創作 今な亡きナオちゃんと人(女)たち 1)

2023年11月07日 20時51分56秒 | 創作欄

私は千絵との結婚後も、尚子への未練を未だ引きずっていた。
そのことは結局、妻の千絵への裏切り行為の連続そのもとなる。

ある意味で、山形の人との「性の極み」が少なからず影響していたのだ。

恋愛経験が乏しかった私は、「うちの、大津典子さんだけど、<南さんが結婚して、とても残念だわ>と言っていたよ」と他社の仲間の記者の一人から、たまたま聞いた。

私は、初めて私に対する<恋の思い>を同僚にまでも告げた人の存在に、いたく舞い上がったしまった。

これまで、私の女性に対する思いは常に、一行的であり片思いに過ぎなかった。

妻がいる立場である私は、相思相愛の交情をこの身で経験してみたいとの強い思いにかられて、21歳の大津典子を京都への旅行へ誘う。

私は尚子を除き、それまで女性とほとんど、恋愛関係がなかったので、「そうなのか、私も棄てたものではない」と愚かにも舞い上がるのだ。

彼女も女性記者であり、偶然にも尚子と同じに、日本ジャーナリスト専門学校の出身者だった。

尚子との未練を引きづっていた私は、尚子と過去に投宿した京都・高瀬川沿いの和風旅館へ21歳の大津典子と泊った。

宿帳には、尚子の時と同様に夫と妻にする。

私は、32歳になっていて、21歳で華奢な体の典子は短髪であり、まだ未成年のような容貌を留めていた。

二人は、二つの布団に寝ていたのだが、「そちらに、行っていいですか?」と典子に問う。

「いいわ」と典子は意外にも応じた。

私は、典子が覚悟の旅行と見込む。

だが、典子は性交を拒絶するのだ。

結局、私は抵抗した典子を犯してしまった。

朝食の時、典子は涙を終始流していたので、朝飯を運んできた旅館の中居の人は怪訝な顔をしていた。

典子はまだ処女であり、私は理不尽にも、それを一方的に奪ったのだ。

「南さんを信じて京都にまで来たのに」鴨川沿いでの朝の散歩は、とても後味の悪いものとなった。

典子の恨みがこもる泣き顔、私は罪悪に襲われた。

「奥さんと別れる覚悟はある?」私には、典子の問いかけが、胸にグサリと刺さった。

典子の処女を奪った私は、男の狡さから、「今回の京都への旅行は、合意のことでしょ」と言ってたことで、典子の気持ちに火を付けてしまったのだ。

典子は、唇を震わせて「南さんとは、このまま、東京へは戻れない。先に帰って!」と声を露わにする。
「そんなことを、言わずに、一緒に東京へ帰りましょう」私は典子の腰を引き寄せる。
「嫌よ!私は、絶対、一人で帰るわ」典子は、私が腰を引きよせた右手を両手で払い退けると、駆け足で立ち去って行くのだ。
私は、思わぬ典子の権幕に唖然とする。
結局、典子は私を強姦罪で、京都府下京警察署に告訴する。

私の典子との浮気心からの京都旅行は、まさかの方向までに展開に発展してしまう。

典子によって、強姦罪で告訴された私は、東京から京都府下京警察署まで連行されたのだ。

その日は、国会の取材なども控えていたが、朝7時ころに3人の刑事が下北沢のアパートにやってきたて信じがたくも 逮捕状を眼前に提示され、「間違いないね!」と確認され、強姦で逮捕される。

刑事たちのアパート内への突然の踏み込みに、「あなた、何のことなのよ!」悲鳴声を上げて可愛そうに妻の千絵は青ざめ、2歳になった息子を抱えて震えていた。

 


子どもの貧困対策

2023年11月07日 11時26分41秒 | 社会・文化・政治・経済
子どもたちが、生まれ育った家庭の経済社会状況にかかわらず、未来への希望を持ち、自立する力を伸ばすことのできる機会と環境を提供することは大人世代の責任です。 日本財団は、生活困窮家庭の子どもたちに、人や社会と関わる力、自己肯定感、生活習慣、学習習慣など生き抜く力を伸ばす支援を行っています。行政、NPO、大学、企業、市民の方々とチームで取り組み、 「みんなが、みんなの子どもを育てる社会」をつくることで、貧困の連鎖を断ち切ります。

「子どもの貧困」とは

今、わが国の実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。日本における「子どもの貧困」とは「相対的貧困」のことを指します。

もっと詳しく

子どもの貧困に関する日本財団の調査研究

子どもの貧困は決して「他人事」ではなく、国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識していただくため、日本財団は、子どもの貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。

もっと詳しく

寄付で支援する

日本財団では、貧困によって奪われた子どもたちの「機会」や「可能性」を取り戻すために、全国で居場所づくりを行っています。ご寄付は、居場所の建設費用や運営費などに活用し、皆さまとともに子どもたちの生き抜く力を育てていきたいと考えています。

「子どもの貧困」とは

今、わが国の実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。
この日本における「子どもの貧困」とは「相対的貧困」のことを指します。
相対的貧困とは、その国の等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯のことを指し、子どもの貧困とは相対的貧困にある18歳未満の子どもの存在及び生活状況のことを指します。
こういった子どもたちは、毎日の衣食住に事欠く「絶対的貧困」とは異なりますが、経済的困窮を背景に教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。

「子どもの貧困」の現状

日本の子どもの貧困率は今、OECD加盟国の中で最悪の水準にあります。子どもの貧困率は、1980年代から上昇傾向にあり、今日では実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされています。

子どもの相対的貧困率の推移を表した折れ線グラフ。1985年 10.9%、1988年 12.9%、1991年 12.8%、1994年 12.1%、1997年13.4%、2000年 14.5%、2003年 13.7%、2006年 14.2%、2009年15.7%、2012年 16.3%、2015年 13.9%、2019年 13.5%
子どもの相対的貧困率の推移。1985年に10.9%であった子どもの貧困率は、2019年には13.5%となっています。

