6月からスタートしたノルウェーツアー プロジェクトが終わった。
今回は、セビージャのフラメンコピアニストLaura de Los Angeles のノルウェーツアー(3箇所)に参加させてもらうことになり、
LauraのCDから数曲を選んで踊って欲しいとのこと。
それから他の彼女の曲のパルマ。
ショーまでの時間が少なかったため、今回は1曲を選んで振付した。
私が選んだのは彼女のファーストアルバムから"El Callejon del agua" という、ブレリアの曲。
ドラマチックで、たっぷりフラメンコ、壮大でエレガンシア、彼女らしさが詰まったとても素敵な曲。
ピアノフラメンコに振付するのも、海外で踊るのも初めての経験で、話が決まった6月下旬~7月の大半は心がざわざわ穏やかでなかったけど、
限られた時間で、私のできうる限りのベストを尽くした。
決してフラメンコを踊るにベストな場所ではなかったけど、なによりすべてのショーが素晴らしい経験だった。
オスロー出身、フラメンコギターリストでシンガーソングライターのBettinaはオスローライブの際にゲスト出演してくれた。
美しいギターと美しい歌声を披露してくれた。
彼女と2曲共演できたことは新鮮だったし、彼女はマドリッド在住なので、これからも何かと縁がありそう。
そしてもう一つのスペシャルなノルウェーロックツアー。
こちらは スタッフとして参加した。
ヨーロッパ、アメリカなど世界中で活躍中のロックミュージシャン、Marcus Bonfanti。
彼はフジロックにもバンドメンバーとして来日したことがあるとのこと。
フラメンコを始めてから長らく、
他の要素が混じってしまうんじゃないかと恐れて、それまで好きだったものをピタリとやめた、
というかそもそも仕事とフラメンコ以外に使う時間がなかった。
でも好きなものは聞いていこうと思った。
強行スケジュールにも関わらず、普段の彼はとってもチャーミングで、落ち着いていて、そしてライブも最高によかった。
バンドの時はロック要素たっぷり、ソロの時はよりブルース。
ギターテクニックもさることながら、とにかく声がいい。
私の主なミッションは彼のセカンドアルバムと6/17にリリースしたばかりのCD "SHAKE THE WALLS" を売ること、その他の雑多をこなすこと。
6つのショーで想定してたより多くのCDが売れて、彼も喜んでいたごようす。よかった。少しでもやくにたてた。
日本でも発売されてるらしいので、ブルース、ロック好きな人はぜひ聞いて欲しい。
iTunes、Amazonでも購入できるもよう。
セカンドアルバムはよりブルースより、最新作はよりロッケンロール。
最後の夜、私たちは朝方までワインを飲んで、ミュージシャン、ライター、ダンサーについて語ったり、それぞれの好きな曲をかけたりしながら、さらにアートのあれこれ、ライフとか、映画とか、音楽評論家についてとか。
彼と出会えてよかった。
8年間、フラメンコ一本気だった私に新しい風を与えてくれた。
7/30にスウェーデンに着いて、
8/1-4がMarcusの弾丸ツアー in Norway, 8/8、10、11がLauraとのツアー in Norway。
こうして、11日間の濃厚な旅を終えたのだった。
1000km以上もの距離を車で移動した。
スウェーデンの森からノルウェーの首都オスローへ、
オスローから小さな街モスへ、
モスからさらに小さな港街フレッドスタッドへ、
フレッドスタッドからスウェーデンの森へ、
スウェーデンからオスローへ、
オスローから森に、
森から街へ、、、
昔読んだon the roadを思い出してみたり。
すべてを終えて帰ってきた翌日、私の腰がいよいよ悲鳴をあげた。
今まさに、療養中。
今回のショーにきてくださった沢山のお客様、
それぞれの場所を提供してくれたダイレクターのみなさま、
スタッフのみなさま、
そして共演したLauraと旦那さまのManuel、
美しきBettina、
合言葉は、Yo Sushi! のMarcos、
そして、全力でこのプロジェクトを企画、サポート、また未熟な私に素晴らしい機会を、沢山のヒントと惜しみない信頼を与えてくれたLars、
本当にありがとうございました。
東京の半OL、半フラメンコな生活を離れて4ヶ月が過ぎ、
いよいよ私のいばらの道の、未知の旅が始まったことを感じた。
スペイン到着から何かとせわしなかったけど、毎日がこってり濃厚で、
一喜一憂、
泣いたり、
感動したり、
腐ったふりしたり、
相変わらず馬鹿らしいこともやめられないけど、
相変わらず美味しいもの食べすぎるけど、
新しい出会いがあったり、
前世について考えたり、
今までは何かを確実にとりにスペインにいくんだと思ってたけど、
東京の生活のなかで本来あったのに消えそうになってた大事なもの、
うまく言えないけど、自分をしっかりと戻して確固たるものにする感覚。
もっと芯を充実させるような。
表面的なものでなく血とか肉とかもっとシンプルなベースを太くしていくようなイメージ。
今回の経験で視点が少し明確になったのかも、
いばらの道はそう簡単な訳ないけどね。
スウェーデンでしばしの休みを取りながら頭の中を整理して、腰を治して、またスペインへ。
9月末から住む家を探す旅に、マドリッドへ。
2013. 08. 12
スウェーデンの森より