「ぎゅっとしていいですか」教育実習生にセクハラ…40代小学校教師を処分

2020年04月21日 18時40分31秒 | 社会・文化・政治・経済

4/21(火) 15:07配信  関西テレビ

兵庫県教育委員会は、教育実習生にセクハラを繰り返したとして、小学校に勤務する40代男性教師を減給10分の1(3ヵ月)の懲戒処分としました。

男性教師は、去年10月、指導を担当していた教育実習生の20代女性をたびたび食事に誘い、帰りの車の中で「僕のこと好きじゃないんですか」「実習が終わったら、もう会えないのかな」などと言いました。

別の日には、車内で女性を抱きしめようと、「ぎゅっとしていいですか」と尋ね、拒まれたということです。

女性から相談を受けた大学が校長に報告し、問題が発覚しました。

また、県立高校に勤務する50代男性教師が、臨時講師の20代女性を食事やドライブに執拗に誘ったとして、減給10分の1(1ヵ月)の懲戒処分を受けました。

関西テレビ

 

最終更新:4/21(火) 15:07
関西テレビ


普通電車にはねられ男性死亡 急ブレーキ間に合わず

2020年04月21日 18時37分22秒 | 事件・事故

 21日午前4時45分ごろ、京都市右京区西京極畔勝町の阪急京都線西京極―西院間の線路で、男性が京都河原町行き普通電車にはねられて死亡した。阪急電鉄は京都線の運転を一時見合わせ、約3万人に影響した。

【写真】タクシーが電車と踏切で衝突、大破

 京都府警右京署によると、男性は50~60代とみられる。電車の運転士が線路上に立つ男性を見つけて急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。

 阪急電鉄によると、乗客約20人にけがはなかった。京都線の上下線計33本が運休し、計73本が最大15分遅れた。

 

最終更新:4/21(火) 16:06
京都新聞


兵庫県で新たに19人が感染 新型コロナウイルス/兵庫県

2020年04月21日 18時33分58秒 | 社会・文化・政治・経済

兵庫県内で、4月21日に新たに19人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。

新たに感染が確認されたのは、20代から70代の男女合わせて19人です。

このうち、40代から50代の男性4人は、集団感染が発生している神戸市環境局須磨事業所でごみの収集作業を行っていたということです。
須磨事業所内での感染者はこれで11人となり、市は事業所の残りの職員51人全員を自宅待機させ、ごみの収集業務は他の事業所から応援を呼んで対応するということです。

県内で新型コロナウイルスに感染が確認されたのは、これで543人となりました。

 

最終更新:4/21(火) 16:55


パリ「雑用水道」から微量のコロナウイルス

2020年04月21日 18時31分23秒 | 社会・文化・政治・経済

4/21(火) 18:07配信 日本テレビ系(NNN)

フランス・パリで、道路清掃などに使用される「雑用水道」から微量の新型コロナウイルスが検出されたことがわかりました。

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清掃や公園の噴水などに使用される「雑用水道」について、20日、パリ市は、市内27か所で検査した結果、4か所で微量の新型コロナウイルスが検出されたと発表しました。

現地メディアは、感染者の排泄物に含まれたウイルスが下水からセーヌ川に流れ、そこから取水したのが原因とみられると伝えています。

一方、家庭などに供給される水は、「雑用水道」とは全く別の配水ルートで供給されているため、「飲んでも問題はない」としています。

市の水道局の担当者は、今回検出された「ウイルスの濃度は非常に低い」と説明していますが、安全が確認されるまで「雑用水道」の使用を停止し、道路清掃には飲用水を使用するとしています。

最終更新:4/21(火) 18:07

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金正恩氏の健康悪化説 韓国大統領府「地方で正常活動中」

2020年04月21日 18時19分07秒 | 社会・文化・政治・経済

4/21(火) 15:52配信 聯合ニュース

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)に健康上の問題があるとの報道について、韓国青瓦台(大統領府)の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官は21日、記者団に「現在までに北の内部に特異な動向は確認されていない」とのメッセージを送った。


 青瓦台高官も聯合ニュースに対し、「金委員長は現在、側近たちと地方に滞在していると把握している」として、「健康異常を裏付ける特異な動向は把握されていない」と伝えた。

 また、「(朝鮮)労働党、軍部、内閣も非常警戒などの特別な動きを見せていない」とし、「金委員長は正常に活動しているように見られる」と述べた。

 金委員長が平壌北方の妙香山に滞在しているとの見方に関しては「妙香山ではない」と語った。

 ただ、15日の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日「太陽節」に金主席らの遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝しなかった背景を注視していると説明した。

 米CNNは米政府当局者の話として、金委員長が手術を受けた後、「重大な危険に陥っている」との情報があると報じた。

 北朝鮮専門メディアのデイリーNKも20日、北朝鮮内部の消息筋の話として、金委員長が12日に心血管系の手術を受けたと報じた。

 これに対し、韓国の政府当局者は金委員長が最近まで公の場で活動を続けてきたと指摘した上で、「私が知る限りでは、(健康の異常が)特にうかがわれるようなものは見えない」と述べた。

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最終更新:4/21(火) 17:39


止まらない昭恵夫人の大分旅行 騒動のカギは「思想」「スピリチュアル志向」か

2020年04月21日 18時19分07秒 | 社会・文化・政治・経済

4/21(火) 6:00配信 文春オンライン

「 『どこかへ行こうと』昭恵夫人が安倍首相“コロナ警戒発言”翌日に大分旅行 」


「週刊文春」の記事。またしても昭恵さんホームラン。

【画像】スリット入りワイドパンツで出かける昭恵夫人

 安倍首相が新型コロナウイルスから「自らの身を守る行動を」と警戒を呼びかけた翌日に旅行というのもすごいが、読みふけってしまったのは旅行の内容である。「ドクタードルフィン」を自称する医師の松久正氏が主催する〈神ドクター降臨 in Oita〉というツアー。昭恵さんは、大分県宇佐市の「宇佐神宮」参拝のみ合流したと松久氏が証言している。

 この松久氏は、

〈ドクタードルフィンの超高次元医学(診療)では、薬や手術というものを一切使いません。患者自身で問題(人生も身体も)を修復する能力を最大限に発揮させます〉

 という「診療方針」らしい。新型コロナウイルスについては、

〈不安と恐怖が、ウィルスに対する愛と感謝に変わった途端、ウィルスは、目の前で、ブラックホールから、突然、喜んで、消え去ります〉

 とフェイスブックで述べているという。どうやらこれが昭恵夫人に響いたっぽい。

 昭恵さんの神出鬼没で不特定の人と接触する行動は今こそ政府として対策を取るべきだと私は以前から主張しているが、今回改めて気になったのは昭恵さんの「思想」「スピリチュアル志向」である。そこに一連の昭恵夫人騒動や事件の本当のカギがあるのではないか?