子どもの貧困率とは、相対的貧困の状態にある18歳未満の子どもの割合を指します。国民を可処分所得の順に並べ、その真ん中の人の半分以下しか所得がない状態を相対的貧困と呼び、親子2人世帯の場合は月額およそ14万円以下(公的給付含む)の所得しかないことになります。こうした世帯で育つ子どもは、医療や食事、学習、進学などの面で極めて不利な状況に置かれ、将来も貧困から抜け出せない傾向があることが明らかになりつつあります。子どもの貧困問題への対応は喫緊の課題となっています。

子どもの貧困に関する日本財団の調査研究

日本財団「子どもの貧困の社会的損失推計」レポート

子どもの貧困は、非常に重要な問題でありながら、この問題が社会にもたらす負のインパクトを定量的に分析した研究や文献はほとんど存在しません。子どもの貧困は決して「他人事」ではなく、国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識していただくため、日本財団は、子どもの貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。

この調査では、子ども時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながるという想定のもと、現状を放置した場合と、子どもの教育格差を改善する対策を行った場合の2つのシナリオを比較しました。わが国では、最終学歴や正規・非正規といった就業形態による所得の格差が存在するため、教育格差が生涯所得に大きく影響します。

改善シナリオでは、現状を放置した場合に比べ、大卒者の増加や就業形態の改善によって生涯所得が増加するほか、所得増に伴い個人による税・社会保障費用の支払いが増えることで、国の財政負担がその分軽減されることになります。この差分を社会的損失として算出すると、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られました。

子どもの貧困がもたらす社会的損失(15歳(2013年時点)の1学年のみ)

シナリオ 所得 税・社会保障の純負担 正規職
現状シナリオ 22.6兆円 5.7兆円 8.1万人
改善シナリオ 25.5兆円 6.8兆円 9.0万人
差分 2.9兆円 1.1兆円 0.9万人

「子どもの貧困の社会的損失推計」の結果の整理表。

改善シナリオでは、現状シナリオに比べ、生涯所得の合計額が2.9兆円、税・社会保障の純負担額が1.1兆円、正規職が9千人それぞれ増加することが明らかになりました。
この結果から、子どもの貧困が、日本経済や国民一人ひとりに甚大な影響を及ぼす問題であることが明らかになるとともに、対策を講じた場合には極めて大きなリターンを期待できることが示唆されました。
レポートでは、国内外の先行研究をまとめるとともに、今回の推計の過程及び結果を詳述し、その社会的・政策的な示唆について考察しています。
また、第2弾として、社会的損失を都道府県別に推計したレポートも公開しています。

日本財団「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」レポート

日本財団は、就学期の子ども約2.5万人のデータを活用し、認知能力(学力)および非認知能力(自己肯定感、生活習慣、コミュニケーション力など)と、家庭の経済状況との関係の詳細な分析を実施しました。

分析対象としたのは、大阪府箕面市の「子ども成長見守りシステム」の2014~16年にかけての3年・6期分のデータです。
この「子ども成長見守りシステム」では、箕面市内に住む約2.5万人もの子どもについて、福祉・行政データと、学力・非認知能力の情報が接続されており、家庭環境が子どもの能力に及ぼす影響の精緻な分析や、学童・スクールソーシャルワーカーなどの行政施策の効果分析を行うことができる極めて貴重なデータベースといえます。

レポートでは、世帯の貧困が、子どもの学習達成や非認知能力にどのような影響を与えているのかを紐解くとともに、貧困下にあっても学力の高い子どもには、どのような特徴があるのか等を分析し、小学校低学年時点からの早期支援の必要性や、学習の土台となる他者への基礎的信頼や生活習慣など「非認知能力」の重要性を明らかにしています。

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日本財団子どもサポートプロジェクトロゴ

日本財団は、「生きにくさ」を抱える子どもたちに対しての支援活動を、「日本財団子どもサポートプロジェクト」として一元的に取り組んでいます。

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子どもの貧困対策

2023年11月07日 11時26分41秒 | 社会・文化・政治・経済
子どもたちが、生まれ育った家庭の経済社会状況にかかわらず、未来への希望を持ち、自立する力を伸ばすことのできる機会と環境を提供することは大人世代の責任です。 日本財団は、生活困窮家庭の子どもたちに、人や社会と関わる力、自己肯定感、生活習慣、学習習慣など生き抜く力を伸ばす支援を行っています。行政、NPO、大学、企業、市民の方々とチームで取り組み、 「みんなが、みんなの子どもを育てる社会」をつくることで、貧困の連鎖を断ち切ります。

「子どもの貧困」とは

今、わが国の実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。日本における「子どもの貧困」とは「相対的貧困」のことを指します。

もっと詳しく

子どもの貧困に関する日本財団の調査研究

子どもの貧困は決して「他人事」ではなく、国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識していただくため、日本財団は、子どもの貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。

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日本財団では、貧困によって奪われた子どもたちの「機会」や「可能性」を取り戻すために、全国で居場所づくりを行っています。ご寄付は、居場所の建設費用や運営費などに活用し、皆さまとともに子どもたちの生き抜く力を育てていきたいと考えています。

「子どもの貧困」とは

今、わが国の実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。
この日本における「子どもの貧困」とは「相対的貧困」のことを指します。
相対的貧困とは、その国の等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯のことを指し、子どもの貧困とは相対的貧困にある18歳未満の子どもの存在及び生活状況のことを指します。
こういった子どもたちは、毎日の衣食住に事欠く「絶対的貧困」とは異なりますが、経済的困窮を背景に教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。

「子どもの貧困」の現状

日本の子どもの貧困率は今、OECD加盟国の中で最悪の水準にあります。子どもの貧困率は、1980年代から上昇傾向にあり、今日では実に7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされています。

