ROOM 402

日々多くを思うものですがその思いはすぐにきえて忘れてしまうものです。忘れられない想いや日々の出来事を書き綴ります。

文章

2008年03月09日 | BOOKS

近頃、中野京子さんの「怖い絵」という本を読んでから
以前からあった欧米絵画の見方が一変した。
私はドガを見てもムンクを見てもクノップフを見ても
本当の本質は見ていなかったのである。
もちろん私はドガと同時代に生きてはいないので
その当時の風俗や常識のことはわからずただ絵画だけを見て
あーでもない、こーでもないと言っていたのだが、
どれほど、当時の時代背景や常識が大切なのかということが
このたびあらためて認識させられた。
というより、昔の絵画を見るには当時の時代背景、生活様式、ムードを
知らずして見るということは非常識なことだと考えるにいたった。

それにしても、この中野京子という人の文章、巧みだなぁ。
すごく上手だ。
言いたいことを説明するのに簡潔明瞭ながらも、その表現が素敵だし
こういう文章書く人は本当に才能あるなぁと思ってしまう。
昔は自分の思考の浅さや表現力のなさを隠すためにわざと難しい漢字を使ったり
わざと旧仮名遣いにして書いたりしていたけど、今考えると赤っ恥ものだった。
余計に自分のバカをさらけだしているだけだったのである。
ブログがこんなに流行るようになって、たくさんの人の文章に接するたびに
世の中には上手いこと書く人がいるもんだなぁと感心ばかりしている。
名も知れない人ばかりだが、彼らの書く文章の中にもたくさんの巧みがある。
結論は、自由に平易に自分の言いたいことをシンプルに書けばいいのだと
考えるのだが、こんな簡単なことが案外難しい。
ヘンに多くの知識が邪魔するのもおかしいことだけど。
子供の頃から、知識、思考力、応用力と拡げていかなきゃだめなのかなぁ。
後、たくさんの本や多くの文章に出会うのも大切な修行ですね。
とにもかくにも文章書くのって難しいもんです。

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2 コメント

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文章道 (鎮目 浩二)
2008-03-11 16:32:32
私は小説ばかり読んでいるのでやはり文章の巧みさと言う事は常に頭の中に入れて文章と接しているので文章の良し悪しは若干分かっているつもりです、絵画の見方にその絵の描かれた時代背景を考慮するのは絵画論などを読むと常に書かれています。専門書は読んだ事が有りませんが福永武彦が「ゴーギャン」について書いた文章や池内紀の何でも解説的な評論集などを読むと将にまず歴史的背景から文章が始まっています、絵画を語る事は個人的にはあまり好きでは無いのですが読むと変に納得させられるものです。私は最近は中々美術館などにも足が向かず相変わらず文章で絵画訪問する機会が多いですね、後は挿絵で文章が引き立つ事などが最近の絵画鑑賞です。吉行淳之介が「パウルクレーと12の絵画」と言う本を昔出していて文章と挿絵の微妙なコラボとか金子国義の絵本などを鑑賞することで絵画を間接的に楽しんだりいます、個人的にはダフニスとクロエのボナールの挿絵が秀逸だと感じています。
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Unknown (402)
2008-03-13 08:32:49
鎮目氏も絵画は好きなんですね。私はルネサンスから現代モノまでなんでも見るのですが、本当に素敵だなと思うのは古いものが多いですね。現代絵画は楽しめますがパワーや迫力に欠けるものです。テレビもパソコンも電気も水道もなかった時代、まだ悪魔や妖精が本当に実在すると思われていた時代の絵画だけが絵画としての不思議な魔力を備えているように感じます。
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