朝日新聞「安倍昭恵氏の思想とは」

 過去の新聞記事を探してみた。私の「昭恵さんスクラップ」からこちらの記事を紹介したい。

安倍昭恵氏の思想とは」(朝日新聞2017年4月6日)

 ズバリである。これが書かれたのは昭恵さんが森友学園への関与で注目されていた頃。注目したいのは「文化・文芸」欄で特集されていること!

 というのも森友問題の前まで昭恵さんはよく「家庭内野党」と言われていた。今となっては目頭が熱くなる懐かしいフレーズだが、

《脱原発に共鳴し、巨大防潮堤の建設に疑問を呈し、有機農法に取り組む。左派的イメージの言動で、右派的な夫との〈違い〉が注目されてきた昭恵氏。》(朝日・同)

 たしかにそうだった。しかし森友をきっかけに論壇では昭恵さんの思想に新たな角度から光が当てられているという。だから「文化・文芸」欄なのである。

《焦点は、スピリチュアルへの傾斜と国粋的な傾向とが共存しているように見える点だ。》(朝日・同)

首相公邸に5人の秘書がいた昭恵さん

 まず登場するのはノンフィクション作家の石井妙子氏。

 石井氏はこの年、「文藝春秋」2017年3月号で「安倍昭恵『家庭内野党』の真実」を書いていた。特筆すべきはその号が発売された前日に、朝日新聞に森友学園国有地払い下げ問題の一報があったこと。つまり森友問題発覚の前から「一体、首相夫人とは公人なのか、私人なのか」、「昭恵さんの行動原理は何なのか」が一つのテーマになっていたことがわかる。

 今回石井氏のルポを読んでみると、昭恵さんにインタビューするために首相公邸へ出向いたところ、5人の秘書がいたことが最初に書かれている。

《首相夫人に公費で、これだけの秘書がつくようになったのも、第二次安倍政権からという。やはり夫人といえども、公人なのだと改めて思うと同時に、「女は結婚によって人生が大きく変わる」と常々講演会などで語る彼女の言葉が自然と思い出された。》

安倍夫妻の共有点「『日本の伝統』を称賛」

 昭恵さんは首相に対して「家庭内野党」と言われてきたが実は「ふたりは価値観の基礎の部分を共有」していると石井氏は指摘する。以下は石井ルポをまとめた前出の朝日記事。

《共有点の一つは、「日本の伝統」を称賛し、それが敗戦を機に米国によって奪われたと考える傾向だ。》

 例えば昭恵さんは日本古来の伝統だった大麻栽培が戦後は米国によって禁止されてしまった、との考えを示しているが、それもここから。さらに、

《もう一点として「信仰」も挙げた。水は人間の思いを受け取ると主張した「水の波動」理論で知られる江本勝氏(2014年死去)。昭恵氏がその主張や神道に共鳴している点を紹介しながら石井氏は、首相夫妻が「信仰」的なものも媒介にして深く結びついている可能性を示唆した。》(朝日・同)

 この部分、石井ルポを読むとさらに詳しい。「水の波動研究者」「スピリチュアルマスター」と自称した江本勝氏と関係が深かったのは昭恵さんではなくむしろ安倍家であったという。付き合いは父・晋太郎の代から続いていた。

《江本は福島県の放射能汚染水を「愛と感謝の祈り」を日本中から送れば浄化できると主張。これを信じた昭恵もネットを通じて、江本先生からのメッセージを実践しようと呼びかけている。》(「安倍昭恵『家庭内野党』の真実」)

 いかがだろうか。どこか今回の〈不安と恐怖が、ウィルスに対する愛と感謝に変わった途端、ウィルスは、目の前で、ブラックホールから、突然、喜んで、消え去ります〉というドクタードルフィンの言葉に似てないだろうか。

「祈る」ことで何かが解決すると思っていたら……

 朝日記事では、前年(2016年)に昭恵さんにインタビューした社会学者の西田亮介氏の言葉も紹介している。

《戦前の強かった日本が好きだという心情と、スピリチュアル、エコロジー。それらが混然一体になっている感じでした》

 西田氏は昭恵さんへのインタビューで「主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんです」という言葉も引き出していた。

 信仰の自由があるし、特別な信仰がなくても自然とか自分より大きなものを敬う気持ちはとても大事だと私も思う。

 しかし、もし偉い人が「祈る」ことで何かが解決すると思っていたら……首相会見でポエム的なメッセージや精神論が多いのはここに「要因」の一つがあるのでは? と余計な下世話も考えてしまった。

 布マスク2枚配布や星野源動画との「コラボ」は側近の進言をそのまま取り入れたというが、それほど身内重用なら夫人の影響だって高いだろう。石井ルポにはこんな考察もある。

《「あなたは天命で神によって首相に選ばれた」と信じきっている妻の言葉よりも強い励ましはないはずだ。年の若い、この妻は夫にとって、それこそ天衣無縫な巫女のような存在なのではないだろうか。》

 これを読んでしまうと、昭恵さんの言動は単なる「お騒がせ」レベルのネタではないように思えてきた。

著書『「私」を生きる』名言の数々

 気になったので昭恵さんの著書『 「私」を生きる 』(海竜社、2015年)を読んでみた。

 2007年に首相夫人という「型」がなくなったとき、「五十歳からの人生に向けて、安倍晋三の妻としてより、一人の女性、安倍昭恵としてどう生きるか考えたい」と思ったのだという。

