写真は「ひーさんの散歩道 2010年6月29日『ブルーインパレス訓練飛行』」からお借り致しました。
高校2年。
昼休み。
仙台向山高等学校。
酔漢は、漫画読書中。
「酔漢、何読んでのっしゃ?」
「何だや、大泉でねぇか!こいづだっちゃ!」
と、その表紙を彼の前に。
「おめぇも・・読んでのか?」
「だれ、おもせえおんな!この『くり&かんコンビ』は良いべ!」
「まぁ、ストリー的にはおもせぇ。そいずはわがる。んだども、ありえねぇべっちゃ!」
「なしてすか?」
「第一、ブリーフィングにいるパイロットは交代制で、同じ組が同じ飛行機にのるなんてねぇのっしゃ!こいづは嘘だべ」
「詳しんだなや」
「んだっちゃ!だれ俺パイロットさぁなりてぇんだおん!・・・・身長が欲しいとこだすぺ!」
彼はそういうと、僕の席から離れていきました。
大泉君(「くだまき」で本名をそのまま掲載いたしますのは二度目です。プロの写真家「中村ハルコ」さんと彼です。その訳は後程。お分かりいただけるかと存じます)は、「パイロット」それもジェット戦闘機乗りになるのが夢でした。
そして、彼の血のにじむような努力は、もうこの頃から始めていたのです。
体力、そして、苦手な英語にも真剣に取り組む姿を何度も見ております。
「身長がギリギリなんだっちゃ!」
と言いながら、鉄棒にぶら下がる彼を体育館で観た事もあります。
「酔漢、今度、大泉の家さぁいがねぇか?」
誘ってくれたのは、「ゆうひこ」君。
彼はバリバリのメカ好き。
「家はどこさぁあんのすか?」
「七郷だべ」
「なんじょすっかなぁ・・・んでも何しさぁ・・・・」
「ラジコン飛行機のお披露目だべ!」
「ラジコンすか?」
「んだ、あいつ(大泉君)の趣味だっちゃ」
ラジコン飛行機が実際に飛ぶところを見た事がなかった酔漢です。興味はありました。
「ゆうひこは何で・・・行くのすか?」(これは愚問であった!)
「バイクに決まってっぺ!」
「おめぇ何さぁ乗ってんのすか?」
「ダックスだっちゃ。ちょっと、小せぇけどな」
「んで、俺は・・・塩竈から自転車で行くべ!」
「遠くねぇか?」
「30kmねぇべ!大丈夫だっちゃ」
と言うわけで、彼の家に集合です。
地図を駆使して向かいました。
何せ、回りが広大な田園風景なもので・・・。ようやく探し出して。
防風林の中にある大きな農家の一軒家。本当に大きいお家でした。
集まったメンバーは、これは同期生諸兄は気になりますよね。
ご紹介いたしますね。
「酔漢」「ゆうひこ」「ひろし(Y口)」「たつや(Y生)」と本人の大泉君。
一旦彼の自宅庭に集合して、田圃の中へ移動です。
初飛行でした。
セスナタイプのラジコンは、まだ新しい匂いがしてます。
「なんだか、緊張すんなや」
と、燃料を入れて、プロペラを手で回して発動機主動!
ところが、なかなかエンジンがかかりません。
ようやく、
ブロロロロロ!!!!!!!と轟音。(マッハロッド?)
