循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

猛禽類の離陸

2012年09月21日 | その他

◆アメリカに媚を売る政治権力

 (2012年)9月18日の新聞報道によると、野田は本州、四国、九州の6ルートで予定されているオスプレイの試験飛行を認める方針を示した。条件として低空飛行訓練時の高度を「500フイート(約150メートル)以上」に制限。「人口密集地の上空を避け、可能な限り海上を飛行」し、「夜間飛行時の騒音に配慮する」などの項目を盛り込んだ上、日本政府として「安全宣言」を出す計画になっている。正気なのか?
“できるだけ”“配慮しながら”“可能な限り”飛ばすオスプレイなら、米軍が普天間基地に配備する意味はない。だいいちオスプレイとは「滑走路のいらないヘリコプター」である。だがその技術思想に無理があった。現にアメリカ本土やモロッコで起きた墜落事故はその無理が引き起こした惨劇である。その上に「あれはダメ」「この付近を飛ぶな」といわれたら操縦士はさらに緊張を強いられ、ミスの数が増えるばかりだろう。
 さらにアメリカにとっては山口、沖縄だけでなく、日本全体がいまだ占領地であり、日本国民など、黄色い顔をした土民なのである。そのアメリカに媚を売る政党とそのボスたちしか総理大臣になれないという不幸の中に我々は生きている。

◆ミスは操縦者の責任!
  そのオスプレイ(正式にはMV22オスプレイ)が来週9月28日にも沖縄に強制配備される。むろん安全性の確認はまるでとれていない。安全、安全と触れて廻るのは森本敏防衛大臣だけである。ちなみに森本が安全の根拠としているのは8月28日、防衛省の専門家チームが公表した事故分析報告書である。
 その骨子は「人的要因が大きく、機体の問題は認められない」というもの。米軍が先に発表した調査結果をほぼ踏襲する内容であった。まさにデジャブというほかはない。
 何度も書いたことだが、ここ10年余、焼却炉・溶融炉事故をいくつものメーカーに取材した際、「(事故は)人的ミスであり、システムの欠陥ではない」という紋切り型のセリフを繰り返し聞かされた。それほど爆発を含めて事故が多発していたのだ。
防衛省報告書はさらに「副操縦士の飛行経験が自衛隊の副操縦士の平均と比べて浅かったことや、機長が監督責任を十分に果たしていなかった」とも記述していた。

◆「ゆとり」なき操縦
 あるブロガーは次のように記述する。
「わたしの記憶が正しければ、モロッコの事故の場合、運転していた副操縦士は相当の時間オスプレイを運転したベテランだったはず(少し前にテレビで報道していた)。報告書は『自衛隊の副操縦士の平均とくらべて経験が浅かった』なんて書いているが、自衛隊がオスプレイを運転しているわけじゃあるまいし、何を比較しているのかまったく意味が分からない」。
モロッコ事故とは「たった15メートルの高度で、ナセルが前方に回ってゆき、それが続いたまま地面に激突。機首が下に傾いていたので操縦桿を後ろに引いて、機首を上げようとしたが、ナセルが前方に回転し続けていたのでマージン(ゆとり)がなかった。15メートルの高さから地面に激突までわずか5秒だった」というものであった。
ナセルとはアラブの大統領ではなく、エンジンまわりの覆いのことである。たとえば「エンジンナセル」といった場合、エンジンそのものを包むカウリング(発動機覆い)だけでなく、その前後につながって一体の流線型をなす部位を指す。普通、流線型に整形された強い金属製の外板で作られ、空気抵抗を少なくする目的で設けられている。
 ではなぜ高度15メートルでナセルが旋回したのか?操縦士、あるいは副操縦士のミスであるはずがない。誰でも15メートルの高さで、ナセルを回転させたら落ちることは判断できる。機首を上げようとしても、この高さでナセルの回転が止まらなかったら無駄であろう。操縦のプロが15メートルでナセルを前方にわざわざ回転させ続ける操作をするはずはなく、何らかの誤作動としか思えない。
 ナセルが回転しているときに機首が下がり、上げることが困難だったというのも問題だ。ナセルを後方に動かすとマージン(ゆとり)ができるというが、それを知っていたとしてもその余裕はほんの数秒でしかない。

◆“猛禽類”離陸
 V-22オスプレイはアメリカのベル・ヘリコプター社とボーイング・バートル(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ)社が共同で開発した軍用機で、回転翼の角度が変更できるティルトローター方式の垂直離着陸機である。
 ティルトローター (tilt-rotor, tiltrotor) とは、垂直(短距離)離着陸のための手法のひとつで、ローター(プロペラに似た回転翼)を機体に対して傾ける(ティルトする)こと。翼ごと傾けるタイプの機体は航空用語でティルトウィングと呼ぶ。
 なお航空専門家の話では「ナセルの角度を変える操縦技術は非常に複雑で、下手をすると墜落の危険がある」と証言している。
 だが報告書は事故原因に関し、「事故機の副操縦士が追い風を受けた際にマニュアルに違反した操作をした」ことを挙げ、米側の調査結果とほぼ同様の見解を示した(時事通信9月28日付より)。副操縦士の飛行経験が自衛隊の副操縦士の平均と比べて浅かったことや、機長が監督責任を十分に果たしていなかったとも指摘している。
 なおオスプレイ(Osprey・オスプリー)とは猛禽類であるタカの一種、「ミサゴ」のことである。その猛禽類をアメリカと民主党権力はこぞって日本の上空に放とうというのだ。

 折しも本日(2012年9月21日)午前、米軍岩国基地に駐機中の米海兵隊のV-22オスプレイ1機が離陸した。最新の日刊ゲンダイは次のように伝える。「配備先の沖縄はもとより、低空飛行が予定されている本土の自治体の反発を押しての強行飛行となった」。
 そして無責任亡国政権の民主党代表選に野田が本日(21日)圧勝の形で再選されたという。  








 


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