★LABO cafe★

日々発見の毎日を、ぽつぽつと綴ります。お菓子作り、フラメンコ、音楽フェス、入院日記。

ある日の病室にて

2009-02-01 17:41:26 | 親のこととか。
母が入院してから今年で八年になる。
父がいた二年前までは毎週病院に行っていたが、いまでは月二回ペース。

この病院は介護向けで医療的な処置が少ない老人が多い。
部屋も清潔で広く静かだ。

静かすぎるこの部屋には、いつもラジオがかかっている。
内容を聞ける人はいない。

今日はニュースで経済の話を延々としている。

気づくと勝手に変えてます。
トークじゃないでしょ。音楽でしょ。
知ってるとか知らないとか関係なく音色をこの部屋は求めてるのよ!

・・・なーんて思いながらとりあえずNack5にした。
なぜかBayFMより入りがよかった。


それから鼻や耳の掃除、顔を拭き、手足の爪を切る。
大判のウェットティッシュやコットンが大活躍。
見えるとこの隅々まで拭きます。

やはり、人がなにかしているのがわかるのか、
目やにを取るときは目を硬くつぶり、眉間にシワがよる。
ひととおり手入れが終わると眉間のシワを指で広げてみる。
仕上げに軽く香水を振る。

たまに目をあけてこちらを見る。見えてるかわからないけど。
手を握る。かなり強い力で握りかえしてくる。

あることに気づいた。
母は、細い人だったが手のひらが厚くふっくらしている。
よくうすっぺたの私の手をもって、
「もっとここに肉つけなきゃだめよ」と言ってたなー。
そもそも手のひらに肉をつけるってどうやるのか・・・
お腹とか顔とかとは違うでしょ。
今も私の手はうすい。
8年も眠ってる母の手はふっくらしてる。


私が頭を近づけるとポンポンたたく。
また来るねと言って手を振ると小さくヒラヒラと振りかえす。

コミュニケーションはこのくらい。
1時間くらいのこと。






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