 “名言”がたくさん出てくる。

・あえて入念な下調べをせず、特定の目的意識も持たず、とにかく現地に行ってみて、自分の目で現状を見る、そこにいる人たちの話を聞く。そのなかで直感的に「取り組みたい」と思ったことを、次の活動につなげる。

・別に霊感があるわけではありませんが、私にはそれが神の声に感じられました、自分が進む方向はいつも、このように決まります。

・その直感的な判断が間違っていたということはほとんどありません。私は、自分の直感をとても大事にし、信じています。

「権力」の源を十分自覚している昭恵さん

 話を戻す。

 この本を読むと昭恵さんは本当に楽しそうだ。人目を気にしていた第一次政権の反省から「自分の心にまっすぐに」行動したら各地で歓迎されたからだ。嬉しいに決まってる。

 しかし気になるのは「個人」を全開にしているようで「首相夫人」という看板を出して庶民がありがたがっている様子に満足げなところだ。自分の「権力」の源を十分自覚している。

 そしてさらに今回わかったこと。過去の「安倍昭恵氏の思想」記事やルポ、インタビューを読んでみると、この時期でもいろんな人に会い、全国を飛び回るのは「私がみんなに元気を与えられる」という強烈な自分信仰があるように思えるのだ。

「アメノウズメ」に因んだ居酒屋「UZU」

 著書では昭恵さんが経営する居酒屋「UZU」についても書かれている。

《そもそも、UZUという店名が、古事記の天の石屋戸のエピソードで活躍する、アメノウズメという神様に因んだものです。》

《天の石屋戸という洞窟にお隠れになってしまったアマテラスオオミカミを外に連れ出そうと神々が画策した“大宴会”で、アメノウズメがおもしろおかしく踊り狂い、まんまと計画を成功させた、というあのお話です。》

 昭恵さんは「石屋戸を開いて世の中を少しでも明るくしたい」「新しい価値観を発信し、世の中に新たな渦を巻き起こしたい」と述べている。

 そういえば今回昭恵さんがドクタードルフィンのツアー一行と訪れた宇佐神宮は「一説には卑弥呼の墓があるとも言われる」(「週刊文春」4月23日号)という。

 アメノウズメとか卑弥呼とか、もしかして自分もその系譜だと思ってないだろうか? だとしたら壮大な勘違いである。

 昭恵さん、家にいてください。

プチ鹿島

 

最終更新:4/21(火) 9:12
文春オンライン


安倍昭恵氏に自民党内からも怒りの声「妻を庇う首相にも不満」〈週刊朝日〉

2020年04月21日 16時18分23秒 | 社会・文化・政治・経済

 安倍晋三首相の妻・昭恵氏に対して、国民の不信感が最高潮に達している。批判の矛先は「常軌を逸した行動」に向けられている。

【写真】安倍首相主催の「桜を見る会」ではNo.1キャバクラ嬢も招待されていた

 新型コロナウイルスの感染が拡大して国民の行動が制限されている中、昭恵氏は3月下旬に人気モデル・藤井リナやアイドルグループ・NEWSの手越祐也らも顔を出した食事会に参加していたことが週刊ポストの報道で判明。桜をバックに昭恵氏が笑顔で写っている写真は国民の怒りを買った。

 安倍首相が3月27日の参院予算委員会で、昭恵氏が滞在したのは公園ではなく、場所はプライベートなレストランであると説明。

「(会合後)みんなで記念写真を撮影する際に、(敷地内の)桜を背景に写真の撮影をした」
 と弁明したことも火に油を注いだ。

 これだけではない。安倍首相が3月14日に新型コロナウイルス対応の改正特措法の施行を受けて、

「自らの身を守る行動を」

 と警戒を呼びかけたにもかかわらず、昭恵氏が翌15日に約50人の団体と共に大分県宇佐市の宇佐神宮に参拝していたことを、週刊文春が報じた。昭恵氏のツイッターには、

「日本がこんなに情けない国である事が証明されてしまいましたね。日本のファーストレディーですよね? ただのおばさんにならないでください! 恥ずかしいです。ほんとに情けない…こんなに叩(たた)かれて…」

「奥様さえ言うこと聞かないのだから、国民も言うことききませんよ! まだ緊急発令出る前とはいいながら、もう東京は大変な時期でしたよね、って言ってもお分かりにはならないですね」

 など抗議のコメントが殺到している。

 安倍首相の新型コロナウイルスへの対応を巡る不満に加え、昭恵氏の数々の「失策」も影響し、安倍1強体制の自民党に対する風当たりはかつてないほど強くなっている。自民党の中堅議員は、こう嘆く。

「事務所に『自民党は安倍首相に対してイエスマンしかいないのか』と抗議の電話がここ1週間で大幅に増えています。党として安倍首相を支えていく気持ちは変わりませんが、昭恵夫人が首相の足を引っ張っていることは間違いありません。この緊急事態でなぜおとなしく家にいないのか……。それ以上に首相が奥様をかばっていることに不満を持つ議員は多い」

 依然として収束のメドが立たない新型コロナウイルスだけではない。自民党内は、昭恵氏の空気を読めない行動にも頭を悩ませている。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事

 

