現代の支配的な考え方は、「唯物論」です。「すべての現象は物質によっている」という考え方です。別な言い方をすると、「物質以外のものは存在しない」という考え方です。
この考え方によると、「生命は偶然発生したもの」であり、「人間はたまたま脳機能を高度に発達させた生物」であり、「“私”というのは脳の中の電気信号に過ぎない」ということになります。
そして、「物質的に説明できない世界は存在しない」のであり、「私は脳が死んだら消滅する」ということになります。
「唯物論」は絶対的に正しいと証明されているわけではありません。仮説であり、一種のイデオロギーです。それが多くの人に支持されているのは、誰にでもわかりやすく、現実の生活に効能があるからだと思われます。
唯物論の基礎になる科学的実証主義は、ある現象が「あるかないか」ということに関して、おおむね次のことを「審判基準」としています。
①実験によって厳密に観測できる。
②再現性がある。（同じ条件下ではいつ誰がやっても同じ結果が出る）
③ベースとなる仕組みが解明されている。
実際は、こういった基準を満たさない物質現象もかなりあるのですが、その現象が「唯物論的世界観」に収まる範囲では問題にされないこともあります。
しかし、こうした審判基準を満たす現象は、物質的現象のみに限られています。それは実際にこの世に起こっている現象のごくごく一部に過ぎません。社会的現象のような「複雑系現象」や、人間の心の働きのような心理的現象は、こうした審判基準が適用されるものではありません。たとえば、「スタグフレーション」とか「トラウマ」といったことが「あるかないか」は、上記のような審判基準では計れません。
また、科学的方法では、「ある」ということは証明できますが、「ない」ということは、実は証明できません。一定の条件内で「ない」と証明することはできます。たとえば、「ネス湖に恐竜らしき生物がいるかいないか」は、ネス湖の水を全部汲み上げて調査すれば、恐竜のような生物がいるかいないかははっきりするでしょう。けれども、「三つ目の人間がいるかいないか」は、この地球上をくまなく精査することはできないので、「決定不能」でしょう。
現在の「唯物論的世界観」では説明することができない現象が「あるかないか」に関しては、19世紀末以降、熾烈な論争が行なわれてきました。
「現行の物理的法則では説明できない現象」＝超常現象（paranormal phenomena）としては、
・「物理的感覚器官によらない情報伝達」（ＥＳＰ＝extra-sensory perception）
・「物理的経路によらないエネルギー伝達」(ＰＫ＝psychokinesis）
の二つが研究され、その正邪をめぐって厖大な論争があったわけです（詳しくは笠原敏雄編『サイの戦場』などを参照してください）。
この論争は、どちらかが「勝った」わけではありません。現代の「アカデミー」では唯物論者が圧倒的多数であるため、反対勢力は「押しつぶされた」だけです。現在、唯物論に反駁する言論は、「タブー」とされていますが、それが間違っていることが「論証された」わけではなく、時代的な政治としてそうなっているだけの話です。
唯物論が「間違っている」と立証されたわけではありません。また、イデオロギーとしての唯物論は、誰にでも選択する権利があります。
ですから私は、「私は唯物論を支持する」という人々を、誹謗するつもりはありません。また、強引に説得しようとする意図もありません。
私自身は、スピリチュアリズムやサイキカル・リサーチ（超常現象研究）が蓄積してきた「反証」を、私なりに理性的・総合的に判断して、「唯物論は間違っている」と考えています。「人間はモノではない」「物質的方法では捉えられない世界がある」と考えています。そして、そういった考え方は「迷妄」ではなく、充分「発言権」はあるものだと思っています。
【このテーマに関するお薦め文献】（絶版本もあります）
笠原敏雄（編）『サイの戦場――超心理学論争全史』平凡社、1987年
笠原敏雄『隠された心の力――唯物論という幻想』春秋社、1995年
グラッタン‐ギネス、Ｉ（編）／笠原敏雄監訳『心霊研究――その歴史・原理・実践』技術出版、1995年
三浦清宏『近代スピリチュアリズムの歴史』講談社、2008年
オッペンハイム、ジャネット／和田芳久訳『英国心霊主義の台頭――ヴィクトリア・エドワード朝時代の社会精神史』工作舎、1992年
田中千代松（編）『新・心霊科学事典』潮文社、1984年
【このテーマに関するお薦めサイト】
東京スピリチュアリズム・ラボラトリー（死後存続の証拠）
http://www.k5.dion.ne.jp/~spiritlb/
心の研究室（超常現象について・超心理学入門・死後存続研究・超常現象研究資料）
http://www.02.246.ne.jp/~kasahara/
