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朝木明代市議転落死事件とは

2025年02月19日 23時38分36秒 | 社会・文化・政治・経済

朝木明代市議転落死事件とは1995年(平成7年)9月1日22時頃、東村山市議会議員の朝木明代が西武鉄道東村山駅の駅前のロックケープビル(以下、「本件ビル」という。)から転落死した事件。

警察(東村山警察署)は自殺と断定、事件性はないとされたが、朝木が創価学会の脱会者の救済活動をしていたこと、議会において創価学会・公明党を追及していたことから創価学会による関与を示唆する動きがあり、政界、宗教界、マスコミ、遺族等を巻き込んだ一大騒動に発展した。

また、後にマスコミなどが「転落死事件の担当検事、その上司にあたる支部長検事が創価学会員だったことが判明した」と述べている[1]。

事件の経過
特に出典の記載がないものは下記の文献を出典としている。

東京地裁判決(救急隊判決)(『創価新報』事件判決)[要出典]
宇留嶋瑞郎『民主主義汚染-東村山市議転落と日本の暗黒』ユニコン企画、1998年。ISBN 978-4930695802。
乙骨正生『怪死-東村山女性市議転落死事件』教育史料出版会、1996年。ISBN 978-4876522927。
矢野穂積・朝木直子『東村山の闇』第三書館、2003年。ISBN 978-4807403332。
1995年9月1日
12時30分 矢野とともに「草の根」事務所を出て新宿へ向かう
13時30分 矢野、支持者とともに、東京都議会事務局に向かい「宗教法人法及び関係税法の抜本改正を求める陳情」を提出
13時55分〜14時 矢野とともに知事室秘書事務担当課長と面談  
15時 病院に入院していた担当弁護士と[誰?]万引き事件の件で面会
17時過ぎ [誰?]病院を後にする  
19時5分前 矢野、朝木、草の根事務所に到着
19時15分〜20分頃 支持者が自宅方面に歩いていた朝木を目撃
20時30分頃 薬局店主、「草の根」事務所に向かう朝木を目撃 
21時過ぎ 矢野、草の根事務所に戻る
矢野が事務所に戻った時の事務所の状況
明かりがついている
鍵がかかっている
エアコンがついている
ワープロに電源が入っている
画面に「創価学会問題シンポジウム」のレジュメ
21時19分 朝木が自宅から草の根事務所へ電話。「気分が悪いので休んでいきます」と伝える。
22時前 朝木直子、草の根事務所に電話。矢野より「(明代は)家にいるんじゃないの」と伝える。直子は自宅に電話するが明代は不在
22時頃 ハンバーガー店の店員が本件ビルの裏のごみ置き場に行き、人が横たわっているのを見たが酔っ払いかと思い気にとめず店に戻る
22時30分頃 直子、自宅から草の根事務所に電話
同時刻 ハンバーガー店店長、朝木が倒れているのに気づく
22時33分頃 矢野、東村山署に電話[要出典][2] 
22時42分 ハンバーガー店店長、東村山駅前交番に通報。巡査が現場に駆けつける
22時45分 巡査、救急車の出動を要請 
22時52分 救急車、本件ビル南側路上に到着 
23時10分頃 救急隊と巡査、朝木を救急車に収容 
23時16分頃 救急車、現場を出発 
23時25分 救急車、防衛医科大学校病院に到着
1995年9月2日
0時30分頃 矢野、東村山署に朝木が行方不明と通報。東村山署の刑事が現場に向かうが朝木とは入れ違い。
1時頃 朝木明代、死亡
東村山署の刑事が病院到着、副署長に一報を入れる。副署長は直ちに本件現場に赴き、以後の捜査指揮に当たる警察犬や現場鑑識を要請。
2時40分頃 矢野、東村山署に再度電話
2時50分頃 東村山署から矢野に電話「病院に運ばれた女性は明代の可能性が高い」と伝える
3時頃 朝木直子、矢野が東村山署に到着
4時頃 朝木明代の遺体が東村山署に運ばれ遺体の検案が行われる。
4時45分 朝木直子、矢野らの確認を得て、死亡者が朝木明代であることを確認
7時頃 東村山署副署長は検察官、検視に立ち会った医師、死体の状況、関係者の供述などを総合して検討した結果、事件性は薄いと判断
午前 東村山署ハンバーガー店長へ事情聴取
同 矢野、草の根事務所で記者会見を行い「自殺なんて絶対にするわけない。朝木は殺されたんです」と創価学会の関与を匂わせる
夕方 現場マンション敷地内[どこ?]で鍵を発見
司法解剖鑑定書
司法解剖鑑定書では上肢に以下の損傷を認めるとの記載がある。

左上腕部後面、肘頭部の上左方4cmの部を中心に、2×2.5cmの紫青色皮膚変色部。左上腕部内側下1/3の部に、上下に7cm、幅3cmの淡赤紫色及び淡赤褐色皮膚変色部。加割すると皮下出血を認める。
左手背部、拇指側に小豆大から小指頭大の淡赤褐色皮膚変色部3個、小指側に2×1.5cmの淡赤褐色皮膚変色部を認める。
左第1指中央部手背側、1.5×1cmの淡赤褐色皮膚変色部。左第2指末節部手背側、1×0.5cmと0.7×1.2cmの淡赤褐色皮膚変色部夫々1個。左第2指中節関節部手背側、半米粒大淡赤褐色表皮剥脱。左第3指末節関節部手背側、0.7×0.5cmの淡赤褐色皮膚変色部。加割すると皮下出血を認める。
右上腕部内部、腋窩の高さの下方11cmの部を中心に、上下に5cm、幅9.5cmの皮膚変色部を認める。加割すると皮下出血を認める。
右前腕部内側、肘頭部の高さの下方9cmの部を中心に、上下に5.5cm、幅6.5cmの範囲に栗粒大以下の紫赤色皮膚変色部及び1×1.6cm以下の紫青色皮膚変色部多数を認める。加割すると皮下出血を認めるとある。
自殺説
同事件では自殺とされる根拠や他殺とされる根拠が多数存在している。

警視庁東村山署の発表
事件の捜査に当たった東村山署では下記理由より自殺と断定している

朝木の身長(160cm)なら自力で手すりを越えられたこと。
転落現場の手すりには外側からつかまったとみられる手の跡がついており、突き落とされた形跡はない。他人が突き落としたとすれば放物線を描いておちたはずで、ビルの真下に落ちることはないこと。
「大丈夫ですか」と聞かれて「大丈夫です」と答え、第1発見者に「救急車を呼びましょうか」と聞かれて「いいです」と、救急車の要請を断っている。また朝木の口から被害を訴える言葉もなかった。
衣服や身体に争った跡がない。ストッキングが破れていたのは、現場まで裸足で歩いて行ったものと考えられる。また、事件の現場で、事件の前後には不審な人物や車両の目撃証言がないこと。
東京地検の発表
東京地検では下記理由より自殺と断定している。

マンション[どこ?]の踊り場や着衣に争った形跡がない。
直後に発見した飲食店従業員に「大丈夫です」と答え、「救急車を呼びましょうか」との問いに「いいです」と断っており、危害を加えられたことをうかがわせる言動もなかった。
死亡する数時間前から一人で沈んだ様子で行ったり来たりする姿が目撃されている。
しかし、ストッキングが破れていたことについては、裸足で外出した可能性が強いと発表した。

他殺説、創価学会による謀殺説
遺族関係者による主張
矢野穂積・朝木直子らは、事件直後から[3]

朝木明代は1992年から創価学会および公明党の批判を展開していた(#創価学会・公明党の追及を参照)。また、矢野らによると、創価学会からの脱会者の救済もしていた[4]。
9月3日には高知の創価学会関係のシンポジウムで講演する予定であった
矢野らによると、明代の性格として自殺はあり得ない
事務所・自宅(ともに、転落現場から徒歩数分以内にある)に遺書はなく、事務所は照明・エアコンがついたままで、やりかけの仕事が中断した状態だった。財布等の入ったバッグも置いたままだった。警察や第三者の調査が行われなかった(後述)ため、事件前後の事務所・自宅の状況は、矢野・朝木直子らの証言のみが根拠である(裏付けとなる写真等も公表されていない)。矢野は9時19分までに事務所に戻って朝木明代が自宅からかけた電話を受けた。明代は「ちょっと気分が悪いので休んで行きます」と伝え、矢野は「ハイハイ」と答えた。朝木直子は10時30分頃に自宅と事務所に戻って状況を見ており、事務所は無人だったという[5]。
矢野らによると、事件の2年ほど前から朝木明代や周辺の人物に対する嫌がらせや脅迫(いたずら電話、放火、ポケベルに入った不吉なメッセージと読むことができる数字列、など)があり、一部については創価学会員によることが判明しているという(ただし、その多くは、矢野・朝木直子の証言以外に根拠がなく、これらの事実が争点の1つとなった『東村山市民新聞』名誉毀損訴訟の判決では「事実の存在自体が確定できないものが多い」「仮に事実だとしても、創価学会または創価学会員によると確定できないものが多い」と判断された。)
転落現場の手すりには明代のものと思われる指の跡がある(擦った跡であり、指紋は採取できなかった)。これは、落下に抵抗したことを示している。
などを根拠に

謀殺である
創価学会が関与している
と主張した。

週刊誌・月刊誌などの主張
矢野穂積・朝木直子らは謀殺説をマスコミ取材[6]やライターの乙骨正生を通じて広めた。

謀殺説はマスコミの関心を集め、『FOCUS』(9月13日号)・『週刊現代』(9月23日号)・『週刊新潮』(9月14日号・10月12日号)をはじめ、週刊誌や月刊誌、テレビ・ラジオ番組で謀殺疑惑が取り上げられた。

事件は米国の『タイム』アジア版(11月20日号)の創価学会・宗教法人法改正を扱った記事の導入部でも紹介された[7]。創価学会は『週刊現代』・『週刊新潮』の記事に対する反論を機関紙『聖教新聞』などの学会機関紙上で反論を行なった。