最終更新:4/21(火) 16:35


歌手・JUJUが語る流儀「自分のためではなく、聴いてくれる誰かのための歌を」

2020年04月21日 15時43分33秒 | 社会・文化・政治・経済

JUJUの画像

 切ないバラードを筆頭に、小気味よいダンスチューン、本格的なジャズやスナックで聴きたい昭和歌謡などもこなすマルチな歌手として、幅広く愛されるJUJU。話題のドラマや映画で彼女の歌声が流れてくることは今や当然になっているが、NYで修業していたデビュー前~デビュー後の数年は知られざる“不遇の時代”があった。
「誰にも届かないし次のリリース予定も立たない。それでも『こんなタイプの曲を作ってくれ』って毎週のように言われて、ゴールのないマラソンを続けてるみたいでしたね。誰が聴いているかもわからずに歌うのが苦しくて、もう契約を切ってくれないかと思うことも。だけどデビューして2年、シングル『奇跡を望むなら…』を出したら、初めて聴いてくださった方からお便りをいただいて。人生の中でも感じたことのない喜びがありましたね」  自分のためではなく、聴いてくれる誰かのための歌を。歌手・JUJUのスタイルはこうして誕生した。指針が一貫していたから、歌えるジャンルはどんどん多彩になっていく。大事なのは、主観で突っ走らないことだ。 「私はシンガー・ソングライターではく、まず歌うことが好きなので。だから、歌のストーリーにはすごく添うけど、自分は添わないようにする。私、優等生の姉がいたんですけど、幼い頃からいつも比べられていじけてるニヒルな子供だったんですよ。歌は大好きで、歌でなら姉にも勝てた。でも何をやらせてもできるわけじゃない。そんなふうに自分のことも俯瞰で見る癖が付いてるのかもしれないですね。主観で歌いすぎると若干気持ちの悪い歌になってしまう気がしますし(笑)」  バラードを歌うとき最大限に発揮される寂しさや憂いのムード。本名の彼女はそこから少し距離を置く。コンサートや音楽番組で少しずつ解禁されていった素の表情は、歌声からは想像できないくらいサバけたものだ。 「とあるラジオのDJからは『どんぐりころころ』を歌っても悲しい曲に聴こえる声だって言われて、実際に『犬のおまわりさん』を歌ってみたら、迷子どころか失踪事件!! 歌のイメージが先にあるのか、こんなふうに喋りだすとガッカリされるんですよ。でもつくってる部分は一切ないし、生活は至って普通。早起きの宵っ張り。趣味は読書で、家の中は本だらけですね」
 

曲の物語には添っても己は決して添わない。歌い手・JUJUの流儀

聴いてくれた方が主人公になる歌を心がけてきた

お気に入りの作者を聞けば、小路幸也、よしもとばなな、村上春樹、山口恵以子、石田衣良など、立て板に水のごとくに話しだす。物語が好きだからこそ、歌うときはストーリーテラーであることを強く意識するそうだ。最初のベストアルバムが『BEST STORY~Love stories~』『BEST STORY~Life stories~』の2枚。このたびの2作目が『YOUR STORY』と題されているのも印象的だ。 「あなたの人生の主題歌はなんですか? って問いたかったんですね。私が歌ってきた一曲一曲はすべて物語だし、歌って短編映画みたいなものだと思う。聴いてくれた方が主人公になれるような歌を毎回心がけてきたし、デビューからずっとそれを続けてきたので。自然とこのタイトルになりました」  なお、今回のベスト盤の中にはJUJUを主人公とした曲も入っている。正確にいえば、平井堅がJUJUのことを考えながら作詞作曲を手がけた一曲。始まりはこんな偶然だった。 「私、お酒が大好きで、飲むペースがむちゃくちゃ速いんですよ。よく行くお店でウイスキーのロックをクイクイ飲んでたら、そこに偶然平井さんがいらして。『JUJUって普段そんなやさぐれてんの?』『いや、幼稚園の頃から私はやさぐれてますよ』『そのキャラ、もっと世の中に出したほうがいいよ!』って話になって。最終的にその日は、私と平井さんで床に座り込んで飲んでたらしいです(笑)」  かくして生まれたのが2年前にリリースされた「かわいそうだよね(with HITSUJI)」。一見は美しいバラードだが、平井は歌詞で格付けしたがる女心のぶざまさを遠慮なく暴く。それをJUJUは余裕で受け止め、情感たっぷりに歌い上げた。自分自身を脇に置き、“職業・歌手”に徹する姿勢は今どき珍しいのかもしれない。 「昭和の人ですから(笑)。私には作詞作曲の才能がないし、人に恵まれてなければここまで続かなかったでしょうね。お酒が好きなのも、ベタな言い方ですけど、そこでのコミュニケーションがあると思っているからです。出会いがないと波も風も立たないし、凪の状態って一番心に良くないので。若い人や大先輩と話すことで気づくことが増えていくし、そうなると仕事の内容も充実していきますしね。私も、デビューした16年前より、確実に今のほうが楽しいことが増えてますね。私のおばあちゃんは『嫌いなコの誕生日会には行くな』って言ってましたけど(笑)」  人生のモットーは“よく食べ、よく飲み、よく笑う”。ひとりぼっちで過ごすだけでは知らない世界を、ふいに心が震えたり動いたりする物語を、JUJUは今日も貪欲に欲している。 【JUJU】 18歳で単身渡米し、ジャズ、R&B、ヒップホップ、ソウルといった音楽を学ぶ。’04年に「光の中へ」でメジャーデビュー。3rdシングル「奇跡を望むなら…」を皮切りにヒットソングを連発し、シンガーとして確固たる地位を築く。無類の読書家、お酒好きとしても知られている。4月8日にベストアルバム『YOUR STORY』を発売 <取材・文/石井恵梨子 撮影/恵原祐二 スタイリング/林 峻之 ヘアメイク/蒲生亜希子 ジャケット/Room211、ハット/JAMES LOCK(CA4LA ショールーム)、他スタイリスト私物>


クラスター発生の大津市役所 25日から全面閉鎖へ

2020年04月21日 15時09分15秒 | 社会・文化・政治・経済

 職員11人が新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染者集団)が発生した大津市が、市役所の本庁舎を全面閉鎖する方針を固めたことが21日、同市への取材でわかった。同日午後、佐藤健司市長が正式に表明する。期間は25日から来月6日を軸に調整している。感染した職員の部署があるフロアはすでに閉鎖しているが、市民や職員の不安や、感染がさらに拡大する懸念が払えないことから、全面的な閉鎖を決めた。

【図】新型コロナウイルスが生む「負の連鎖」とは

 同市では20日までに、市役所本館4階西側の建設部で8人、3階にある都市計画部で3人の感染が確認され、両部で計260人を自宅待機とする措置をとった。また、建設部の約50人は順次PCR検査を受けているが、複数人が体調不良を訴えており、さらに感染が拡大する可能性がある。

 市は20日から、市役所本庁舎で勤務する職員を部局ごとに2つのグループに分け、交代で自宅待機する「2交代制」を導入するなど対策を実施していたが、ゴールデンウイークを含む12日間、庁舎を閉鎖して収束を目指すこととした。

 住民票の交付など一部の窓口業務については、支所で対応する方針。

 