子どもの相対的貧困率の推移を表した折れ線グラフ。1985年 10.9%、1988年 12.9%、1991年 12.8%、1994年 12.1%、1997年13.4%、2000年 14.5%、2003年 13.7%、2006年 14.2%、2009年15.7%、2012年 16.3%、2015年 13.9%、2019年 13.5%
子どもの相対的貧困率の推移。1985年に10.9%であった子どもの貧困率は、2019年には13.5%となっています。

子どもの貧困率とは、相対的貧困の状態にある18歳未満の子どもの割合を指します。国民を可処分所得の順に並べ、その真ん中の人の半分以下しか所得がない状態を相対的貧困と呼び、親子2人世帯の場合は月額およそ14万円以下(公的給付含む)の所得しかないことになります。こうした世帯で育つ子どもは、医療や食事、学習、進学などの面で極めて不利な状況に置かれ、将来も貧困から抜け出せない傾向があることが明らかになりつつあります。子どもの貧困問題への対応は喫緊の課題となっています。

子どもの貧困に関する日本財団の調査研究

日本財団「子どもの貧困の社会的損失推計」レポート

子どもの貧困は、非常に重要な問題でありながら、この問題が社会にもたらす負のインパクトを定量的に分析した研究や文献はほとんど存在しません。子どもの貧困は決して「他人事」ではなく、国民一人ひとりに影響しうる「自分事」であると多くの方に認識していただくため、日本財団は、子どもの貧困の放置による経済的影響に関する日本初の推計を行いました。

この調査では、子ども時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながるという想定のもと、現状を放置した場合と、子どもの教育格差を改善する対策を行った場合の2つのシナリオを比較しました。わが国では、最終学歴や正規・非正規といった就業形態による所得の格差が存在するため、教育格差が生涯所得に大きく影響します。

改善シナリオでは、現状を放置した場合に比べ、大卒者の増加や就業形態の改善によって生涯所得が増加するほか、所得増に伴い個人による税・社会保障費用の支払いが増えることで、国の財政負担がその分軽減されることになります。この差分を社会的損失として算出すると、子どもの貧困を放置した場合、わずか1学年あたりでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという推計結果が得られました。

子どもの貧困がもたらす社会的損失(15歳(2013年時点)の1学年のみ)

シナリオ 所得 税・社会保障の純負担 正規職
現状シナリオ 22.6兆円 5.7兆円 8.1万人
改善シナリオ 25.5兆円 6.8兆円 9.0万人
差分 2.9兆円 1.1兆円 0.9万人

「子どもの貧困の社会的損失推計」の結果の整理表。

改善シナリオでは、現状シナリオに比べ、生涯所得の合計額が2.9兆円、税・社会保障の純負担額が1.1兆円、正規職が9千人それぞれ増加することが明らかになりました。
この結果から、子どもの貧困が、日本経済や国民一人ひとりに甚大な影響を及ぼす問題であることが明らかになるとともに、対策を講じた場合には極めて大きなリターンを期待できることが示唆されました。
レポートでは、国内外の先行研究をまとめるとともに、今回の推計の過程及び結果を詳述し、その社会的・政策的な示唆について考察しています。
また、第2弾として、社会的損失を都道府県別に推計したレポートも公開しています。

日本財団「家庭の経済格差と子どもの認知・非認知能力格差の関係分析」レポート

日本財団は、就学期の子ども約2.5万人のデータを活用し、認知能力(学力)および非認知能力(自己肯定感、生活習慣、コミュニケーション力など)と、家庭の経済状況との関係の詳細な分析を実施しました。

分析対象としたのは、大阪府箕面市の「子ども成長見守りシステム」の2014~16年にかけての3年・6期分のデータです。
この「子ども成長見守りシステム」では、箕面市内に住む約2.5万人もの子どもについて、福祉・行政データと、学力・非認知能力の情報が接続されており、家庭環境が子どもの能力に及ぼす影響の精緻な分析や、学童・スクールソーシャルワーカーなどの行政施策の効果分析を行うことができる極めて貴重なデータベースといえます。

レポートでは、世帯の貧困が、子どもの学習達成や非認知能力にどのような影響を与えているのかを紐解くとともに、貧困下にあっても学力の高い子どもには、どのような特徴があるのか等を分析し、小学校低学年時点からの早期支援の必要性や、学習の土台となる他者への基礎的信頼や生活習慣など「非認知能力」の重要性を明らかにしています。

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日本でも増え続ける「子どもの貧困」問題とは?

2023年11月07日 11時16分19秒 | 社会・文化・政治・経済

貧困の原因、支援方法は?

2019年2月25日 2023年10月3日 子ども(貧困) 日本

近年の日本では、貧困に悩まされている子どもの数が多く問題となっています。政府は国をあげて対策を行っていますが、未だ問題の解決までは至っていません。
そこで今回は、「子どもの貧困問題」の実態や原因、そして私たちができる支援方法について紹介します。

子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

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目次 
日本の子どもの貧困とは?

貧困には絶対的貧困と相対的貧困の2種類あります。
絶対的貧困とは、着るものがない、食べるものがない、住む場所がないといった、衣・食・住において充実感を欠き、人間として最低限の生活を営むことができない状態のことを言います。
対して相対的貧困とは、国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人々のことを指します。
つまり、金銭的に困っているのは相対的貧困、生活全てにおいて低水準で、貧しい思いをしているのが絶対的貧困ということです。
また、相対的貧困には前述したような目安となる基準がありますが、絶対的貧困は国や機関によって定義が様々です。
こういった違いがあるため貧困と言われてもどちらの貧困かで意味合いが大きく異なります。
日本の相対的貧困も子どもの生活や将来に大きな影響を与えます。また、経済の損失にもつながる重要な問題となっているため解決に向けた対策が必要です。

貧困には絶対的貧困と相対的貧困の2種類がある
絶対的貧困とは人間として最低限の生活を営むことができない状態のこと
相対的貧困とは国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の人々のこと
日本における子どもの貧困の現状は?

