Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

ススキ化した土手の管理

2009-05-10 23:49:04 | 自然から学ぶ
 「みどりの日の草刈」で触れた土手は大きな土手で管理しにくい土手のため、、ふだんの管理に該当しない土手になっている。ただし、車道の脇の土手ということで、草ぼうぼうともなると見た目はもちろんのこと、車の障害にもなりかねない。昨年はすっかり草刈をさぼっていたわたしは、この土手の草を刈った記憶はない。土手の頭は妻が頻繁に草を刈るものの、45゜を越すような斜面に立って草を刈るには危険を伴う。ということで昨年は一度程度しか草を刈らなかったと言う。

 実はこの土手はまだ良い方で、土手の尾根の向こう側には50メートルほどの同じような土手が続く。こちらは南向きの斜面で丈の長い草が生える。土手下のとても小さな棚田は、このごろは荒れ果てたままで、その田んぼを持つ人も手がかかるためにあまり管理はしていない。そういうことも手伝って、大きな土手は車道側の人目に触れる場所とは異なるために、ほとんど草刈をしない。2年ほど前に人に頼んで草を刈ってもらったが、昨年は依頼したものの断られたという。傾斜がきついということもあるのだが、その土手はとても草を刈りにくい。前述したように丈の長い草が生えるから、1年もほったらかしにしていると大変な草丈となる。

 さてその土手を昨日から今日にかけて草を刈った。ほぼ1日刈っていたのに刈った草の処理まで手は回らなかった。この土手の上には我が家の田んぼが3枚あるが、公図上は1筆である。面積にして1400m2程度でこのうち土手の面積は600m2ほどあるだろうか。印象は半分は「土手」という感じであるが、よく見ると土手の方が若干少なそうだ。昨年依頼したものの断られたという土手には3メートルほどのススキが枯れて生えている。これを刈るのがなかなか大変で、加えて土手にはフジのツルがあちこちに生えている。草刈機で刈ろうとしても巻きついてうまい具合にはかどらない。倒れたススキが覆いかぶさるように倒れ、それをいったん片付けないと覆いかぶさった下の草は刈れない。1年間ほったらかしにされていた土手はまさに荒廃地化していて、管理しやすい状態には簡単には戻らないのである。いったんススキの林になってしまった田んぼは、簡単には田んぼに戻らないのと同じで、土手もいかに管理を続ける必要があるかということである。ススキが生え始めた土手にはほかの草が生えなくなる。生態系上も好ましい環境とはとてもいえないのである。

 山の中の水田地帯はどこもこうして荒れ果てていく。見た目以上にそれを復活させるのは難しいことなのである。それにしてもこれほどの土手はなかなか近所にも少ない。みんなが「大変だねー」と気遣ってくれるが妻はいつも「何でうちばかりこんな土手があるんだ」とぼやくが、もともとそうなんだからしかたがない。この非生産的労力は並大抵のものではない。専門家にも断られるのがよくわかる土手である。
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