最終更新:4/21(火) 14:10
産経新聞


【新型コロナ】パチンコ店、千葉県外からの客どっと 4市、県へ制限要望

2020年04月21日 13時58分47秒 | 事件・事故

4/21(火) 12:20配信 千葉日報オンライン

 新型コロナウイルスの拡大で休業要請が出たにもかかわらず、営業を続ける一部のパチンコ店などに千葉県外客が訪れているとして、千葉、木更津、市原、君津の4市は20日、特措法に基づく一段上の措置「施設の使用制限の要請」を行うよう県に求めた。


 要望書によると、一部のパチンコ店が休業要請に応じず、県外ナンバー車を含む多くの客が来店。クラスター(感染者集団)発生を不安視する市民から、多数の苦情が各市に寄せられている。カラオケボックスやネットカフェ、マージャン店でも休業要請に応じない店が散見されるという。

 東京湾アクアラインで県外から来店している恐れがあるとして、市原市が各市に打診。4市を代表し千葉市がメールで要望書を県に送信し、川口真友美副市長が滝川伸輔副知事に電話で内容を説明した。

 千葉市によると、市内のパチンコ店約50店のうち、17日現在で時間短縮を含め約10店が営業。市は同日、営業店に適切な対応を求める文書を渡していた。

 

最終更新:4/21(火) 12:20
千葉日報オンライン


金正恩氏の健康異常説 韓国大統領府「特異動向なし」

2020年04月21日 13時41分19秒 | 社会・文化・政治・経済

4/21(火) 12:35配信 聯合ニュース


【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)に健康上の問題があるとの報道について、韓国青瓦台(大統領府)の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官は21日、記者団に「現在までに北の内部に特異な動向は確認されていない」とのメッセージを送った。

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米CNNは米政府当局者の話として、金委員長が手術を受けた後、「重大な危険に陥っている」との情報があると報じた。

 報道によると、金委員長は15日の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日「太陽節」に姿を見せず、健康状態を巡る憶測が飛び交っていたという。

 北朝鮮専門メディアのデイリーNKも20日、北朝鮮内部の消息筋の話として、金委員長が12日に心血管系の手術を受けたと報じた。

 これに対し、韓国の政府当局者は金委員長が最近まで公の場で活動を続けてきたと指摘した上で、「私が知る限りでは、(健康の異状が)特にうかがわれるようなものは見えない」と述べた。

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最終更新:4/21(火) 12:35
聯合ニュース

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家庭と社会を幸せに。夫婦円満コンサルタント ・中村はるみさんが歩んだ10年間の軌跡

2020年04月21日 13時17分31秒 | 社会・文化・政治・経済

アントレ STYLE MAGAZINE  

夫婦円満のコンサルタント

2016年6月15日 起業家・先輩から学ぶ

「夫婦円満コンサルタントとして起業する前は、19年間専業主婦をしていたんです」

そう語るのは、起業してから10年、夫婦円満コンサルタントとして活躍する中村はるみさん。
「夫婦円満コンサルタントって?」

この記事を見たあなたは、まずそう思うでしょう。そして「専業主婦が起業なんてできるの?」と疑問に感じるのかもしれません。

そこで今回は、女性起業家として活躍する中村さんに、夫婦円満コンサルタントを始めたきっかけから、専業主婦から起業するに至った経緯、今後のビジョンまで語っていただきました。
家庭と社会を幸せに導く、それが夫婦円満コンサルタント
—「夫婦円満コンサルタント」という聞きなれない職業ですが、具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか?


―中村
夫婦関係で悩む方に、関係を修復するためのコンサルタントとして電話や来訪などでアドバイスをしています。これまで夫婦関係のトラブルを1000件以上解決してきました。
ほかには、夫婦円満を保つ秘訣についての講演会を開いたり、雑誌やテレビなどのメディアに掲載・出演をしたりしています。そして、2015年には「夫婦円満コンサルタント」という名称を商標登録しました。

—1000組以上の夫婦を救ってきたんですね!女性だけでなく、男性からの依頼もあるとのことですが、どういった相談が寄せられますか?


―中村
女性からは、「夫への不満を解消したい」「夫と仲良く過ごすにはどうすればいいか」といったことを相談されることが多いです。男性からは、奥様の浮気相談が多くを占めます。
男性は、家庭において自分が必要とされることで、自信を持つ人が多いんです。だから夫婦円満で、奥様だけでなく子どもにも信頼されていると、仕事がうまくいったり家事や育児に協力的になったりするんですよ。

夫が家事や育児を手伝ってくれれば、妻も家庭への不満がなくなるので双方にとってメリットがあります。


 
起業のきっかけは家庭内離婚。夫に愛されリスペクトされたいという意思が全ての始まり

説明画像

—「長い間専業主婦をしていた人が起業できるの?」と思われる方は多いと思います。起業となるとそれなりのビジネス思考が必要ですし……。もともと起業の夢は若い頃から持っていたんですか?


―中村
私は、起業を夢見るタイプではありませんでした。専業主婦として、3人の子育てをする毎日だったので。
でも、普通の主婦とは違っていたかもしれません。子どもの幼稚園バッグを作る時は、まず裁縫の本を10冊読んでから最高のものを作り、料理にハマれば本を読みあさって知識をつけ、料理やパンのコンクールで優勝したこともあります。

いつも、やると決めたらとことんやっていたんです。

—裁縫ひとつで本を10冊も!そんなに主婦業を極める人は珍しいですよね。


―中村
そうですね。これには夫の考え方が影響していると思います。主婦業の中にも、夫から学んだビジネスの方法が反映されていたのかもしれません。
—そんな主婦一筋の中村さんが、起業を意識したのはいつ頃ですか?