貧困の定義が分かったところで貧困家庭の子どもの現状について見ていきます。
厚生労働省が発表した「2022年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の子どもの貧困率は11.6%となっています。
このことからも日本の貧困問題は深刻であることがわかります。
また、貧困に苦しむ家庭の多くがひとり親世帯であることも大きな問題です。
ひとり親の場合、家事と仕事、育児を一人で行わなければなりません。家事や育児の比重が高いほど、生活がより苦しいものとなります。
金銭的な問題だけでなく日々の疲労やストレスが蓄積されていくと身体的・精神的な問題にもつながりかねません。
ひとり親世帯は子どもにも悪影響が出る可能性もあります。例えば、親はお金を稼がなくてはいけないため深夜まで仕事をし、家に帰れないというケースです。
そうなった場合、子どもは1人で過ごさなくてはいけなくなり、コミュニケーションを取る機会が減ってしまいます。コミュニケーションは成長過程において重要な要素です。疎かになってしまうと子どもが大人になった時に苦労します。
また、一人では勉強でわからないことがあっても聞くことができず、宿題をする習慣も身に付かないなど学力低下につながる要因が多いのが実状です。さらに貧困が原因で塾や習い事など、学校以外で学習する機会が少ないことも教育格差につながります。
現に、日本財団が発表したデータによると一般的な水準の家庭よりも貧困家庭の子どもの方が学力が低い傾向があるという結果も出ています。幼少期から差が出始めると、大人になったときにより大きな経済・能力格差になってしまうのです。

日本の子どもの貧困率は11.6%となり、9人に1人が貧困状態
子どもの貧困率の11.6%のうちの多くがひとり親世帯である
一般的な水準の家庭よりも貧困家庭の子どもの方が学力が低い傾向がある

子どもの貧困問題の原因は?

ではなぜこのような事態に陥るのでしょう。原因は大きく分けて2つ考えられます。
一つ目は親の収入の問題です。親が仕事をしていない、またはアルバイトなどの非正規雇用のため給与が少ないなどが貧困の根本的な原因です。親が定職に就けるような仕組みを作る必要がありますが、難易度は高いでしょう。
二つ目はひとり親家庭の増加です。未婚の母や離婚によるひとり親家庭が増え、貧困家庭の多くがひとり親家庭であることは、内閣府が2018年に公表した「国における子どもの貧困対策にの取り組みについて*」を見てもわかります。
内閣府「ひとり親家庭の離婚後の収入 」によると、離婚後の養育費を支払っていない父親は8割以上であることがわかり、ひとり親家庭の貧困の原因の1つです**。

親が仕事をしていない、またはアルバイトなどの非正規雇用のため給与が少ないなどが貧困の根本的な原因
ひとり親家庭の増加
離婚後、8割の父親が養育を払っていない
(*出典:内閣府「国における子供の貧困対策の取組について」,2018)
(**出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」,2016)

子どもの貧困はどんな問題を起こすか?
子どもの貧困は深刻な問題だと述べてきましたが、具体的に子どもの貧困はどのような問題を引き起こすのでしょう。

子どもの貧困がもたらす社会的損失
日本財団子どもの貧困対策チーム「子どもの貧困の社会的損失推計」の調査によれば、子どもの貧困がもたらす社会的損失は、42.9兆円に及ぶと言われています。なぜこれまでに膨大な金額となるのでしょうか。
貧困家庭の子どもは一般的な家庭と比べて学習環境が悪く、能力も低くなる傾向にあります。このことが社会的損失に直接つながるのです。
学力が低いと大学への進学はおろか、高校への進学も危ぶまれます。進学ができないということは非正規雇用や低い給料で働く可能性が高くなるということです。このような悪循環が日本全国、多くの人の間で起こってしまうとこの人たちが収める税金よりも生活保護などの支出が大きくなり、損失が生まれます。子どもの貧困問題は本人たちだけではなく私たち国民の問題でもあるのです。
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教育格差が生まれる
前で話したような事態は決して一過性のものではありません。そのまま放置すると、貧困層と富裕層の間で教育格差が生まれてしまい、今の日本の風潮では、教育格差はそのまま経済格差に直結します。この差が広がることで取り返しのつかない格差となり貧困層と富裕層の二極化へとつながります。

子どもの貧困がもたらす社会的損失は、42.9兆円に及ぶと言われている
貧困家庭の子どもは一般的な家庭と比べて学習環境が悪く、能力も低くなる傾向にあり社会的損失に直接つながる
進学ができないということは非正規雇用や低い給料で働かざるを得ない
海外や日本での子どもの貧困の現状、貧困が子どもにもたらす影響についてより詳しく紹介しているこちらの記事もご一読下さい。
>>子どもの貧困問題とは?国内・海外で貧困に苦しむ子どもが増えている現状や支援方法とは

貧困家庭の子どもに必要なことは?