自民党・共産党などの主張
新進党に加わっていた旧公明党勢力と背後の創価学会に対し警戒と攻撃を強めていた自民党[8]や、かねてより公明党や創価学会と敵対関係にあった日本共産党も、この事件に着目した。

そして、1995年11月の衆議院・参議院の「宗教法人に関する特別委員会」においては、穂積良行ら自民党所属の議員が、乙骨正生が『文藝春秋』(11月号)に執筆した「東村山市議怪死のミステリー」や初動捜査を行った東村山署が十分な捜査を行わず自殺の結論を出したことを主な根拠として、転落死事件の捜査手法に疑問を投げかける質問をした[9][10][11]。

質問は、朝木明代が創価学会をきびしく批判追及していて創価学会からの嫌がらせを受けていた
転落死を自殺とするには疑問な点がある
上記にもかかわらず東村山署は副署長を先頭に自殺と決めつけて捜査しているなど矢野・朝木直子らの主張をほぼそのまま紹介していた(政府側答弁では、東村山署が最初から自殺と決めつけていたということは否定されている)。

裁判所の認定
転落死をめぐる名誉毀損裁判の中では「自殺」説を認定する内容、「自殺」説「他殺」説をともに否定する内容、「自殺」説の相当性を認める内容が含まれているが、判決の中で「他殺」説を認定したものは一度もない。

朝木明代の死因は警察・検察の捜査結果によれば自殺のままであり、再捜査は行われていない。

創価問題新聞事件高裁判決(自殺説を認め、他殺説を否定した判決)
「司法解剖鑑定書の記載に加えて、明代の転落前後の状況(明代が転落前に人と争った気配はないこと、明代が転落後に意識があるのに、救助を求めていないこと、明代が落ちたことを否定したこと、明代が転落箇所から真下に落下していること等)を併せ考慮すると、明代が他人に突き落とされたもの(他殺)ではないことがうかがわれる。

以上によれば、本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。」[12]

『潮』事件東京地裁判決 (自殺の真実性を認めず、自殺の相当性は認める。他殺説は認めず)
「これらの事実を総合すると、なお(朝木)明代が自殺したとの事実が真実であると認めるに足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はない」 「もっとも、前記(4)のとおり[要検証 – ノート]、被告Iは、本件記事の作成より以前に本件死亡事件について、本件マンションに赴いて亡明代が自殺したという事実と矛盾するようにみえる亡明代の悲鳴を聞いた人物の存否を探索し、また亡明代が落下した地点が踊り場の真下であること等を確認したこと、(※副署長)を取材して東村山署が本件死亡事件を自殺と断定した旨を聞いたこと、またK医師を取材して、同医師が「足を下にして落下したとは考えられません」とは発言していないことを確認したことが認められるのであり、これらの事実を総合すると、被告Iが現に行った取材の経過及び結果は、亡明代の死亡原因が自殺であることを裏付けるに足りるから、亡明代が自殺したと信じたことには相当の理由があると認められる。」[13]。

『月刊タイムス』事件東京地裁判決(自殺説の相当性を認定する判決)
「朝木が窃盗被疑事件を苦に自殺したことが真実であると信じるにつき相当な理由があったかを検討する。(中略)被告は、平成7年12月22日、本件死亡事件の捜査を担当した東村山署長が、本件死亡事件は犯罪性はないと認定した旨の本件警察発表を行ったことを知ったものであるところ、警察が犯罪性の有無について公式発表を行った場合には通常の場合それが相当程度信用性があるものといえることからすれば、被告会社らにおいて、朝木明代が自殺したと信じるにつき相当な理由があったと認められる」[14]。

転落死事件をめぐる名誉毀損訴訟
創価学会による名誉毀損訴訟・告訴
謀殺疑惑が広まったあと、創価学会は『週刊現代』・『週刊新潮』・『東村山市民新聞』の記事に対して、それぞれ名誉毀損で提訴し(1995年~1997年)、3つとも学会側が勝訴(確定)している。

『東村山市民新聞』では矢野穂積・朝木直子が被告、『週刊現代』の裁判では雑誌関係者と朝木直子父娘、『週刊新潮』の裁判では雑誌関係者のみが被告となった。

『週刊現代』の裁判では、朝木直子らは、一審の途中から「週刊現代の取材は受けていない」「週刊現代が朝木直子らの言葉を捏造した」と主張した。

一審判決では「取材を受けたことは確かだが、名誉毀損となる部分の掲載を完全に了解していたとまでは言えない」とされ、朝木直子らは勝訴、週刊現代だけが敗訴したが[15] 、控訴審判決では掲載を予期・期待していたと認定されて両者ともに敗訴となった[16]。

ただし、判決で命じられた謝罪広告の掲載はされなかった。

『東村山市民新聞』裁判では、矢野・朝木直子は、自殺と断定できないこと、草の根市民クラブが創価学会と対立していたことの根拠を示したが、創価学会が関与したとした根拠を示さず、「万引捏造・謀殺に関与したとは記述していない」と主張した。

しかし、見出し・記事構成により全体として印象づけることを意図したと認定されて敗訴し[17]「貴会が、故朝木明代の万引き事件のねつ造及び同人の殺害に関与した事実は存在せず、右記事は事実に反しているものでした」とする謝罪広告を『東村山市民新聞』126号(2002年5月)第1面に掲載した(ただし、「司法と創価学会の癒着」を告発する証拠としての掲載であった)。

また、万引きでっち上げ説を主張する『東村山市民新聞』の記事も、万引き被害を届け出た店主に名誉毀損で提訴されて(1997年)敗訴している。

瀬戸も矢野・朝木直子に倣って「創価学会による捏造/謀殺」という表現を注意深く避けていた。

しかし、瀬戸の協力者のうち2名は、2009年6月14日に東村山市・東大和市で「創価学会による犯罪、殺人事件」「万引きをしたんだという事件をでっち上げました」との街宣に及び、創価学会から名誉毀損で提訴されるにいたった。

裁判で、2名は、殺人や万引捏造を立証する根拠は示さず、街宣の音量が小さかったことや他者の街宣に相槌を打ったに過ぎないことの主張に力点を入れたが、2010年7月30日 敗訴して連帯での110万円の損害賠償の支払いと指定された地域・内容の街宣の禁止を命じられた(2011年4月21日 控訴審で控訴棄却)。

また、市民運動活動家の瀬戸弘幸に同調した西村修平は、東村山署元副署長が万引の捏造・謀殺の隠蔽をしたという内容の街宣を行い、元副署長に名誉毀損で提訴された。

矢野・朝木直子らは、西村の裁判に密接に協力し、西村から入手した元副署長の準備書面をウェブサイトで公開し俎上に上げた。

西村は、矢野らに提供された書証に全面的に依存しつつも、矢野ら自身は直接の主張を避けている「創価学会による捏造/謀殺・警察と共謀しての隠蔽」の真実性・相当性を主張した。

上腕内側の内出血・矢野の言う「再現写真」も含め、矢野らの挙げる証拠を総動員したが、主張を裏付けるものとは認められずに敗訴し(2010年4月28日)、わずかに、公正な捜査と真相解明を求める側面、個人攻撃だけでなく組織(東村山署)の活動に対する批評としての側面もあると認められて賠償額(10万円)に反映したのみであった。

西村は控訴したが、2010年10月28日に棄却、その後上告したが上告も棄却された。

矢野穂積・朝木直子による名誉毀損訴訟
『聖教新聞』・『創価新報』・月刊誌『潮』・『月刊タイムス』に掲載された万引き・アリバイ工作・自殺を主張・示唆する記事を矢野穂積・朝木直子が名誉毀損で提訴した(1996年~1999年)。

『創価新報』に対するものを除く3つの裁判では、創価学会や雑誌発行者・編集者、執筆者だけでなく、店主や東村山署副署長(当時)も「取材への回答によって名誉毀損に加担した」として責を問い、店主と東京都(副署長の所属する警視庁の所轄自治体)を被告に加えた。矢野らや週刊誌による名誉毀損行為への正当な反論行為であったかどうかが争点となった『聖教新聞』の裁判を除く3つでは、万引き・アリバイ工作・自殺の真実性・相当性が争点となり、いずれも「真実と断定するには足りないものの根拠は十分にあり相当性が認められる」とされた。また、矢野らも、相当性を認めた判決に対して控訴せず、確定するに任せた(ただし、矢野のアリバイ部分についてのみ控訴)。結果として、『聖教新聞』・『潮』・『創価新報』についての請求は全て棄却された。『月刊タイムス』に対しては、後述するように一部の請求(いずれも、万引き・アリバイ工作・自殺の事実認定とは直接関わらない)が認められた。

1998年に宇留嶋瑞郎が『民主主義汚染』を出版し、万引きでっち上げ説・謀殺説と矛盾する多数の事実を記述すると、矢野・朝木直子らは『東村山市民新聞』94号で「余りにひどい内容なので現在、近々提訴予定(原文ママ)」と報じたが、実際には提訴しなかった。

矢野らは、出版前に名誉毀損・誹謗中傷になることを宇留嶋に直接「忠告」し、宇留嶋は訴訟を受けて立つ態度を示したという。

『月刊タイムス』(平成8年2月号)の宇留嶋らが執筆した記事を矢野・朝木直子が名誉毀損で提訴した裁判の地裁判決(2003年11月28日)では、朝木明代と矢野穂積に関する中傷的な表現数ヶ所のみ請求が認容されたものの、万引き・自殺を示唆する記述については相当性が認められて請求が棄却された。しかし、矢野らは控訴せず、宇留嶋らの控訴・上告が棄却されて宇留嶋らの一部敗訴が確定(2005年5月13日)した後になってから「『××汚染』(原文ママ)というこのライターの出版物の主要な柱が確定判決で否定されている」と『民主主義汚染』の内容が裁判で否定されたという誤解を与えかねない広報を行った[18]。