―中村
50歳の頃です。実は当時、日常生活の中での夫へのイラ立ちがかなり溜まっていたんです。とはいっても人として尊敬している夫から学んだことはたくさんありましたし、末っ子はまだ小学生でしたから離婚もできなくて。
それなら、夫への不満をビジネスに昇華しようと思って。また、ビジネスマンとして尊敬している彼から学んだビジネス思考を社会で試してみたい。そこで、自分に投資することを決め、偶然テレビで見たコーチングの講座を受けることにしました。

けれど、最初は「コーチングを学んでも、それをビジネスで活用する場は限られる」と夫に否定されてしまって……。それでも私がコーチングの汎用性が高くないことを理解した上で勉強していることを知ると、夫も私の頑張りを認めてくれ、応援してくれるようになりました。

※コーチング…感情や思考のはたらきを行動の力に変えることで、目標達成や自己実現を促すコミュニケーション技術のこと。
まずは目標だった経営コンサルタントから入った起業。しかし男性社会の壁に阻まれ…

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—コーチングの勉強を終えた後、その知識を生かせる経営コンサルタントとして活動を始めた中村さんですが、当時の事業はどうだったのでしょうか?


―中村
当時、経営コンサルタントは男性中心。ですから、女性という理由で受け入れてもらえないことが多かったです。中には実力を認めてくれる経営者もいましたが、私をコンサルタントとして採用してくれることはありませんでした。
「男性中心の社会に女性はいらない」という考え方がまだ根強い時代だったので……。当時の企業は実力がある人間よりも、コンサルタントとして知名度が高い男性を採用する傾向があるように感じました。
—それは辛いですね……。しかし、そこそこ事業は成功していたと聞きました。当時は、どんな人をターゲットにビジネスを展開されていたんですか?


―中村
税理士・弁護士などの士業の女性をターゲットに経営コンサルタントをしていました。男性中心の組織だとなかなか実績をあげるのが難しかったですが、女性は実力だけをみて判断してくれる方が多かったからです。
しかし、事業が軌道に乗り始めた頃に東日本大震災が起こり、長年住んでいた仙台から東京へ引っ越すことになりました。それに伴い、仕事もいったん辞めてしまったんです。

自身の経験は絶対に世の中に必要!その思いで夫婦円満コンサルタントへ

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—東京への転居に伴い、一度は軌道に乗ったビジネスを手放した中村さんですが、ビジネスを再開するに至った経緯を教えてください。


―中村
東日本大震災が起きた頃は、仙台でのビジネスに限界を感じていた時期でもあったんです。この土地において、士業の女性へのコンサルタント業で上を目指すのは厳しいなと。だから、東京で再出発しようと思ったんです。
でも、東京には経営コンサルタントなんて星の数ほどいますし、実績や実力がものをいう社会で這い上がるには、何か一つの分野でトップを目指すのが一番だと思いました。そして、そのあとに自分がやりたい事業を展開していけばいいと。

そこで浮かんだのが、夫婦円満コンサルタントでした。
―中村
まず、自分がやってきたことで、かつ世に出ていないビジネスがいいと思って。そこで「円満な夫婦関係をサポートするビジネスをしよう」と考えつきました。
実は自己投資で始めたコーチングの勉強から、だんだんと「どうしたら夫と快適に暮らすことができるか?」ということを考えて、実践していたんです。その結果、夫との仲も良くなり、今ではおしどり夫婦だねって言われるほどになりました。

この経験なら、需要もあるしビジネスとして成り立つと思ったんです。

夫婦と関わる機会のある業界の人にも、夫婦円満の秘訣を伝えて幸福な社会の一歩に

—最後に、夫婦円満コンサルタントとして業界を牽引してきた中村さんの次のビジョンを教えてください。


―中村
やりたいことはもう明確なんです。
まずひとつは、これから一緒になる夫婦へのアプローチ。近年、ブライダル事業やお見合い事業は著しい成長を見せていますが、どちらも夫婦関係の始まりに焦点を当てたビジネスにすぎません。しかし本当に大切なのは、スタートした後の夫婦関係を良好に築くこと。でも、その具体的な方法を教えてくれる人って誰もいませんよね。

そこで、こういった事業を展開する人たちに夫婦を円満に保つための秘訣を伝えるんです。そうして出会いから結婚、その後の結婚生活までサポートできる形を作り、1組でも長く円満に暮らせる夫婦が増えたらいいなと思っています。
―中村
そしてふたつ目は、退職後の生活を始める夫婦へのアプローチです。実は、退職後の第二の人生は、退職金の使いみちや加入保険のプラン設定など、夫婦の絆の強さが問われます。
「金の切れ目が縁の切れ目」ともいうように、金銭的な価値観の不一致が離婚原因になることも少なくありません。ですから、金融機関や保険会社の方たちに夫婦円満の秘訣を知ってもらい、彼らがそれらの知識を使いながら老後の金融プランを提案していけば、心穏やかに暮らせる夫婦が増えると思います。

3人の子どもを持つ50歳女性が教えてくれたのは、きっかけと行動力で人生は変わるということ

「コンサルティングの知識が全くなかった素人が?」

「19年間専業主婦だった人が?」

「小学生の子どもがいた、当時50歳のお母さんが?」

過去の中村さんは、一見、起業とは縁遠く見える女性でした。しかし今では一企業の代表を務める立派な起業家。ビジネスの知識がなくても、専業主婦でも、母親でも、きっかけと行動力があれば起業家としての道が歩めることを彼女は体現しました。

どんな境遇でも関係ない。年齢や性別、キャリアがネックとなって起業をためらう方の背中を押してくれる、中村さんはそんな存在でしょう。

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トム・ソーヤーの冒険

2020年04月21日 13時07分11秒 | 社会・文化・政治・経済
[マーク・トウェイン, 柴田 元幸]のトム・ソーヤーの冒険(新潮文庫)
 
 
 
ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! さて彼らは──。時に社会に皮肉な視線を投げかけつつ、少年時代をいきいきと描く名作を名翻訳家が新訳。
 
「どんな新しい遊びでも先頭に立つのが習慣」という、いたずらら好きの少年を描いた「トム・ソーヤーの冒険」には、無数の「笑い」が仕込まれている。
 
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
トウェイン,マーク
1835‐1910。アメリカのミズーリ州に生れ、ミシシッピー河畔で少年期を送る。『ミシシッピ河上の生活』『王子と乞食』『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリイ・フィンの冒険』等を発表し、19世紀のアメリカを代表する文学者となる。その自由奔放かつ正確な文章は後の作家に多大な影響を与えた