子どもの貧困による現状・原因・未来への不安があるなかで私たちが子どもたちにできることはなんでしょう。
問題解決のために政府が様々な取り組みを行っていますが、限度があるため私たち国民一人ひとりが自分にできることを考え、行動していかなくてはいけません。
私たちにもできる子どもたちの支援の方法を実際の事例を交えて紹介します。

子どもが安心して過ごせる居場所
貧困家庭の子どもは学校から家に帰っても親が仕事でおらず、遅くまで1人で過ごさなくてはいけないケースがあります。
そんな子どもたちのために安心して楽しく過ごせる居場所を作ってあげることが重要です。
実際に行われている事例としては、「放課後児童クラブ」というものがあります。これは、共働き家庭などの留守家庭の10歳未満の子どもに対して放課後の児童に適切な遊びや生活の場を与えて、健全な育成を図ることを目的とした取り組みです。
放課後の児童に室内にて、学習支援や実験・工作などの体験プログラムを提供しています。13時から利用可能で学習だけでなくおやつの時間や遊びの時間も設けられています
「児童館」という施設は、児童に健全な遊びを与え、健康を促進し、情操を豊かにすることを目的とした児童福祉施設です。全国に4,500か所以上設置されており、設備には遊戯室や図書館があるため遊びと学習どちらも行えます。また、児童厚生員が配置されているので安心して過ごすことができます。
これらの施設があることで貧困家庭の子どもでも友達や大人とコミュニケーションを取ることができます。子どもだけでなく親にとっても心強い施設です。

認定NPO法人 カタリバは、自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたちを対象に、居場所・学習・食事を地域と連携しながら届ける活動などを行っています。
月1,000円の寄付で、生まれ育った家庭や災害など、様々な要因で苦しい思いをしている子どもたに学びの機会を届けられます。

あたたかい食事
暖かい食事は心身の発育に大変重要です。
貧困家庭の子どもは、親が夜遅くまで働き朝早く仕事に出かけることが多いため、ご飯を満足に食べることができない、栄養バランスの取れた食事ができない現状にあります。そんな子どもたちに救いの手を差し伸べているのが子ども食堂です。
近年急激に注目を浴び始め個人や企業、NPO法人が支援しています。2019年6月時点で全国に3,700箇所を超える「こども食堂」があり、今後も増え続けると予想されています。
利用料金は安価、もしくは無償で、貧困家庭でも問題なく利用できることから多くの子どもが利用しています。

認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえは、各地域のこども食堂ネットワークの支援などを行っています。
月1,000円の寄付でこども食堂で実施される多様なプログラム、こども食堂の現状を調査など、日本全体のこども食堂を支える活動をサポートできます。
>>むすびえついて詳しく見る

学習サポート
貧困家庭の子どもは、家に帰っても勉強を教えてくれる親がいないため、学習を定着させること困難です。また、朝食を摂っていないケースもあるため、授業に集中できない子どもが多いです。そんな子どもたちを対象とした学習サポートの事例として、「放課後子ども教室」というものがあります。
安全・安心な子どもの活動拠点を設け、地域の方々の参画を得て、学習やスポーツ・文化芸術活動等の機会を提供することを目的とした取り組みです。全国の小学校を中心に16,000か所以上で実施されています。
実施内容は、先述した「放課後児童クラブ」とほぼ同じですが、放課後児童補助員が、放課後の児童の様子を教員や親に情報共有してくれます。親も子どもがどのように過ごしているのかわかると安心です。

また、子どもも自分の学校生活を親に知ってもらえるのは嬉しいでしょう。
親が夜遅くに帰ってくるのでなかなか学校でのでき事を話すことはできません。それだけに放課後児童補助員の存在はとても大きいのです。

NPO法人 Learning for All は、さまざまな理由で生きづらさを抱える子どもたちに学習支援、居場所提供、食事提供などを行っています。
月1,000円の寄付で貧困に苦しむ子どもたちの心と学習面をサポートできます。
>>Learning for All について詳しく見る

放課後児童クラブは共働き家庭など留守家庭の10歳未満の子どもに対して放課後の児童に適切な遊びや生活の場を与えて健全な育成を図る
子ども食堂は、栄養バランスの取れた食事など、子どもたちに救いの手を差し伸べている
放課後子ども教室など安全・安心な子どもの活動拠点を設け学習やスポーツ・文化芸術活動等の機会を提供する
(出典:厚生労働省「放課後児童クラブ運営指針」の策定について)

 


利根輪太郎の競輪人間学 1日1回のチャンスを逃す

2023年11月07日 10時23分28秒 | 未来予測研究会の掲示板

FⅠ 豊橋競輪 JPF杯

初日11月6日

10レース

並び予想 7-1-5 4-2 6-3

レース評

先行基本の堀江を足場に完全復活が近い芦沢が格上差し。3番手を和田が固め本線充実。古賀−水谷もいいセットで買える。

1番人気 1-7-5(3・1倍) 2番人気 1-7-4(4.7倍)

このレースの車券を買うか同課で迷う。

そこで、止めて小松島のレースにした。

ところが、小松島では負ける。

利根輪太郎は3連単は総流しなので、もし、

 

結果 1-7 160円(1番人気) 1-7-6 7,530円(16番人気) 




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 1 芦澤 大輔   11.7   番手で差す
2 7 堀江 省吾 1/2車輪 11.8 B 鐘過ぎ先行
  3 6 飯田 憲司 1/2車身 11.6     3番手取切
4 3 齊藤 竜也 1車身 11.6     飯田憲続き
5 2 水谷 好宏 2車身 11.7     外併走苦戦
× 6 4 古賀 勝大 1車身 12.0     中団戦敗れ
7 5 和田 禎嗣 3/4車輪 11.8     踏遅れ離れ

 

FⅠ 小松島競輪 第34回金長たぬき杯争奪戦

初日(11月6日)

10レース

並び予想 1-7-5 6(単騎) 4-3-2

レース評

G3オール確定板と中釜が急上昇だ。強烈仕掛けで疾走だが、出方ひとつで松岡が逆転。月森−黒田も鋭い一発で猛反撃。

1番人気 1-7(2・8倍) 2番人気 1-3(8・5倍)

買ったのは以下の車券

1-7-3(6・1倍) 1-7-5(9・8倍) 1-7-4(13・4倍)

1-3-7(23・0倍) 1-4-7(40・5倍)

1-3-4(19・5倍) 1-4-3(24・9倍)

まず、スタートを1番が取らなかったことも、疑問であった。

そして、1番は何で内側へ行ったのか?(これでは内側追い抜きで失格になるはじだ)