2003年には、宇留嶋が名刺広告恐喝商法事件に関与した疑いがあるかのような印象を与えるべく技巧を凝らした記事を『東村山市民新聞』134号(2003年7月)に掲載した。

記事を宇留嶋に名誉毀損で提訴される(2005年7月)と、「互いに名誉毀損記事または名誉毀損のおそれがある記事を執筆しないことを確約する」との条項を入れて和解することを求めたが、宇留嶋に拒絶され、この条項を入れずに15万円を払って和解(2008年3月)した[19](同内容の別発言も提訴されて敗訴し10万円の賠償を命じられている)。

2007年ごろになると、矢野らは、宇留嶋を「創価御用ライター」と呼び始めたが、宇留嶋に名誉毀損で提訴される[20]と、広辞苑を引用して「御用ライターの定義に『事実を曲げて記述している』は含まれていないから宇留嶋の記述の真実性は争点にならない」と主張した[21]。

救急隊訴訟
「朝木明代が突き落とされて殺された」という主張と並行して、朝木直子らは、朝木明代の死は東京消防庁東村山消防署救急隊の緩慢かつ誤った処置による過失死であるとして、1億4千万という巨額(逸失利益と慰謝料、葬儀代に加え中田康一弁護士らへの報酬1260万円を含む)の損害賠償を求めて1998年に東京都を提訴した。

被告側は朝木明代の司法解剖鑑定書を証拠として提出し、朝木直子らは「鑑定書は死亡から1,023日も経過してから作成され、鑑定人の署名押印がなく、信用できない」と主張したが、東京地方裁判所で請求棄却された(2001年6月29日)[22]。

『判例タイムズ』には、朝木直子らは控訴したが棄却、さらに上告して争ったとある[23]。

東村山署副署長による名誉毀損訴訟
事件当時の東村山署副署長(提訴時は退職)が矢野らを提訴したものも多い。

しかし、これらはいずれも記事や発言による名誉毀損に対して損害賠償を求めるものであり、第一に名誉毀損の成否が検討され、次いで公益性・公共性、そして真実性または相当性(真実相当性、真実と信ずるに足りる事情)が検討された。

万引き事件・アリバイ工作については被疑者死亡で捜査が中断しており、転落死については不明な点が多いため、高度の蓋然性が求められる真実性は、どちらの主張にしても認められたことがなく、訴訟の形式的な勝敗はもちろん、判決中の判断においても、自殺説・謀殺説の真実性を認めた判断は示されていない。

万引き・アリバイ工作・自殺については複数の裁判で相当性が認められているが、万引きでっち上げ・アリバイ工作捏造・謀殺については相当性すら一度も認められたことがない。

ただし、矢野・朝木直子の著書『東村山の闇』や矢野らが実質的に経営している地域FM局多摩レイクサイドFMでの放送の内容を東村山署元副署長が提訴した裁判で「謀殺の可能性を示す証拠がある」ことの相当性は認められたことがある。

特に、元東村山署副署長が矢野・朝木直子らのウェブサイト『創価問題新聞』の記述を提訴した裁判の高裁判決(2009年1月29日)では、「万引き当日の朝木明代の服装」「上腕の内出血」を含む被告側の根拠はことごとく反駁され、万引き冤罪・他殺を信じる相当性はないとされた(矢野・朝木直子らの敗訴・同年7月3日に確定)。

矢野らは「自殺の真実性が確定すること」を「自殺説」、「自殺と完全に認定できないこと」ないし「謀殺の可能性があると信じても止む得ない事情がある」ことを「謀殺説」と定義している。

この定義に基づいて、月刊誌『潮』の記述を名誉毀損として訴えた裁判において自殺説の真実性が認定されなかった(ただし相当性は認定)ことをもって「謀殺説」が認定された、と主張している。

また、上記の『東村山の闇』の記述をめぐる裁判の判決(2009年7月)で「謀殺の可能性を示す証拠がある」ことの相当性が認められたことで、最終的に「謀殺説」が確定したともしている。

脚注
[脚注の使い方]
^ 「週刊新潮」1996年5月2日・9日号 ワイド特集 真相 東村山市議怪死事件の担当検事は創価学会員
^ 『民主主義汚染』によると電話はない
^ 9月3日の『夕刊フジ』は「創価学会追及の急先ぽうの死」として遺族・関係者が他殺を主張していることを大きく報じている。
^ Forum21: 検証―新事実が明らかになった「東村山事件」
^ 「小さな正義を信じて」出張所 朝木直子市議が週刊現代の記者に語ったこと]も参照。
^ 平成7年東村山市議会9月定例会(1995年9月21日)で、矢野は質問中に脈絡なく「私も連日マスコミ対応に追われてまして」と発言している。
^ 11/20/95 INT/JAPAN: THE POWER OF SOKA GAKKAI。矢野は、市議会平成7年12月定例会で「米国タイム誌が写真入りで朝木明代の事件と創価学会に関する特集記事をトップで掲載」と紹介している(平成7年東村山市議会12月定例会(1995年12月21日))。
^ この時期は、自公民路線(~1993)と自公連立政権(1999~)の狭間にあたる。細川・羽田両連立政権に加わり、前年1994年に村山内閣の成立で野党に転落した公明党は、同年末に新生党・民社党などとともに新進党の結成に加わっていた。
^ s:衆議院第112回国会 宗教法人に関する特別委員会第5号 (朝木明代市議転落死事件)
^ 衆議院会議録情報 第134回国会 宗教法人に関する特別委員会 第5号
^ 参議院会議録情報 第134回国会 宗教法人等に関する特別委員会 第6号
^ 平成20年(ネ)第2746号
^ 東京地裁判決 平成9年(ワ)第12860号
^ 東京地裁判決 平成10年(ワ)第30308号
^ 週刊現代事件 第一審判決[出典無効]
^ 週刊現代事件 控訴審判決[出典無効]
^ 『東村山市民新聞』側が名誉毀損で全面敗訴(月刊TIMES 2001年5月号)・控訴審でも敗訴した『東村山市民新聞』(月刊潮 2002年3月号)
^ 東村山市民新聞ウェブサイト:警察捜査結果(自殺)を否定した最高裁確定判決と警告を受けた「ライター」
^ ブログマガジン エアフォース 名刺広告強要事件
^ 東村山市民新聞ウェブサイト:あきれた提訴!?
^ 「創価御用ライター」という意味がわかっているのでしょうか?。

なお、宇留嶋が瀬戸弘幸に「創価御用ライター」呼ばわりされたにもかかわらず、市議会の傍聴席で同席したときに反論しなかったことから、本人も「創価御用ライター」であると自認している、としている(事件発生当時の東村山署のあの千葉英司元副署長と「ライター」の関係は?)。

裁判は、矢野らが「原告の名誉を毀損するものではなかったが、必ずしも、適切ではなかったことは認め、遺憾の意を表する」ことにより和解し、矢野らはウェブサイト上の「創価御用ライター」を「創価擁護記事ライター」に置き換えた。
^ 救急隊国賠事件 第一審判決
^ 1104号163頁。医療判例ダイジェスト 2002年10月~12月分
参考文献
宇留嶋瑞郎著『民主主義汚染』 ユニコン企画/長崎出版、1998年。ISBN 4-930695-80-5
矢野穂積・朝木直子著『東村山の闇 :「女性市議転落死事件」8年目の真実』 第三書館、2003年。ISBN 4-8074-0333-8
乙骨正生著『怪死』 教育史料出版会、1996年。ISBN 4-87652-292-8


長井秀和氏に賠償命令 創価学会の名誉毀損認定

2025年02月19日 23時17分17秒 | その気になる言葉

2025/02/19 19:07 共同通信

 タレント活動をしていた東京都西東京市議の長井秀和氏が、2022年の市議選の街頭演説で創価学会の名誉を毀損する発言をしたとして、学会が長井氏に1100万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、名誉毀損を認め、22万円の支払いを命じた。長井氏側は控訴を検討するとしている。

 判決によると、長井氏は22年12月、西武新宿線田無駅前で候補者として演説。近隣自治体の市議だった女性が1995年に転落死したことに関し「これはもう他殺ですよ」「こういうようなことをですね、平気で行ってきたのが創価学会でございます」などと発言した。

 

 


自己免疫疾患肝炎

2025年02月19日 22時41分16秒 | 医科・歯科・介護

自己免疫性肝炎(指定難病95)

じこめんえきせいかんえん
 

1.どのような病気ですか?

自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は、多くの場合には慢性に経過する肝炎で、肝細胞が徐々に障害されます。血液検査では肝臓の細胞が破壊される程度を表すASTやALTが上昇します。自己免疫性肝炎が発病するのには免疫の異常が関係していると考えられています。中年以降の女性に好発することが特徴です。原因がはっきりしている肝炎ウイルス、アルコール、薬物による肝障害、および他の自己免疫疾患による肝障害を除外して診断します。また、治療では副腎皮質ステロイドが有効です。英語での病名はAutoimmune hepatitisであり、頭文字を略してAIH(エー・アイ・エッチ)と呼ばれます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

私たち研究班が2004年に行った調査では、全国に9,000人程度(人口10万人当たり9人)の患者さんがいると推定されましたが、2018年に再度行った調査では全国の患者数は推定30,000人(人口10万人当たり24人)であり、この14年間で患者数が約3倍に増加していました。

3. この病気はどのような人に多いのですか

自己免疫性肝炎と診断される患者さんの男女比は1:4で、女性に多い病気です。中年女性に多く50歳から60歳代が発症の中心となっていますが、若い女性や小児での発症も珍しくはありません。近年の傾向として男性の患者さんが以前よりも増えており、また高齢化の傾向が見られています。

4. この病気の原因はわかっているのですか

原因は不明です。血液検査で 自己抗体(じここうたい)

