近頃、中野京子さんの「怖い絵」という本を読んでから
以前からあった欧米絵画の見方が一変した。
私はドガを見てもムンクを見てもクノップフを見ても
本当の本質は見ていなかったのである。
もちろん私はドガと同時代に生きてはいないので
その当時の風俗や常識のことはわからずただ絵画だけを見て
あーでもない、こーでもないと言っていたのだが、
どれほど、当時の時代背景や常識が大切なのかということが
このたびあらためて認識させられた。
というより、昔の絵画を見るには当時の時代背景、生活様式、ムードを
知らずして見るということは非常識なことだと考えるにいたった。
それにしても、この中野京子という人の文章、巧みだなぁ。
すごく上手だ。
言いたいことを説明するのに簡潔明瞭ながらも、その表現が素敵だし
こういう文章書く人は本当に才能あるなぁと思ってしまう。
昔は自分の思考の浅さや表現力のなさを隠すためにわざと難しい漢字を使ったり
わざと旧仮名遣いにして書いたりしていたけど、今考えると赤っ恥ものだった。
余計に自分のバカをさらけだしているだけだったのである。
ブログがこんなに流行るようになって、たくさんの人の文章に接するたびに
世の中には上手いこと書く人がいるもんだなぁと感心ばかりしている。
名も知れない人ばかりだが、彼らの書く文章の中にもたくさんの巧みがある。
結論は、自由に平易に自分の言いたいことをシンプルに書けばいいのだと
考えるのだが、こんな簡単なことが案外難しい。
ヘンに多くの知識が邪魔するのもおかしいことだけど。
子供の頃から、知識、思考力、応用力と拡げていかなきゃだめなのかなぁ。
後、たくさんの本や多くの文章に出会うのも大切な修行ですね。
とにもかくにも文章書くのって難しいもんです。