1番(26/113 競走得点 104.14)は格上なので、外を捲るべきだったのだ。

3番(38/97 競走得点 102.46)

4番(/31/101 競走得点 101.04)

3-4-2ラインが、ツッパリ先行で、外の1-7-5ラインは後退を余儀なくなくれた。

戦術としては、引くよりも、3番の外で競り込むべきであった。

1番の中釜 章成選手の中途半端なレースであったのだ。

 

結果 4-3 750円(5番人気) 4-3-2 4,680円(28番人気)




選手名 着差 上り 決ま
り手
S

B
勝敗因
1 3 黒田 淳   11.1   月森交同着
× 1 4 月森 亮輔   11.3 SB HS再先行
3 2 名川 豊 1車身1/2 11.1     岡山勢再追
4 7 松岡 健介 6車身 11.2     中釜入離れ
  5 6 井手 健 3車身 11.8     切替も一杯
6 5 藤木 裕 大差 13.2     最後方離れ
1 中釜 章成         内側追抜き
 

苦労してこそ、「人生」も深まる

2023年11月07日 09時16分44秒 | その気になる言葉

▼新しい場所に足を運べば自然と脳が活性化する。

これは、これまで知らなかった情報についても言えるだろう。

▼「倫理的、合理的な「第三の声」となって出会う契機となることを願う」—「帝国の慰安婦」問題についても。

▼人生の目的―幸福になることだ。

▼勝利の要諦は、早くからの最高の準備と勝つことへの執念。

▼現実はさまざまな苦労があるが、眼前の戦いを勝利する中に栄光も輝く。

▼「平和」「文化」「教育」の力で、「人道の世紀」を開くことだ。

▼「真実」は、正しく後世に伝え、残して置かなければならない。

「事実」と「真実」の違いを見極めることが重要だ。

▼苦労してこそ、「人生」も深まるのである。

▼青年は、「自分の力」で「自分の苦労」で、「自分の行動」で、「新しい歴史」をつくっていくべきだ。

 

 


帝国の慰安婦

2023年11月07日 08時31分42秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
  • 帝国の慰安婦

朴 裕河 (著)

Content (from BOOK Database)

性奴隷vs.売春婦、もはやこの議論は無意味か。対立する「記憶」の矛盾を突き、「帝国」と植民地の視点で見直す。「慰安婦問題」解決のため、“第三の道”を提案する、大佛論壇賞受賞者による渾身の日本版。

Author Biographies (from BOOK Author Referral Information)

朴/裕河
1957年、ソウル生まれ。韓国・世宗大学校日本文学科教授。慶應義塾大学文学部国文科を卒業、早稲田大学大学院文学研究科、日本文学専攻博士課程修了。
『反日ナショナリズムを超えて』(2005年、河出書房新社)で、日韓文化交流基金賞を受賞。『和解のために―教科書・慰安婦・靖国・独島』(2006年、平凡社。現在、平凡社ライブラリー)で大佛次郎論壇賞受賞。夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人などの作品を翻訳し、韓国に紹介(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
著者は、慰安婦は多面的な存在と考え、戦時の兵士と慰安婦の間には友情も恋愛もあったことを文献で「性奴隷」説を退けた。
 
 
見過ごされがちな中間業者にも焦点を当てている。
大韓民国の支援者の、目的と手段と利権構造が、ごちゃ混ぜにしてしまっている運動せいで、今の慰安婦問題がややこしくなっていると指摘している。 以下、感想。 日本も大韓民国も互いに目的と手段と利権構造をキッチリ切り分けることができないかぎり、永遠に解決することはできない。 謝罪と賠償以前の問題だと感じた。
 
 
慰安婦の話全体は全面的に白、黒と言える話ではないと思いますが、国家による強制性については、はっきりしているのではないかと思います。著者の考えには同意できない点もありますがこのような本を韓国で書いたことには凄いと感じました。
 
 
問題作と言われて実際に読むとやはり危険な歴史記述だと思う。表面的に帝国主義や植民主義を掘り下げたが、実際的に巧みな分析を使って戦争責任を日本政府から業者まで転移した。
内地と朝鮮の慰安婦を混ぜて、そして植民地と占領地のを態と分けて、戦利品と軍需品という論説はやはりおかしい。
少女イメージの脱構築も問題あり、年齢と人数を論じても戦争犯罪の質が変えられない。そういう議論は歴史ニヒリズムに落とし決して歴史和解ができない。中に「しかし」が多いすぎて価値判断も多い。そしてそれ後上野─吉見論争があってそちらも注目したい。
 
 
まだ消化はできないけれど、戦争というものの本質、人間の本質を問うにはこの事を考え続けなければと思います。すべての記憶がなくなっても、何度も何度も再考を重ねていくことだと思う。解決するという安易な答えを持たないように。
 
 
韓国国内では「実証主義」にぶんるいされるのかもしれないが、にほんでは偏り過ぎと言わざるを得ない。韓国側も批判しているように見えて、最終的に「帝国」(日本国家)が悪いという結論になる。日本の戦後左翼はこういうのが好きなのかな?
 