">自己抗体 ( 抗核抗体(こうかくこうたい)
細胞中の核に対する自己抗体のこと。核の構造への反応パターンが幾つかあり、そのパターンで核のどの成分に反応しているかを推定する。膠原病の多くの患者が陽性となるが、健常人でも弱陽性となることがあります。
">抗核抗体
 や抗平滑筋抗体)が陽性で 免疫グロブリン(めんえきぐろぶりん)
からだの中のたんぱく質の一種。抗体としての働きがあります。
">免疫グロブリン
 、ことにIgGの血中濃度が高く、副腎皮質ステロイドによる治療によく反応することなどから、自己免疫が関与していると考えられています。肝臓の組織検査でもリンパ球が多数肝内に存在し、肝細胞が障害されている像が認められます。ウイルス感染や薬剤服用、妊娠・出産後に発症する場合もあり、これらが発症の引き金となる可能性が報告されています。

5. この病気は遺伝するのですか

遺伝することはありませんが、日本人では60%の症例でHLA-DR4陽性、欧米ではHLA-DR3とHLA-DR4 陽性例が多いことから、その発症に何らかの遺伝的因子が関与していると思われます。しかし、PBCとは異なり、AIHの発症に関与する遺伝子は見つかっていません。親子や兄弟など家族内で発症する例もありますがごくまれです。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

通常は自覚症状がなく、健診などで偶然発見されることが多いようです。 

全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん)

">全身倦怠感 、疲労感、食欲不振などの症状を訴える方もおられます。

急性肝炎として発症する場合は、倦怠感、 黄疸(おうだん)

">黄疸 、食欲不振などの症状がみられますが、自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありません。病気が進行した状態で発見される場合もあり、肝硬変へ進行した状態では、下肢のむくみ、腹水による腹部の張りや吐血(食道静脈瘤からの出血)などの症状がおきることがあります。

治療の基本は免疫抑制薬の内服で、まず副腎皮質ステロイドという飲み薬を使用します。副腎皮質ステロイドであるプレドニゾロンを、発症時には30~40mg/日(病状が重い場合には50~60mg/日)服用します。これによって肝機能検査値は改善しますので、推移を見ながらプレドニゾロンの量を5~10mg/日までゆっくり減らします。治療の目標は肝機能検査値、ことにALTとIgGの正常化です。当初から、あるいはプレドニゾロンの減量中に、アザチオプリンという別の薬を50~100mg/日で一緒に服用する場合もあり、これによってプレドニゾロンの減量を早めたり、中止したりできる場合があります。ただ、副腎皮質ステロイドあるいはアザチオプリンを両方とも完全に中止すると、多くの場合、自己免疫性肝炎が 再燃(さいねん)

">再燃 し、肝機能検査値が再び悪化してしまうため、数値が安定する最低量のプレドニゾロンないしアザチオプリンを維持量として、長期間内服する必要があります。減量の途中、あるいは維持量内服中に病気が再燃した場合は、副腎皮質ステロイドの増量やアザチオプリンの併用を考慮します。
副腎皮質ステロイド内服中は、消化性潰瘍、満月様顔貌、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症などの副作用が出現することがあります。アザチオプリンは比較的副作用の少ない薬ですが、それでも血液の中の白血球・血小板の数が急激に減ってしまうことがあります。これら副作用についてもよく理解し、病態に応じて予防薬投与を受けることも大切です。ことに中年以降の女性の方は骨粗鬆症を発症するリスクが高いので、定期的に骨密度検査を受け、低下している場合には骨密度を改善する薬が必要になります。副腎皮質ステロイド・アザチオプリンなど免疫抑制薬の自己判断による中止は自己免疫性肝炎の再燃につながるため、きちんと服用することが大切です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

発症はとてもゆっくりであり、自覚症状も軽い場合が多いため、通常ご自分で発症に気がつくことはなく、健康診断などで偶然に発見されることがしばしばあります。しかし、治療を行わないとその進行は早く、肝硬変から肝不全に至ることも稀ではありません。適切な治療を施された患者さんのほとんどでは、肝臓の 炎症(えんしょう)

">炎症 が速やかに改善し、進行もみられなくなります。日本での調査では、適切な治療を受け、肝機能検査値が安定している自己免疫性肝炎患者さんの長期 予後(よご)
病気になった後の結果のこと。
">予後
 は良好で、死亡率は一般人口の死亡率と差のないことが示されています。ただ、頻回に肝機能検査値が悪化する患者さんの中には予後不良な方も存在し、肝不全や肝細胞癌を発症する場合があります。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

自己免疫性肝炎の治療には副腎皮質ステロイドが使用されますが、副作用として食欲 亢進(こうしん)

">亢進 や肥満、糖尿病、脂質異常症が出現することがあります。したがって、食事の量に気をつけ、高カロリー食を避け、体重が増えないようにすることが大切です。比較的多量(15~20mg/日以上)のプレドニゾロンを内服している場合には、何らかの病原体に感染するリスクを避けるため、人の多いところへ出かける時にはマスクを着用したり、粉塵の多い場所を避けたりすることが必要なこともあります。一方、維持量(5~10mg/日)のプレドニゾロンの内服であれば感染を含め日常生活で特別な注意は不要ですし、仕事・旅行なども制限はありません。

予防接種については、不活化ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌、B型肝炎など)やトキソイドワクチン(ジフテリア、破傷風など)、mRNAワクチン(新型コロナウイルス感染症)は接種可能です。副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬での治療中には予防効果が少ないことがありますが、その反面ワクチンを接種せずインフルエンザなどに感染してしまった場合、免疫抑制薬の影響で重症化してしまう危険もありますので、ワクチンを接種されることをお勧めします。一方、生ワクチン(麻疹、風疹、おたふくなど)は、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬を服用している場合は、原則として接種できません。

自己免疫性肝炎は、妊娠中は病気の落ち着くことが多いですが、出産後に病気が悪化し肝機能検査値が上昇する場合がありますので、主治医の先生および産科の先生とよく相談してください。5~10mg/日程度の副腎皮質ステロイドの服用は妊娠・出産には影響はないと考えられています。アザチオプリンについては、以前は妊娠中には服用してはいけない薬と位置づけられていましたが、比較的安全であることが確認され、2018年7月から治療上必要な場合には妊婦の方が服用することもできるようになりました。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

該当する病名はありません。

11. この病気に関する資料・リンク

厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班では研究班のホームページを作成しています(http://www.hepatobiliary.jp/)。ここでは病気・医学用語に関する解説に加え、患者さん・一般の方から質問を受け付けるメールアドレスを記載しています。お気軽にご利用ください。

患者さん・家族のための自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック(第2版)(pdf 7.74MB)

AIHガイドライン2021版 最終版2022.9._22.pdf (hepatobiliary.jp)

 

 

7. この病気にはどのような治療法がありますか


「反省も後悔もない」木嶋佳苗死刑囚

2025年02月19日 20時47分12秒 | 事件・事故

30キロ減達成の獄中ダイエット論を有料公開に怒りの声

配信

 

《何の反省も後悔もしてないんだろうな》


筧千佐子の時間差殺人事件

2025年02月19日 20時31分04秒 | 事件・事故

青酸連続殺人事件 筧千佐子死刑囚が死亡

京都、大阪、兵庫で4人の男性に青酸化合物を飲ませ、3人を殺害した罪などで死刑が確定し、大阪拘置所に収容されていた筧千佐子死刑囚が26日収容されている大阪拘置所から病院に搬送され、死亡しました。

筧千佐子死刑囚(78)は、2007年から2013年にかけて京都、大阪、兵庫で夫や内縁関係などにあった4人の高齢の男性に青酸化合物を飲ませ、3人を殺害した罪などに問われ、3年前の2021年に死刑が確定しました。

法務省によりますと、26日午前、職員の呼びかけに反応がなかったため、収容されている大阪拘置所から病院に搬送され、その後死亡したということです。

筧死刑囚は兵庫県伊丹市の当時75歳の男性が死亡した事件についておととし、京都地方裁判所に裁判をやり直すよう求めましたが、裁判所はことし3月、認めない決定を出しました。

死刑囚側はこの決定を不服として即時抗告し、大阪高等裁判所で審理が行われていました。

死刑囚からの手紙に「どこでくらしても、女ですもの」と…夫や交際相手11人の死亡で逮捕された筧死刑囚(78)との最後の面会
近畿連続青酸死事件#2

安心の労働環境さらに

2025年02月19日 13時32分32秒 | 社会・文化・政治・経済

>2025年 2月 18日 公明新聞

厚労省の報告書が示す三つの柱
2025/02/18 3面
 誰もが安心して働ける労働環境の整備について議論を重ねてきた厚生労働省は、▽女性従業員の健康診断の充実▽職場のメンタルヘルス対策▽高年齢労働者の労働災害防止――などを柱にした報告書を1月17日にまとめた。同省は開会中の通常国会に関連法の改正案を提出する予定だ。主な施策のポイントについて解説する。

■(女性の健康)生理や更年期障害などを企業健診の問診票に追加

 働く女性が増える中、女性従業員の健康を守る企業の取り組みが重要性を増している。生理や更年期障害など、女性は人生の各段階でさまざまな健康課題に直面しているからだ。

 このため報告書では、労働安全衛生法に基づき企業が従業員向けに実施している定期健康診断(健診)において、女性の健康課題に関する質問を問診票に追加するとした。

 具体的には「女性特有の健康課題(月経困難症、月経前症候群、更年期障害など)で職場において困っていることがありますか」といった質問を想定。健康課題があると答えた人に対しては、健診を担当する医師から、必要に応じて産婦人科など専門医への早期受診を勧めたり情報提供する。本人の気付きを促すとともに、健康課題に対する配慮について職場で申し出を行いやすくする狙いがある。

 質問に対する回答は、健診機関から事業者に提供しないこととする。その上で、困っている従業員への対応について、健診機関と事業者それぞれに指針などを示す方針だ。

 厚労省は健診の問診票における項目の追加に関し、2026年度からの実施に向けた通達の発出をめざしている。一方、男性の更年期障害については、さらなる医学的知見の集積を踏まえ必要に応じて検討する。

