坂村健の目
毎日新聞 2022/1/20
厚生労働省の統計不正が発覚し、2019年に全省庁での一斉点検が指示された。それにもかかわらず昨年末、国土交通省でまたもや統計不正が発覚した。問題の基幹統計は統計法でやり方まで規定されており、罰則規定まである。その意味で、厚労省や国交省で起きたことが「不正」であることは明らかだ。
厚労省のときは、「不正」より強い、動機としての「悪意」の存在を感じさせる「偽装」という言葉で多くのマスコミや野党が糾弾した。しかし、その糾弾は効果なく、国交省での統計不正は続けられ、今回の発覚となった。その理由は「悪意」を前提とした糾弾が的外れだったからだろう。最近の第三者調査の報告でも、大きな「悪意」は確認できなかったとある。
そのためか今回のニュースでは、ほとんどのマスコミが表記を「統計不正」に一本化している。今も「偽装」と言い続けているのは、経済が上向いたと「偽装」するための「政権の指示」とか「省庁側のそんたく」といった「悪意」を決めつけたい人々ぐらいだ。
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