ゆうひこ君が機体を抑えております。
リモコンそ操作して、フラップやラダーの稼働を確認していた大泉君。
彼が大きな声を出します。
「ゆぅぅひこぉぉぉ!はなせぇぇぇぇ!」
ゆうひこ君が離すと。
あぜ道を滑走路にして、そのラジコンセスナは大空へ向かいました。
ラジコン飛行機の操縦は、案外難しくて、距離と方向高度を瞬時に判断しなくてはなりません。
彼は飛行機の方向(後側)にポジションを取りながら、見事に操縦しております。
「エンジンが馴染むまであんまし無理したくないんだけどっしゃ」と言いながら、急旋回などを披露してくれました。
僕は、大空へ飛んでいく飛行機を眺めながら、「飛行機」というものに、何か、夢を運んでいるような・・そんな気持ちになって来ました。
大泉君のお母様がこしらえてくれた、おにぎりをお昼に頂きました。
田んぼの風景と相まって、そして少しばかりガソリンの匂いのする中の「おにぎり」はとても美味しかった。
「ジェットのラジコン飛行機はアメリカじゃないとなぁ。ここじゃ無理だべな!」
「そんなのもあんのすか!どうやって機体ばぁ追っかけるのすか?」
「レーダーで追いかけるんだ。当然機体は見えねぇべ!」
「みえねぐて、おもせぇのすか?」ひろし君の質問はなるほど。
みんなで大笑いでした。
「やっぱしぃ・・空自のパイロット。こいづだべ・・な!」
「おめぇ、やっぱすぃ、成りてぇんだべ?」
「んだ!俺はパイロットさぁ・・なっど!」
先の震災。
松島基地の被害は相当なものでした。
ここで、言うまでもないのですが、その報道に触れるたび、彼の事を思い出していた酔漢でした。
そして、御実家も。
被害はどうだったのだろう、ご家族はご無事でいらっしゃるのだろうか。
今朝。face book経由で、高校同級のガールフレンドからお知らせ。
「松島基地で訓練飛行再開のニュースで大泉君がインタビューされているよ!」というもの。
「何っしゃ、大泉が!」
「松島基地の渉外室長だよ!」
元気な彼。そして、逞しい程のコメント。
髭を蓄え、正に「らしい!」大泉君の姿。
少年の頃からの夢を叶えた、男の顔がそこにありました。
訓練再開へこぎつけた彼をはじめ、スタッフのご苦労、いかばかりか。
「感無量です」
これは、彼の本音。
こんなところでも、復興の少しを感じてしまいます。
大泉室長!おめでとうございます。
今度あったら、思いっきり飛行機の話しをして下さい。
皆楽しみにしております。
高校2年。
昼休み。
仙台向山高等学校。
酔漢は、漫画読書中。
「酔漢、何読んでのっしゃ?」
「何だや、大泉でねぇか!こいづだっちゃ!」
と、その表紙を彼の前に。
「おめぇも・・読んでのか?」
「だれ、おもせえおんな!この『くり&かんコンビ』は良いべ!」
「まぁ、ストリー的にはおもせぇ。そいずはわがる。んだども、ありえねぇべっちゃ!」
「なしてすか?」
「第一、ブリーフィングにいるパイロットは交代制で、同じ組が同じ飛行機にのるなんてねぇのっしゃ!こいづは嘘だべ」
「詳しんだなや」
「んだっちゃ!だれ俺パイロットさぁなりてぇんだおん!・・・・身長が欲しいとこだすぺ!」
彼はそういうと、僕の席から離れていきました。
大泉君(「くだまき」で本名をそのまま掲載いたしますのは二度目です。プロの写真家「中村ハルコ」さんと彼です。その訳は後程。お分かりいただけるかと存じます)は、「パイロット」それもジェット戦闘機乗りになるのが夢でした。
そして、彼の血のにじむような努力は、もうこの頃から始めていたのです。
体力、そして、苦手な英語にも真剣に取り組む姿を何度も見ております。
「身長がギリギリなんだっちゃ!」
と言いながら、鉄棒にぶら下がる彼を体育館で観た事もあります。
「酔漢、今度、大泉の家さぁいがねぇか?」
誘ってくれたのは、「ゆうひこ」君。
彼はバリバリのメカ好き。
「家はどこさぁあんのすか?」
「七郷だべ」
「なんじょすっかなぁ・・・んでも何しさぁ・・・・」
「ラジコン飛行機のお披露目だべ!」
「ラジコンすか?」
「んだ、あいつ(大泉君)の趣味だっちゃ」
ラジコン飛行機が実際に飛ぶところを見た事がなかった酔漢です。興味はありました。
「ゆうひこは何で・・・行くのすか?」(これは愚問であった!)
「バイクに決まってっぺ!」
「おめぇ何さぁ乗ってんのすか?」
「ダックスだっちゃ。ちょっと、小せぇけどな」
「んで、俺は・・・塩竈から自転車で行くべ!」
「遠くねぇか?」
「30kmねぇべ!大丈夫だっちゃ」
と言うわけで、彼の家に集合です。
地図を駆使して向かいました。
何せ、回りが広大な田園風景なもので・・・。ようやく探し出して。
防風林の中にある大きな農家の一軒家。本当に大きいお家でした。
集まったメンバーは、これは同期生諸兄は気になりますよね。
ご紹介いたしますね。
「酔漢」「ゆうひこ」「ひろし(Y口)」「たつや(Y生)」と本人の大泉君。
一旦彼の自宅庭に集合して、田圃の中へ移動です。
初飛行でした。
セスナタイプのラジコンは、まだ新しい匂いがしてます。
「なんだか、緊張すんなや」
と、燃料を入れて、プロペラを手で回して発動機主動!
ところが、なかなかエンジンがかかりません。
ようやく、
ブロロロロロ!!!!!!!と轟音。(マッハロッド?)