 公明党は23年5月に女性委員会が政府に申し入れた「すべての女性のためのトータルプラン」の中で、更年期障害に関する項目を健診に追加することなどを提案。厚労省の検討会の設立につながり、健診内容の見直しに向けて議論が重ねられてきた。

■(メンタルヘルス)ストレスチェックの実施、50人未満含む全事業所で

 過去1年間にメンタルヘルスの不調により、連続1カ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10・4%に上っている(厚労省の23年実態調査)。労働者が心の不調を未然に防ぎ、健康で働き続けるためには職場のメンタルヘルス対策の推進が欠かせない。

 ストレス度合いを把握する上で有効な手段の一つが「ストレスチェック制度」だ。そこで報告書では、制度の義務化の対象を「労働者が50人以上の事業所」から「全事業所」へと拡大。小規模な事業所の実施率向上をめざす。

 なお、50人未満の事業所で実施するに当たっては、労働者のプライバシーを保護する観点から原則、外部委託を推奨。事業所の負担を軽減するため、労働基準監督署への結果の報告義務は課さないとした。

 厚労省は今後、医師による高ストレス者への面接指導に対応する「地域産業保健センター」の体制充実など、50人未満の事業所に対して支援策を講じる。その上で、事業所の負担に配慮し、実施には十分な準備期間を確保するとしている。

■(高年齢労働者)増加する労災。職場の段差解消や作業見直しへ指針

 働く高齢者の増加を踏まえた就労環境の整備も重要だ。報告書では、厚労省がおおむね60歳以上とする高年齢労働者の労働災害を防ぐため、特性に配慮した作業環境の改善や適切な作業の管理などについて、事業者の努力義務とするとした。

 高年齢労働者は若年世代と比べて、労働災害の発生率が高い傾向がある。厚労省によると、23年の労働災害に関する死傷者数(休業4日以上)は約13万人に上った。そのうち60歳以上が占める割合は29・3%で年々上昇傾向にある。

 厚労省は今後、高年齢労働者の労働災害防止へ事業者が適切な取り組みを実施するため、必要な指針の公表をめざす考えだ。職場の実情に応じて、職場内の段差解消や手すりの設置、作業内容の見直しなどが一層進むことを期待している。

 高年齢労働者の労働災害防止に関する施策を巡って厚労省は、メンタルヘルス対策と合わせて、今国会に労働安全衛生法改正案の提出を予定している。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 


強盗、特殊詐欺など“闇バイト”犯罪の撲滅へ 公明党

2025年02月19日 13時27分47秒 | 社会・文化・政治・経済
  • 2025年2月6日

強盗、特殊詐欺など“闇バイト”犯罪の撲滅へ

募集投稿は「違法」と明確化 
仮装身分捜査を導入、体制強化も

“闇バイト”などによる強盗や特殊詐欺といった犯罪の撲滅に向け、政府は昨年12月、「緊急対策」を取りまとめ、SNSの監視強化や新たな捜査手法の導入を進めている。東京都など自治体による防犯対策も加速している。犯行の実態とともにまとめた。

■(犯行の実態)SNSで実行犯募る/首謀者ら 直接手を染めず摘発逃れ

“闇バイト”による犯罪の特徴は、犯行グループの中核となる首謀者・指示役が犯行に直接手を染めず、実行犯は別に存在することだ。

実行犯はSNSなどで募集され、それに応じると、秘匿性が高い「シグナル」などの通信アプリを通じ、身分証明書や顔写真といった個人情報を送信させられた上で指示役から指図を受け、強盗や特殊詐欺などを実行する。犯行グループから抜けられないように脅迫する材料として、個人情報が使われるケースもある。

警察庁は、SNSに投稿される闇バイト募集に対し、警告や削除要請などの対策を実施しているが、SNS上での募集投稿は後を絶たない。十分な本人確認もなく利用できるSNSが多く、投稿者の特定が困難といった課題がある。

また、秘匿性の高い通信アプリは海外の事業者が提供しており、情報開示を求めても十分な情報が得られず、首謀者らの特定に至っていない。

実際、昨年8月以降、東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県で18件の“闇バイト”による強盗事件が発生し、46人が摘発されたが、いずれも実行犯で、首謀者・指示役は一人も捕まっていない。

実行犯の多くは20歳代以下の若年層。金銭的な動機から、安易に応募し、個人情報を送ってしまうなど、危険性への認識や、情報を読み解く能力の欠如が指摘されている。

■(国が緊急対策)

政府の緊急対策では、SNS上に氾濫する募集情報への対応として、闇バイトを示唆する内容や、募集者の名前や業務内容などの記載がない投稿を明確に「違法情報」と位置付け、SNS事業者に削除を求める。加えて、SNSでアカウントを開設する際の本人確認の厳格化を事業者に要請するとともに、海外事業者などに、日本向けの法人窓口を設置するよう働き掛ける。

捜査体制の強化に向けては、人員の増員や資機材の充実に加え、新たな捜査手法として、警察官が架空の身分証明書を使ってSNS上の募集に応じることで、摘発や募集の抑止をめざす「仮装身分捜査」を導入する。

また、闇バイトによる強盗などで盗まれた金品は、公園など防犯カメラが設置されていない場所で受け渡され、“証拠”が得られないことも多い。

そこで、2024年度補正予算に盛り込まれた自治体向けの交付金を活用。「新しい地方経済・生活環境創生交付金」で、地域における防犯カメラの設置や青色回転灯の防犯パトロール車(青パト)の整備などを進めるとともに、「重点支援地方交付金」で、個人が設置する防犯カメラなどへの支援も推進する。

公明、不安除去へ国会などで訴え

公明党は闇バイト対策強化へ、昨年12月の参院代表質問で竹谷とし子代表代行が、募集情報の即時削除や防犯カメラ・青パト整備への支援を求め、石破茂首相から「サイバーパトロールなどの取り組み強化」「防犯対策の支援」などを進めるとの答弁を引き出していた。

党内閣第一部会(部会長=窪田哲也参院議員)も、若年層が安全にSNSを利用できる環境整備や、個人を対象とした防犯カメラの設置補助などを政府に要請してきた。

窪田部会長は「闇バイトの被害は、国民の身近なところで起きている。不安を取り除くため、国・地方の公明議員が一丸となって取り組んでいく」と語る。

■(東京都、公明提案実る)“個人宅へ防犯カメラ”に補助

闇バイトなどによる犯罪の対策として、東京都は2025年度予算案に、個人住宅への防犯カメラ設置などを支援する補助事業を盛り込んだ。

対象となるのは、防犯カメラやカメラ付きインターホン、窓ガラス用防犯フィルムなどで、1世帯当たり2万円を上限に、購入費の半額を補助する。補助は、区市町村を通じて実施される。

都議会公明党(東村くにひろ幹事長)は、昨年12月の代表質問で「個人住宅などへの防犯設備の補助を実施すべきだ」と求めるなど、都民の安全・安心につながる対策強化を訴えていた。

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<闇バイト>犯罪の撲滅を

2025年02月19日 13時25分05秒 | 事件・事故

闇バイト撲滅に向け対策強化
石破総理に緊急提言を申し入れ

石破茂総理(中央)に緊急提言を手渡す高市早苗会長(左から2人目)ら党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会の役員

SNSを通じたいわゆる「闇バイト」を利用した手口の犯罪が、特殊詐欺のみならず強盗等にまで拡大します。これを受け、党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会は「国民の安全・安心を守り抜く」との考えの下、闇バイト対策の強化に関する緊急提言を策定、12月10日、石破茂総理に申し入れました。
緊急提言は政府が当面取るべき対策として(1)新たな捜査手法の確立(2)SNS等を利用した犯罪の捜査における隘路(あいろ)への対策(3)いわゆる「闇バイト」等募集情報への対策(4)防犯体制・広報啓発の強化(5)サイバー犯罪対策に係る体制の充実・強化―を掲げました。
このうち、新たな捜査手法として、警察官が身分を隠して犯罪組織に接触する「仮装身分捜査」を提案しました。
犯罪実行役に応募する際、仮装の身分証等を準備する行為等が刑罰法規に触れる可能性があるが、闇バイトの問題に緊急に対応する必要があることを踏まえ、早急に現行法の範囲内で実施可能な仮装身分捜査の在り方を検討するよう要望。
さらに形式的に法令に触れる可能性があるものであっても、刑法上の正当行為と位置付けられ得る捜査活動については早期に実施すべきとしました。 
また、闇バイトは匿名性の高い通信アプリを利用してやり取りが行われていることから、インターネットサービスの提供事業者に本人確認の厳格化を要請し、適切なルールを確立するよう提言。違法有害情報の削除の義務付けやルールを順守しない事業者には、国内でのサービス提供禁止を含め、有効な対策を検討すべきとしました。
加えて日本国内で通信サービスを提供する外国事業者等については、日本法人等窓口を設置させ、照会への回答等必要な情報が迅速にやり取りさせる環境を整備するよう求めました。


信頼こそ生命の誉れだ

2025年02月19日 12時47分48秒 | その気になる言葉

▼希望と使命感ほどこの世に強いものはない。

▼ささやかな一言が人間を善く変えられる。

▼人間が大成していくうえで、不可欠なものは、悩むということである。

「<悩力>を身につけることこそ、人間の道を究めていくうえで、必須の条件」

共に悩み、祈り、心を尽くす中に、自身の成長も地区発展もある。

▼礼儀と誠実、真心の配慮―常識豊かな、人間性あふれる振る舞いにこそ、人間主義の精神は脈動する。

信頼こそ生命の誉れだ。

▼教育の役割、世界や社会で活躍する人材を育むことだ。

▼根は見えない。

だが、大樹や花を見て、地中深く張った根を想像することはできる。

▼子ども同士の「遊び」こそ、数値には表せない「非認知能力」を伸ばすカギだ。

具体的には、1)人とうまく関わる力2)困難を乗り越える力3)自己を高めていく力だ。

外遊びする子どもほど幸福度が高くなるそうだ。

だが、近年、遊ぶ「時間」「空間(場所)」「仲間」という<三つの間>を失っている。

「非認知能力」とは IQや学力といったテストなどで評価している能力を「認知能力(cognitive skills)」と言います。 一方、物事に対する考え方、取り組む姿勢、行動など、日常生活・社会活動において重要な影響を及ぼす能力を「非認知能力(non-cognitive skills)」と言います。


悩む力

2025年02月19日 12時19分27秒 | 社会・文化・政治・経済

 
あなたは100年前の漱石と同じ壁にぶつかっている!悩みぬいて強くなる著者初の生き方本
情報ネットワークや市場経済圏の拡大にともなう猛烈な変化に対して、多くの人々がストレスを感じている。
格差は広がり、自殺者も増加の一途を辿る中、自己肯定もできず、楽観的にもなれず、スピリチュアルな世界にも逃げ込めない人たちは、どう生きれば良いのだろうか?
本書では、こうした苦しみを百年前に直視した夏目漱石とマックス・ウェーバーをヒントに、最後まで「悩み」を手放すことなく真の強さを掴み取る生き方を提唱する。現代を代表する政治学者の学識と経験が生んだ珠玉の一冊。生まじめで不器用な心に宿る無限の可能性とは?

