れませんね、個人的には人を見た目だけで判断する事はありませんが一般社会では定着しているのかもしれませんね。不思議な世の中です。
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Unknown (402)
2007-10-12 12:12:12
この本、巷ではかなり売れているようです。どこの本屋さんでも一番いい位置に山と詰まれています。やはり痩せることに興味ある人多いんですね。私は昨日の本屋で見かけた村上春樹の新刊が気になって仕方ありません。
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