柴田/元幸
1954年、東京生れ。東京大学教授。アメリカ文学専攻。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞を受賞。トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
 
いたずらしたり、家出したり、そんなやんちゃなところから、殺人や大金もあり、海賊団を作ったり、冒険に出たくなる。こどもの頃を思い出しながら、これからの冒険を夢に見る。これほど有名な本、思っていたストーリーとは違って、やや読みにくいが、さまざまな表現が、さすが著名本である。
 
 
言わずと知れた名作をkindleで読了。ワタシの敬愛する柴田元幸の訳。
子供向けの物語とされているけれど、意外にも殺人の様子が生々しく描かれている他、当時の学校や教会を皮肉ったり、共同体としての役割をきっちり果たしている村を描いたり、当時の時代背景を思いながら懐かしむ話と定義すれば、これはれっきとした大人向けの物語だと言って差し支えないだろう。もちろん、トム達のいたずらだけを追っているだけでも十分楽しい。でも、それを支える時代背景を作者マーク・トウェインがかなり辛辣に批判しながら描いていることがわかると、そこに大人が読む面白さが一枚加わる。
そして、こうした面白さを教えてくれるのが、訳者の柴田元幸。ワタシは、彼の訳本は必ず「訳者あとがき」から読むことにしているが、本書でもそれが奏功。この人の訳にハズレはないが、それ以上にこの人の「あとがき」にハズレはない。
 
 
"かくしてこの物語は終わる。これはあくまで少年の物語であるからして、ここで終わらねばならない。これ以上先へ行ったら、じきに大人の物語になってしまうだろう。"1876年発刊の本書は、アニメ化やゲーム化はもちろん、モデルの街となったハンニバルの地元のお祭として『塀塗り競争』も続く、世界中で愛される冒険娯楽小説。

個人的には、続編にして【文学史的にはこちらの方が概ね評価の高い】『ハックルベリーフィンの冒険』の読書会を開催した際に、そう言えば。と何十年ぶりに本書を思い出して再読してみました。

さて、そんな本書は多くの方がご存知の通り、ミシシッピ川のほとりの小さな街を舞台にして、主人公のトマス・ソーヤ少年(トム)が、ハックルベリーフィン(ハック)や仲間たちと様々な"冒険"を繰り広げるのですが。外見や年齢などか描写されず【意図的に普遍性のあるキャラクター】として描かれているトムに以前読んだ時はかっての自分の少年時代を重ねて【懐かしく思った】のですが。再読した今回は、お節介ながら今の子供にとっては彼らの牧歌的な姿は【ファンタジーもしくは失われた世界】と感じるのではないか?とか邪推してしまったり。

一方で続編の『ハックルベリーフィンの冒険』で、より明確に描写されていますが、少年少女の冒険娯楽小説なれど【人種問題や宗教的狭量さ】を本書でも【皮肉的ユーモアをもって背景的に描いている】事を今回の再読を通じて初めて気づき。逆説的ですが、この辺りが続編になって、より前景的になったのか。としみじみと感じる所がありました。

子供時代に山や海で秘密基地ごっこや海賊ごっこをした大人たちへ。あるいは普遍性のある冒険娯楽小説を探している誰かへ。
 
 
柴田元幸訳"ハックルベリーフィンの冒けん"を読んでからこちらを読んだ。
以前読んだ筈だが、どちらも全く覚えてなかった。
どっちもいたずら少年の話だが、トムとハックの世界の見方の違いを感じる。
トムはなんだかんだ言っても学校や教会のコミュニティの中で、本で読んだ盗賊なら誓いやらをなぞりつつ、その延長で時々大人を出し抜く偉業をやる。
ハックはもっとリアリストだし社会背景が生々しい、サバイバルで生き残る。
2作の文体の違いや緊張感の差を読むのは大人になってから再読した旨味か。
それにしても大人になってもインジャンジョーが容赦なく怖い。そして子供向けだからハッピーエンディング。
 
 
土屋京子センセの挿絵入りの古典新訳文庫を読んだことがあるけど、これは、個人的には柴田センセによる「ハックリベリーフィンの冒けん」を読むためのおさらいのようなもの。まずマーク・トウェインを読んでからでないと、ハックのお話にはつながらない。

 十二使徒の最初の二人ってだあれ?との質問に”ダビデとゴリアテ”と答えるあたり、このトム、相当のブラック・ユーモアの持ち主。弟シッドが、good-good-boyなら、トムはgood-bad-boy。で、浮浪児ハックは、bad-bad-boy・・・
 
 
ペンキ塗りのエピソードが大好きなので再読。仕事→遊びと発想を転換することで、他人に喜んで遊び(仕事)をさせ、自分はビー玉やらおかしやらの報酬まで得るという興味深い革命を、トムが行う話です。
離れ島に子ども3人で海賊ごっこしに出かけて英雄になったり、恋人のベッキーと意地を張り合ったり、洞窟で迷子になったり、脈絡がないといえばないのですが、盛り沢山な小説です。
 
 
 
 
 
 

 


「文学的でないものが、本当は文学的」

2020年04月21日 12時54分11秒 | 社会・文化・政治・経済
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一流の文学的コメディアン 

―柴田元幸さん訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』刊行記念!柴田さん独占インタビュー・イベントレポート!

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こんにちは、ブクログ通信です。

ポール・オースター、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザーなど数々の現代英米文学の翻訳、また村上春樹さんとの交流でおなじみの、米文学研究者・柴田元幸さんの待望の新訳、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』が2017年12月20日に刊行されました。

今回、ブクログ通信は『ハックルベリー・フィンの冒けん』刊行記念としてて1月24日(水)青山ブックセンター本店で開催された「『ハックルベリーフィンの冒けん』と翻訳 柴田元幸トークイベント」に潜入! 

なんとイベント直前に貴重なお時間をいただき、柴田元幸さんへの独占インタビューが実施できました!まずはそのインタビューからお届けします!