[著者情報]
姜尚中(カン サンジュン)
一九五〇年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。
東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史。
著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ』『ナショナリズム』『東北アジア共同の家をめざして』『日朝関係の克服』『在日』『姜尚中の政治学入門』 『愛国の作法』『ニッポン・サバイバル』ほか。共著に『ナショナリズムの克服』『 デモクラシーの冒険』ほか。
 
「悩む力」にこそ、生きる言葉への意思が宿る。
 
在日韓国偉人として国籍や民族の問題に悩み「私」とは何者かを問い続けてきた。
 
その姿勢は年齢を重ねても変わらない。
すると周囲から「若い」と言われることが増えた。
「青春のときの要素をいまだにもっているからでしょう」
 
 

『草枕』を紐解く?

■ 【分り易い?分かり難い?】
著者は、九つのテーマの元に現代社会の抱える問題
(競争社会、危ういセーフティーネット、拡大する格差社会など)に苦悶する人々への「悩む力」が持つ意味を分り易い言葉で展開しております。

「分り易い」とは言っても、「微睡」、「沈淪」、「'眼」、「桎梏」などや「レイトカマー」、「アンビヴァレント」、「エートス」など難しい語彙は出てきますが?

■ 【漱石とウェーバープラス著者の体験】
九つのテーマとは、(実際の章立てとは違いますが、分り易く書くと次の具合です。)
自我・金銭・情報通・青春・宗教・労働・愛・自殺・老い
これらについて、凡そ、90年前に亡くなった文豪・夏目漱石、社会学者・マックス・ウェーバ^らの著作を手掛かりに、自らも迷える体験を交えて展開しております。

■ 【九テーマは、『智・情・意』】
上記の九つのテーマは、順不同で前後の繋がりも不明で、大変分かり難い章立てになっております。

しかし、本書では引用の無い漱石作品『草枕』の冒頭に出てくる有名なフレーズにある『知・情・意』に当て嵌めると、それぞれのテーマを選んだ理由も納得出来そうです。参考までに、「草枕」の冒頭を次に引用してみます。

「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

■ 【セカンドライフは、アートだ!】
正に「草枕」の舞台は、漱石の郷里であり、著者の郷里なのです。

(本書を著作する動機は、「草枕」では?)更に、「草枕」の上記の文章は次のように続きます。

「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。」

これは、著者が終章で、自分の第二の人生は役者或いは、映画監督になりたいものだという発露を示唆するフ
レーズではないでしょうか?

 

『自由になったから、見えにくくなったものがある。』

姜尚中さんが現在NHK教育(ETV)のシリーズを拝見しております。 そのなかでこの本が度々紹介されるので興味を持ち、購入してみました。

私は30代半ばで、壁に突き当たっております。 現状から抜け出す為、何かを得られるのではないかと思い読み進めました。  ざっとであれば、3時間程度で読み終えることができると思います。 

本書は自由を手にした現在の人々が直面している淋しさ・孤独についての本であると理解しました。

正直なところ、前半はあまり面白くありませでしたが、P. 97の『「信じる者」は救われるか」の章から最後までにいくつか参考になることが書かれていました。 最終章『老いて「最強」たれ』は普段の姜さんのイメージから大きくかけ離れた夢が語られていたので、驚きと同時に楽しい気持ちになりました。

現時点で80万部も売れているそうですが、80万人に役に立つ内容ではないと思います。

この本がきっかけで何かを始めていくことができた方もいると思いますが、特に目新しい考え方が示されているわけではないので、社会が変わるきっかけになる、とまではいかないように思います。

異常に売れたのは、もしかすると姜のルックスと、韓流ブームのおかげなのかもしれませんね。。。

***

P. 53 『彼らに共通しているのは、みな時代に対してなにがしかの不満を持ち、不満を持ちながら、どこかあきらめているということです。 そして、彼らはみな、世の中で幅をきかせている資本主義というものに疑問の目を向けながら、同時にどこか達観したところがあります。 つまり、「金次第の世の中というのは汚いものだ、いやなものだ」と思いながら、同時に「そうは言って、時代の趨勢であり、やむをえない」とも思っているわけです。』
P. 63 『結局は漱石たちと同じように、できる範囲でお金を稼ぎ、できる範囲でお金を使い、心を失わないためのモラルを探りつつ、資本の論理の上を滑っていくしかない―と言ったら、平凡過ぎるでしょうか。』
P. 85 『時代は不幸な方向に向かっている。 その流れを変えることはできない。 自分も所詮はこのなかで生きていくしかない。 そうは言っても、どうしたらいいのかわからない。」

日本はこれだけ酷い状況なのに、例えば革命でもやらかそうという人間はほぼ皆無ですね。 皆醒めている。 しかも、「心を失わないためのモラル」すらないのでますますめちゃくちゃな社会になっていくのでしょう。

***

P. 100 宗教とは『個人が属している共同体が信じているものだったのです。』『ゆえに、「私は何を信じたらいいのかという問い自体が生まれてきません。』
P. 136 『不自由だからこそ、見えていたものがあった。 自由になったから、見えにくくなったものがある。』

その通りですね。

P. 123 『社会での繋がり』とは『(ねぎらいのまなざしを向けること)』。
P. 156 『相互承認のなかでしか、人は生きられません。 相互承認によってしか、自我はありえないのです。』

これは姜さんの独自の表現だと思いました。 “アテンション”などという妙なカタカナ語は使わない方が良いと思いますが。

***

なお、私は17年くらい前、大学生だったころに立教大学で姜さんの国際政治学の授業を受けたことがあります。 あの調子で低い声でぼそぼそとお話になっていたので、おそろしくつまらない授業でした。(苦笑) 後にこれだけ有名になるのであれば、サインのひとつも頂いておけばよかったです。
もっと少なく読む
考え尽くされたhow to liveだ

重苦しいとの予想に反し、突き抜けていた。明快な結論にかんしゃしたい。
生きる本質に迫る本!

悩むことが生きること。勉強になりました。

 

心が震えました。

先の3か月は人生で経験したことがないほど、辛く苦しい日々でした。
どうして私ばかりこんなにも苦しいのだろうと悩み、
生きている意味がよくわからなくなってきてました。

しかし、この本を読むと「それでもいい」、「悩むことは正しい」と
肯定されてすごく気持ちが晴れやかになりました。

今も悩んでますが、前向きな気持ちになれました。

難しい言葉が多いですが、かみしめて読み進めています。


買って後悔しました。

難しいことを、誰にでもわかる文章で書くのが本当に頭がいい人だと思います。
悩む力」とは乖離した内容

TVで作者の理路整然とした話し方に共感を覚え購入したが
あまりに夏目漱石に関する内容に終始しており表題の「悩む力」はどこに?という疑問が読中、読後ともあり正直がっかりした。



言葉の番人

2025年02月19日 11時53分21秒 | 社会・文化・政治・経済

 
校正者の精緻な仕事に迫るノンフィクション。
日本最古の歴史書『古事記』で命じられた「校正」という職業。校正者は、日々、新しいことばと出合い、規範となる日本語を守っている「ことばの番人」だ。
ユーモアを忘れない著者が、校正者たちの仕事、経験、思考、エピソードなどを紹介。
「正誤ではなく違和」「著者を威嚇?」「深すぎる言海」「文字の下僕」「原点はファミコン」「すべて誤字?」「漢字の罠」「校正の神様」「誤訳で生まれる不平等」「責任の隠蔽」「AIはバカともいえる」「人体も校正」……
あまたの文献、辞書をひもとき、日本語の校正とは何かを探る。

【本文より】
文章は書くというより読まれるもの。読み手頼みの他力本願なのだ。世の中には優れた書き手などおらず、優れた校正者がいるだけではないかとさえ私は思うのである。

【目次より】
第一章 はじめに校正ありき
第二章 ただしいことば
第三章 線と面積
第四章 字を見つめる
第五章 呪文の洗礼
第六章 忘却の彼方へ
第七章 間違える宿命
第八章 悪魔の戯れ
第九章 日本国誤植憲法
第十章 校正される私たち

【著者略暦】
髙橋秀実 (たかはし ひでみね)
1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒業。
テレビ番組制作会社を経てノンフィクション作家に。『ご先祖様はどちら様』で第10回小林秀雄賞、『「弱くても勝てます」開成高校野球部のセオリー』で第23回ミズノ スポーツライター賞優秀賞を受賞。
その他の著書に『TOKYO外国人裁判』『ゴングまであと30秒』『にせニッポン人探訪記 帰ってきた南米日系人たち』『素晴らしきラジオ体操』『からくり民主主義』『トラウマの国ニッポン』『はい、泳げません』『趣味は何ですか?』『おすもうさん』『結論はまた来週』『男は邪魔!「性差」をめぐる探究』『損したくないニッポン人』『不明解日本語辞典』『やせれば美人』『人生はマナーでできている』『日本男子♂余れるところ』『定年入門 イキイキしなくちゃダメですか』『悩む人 人生相談のフィロソフィー』『パワースポットはここですね』『一生勝負 マスターズ・オブ・ライフ』『道徳教室 いい人じゃなきゃダメですか』『おやじはニーチェ 認知症の父と過ごした436日』など。
 