 
高橋源一郎が、とても孤独な本という意味の発言をしているが、正にその通りだろう。
著者の事実認識に同意する韓国の人も日本の人もいるのだろうかと思ってしまうが、冷静に考えれば、慰安婦という存在が一面的なものではなく、様々な状況で慰安婦に成らざるを得なかったこと、人間である以上、どんな境遇でもそこに希望や誇りを見つけないと生きていけないことはよくわかるはずである。
著者は文学研究者なので、そうであるはず、という想像で論を進めて行くことや、韓国人だけに韓国政府や韓国世論に厳しくなっている部分がある。そこをどう判断するかだ。
 
 
慰安婦は「まぎれもない日本の奴隷だった」がしかし、「性奴隷」とは「性的酷使以外の経験と記憶を隠蔽してしまう言葉」「他者が望む記憶だけを持たせれば、それはある意味、従属を強いることになる」と語る。韓国で名誉毀損で訴追されたが、その強硬な世論にあえて挑んだ研究態度がすごいと思う。
 
 
 
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評価=3:非常に難しい問題だ。日本がこの問題について真摯に受け止め解決に動いたとしたら素晴らしいことだが…
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かが難しいところだが、とても正当な論の進め方だと思う。今後どうすべきかも素晴らしい案なのに、賛同を得られるにはまだまだ大変そうである。私も色々勉強して事実をきっちり掴みたい。

 

とにかく日本語の読みやすさに感動した。言わんとしていることがよどみなくそれでいて力強く頭に入ってくる体験。キーワードは2つ、「業者の存在」と「帝国の植民地」。今まで慰安婦問題でモヤモヤしていた部分は、個人的にはかなり解消された。ただどちらの陣営(擁護派、批判派)からも無視されるだろう
 
 
歴史的経緯や背景について記述されているが、ほぼ全て小説や伝聞によるもの。 韓国国内では挺身隊を慰安婦と誤認識してる。
強制連行していたのは朝鮮人の斡旋業者であり、当時としては破格の待遇。
少女は少なく、平均年齢は25歳。 戦場における性問題は、日本軍だけの特殊事情ではない。 ただ後世においても、このような国際問題を孕むのが戦争の恐ろしさと言えようか。
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いわゆる従軍慰安婦問題に対する、丁寧な歴史分析をしている本。 素晴らしい本。
自発的な売春や日本軍の強制といった表層的な議論ではなく韓国人斡旋業者の責任、慰安婦を必要とする帝国主義、家父長制、貧困、冷戦、そして日本人の態度など多角的な視点を与えてくれる。
小林よしのりや上野千鶴子の本を読んでも、ピンと来なかった点を全て解説してくれた。 慰安婦問題を学ぶのであれば必読の書。 たいへんおすすめ。
 
 
 
よくわかっていない慰安婦問題について少し勉強しようと思って読みました。
どちらからも公平に書かれているようで(ちょっと日本よりかな?)わかりやすい本だと思いました。相手の気持ちを考える必要がある事柄、それぞれの立場の難しいことが山積みの問題だと思いました。
問題になっている中の一つ謝罪についても、謝罪しきれないものがそこにはある。これから私たちはしっかり知る努力をし、過去を忘れず、差別せず、思いやる気持ちを忘れず進んで行くこと。それが大事だと思いました。
 
 
慰安婦については<無垢な少女>と<売春婦>という固定したイメージの対立がある。
そうしたイメージの背景には、軍の関与の有無、強制の有無、法的責任の有無という表面的な問題をめぐる争いがある。
階級、貧困、女性差別といった本質的な問題はないがしろにされがちだ。
被害者一人一人の声に耳を傾けることで、そうした固定的イメージから離れて本質的な問題に立ち戻ることができる。そこからスタートして、その背景にある表面的な問題の構造を解きほぐしていく。そういう作業を著者は丹念にしている。
 
 
 
…当然日本軍の一定の関与については批判しつつも、慰安婦問題への韓国社会の向き合い方を反省する(反省を促す)議論になっています。この本がこれほど論争の書になったのには、短期長期の世相や言論環境が大きく作用していると感じました。 
 
 
朝鮮人慰安婦は準日本人として、戦地の兵士の心の支えになることを期待されて帝国主義の一員となっていた。日本で触れてきた戦争の話と、韓国の訴えている慰安婦問題との間に大きな隔たりを感じて、何が事実なのだろうと思っていたが、この本がそのズレを埋めてくれたような気がする。
 
 
 
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一度は読んでおこうと手に取ったところ、読むほどに引き込まれ、また自分の持つ「正しさ」の基準が揺らぐのを感じた。
物理的な強制連行か、無垢な少女か売春婦かという議論は重要ではない、という筆者の指摘に色々考えてしまった。
国家としての謝罪や合意にはどこかで線引きが必要だとしても。
筆者の主張の根幹は、強制性を「直接的」と「構造的」に区分した上で、前者の強制は業者であったとしても、後者の強制、植民地かつ女性という二重の搾取の原因は日本という帝国にあるというものだ。そして筆者は、「否定派」も「支援派」も同様に批判する。
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慰安婦問題を日韓両方の視点から冷静に分析し、何故妥協点が見いだせないかを問うたもの。この本で著者の朴氏が、元慰安婦の名誉を傷つけたと有罪になるのだから、韓国とまともに交渉などできはしないだろう。
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韓国では、著書に対し差し止めが出たばかりだったような…韓国人の研究者が書いたもので、資料をもとに中立に事実を書こうとしているのが伺える。
韓国人が一方的に日本人を悪と決めつけているのとは違う。
明日に命を落とさんとする兵士を慰安する女性との間には、精神的な繋がりを持つ事もあったらしい。
韓国人の仲介業者が悪かったという。騙し、安い金で慰安所へ連行したらしい。彼らに対する罪や自省は問われていない。
被害者の心理、政治利用または賠償金交渉の都合上、実態以上に悲惨さを強調されているのではないだろうか。
 
 
先月韓国二審で有罪判決となった、朴裕河(パクユハ)・世宗大学教授の著書「帝国の慰安婦」の翻訳版。韓国側でも日本側でもなく資料や証言に基づき、真実を中立の立場で冷静に書かれていると感じた。
単に「強制連行」はあった、無かった。
幼い少女達までが犠牲になった。などの机上の水掛け論ではなく、今まで知り得なかった事実を垣間見ることが出来たような気がします。
「従軍慰安婦」に関する書物は何冊か読んできたが、最初にこの著書に出会っていたらと痛感しました。日韓問わず多くの人に読んでもらいたい良書。⇒
 