ゆうひこ君が機体を抑えております。
リモコンそ操作して、フラップやラダーの稼働を確認していた大泉君。
彼が大きな声を出します。
「ゆぅぅひこぉぉぉ!はなせぇぇぇぇ!」
ゆうひこ君が離すと。
あぜ道を滑走路にして、そのラジコンセスナは大空へ向かいました。
ラジコン飛行機の操縦は、案外難しくて、距離と方向高度を瞬時に判断しなくてはなりません。
彼は飛行機の方向(後側)にポジションを取りながら、見事に操縦しております。
「エンジンが馴染むまであんまし無理したくないんだけどっしゃ」と言いながら、急旋回などを披露してくれました。
僕は、大空へ飛んでいく飛行機を眺めながら、「飛行機」というものに、何か、夢を運んでいるような・・そんな気持ちになって来ました。
大泉君のお母様がこしらえてくれた、おにぎりをお昼に頂きました。
田んぼの風景と相まって、そして少しばかりガソリンの匂いのする中の「おにぎり」はとても美味しかった。
「ジェットのラジコン飛行機はアメリカじゃないとなぁ。ここじゃ無理だべな!」
「そんなのもあんのすか!どうやって機体ばぁ追っかけるのすか?」
「レーダーで追いかけるんだ。当然機体は見えねぇべ!」
「みえねぐて、おもせぇのすか?」ひろし君の質問はなるほど。
みんなで大笑いでした。
「やっぱしぃ・・空自のパイロット。こいづだべ・・な!」
「おめぇ、やっぱすぃ、成りてぇんだべ?」
「んだ!俺はパイロットさぁ・・なっど!」
先の震災。
松島基地の被害は相当なものでした。
ここで、言うまでもないのですが、その報道に触れるたび、彼の事を思い出していた酔漢でした。
そして、御実家も。
被害はどうだったのだろう、ご家族はご無事でいらっしゃるのだろうか。
今朝。face book経由で、高校同級のガールフレンドからお知らせ。
「松島基地で訓練飛行再開のニュースで大泉君がインタビューされているよ!」というもの。
「何っしゃ、大泉が!」
「松島基地の渉外室長だよ!」
元気な彼。そして、逞しい程のコメント。
髭を蓄え、正に「らしい!」大泉君の姿。
少年の頃からの夢を叶えた、男の顔がそこにありました。
訓練再開へこぎつけた彼をはじめ、スタッフのご苦労、いかばかりか。
「感無量です」
これは、彼の本音。
こんなところでも、復興の少しを感じてしまいます。
大泉室長!おめでとうございます。
今度あったら、思いっきり飛行機の話しをして下さい。
皆楽しみにしております。
彼の判断。現在では適切だったと評価されてます。
自身がブルイン隊長だったから、解説もきっと適切なんだろうって思います。
彼、映像にならないところで泣いていたって。
感無量。本当にそうなのだろうと思いました。
先にも、コメントしましたが、「T2」時代のブルインの隊長だった大泉君です。
あのカラーリングがよかったです。
訓練、見てみたいです。
大泉君はパイロットの腕も一流。
もう本当に空の申し子みたいなやつです。
明日から入院なので本を数冊持っていこうかとおもってます。その内の一冊。
大泉君は嘗て、「T2」時代のブルインの隊長でした。
彼は、現場から渉外部へ。
彼の解説が聞きたいです!
二年という年月は短いようでもよそで過ごした二年はきっと長かったのですね。
大泉さんの「感無量です」には万感の思いが込められているようです。
あの震災からの復興の第一歩を、これで本当に踏み出したわけですね。
頑張れ!
ブルーインパルスはかつてのT2も愛着はありますが、現在のT4は旋回性がよくてかわいい機体ですよね。機体で津波に巻き込まれたのは幸いにも1機だけ。どうあれあの青い機体を見るのもひとつの日常だったわけで、そのひとつが戻ってくるのは歓迎したいですね。
酔漢さんの同級生は色んなところにいますね。
自分の同級生も航空自衛隊に入ってからどこにいったのか音信普通です。
この度の津波を踏まえ松島基地では滑走路を含むかさ上げ工事をするそうです。3メートルだったかな?
航空祭は今年は中止のようです。
でも訓練が見れるようになっただけでも良かったです。
でも、仮設住宅にお住いの皆さんは、複雑なお気持ちかもしれません。以前は、費用を負担して貰った防音工事のされた家に住んでいたから、暖かい気持ちでいられたかもしれませんが、いま、この轟音はお辛いでしょう。ようやく戻ってきてくれたという気持ちも、煩いという気持ちも本当のこと。難しいです。
今度、有川 浩さん原作の、自衛隊が主役のドラマ『空飛ぶ広報室』が始まります。原作の最後には松島基地が被災したお話も載っていますので、ドラマにも登場すると思います。たぶん、大泉室長様もお忙しくなるかもです。