出版社より

ことば 校正 校閲 誤植 古事記 誤字 脱字 照合 ゲラ刷り 付き合わせ 素読み 神代種亮 仮名遣い 混読 誤謬 いんてる 活字眼 異体字 訓読 俗字 正字 衍字 言海
 
 

ことばの持つ重要性に、緊張感を覚える

普段、言葉を使った仕事をしていますが、分かりやすく、誤解を与えることなく正確に伝えることの難しさを感じます。そうした中、この書籍からは、言葉に対して改まって対峙する思いを感じさせてくれる書籍です。

 

哀悼の意を表します

配信動画には、たいてい字幕が付いている。誤字が多いが、それ以上に目立つのが「ら」抜き。着れる、食べれるくらいならいちいち突っ込む気にはならないが、「人々が幸せでいれますように」には呆れた。校正がない媒体は、完全にカオスですな。
 さて、本書は、その校正の実態についてまとめたものだ。

ノンフィクションと謳っているが、さすがに作業の過程や内容の記述だけでは、一般的な読み物にならないと判断されたのだろう。途中から、辞書や漢字や日本語それ自体の話題にシフトしていき、随想の趣が強くなる。
 興味深いトリビアが次から次へと紹介されるが、特に日本国憲法の表現についての章は出色。どこぞのテキストに採用すべきと思う。
 なお、最終章は、AIとDNAを取り上げているが、ここは消化不良気味で余計な感じ。
 ともあれ日本語というのは、かなり面妖な言語だとわかった。奥深いとか美しいとか言って、思考停止していてはいけない。その面妖さの根源と構造を徹底的に追及し、解明することが、日本と日本人の真の理解につながるのではないか。
 著者には、今後、その先頭に立ってほしかった。しかし、もはや叶わない。


変幻自在の言葉を捉える

校正というテーマで文章の枠内にとどまらず、歴史や生命にまで話題は及び、定説や常識を疑い深掘りしていく。独特の論考は加速し読書をグイグイ引っ張っていく。この活発な執筆を行っていた高橋氏の突然の訃報は残念でならない。解説には奥さんの病気と治療には触れているものの自身のことには何も触れていない。ニュースによれば胃がんだったようだ。

本書ではDNAポリメラーゼが遺伝情報を一つ一つ照合し、DNAの複製が誤った際には遡って複製し直すとして、DNAの高い「校正」能力を紹介している。奥さんの病気に際して遺伝子のことを調べ上げたと解説にあり、あとがきの日付が2024年6月のことだった。

「彼女の校正なしではもう生きていけないと断筆も覚悟した」とあり、文筆家としての校正への想いや本書の存在すらも今となっては全く意外な巡り合わせとなり殊更胸に迫ってくる。

信頼する校正者の不在を恐れ、本書が生まれたのだろうか(本書の発端を読み飛ばしていたらすみません)。

冒頭でも文章は書くためにあるのではなく、読まれるためにある。そしてそのためには校正が要になると力を込めて云う。高橋氏は「世の中には優れた書き手などおらず、優れた校正者がいるだけではないか」とまで云うのである。

一方で書き言葉は現在インターネットやスマホ、SNSと共に氾濫状態にあり、校正者を介さない言葉が溢れている。誤字脱字から倫理を無視した罵詈、事実を無視した嘘が野放しになり、言葉を生業とする著者の嘆きが行間に溢れている。海外でSNSの規制が始まっているのも宜なるかなである。

しかし本書は単に世の惨状を非難するばかりではない。言語の意味論にも迫る哲学的な論考もあれば、言葉の時代的な変遷や、そもそも言葉は誤使用でさえ常識になっていくなど広い視野で捉えていて、読者の予想を超える内容になっている。

著者は誤字に対してけしからんものと見るのではなく、そもそも誤字とはどのような意味か調べ、それは望ましくない使用だが通例となった字や異体字のことだと分かる。なら異体字はどういう意味か……と突き詰め、漢字のへんやつくりが異なる同じ意味の漢字だと分かる。

つまり誤字という言葉自体、使い方が間違っているという。さらに文字という言葉はどうか。

文は紋様を表す意味から来ていて犬や牛など象形文字を指し、字はそれらの文字を組み合わせた会意文字を指すという。元来の意味からすると、ひらがなやアルファベットまで含む現在の使い方は誤りのようである。だいぶ拡大解釈されている。

誤植については憲法のことにも及ぶが、敗戦国に提示された英文の草案と見比べながら紹介される。野坂参三議員の侵略された場合の自衛の戦争は正しい戦争だと言って「戦争の放棄」に反対したのに反し、吉田茂首相は近年の戦争は国家防衛の名目で行われるため正当防衛をも認めるのは有害だと一蹴した。戦争は大抵が自衛のためとか、防衛のためだといって始められることを洞察していた。自国を守るために相手国に攻めていくことを防衛だといって騙すことは現在にも見られる。
字義に拘泥して憲法論議が進まないことに対して、金森徳次郎国務大臣による返答が興味深い。言葉の一字一字を拾って非難するのは間違っていて、それぞれの言葉が相互に照応しながら、制約し合いながらあり、法典全体が一体になった生き物のようなものだと説いた。
憲法自体が敗戦後の日本が平和に向けて勇躍しようと志す時に産まれた存在として、現在まで生きつづけていると言える。まさに憲法は全体が一つになった象徴としてあるのだろう。

校正の神様と呼ばれる神代種亮(こうじろたねすけ)は芥川龍之介、有島武郎、与謝野晶子など著名な作家の校正を行っていた。作家が校正してほしくて自ら持ち込んでいたと云うからすごい。高橋氏は近代文学はまさに校正者が生んだとまで主張する。芥川龍之介の『黄雀風』『支那游記』には神代の校正済であることが記されている。神代の校正についての苦言が文章は「勝手次第に崩してしまったら、直そうと思ったって、もう直りはしない」。

神代が発行した機関誌『校正往來』では誤植を防ぐための書き手へのアドバイスとして乱筆を勧めている。当時、印刷所での校正は乱筆の原稿の場合、ベテランの校正者が行い、丁寧で読みやすい原稿は新人に回されていた。そのため乱筆の方が誤植が少なかったという。律儀に丁寧に書いた方が損をすると評されていた。現在ではこのアドバイスは通用しなさそうだが。

しかし神代自身も校正の見落としを公表したりして、不完全なものへの愛着だと云って、あまり深刻さはない。校正の神様がこういう大らかな態度なのだから、これは時代なのかもしれないが、現在ではどうだろう。SNSではそうあってほしいと思うことを事実のように言って、世に不利益を与えたり、人権を破壊するようなことさえ起こっている。あったことがなかったことのように書かれ、事実が隠滅されることもある。デマ情報によって金儲けをしようとする者もいる。不完全なものへの愛は現代ではノスタルジーでしかないのか。

印刷物が貴重だった時代は過ぎ去り、有り難くも無名の徒がこうして公に向けて言葉を発することができるようになった。これは科学技術の空前絶後の達成だろう。片や言葉は氾濫して、嘘の言葉も公の空間を飛び回り、バーチャルやらフィクションと事実の境界が曖昧になり言葉はそこを行き交っている。文筆家の最期の一冊が校正の本として世に出て、言葉の氾濫を否定も肯定もしない視点で捉えようとしたのは、言葉の特性の事実なのかもしれない。言葉は文章全体の中で生き、一方で一言一句の意味を持つ存在としても生き、事実を表し嘘も表す。変幻自在であるだけに、それを使用する人間の質がここに大きく関わってくるのは間違いない。


校正についてだけではなく、日本語とはこのようなものだ、ということを広い視点から、歴史的にも深く解説してる魅力的な本。
2025年1月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この頃の文章や当字、人々の言葉使いなどにはには疑問を持っていた。そして言葉には時代的な変化や流行はあるとしても、正しい日本語について書かれた本はないか考えていた。この本はそれには多少期待外れの点もあったが、それ以上に日本語とはどのようなものか、というあまり考えたことのないような視点から、歴史的にも深く広く解説してある点が参考になり、個人的にはとても興味深く、面白く読めた。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています

 

最高に面白い

おもしろかった。
どの出版物も、この本の表紙のように、校正歴がわかる副本があれば、2倍面白くなるだろう。
出版物はプロダクトで、校正はそのプロセス。スポットライトを後者に当てた着眼はまさにプロ。
ゲシュタルト崩壊からDNAの修飾まで、「校正」話を広げるとは流石。お茶目な文体も楽しかった。
役に立った
レポート

 文字にこだわり命を失う

本書『ことばの番人』の著者は、髙橋秀実さん。
「あとがき」には「二〇二四年六月吉日 髙橋秀実」(219頁)とあります。
六月までは「マッサージ」で病気の痛みと闘いながら作家のお仕事をされていたようです。

ことばの番人とは、髙橋秀実さん自身のことかと思いながら読み始めました。
読み終わってみると、
古今東西の世界中のことばの番人たちのことばが多数引用されていました。

本書のタイトルも《ことばの番人たち》と複数形にしたほうが・・・

というのも、番人のひとりが、著者の原稿の最初の読者で校正者でもある
奥様(髙橋栄美さん)と著者が考えているような気がするから。

栄美(えみ)さんは著者が本書執筆中にがんの緊急手術を受けたとき、
「彼女の校正なしではもう生きていけないと断筆も覚悟した」(219頁)という。

著者は奥様のことを世界で最良の「ことばの番人」と考えて、
作家の仕事を続けてこられたからでしょう。

本書が刊行されたのは、二〇二四年九月三〇日。
著者が胃がんで入院したのは、二〇二四年十月。
二〇二四年十一月十四日、著者死去。新聞で知りました。

本書が遺作となりました。
一方、妻、栄美(えみ)さんの手術は無事成功し、順調に回復しているそうです。

妻の「校正なしではもう生きていけない」と言っていた著者のほうが
先にあの世に行ってしまいました。

本書の最終章(第十章)は本文の結びの章。
そこが突然、遺伝子の世界の校正の話になっていて、違和感を感じました。
なぜ突然、人体の細胞のDNAの校正の話に飛んだのか?