 

【本文より引用】慰安婦問題は、「強制があったかどうか」以上に重要な問題ーー男性による女性の強姦や輪姦が、国家や男たちによって許されていた、という問題をわたしたちに突きつけている。

それは、強姦を別にすれば「合法」の名で許されていた、男性による女性の”手段化”、”モノ化”、”道具化”の状態だった。そしてそのような状況を支えていたのは、相手に対する差別意識である。

 
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資料に基づいて、感情を入れることなく冷静に書かれていると思う。
大変興味深い内容でした。 ただ、小説を題材にされている部分があり、私としては小説というのは創作も入っているという印象があるので、情報元の精度が気になりました。
国、時代等によってその時の解釈、今の解釈、いろいろあるかと思いますが、互いに解釈の仕方が違うということをお互いに認め合うことから始まるのではないかと思います。
ただし、事実でないことを事実として扱うのは論外ですが。 これを書いて訴訟になるということはちょっと信じられませんが・・・。
 
 
 
「慰安婦」、同じ女性として胸の痛む辛い言葉だ。眼を背けて来たがようやく手に取る。
女性蔑視が根本にあり幼女に対する人道的問題との認識で読み始めたが、それだけでないと知る。
植民地化や冷戦という歴史的な背景、戦後日本政府の対応とそこに含めた心情、韓国の当事者と支援者の目指す方向の隔たりなど。
各時代と立場に沿って丁寧に拾い上げてあると感じた。立ち位置にこだわるがゆえに解決に近づけない状況も問題点が変わってしまった経緯もわかった。和解を目指して穏やかな声で読み解いてくれた隣人は日本女性からの返事を待っていると感じた
 
 
非常に興味深い指摘。学生時代(まさしく90年代)に資料を読んでたのを思い出しながら。どれほどこの問題から離れていただろうか…。
読みながら、日韓が和解できるとしたらこういう方向だろうと感じた。実相を知る、ワンパターンにしない。リアルだったな。家長制度、貧困、国家の価値観の押し付けあるいは忖度(大和撫子、良妻賢母)することは、現代にもつながるので、ぞぞっとする。
 
 
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読み易く内容充実した本だった。誠意ある学者らしく、都合が良いことばかり積み上げたり、都合悪いことを無視せず、出来る限り事実を淡々と拾って客観性を重視したことがよく分かる。
事実を正視し、そして次の未来を見据えないとモノゴトは進まないと改めて感じた。
 
 
 
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慰安婦問題を巡る動きは事実認識の時点でものすごい溝があり、典型的な二項対立の陥穽に嵌っているように思える。問題が政治・国際問題化したのが90年代というのが意外だった。
つまり対立の構造ができたのはつい最近のこと。今まで掬われてこなかった当事者の声などを克明に描き出し実態を再現し、国際的にどう問題の折り合いをつけるかを法的にも考察しながら道を模索している。日韓双方の食い違いも丁寧に取り上げており、疑問が少し氷解した。今の日本の人の中に反戦意識は培われたが、反植民地主義の意識が薄いとの指摘になるほどと思った。
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ネタバレ【メモ1】 ①慰安婦問題は、単に日本軍と朝鮮人慰安婦の構図で、その他の要素が捨象されて対照的に理解されるようになった、②(多くは朝鮮人)中間業者の存在、直接的に過酷な労働を強制、お金も搾取③植民地である朝鮮の慰安婦は、「準日本人」として「大日本帝国」の一員であった、④朝鮮人慰安婦と日本人兵士の関係は、構造的には「同志的関係」、⑤兵士も慰安婦も国家によって「戦力」にされた
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2011年12月、ソウルにある日本大使館前に少女慰安婦の像が設置された。それは慰安婦問題をめぐる日韓の溝が取り返しのつかないほど大きく開いてしまった象徴的出来事であった。
その約2年後の2013年8月に『帝国の慰安婦』はまず韓国で出版された。つまり、日韓の対立がピークに達した時期と言っていいだろう。慰安婦の声に耳を傾けることに徹する姿勢で書かれた本書は、慰安婦問題が再燃する遥か以前、1973年に刊行された千田夏光の『従軍慰安婦“声なき女”八万人の告白』の証言を重要視する。日本人が読んでいて「ここまで日本寄りで大丈夫か?」と心配するほどの内容ではあるものの、日本にも痛烈な批判を本書は忘れていない。

高橋源一郎をして「わたしは、これほどまでに孤独な本を読んだことがない」と言わしめた理由がよくわかる。

資料の偏りにより著しく根拠に欠けていたり、引用が意図的に操作され、都合のいい部分だけが採用されていると、研究者から厳しく批判を受けている本書ではあるが、しかし、それでもなお、本書は慰安婦問題における日韓の対立を解決に導く有効な道筋が記されている。

それは、帝国主義的観点から慰安婦を捉え直すことで見えてくる、日韓双方が被害者であり加害者であるという構図だ。日本語版刊行から1年後、慰安婦問題日韓合意が成された。しかし、そこには、肝心の帝国主義的視点が決定的に欠けている。そのような慰安婦問題の本質をスルーした政治的決着は、やがてこの問題を再再燃させる火種を大いに残している、かりそめの決着に他ならない。

 
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とても複雑な読後感。共感、賛同できる箇所と、受け入れがたい箇所の混在する評価の難しい本だった。
慰安婦問題を帝国主義と植民地支配のうちに位置づけつつ、一面的な「慰安婦」イメージに回収されない慰安婦像を探る試みは重要だと思ったが、そのようにして描かれた慰安婦像は歴史的、倫理的両面でかなり問題含みなものであったり…。
日韓が延長された冷戦構造を生き続けていることが、問題を左右対立のかたちで政治化し、深刻化させたという指摘にはうなづいた。
 
 
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