この考え方によると、「生命は偶然発生したもの」であり、「人間はたまたま脳機能を高度に発達させた生物」であり、「“私”というのは脳の中の電気信号に過ぎない」ということになります。
そして、「物質的に説明できない世界は存在しない」のであり、「私は脳が死んだら消滅する」ということになります。
「唯物論」は絶対的に正しいと証明されているわけではありません。仮説であり、一種のイデオロギーです。それが多くの人に支持されているのは、誰にでもわかりやすく、現実の生活に効能があるからだと思われます。
唯物論の基礎になる科学的実証主義は、ある現象が「あるかないか」ということに関して、おおむね次のことを「審判基準」としています。
①実験によって厳密に観測できる。
②再現性がある。（同じ条件下ではいつ誰がやっても同じ結果が出る）
③ベースとなる仕組みが解明されている。
実際は、こういった基準を満たさない物質現象もかなりあるのですが、その現象が「唯物論的世界観」に収まる範囲では問題にされないこともあります。
しかし、こうした審判基準を満たす現象は、物質的現象のみに限られています。それは実際にこの世に起こっている現象のごくごく一部に過ぎません。社会的現象のような「複雑系現象」や、人間の心の働きのような心理的現象は、こうした審判基準が適用されるものではありません。たとえば、「スタグフレーション」とか「トラウマ」といったことが「あるかないか」は、上記のような審判基準では計れません。
また、科学的方法では、「ある」ということは証明できますが、「ない」ということは、実は証明できません。一定の条件内で「ない」と証明することはできます。たとえば、「ネス湖に恐竜らしき生物がいるかいないか」は、ネス湖の水を全部汲み上げて調査すれば、恐竜のような生物がいるかいないかははっきりするでしょう。けれども、「三つ目の人間がいるかいないか」は、この地球上をくまなく精査することはできないので、「決定不能」でしょう。
現在の「唯物論的世界観」では説明することができない現象が「あるかないか」に関しては、19世紀末以降、熾烈な論争が行なわれてきました。
「現行の物理的法則では説明できない現象」＝超常現象（paranormal phenomena）としては、
・「物理的感覚器官によらない情報伝達」（ＥＳＰ＝extra-sensory perception）
・「物理的経路によらないエネルギー伝達」(ＰＫ＝psychokinesis）
の二つが研究され、その正邪をめぐって厖大な論争があったわけです（詳しくは笠原敏雄編『サイの戦場』などを参照してください）。
この論争は、どちらかが「勝った」わけではありません。現代の「アカデミー」では唯物論者が圧倒的多数であるため、反対勢力は「押しつぶされた」だけです。現在、唯物論に反駁する言論は、「タブー」とされていますが、それが間違っていることが「論証された」わけではなく、時代的な政治としてそうなっているだけの話です。
唯物論が「間違っている」と立証されたわけではありません。また、イデオロギーとしての唯物論は、誰にでも選択する権利があります。
ですから私は、「私は唯物論を支持する」という人々を、誹謗するつもりはありません。また、強引に説得しようとする意図もありません。
私自身は、スピリチュアリズムやサイキカル・リサーチ（超常現象研究）が蓄積してきた「反証」を、私なりに理性的・総合的に判断して、「唯物論は間違っている」と考えています。「人間はモノではない」「物質的方法では捉えられない世界がある」と考えています。そして、そういった考え方は「迷妄」ではなく、充分「発言権」はあるものだと思っています。
【このテーマに関するお薦め文献】（絶版本もあります）
笠原敏雄（編）『サイの戦場――超心理学論争全史』平凡社、1987年
笠原敏雄『隠された心の力――唯物論という幻想』春秋社、1995年
グラッタン‐ギネス、Ｉ（編）／笠原敏雄監訳『心霊研究――その歴史・原理・実践』技術出版、1995年
三浦清宏『近代スピリチュアリズムの歴史』講談社、2008年
オッペンハイム、ジャネット／和田芳久訳『英国心霊主義の台頭――ヴィクトリア・エドワード朝時代の社会精神史』工作舎、1992年
田中千代松（編）『新・心霊科学事典』潮文社、1984年
【このテーマに関するお薦めサイト】
東京スピリチュアリズム・ラボラトリー（死後存続の証拠）
http://www.k5.dion.ne.jp/~spiritlb/
心の研究室（超常現象について・超心理学入門・死後存続研究・超常現象研究資料）
http://www.02.246.ne.jp/~kasahara/
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