本書の「あとがき」を読んで、なるほどと納得がいきました。
本書の「あとがき」の最後の言葉は、
「校正こそが命だと信じて」(219頁)

遺伝子の校正は神のことばの校正です。
そして校正される命にも限界として《寿命》をつくった神。
校正について書いた本書が髙橋秀実さんの最後の命のことばとなりました。

「文字にこだわると命を失う」(45頁)



 


🎤 取手・台宿1丁目 エスカルゴへ再び行く

2025年02月19日 10時32分13秒 | 社会・文化・政治・経済

 

3時40分から約25分ほど、宮ちゃんの自宅で、大吟醸を3倍飲む。

午前中は紹興酒の600mlの残りを飲む。

午後4時30分に、宮ちゃんの誘いで再度、取手・台宿1丁目にある「エスカルゴ」へ行く。

3時に雑談の場でもあり憩いの場でもある「エナジートロン」へ行く。

この日は、膠原病、自己免疫疾患の話となる。

宮ちゃんは、腰が痛くコルセットと湿布薬頼みであり、エナジートロンの温熱、電位治療には懐疑的だ。

取手駅の傍から、坂の上り、坂を下って「パッピネスプラザ」まで歩いて来たご婦人は、以前は足腰を痛めていたが、エナジートロンの効果が出て、約20分ほど歩いて来たのだ。

「風が強いので、バスに乗ろうとと思ってけど、歩けたので良かった」とほほ笑む。

血圧が下がった人、血糖値が改善した人もいる。

ちなみに家人は糖尿病とコレステロール値が高く5種類の薬づけた。

血液がサラサラになれば、体は全体的に改善されるだろう。

全身に酸素と栄養を送っている血液がドロドロいに汚れていては当然、不具合も出るだろう。

この電位(イオン効果)プラス温熱治療は、信じつか信じないかが分岐点。

薬や対処療法は信じて、エナジートロンへの理解は体験するほかない。

午後4時30分に、宮ちゃんの誘いで再度、取手・台宿1丁目にある「エスカルゴ」へ行く。

ビールは3本。

宮ちゃん大きな張りのある声が出て、91点を出す。

当方は最高88点止まり。

宮ちゃんはママさんと二人で歌うのだ。

二人はともに歌が上手であった。

3人が交互に歌い、全部で30曲以上は歌っただろう。

この日も、宮ちゃんの奢りとなる。

 

 

 

 


実質GDP 年2・8%増

2025年02月19日 10時18分50秒 | その気になる言葉

名目は600兆円突破―消費回復に鈍さ・24年10~12月期

配信

 内閣府が17日発表した2024年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.7%増、年率換算で2.8%増だった。

プラス成長は3四半期連続。企業の設備投資や外需がけん引したが、内需の柱である個人消費は0.1%増と小幅の伸びにとどまり、消費の回復は鈍い。

成長継続も消費減速 GDP速報値

 24年通年の実質GDPは前年比0.1%増と、4年連続プラス成長を維持。物価変動の影響を反映した名目GDPは2.9%増、実額は609兆2887億円で、初めて600兆円を突破した。

1992年に500兆円に達して以来、32年ぶりに節目を超えたことになる。

 10~12月期実質GDPの内訳を見ると、個人消費は3期連続プラスだが、伸び率は前期(0・7%増)に比べ縮小した。宿泊需要や冷蔵庫といった白物家電が伸びた一方、飲料やコメ、野菜などが減少。

初の南海トラフ地震臨時情報を受けて災害備蓄需要が拡大した反動に加え、長引く物価高が消費を抑制した可能性がある。

 設備投資は0.5%増で2期ぶりのプラス。半導体製造装置やソフトウエア投資などが好調だった。住宅投資は0.1%増となったが、公共投資は0.3%減で、人件費や資材価格の高騰が影響したとみられる。


年金制度の改革案

2025年02月19日 10時12分15秒 | 社会・文化・政治・経済

年金制度改革の方向性で報告書案示す 厚労省の審議会部会

年金制度改革の方向性について、厚生労働省の社会保障審議会の部会は報告書の案を示しました。基礎年金を底上げするため、物価や賃金の上昇率よりも給付水準を低く抑える期間を短縮する案については、経済が好調に推移しない場合の備えとして、さらに検討を深めるべきだとしています。

これまでの議論を整理した報告書の案によりますと、このうち、将来的に基礎年金を底上げするため、物価や賃金の上昇率よりも給付水準を低く抑える期間を短縮する案については「基礎年金が将来にわたって一定の給付水準を確保することの重要性は意見がおおむね一致した」としています。

一方、この案では、比較的、財政が安定している厚生年金保険料の積立金を活用するため、過去30年間と同じ程度の経済状況が続いた場合、厚生年金の受給者は、現行制度に比べて一時的に給付水準が下がることなどから、慎重な意見も多かったと指摘しています。

このため、経済が好調に推移しない場合の備えとして位置づけ、さらに検討を深めるべきだとしています。

また、この案を実施する場合、追加の国庫負担が年間1兆円から2兆円程度必要になる見込みとなっていて、報告書の案では、安定した財源の確保も論点だとしています。

厚生労働省は、こうした内容を踏まえ、与党などと具体的な制度について協議し、来年の通常国会に必要な法案を提出したいとしています。

年金制度改革 残る論点は

年金制度改革では、このほかにも論点が残っています。

【在職老齢年金制度】

65歳以上の人が働くことで一定の収入を得ると厚生年金が減額される「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は、高齢者の働く意欲をそがないよう制度を見直し、年金が減額される基準を現在の月額50万円を上回る場合から引き上げる方向で検討しています。

ただ、具体的な引き上げの額は決まっておらず、年明け以降、与党などの意見を踏まえ、決定する見通しです。

【標準報酬月額】

また、厚生労働省は、将来にわたる給付水準を安定させるため、収入の多い厚生年金の加入者には、より多くの保険料を負担してもらう必要があるとして保険料の算定のもととなる「標準報酬月額」の上限を引き上げる方針です。

これについても、どの程度、引き上げるのかは決まっておらず、今後、調整が本格化する見通しです。

【保険料負担の特例案】

これに加え、厚生労働省は、パートなどで働く人が厚生年金に加入できる
▽「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件や
▽従業員51人以上としている企業規模要件を撤廃するとしています。

さらに、5人以上の従業員がいる個人事業所は、すべての業種で厚生年金の加入対象とする方針です。

これにあわせて、保険料負担が生じることによる働き控え対策として、労使折半となっている保険料を企業側がより多く負担できるようにする特例を設ける案を示していますが「企業間の待遇格差を助長するリスクがある」など慎重な意見もあり、厚生労働省は、引き続き、検討を進めることにしています。


年金制度の改革案

2025年02月19日 10時12分15秒 | 社会・文化・政治・経済

年金制度改革の方向性で報告書案示す 厚労省の審議会部会

年金制度改革の方向性について、厚生労働省の社会保障審議会の部会は報告書の案を示しました。基礎年金を底上げするため、物価や賃金の上昇率よりも給付水準を低く抑える期間を短縮する案については、経済が好調に推移しない場合の備えとして、さらに検討を深めるべきだとしています。

これまでの議論を整理した報告書の案によりますと、このうち、将来的に基礎年金を底上げするため、物価や賃金の上昇率よりも給付水準を低く抑える期間を短縮する案については「基礎年金が将来にわたって一定の給付水準を確保することの重要性は意見がおおむね一致した」としています。

一方、この案では、比較的、財政が安定している厚生年金保険料の積立金を活用するため、過去30年間と同じ程度の経済状況が続いた場合、厚生年金の受給者は、現行制度に比べて一時的に給付水準が下がることなどから、慎重な意見も多かったと指摘しています。

このため、経済が好調に推移しない場合の備えとして位置づけ、さらに検討を深めるべきだとしています。

また、この案を実施する場合、追加の国庫負担が年間1兆円から2兆円程度必要になる見込みとなっていて、報告書の案では、安定した財源の確保も論点だとしています。

厚生労働省は、こうした内容を踏まえ、与党などと具体的な制度について協議し、来年の通常国会に必要な法案を提出したいとしています。

年金制度改革 残る論点は

年金制度改革では、このほかにも論点が残っています。

【在職老齢年金制度】

65歳以上の人が働くことで一定の収入を得ると厚生年金が減額される「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は、高齢者の働く意欲をそがないよう制度を見直し、年金が減額される基準を現在の月額50万円を上回る場合から引き上げる方向で検討しています。

ただ、具体的な引き上げの額は決まっておらず、年明け以降、与党などの意見を踏まえ、決定する見通しです。

【標準報酬月額】

また、厚生労働省は、将来にわたる給付水準を安定させるため、収入の多い厚生年金の加入者には、より多くの保険料を負担してもらう必要があるとして保険料の算定のもととなる「標準報酬月額」の上限を引き上げる方針です。

これについても、どの程度、引き上げるのかは決まっておらず、今後、調整が本格化する見通しです。

【保険料負担の特例案】

これに加え、厚生労働省は、パートなどで働く人が厚生年金に加入できる
▽「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件や
▽従業員51人以上としている企業規模要件を撤廃するとしています。

さらに、5人以上の従業員がいる個人事業所は、すべての業種で厚生年金の加入対象とする方針です。

これにあわせて、保険料負担が生じることによる働き控え対策として、労使折半となっている保険料を企業側がより多く負担できるようにする特例を設ける案を示していますが「企業間の待遇格差を助長するリスクがある」など慎重な意見もあり、厚生労働省は、引き続き、検討を進めることにしています。