取材・文/ブクログ通信 編集部 持田泰

著者:柴田元幸(しばた・もとゆき)さんについて

翻訳家、東京大学文学部名誉教授。東京都生まれ。ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど、現代アメリカ文学を数多く翻訳。2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。マーク・トウェインの翻訳に、『トム・ソーヤーの冒険』『ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―』(新潮文庫)、最近の翻訳に、ジャック・ロンドン『犬物語』(スイッチ・パブリッシング)やレアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、編訳書に、レアード・ハント『英文創作教室 Writing Your Own Stories』(研究社)など。文芸誌『MONKEY』、および英語文芸誌Monkey Business 責任編集。2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。

イベント直前!柴田元幸さん独占インタビュー!

―お忙しい中お時間いただきありがとうございます。またマーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(以下『ハック・フィン』)刊行おめでとうございます!あとがきにも記載がありましたが、『ハック・フィン』の訳出が始まったのが2003年頃で、刊行がようやく2017年ですから、ほぼ14年ぐらいかけてこの本一冊を仕上げたということですね。こんな長期にわたって翻訳をされることは柴田さんでも珍しかったりするのですか。

いや、別に翻訳だけで14年かかったわけではありません。その間に他のこと、たとえば僕は雑誌も編集してますし、短期の締め切りの翻訳仕事、それから2014年まで大学で教えてもいましたから、単行本の翻訳仕事というのはどうしても後回しになります。かつ、この本の場合は早くやらないと翻訳権の契約が切れてしまうということもないですから。古い本なので。

―既にパブリックドメインですものね。

そうです。なので、ずっとやりたいとは思ってたんだけど、なかなか纏まった時間が取れないで、ずるずる2017年まで来てしまったわけですが、2017年はこの版元の研究社が110周年なんですね。そのタイミングになんとか間に合わせたんです。『ハック・フィン』は研究社で出すってことは以前から決まってはいたんで。これを逃したらもう次は120周年ですよね(笑)。120周年だとぼくはもう70超えてますよ。だからここの編集者さんが、その頃はもうコイツはちょっと危ないだろうと思ったのか(笑)「110周年で出しましょう!」って発破をかけてくれたんですね。それで僕も「やろう」と思ってからは、これに集中して。

<figure id="attachment_15269" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15269"> <figcaption id="caption-attachment-15269" class="wp-caption-text">待望の柴田元幸訳!マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒賢』(研究社 2017年)</figcaption> </figure>

―そうだったんですね。この110年のタイミングに締め切りを合わせた。
 
そうですね。でまあ、奥付的には刊行日が12月28日で。

―なるほど。110年もぎりぎりですか。

ぎりぎりセーフ(笑)。

――そういうことだったんですね。過去のさまざまな翻訳者もそれぞれの口語体でこの『ハック・フィン』を訳出されていたかと思うのですが、今回、柴田さんは、ハックのリテラシーレベルに合わせて漢字を開くとか、独特の言い間違いとかを、上手に表現されていて、また逃亡奴隷ジムや後半のトム・ソーヤー(以下「トム」)との掛け合いなんかも漫才の話芸みたいな独特なグルーブがありますね。全体が『新しいハック・フィン』だなと、すごく感じております。

ありがとうございます。

―今回その「ハック英語」とあとがきにも書かれていましたが、そのハックの独特の誤字脱字を含んだブロークンな英語を訳すのに、けっこうな苦労をされたかと思うんです。ハックの英語の特徴というのは端的にどういうものなんでしょうか。

それはまさに今日のイベントのテーマで、「正しくない英語の雄弁さ」っていうものがあると思うんです。『ハック・フィン』に限らずアメリカ文学の名文みたいなのを考えると、登場人物があからさまに訛った英語だったり、教養を感じさせないような英語だったりすることが往々にしてあるんです。

―なるほど。

今まで日本は、どうしても『ハック・フィン』を含めてアメリカ文化ってものを仰ぎ見てきましたから、「無教養」みたいなものが今一つ見えにくかった。でも僕だけでなく、アメリカを見る目がだんだん「仰ぎ見る目」から「対等に見る目」に変わってきた。その中で、ハックみたいな人物を見る目も変わって来ていると思うんですよ。だから、たとえば新潮文庫の村岡花子さんの訳では、ハックが一番最初に語りかける ” You ”を「諸君」っていう風に訳すんですけど、今は違うだろうと。村岡さんの時代は1950年代ですよね。50年代には、ハックが「諸君」と語りかける方が正しく思える。そういう別の文化の空気があったと思うんですよね。だから僕の訳のほうが正しいってことじゃなくて、『ハック・フィン』を読む「文脈」が変われば訳も変わる。

<figure id="attachment_15323" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15323"> <figcaption id="caption-attachment-15323" class="wp-caption-text">原作挿絵より
http://www.gutenberg.org/ebooks/76</figcaption> </figure>

周辺的なハック・フィンが輝く

―ハックは基本ノーアイデア・ノープランで手ぶらで旅を続けながら、「その場でしのいでしまう」ことが多いですよね。プラグマティックに頭を働かせて。

そう。勘が良いんですよねハックは。だから、その場その場でどういう風に振る舞ったらいいかっていうのを勘で捕まえてくる。その反射神経はすごくいいですよね。小説自体もそういう書かれ方だし。

―第32章でも「その時になったら神さまがただしいコトバをおれの口に入れてくれるものとあてにしていた」と書かれていましたが、こういう表現は変ですけど、英語文法がブロークンでも、ある種の「言語ゲーム」的にルールが分からないままゲームに参加して、ゲームをすすめながらルールを覚え、巻き込まれながらその場をコントロールしていくような。

<figure id="attachment_15321" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15321"> <figcaption id="caption-attachment-15321" class="wp-caption-text">原作挿絵より
http://www.gutenberg.org/ebooks/76</figcaption> </figure>

その通りですね。そうやって、言葉を一種ゲーム的に使って、世界を動かしてくっていう意味で言えば、この中に出てくる悪党たちも全く同じなんですよね。あの「王さま」と「侯爵」とかも同じなんだけど、ただ彼らはやっぱり言葉によって、他人を操作して、場合によってはその他人を傷つける。ハックは自分を守るため、もしくは誰かを守るために言葉を使う。だけど、ほとんど必要ない時でも、ハックって嘘つきますよね。

―ついてますよね。だから頭が切れるというより、本当に「神さまがただしいコトバをおれの口に入れてくれるものとあてにしている」感じで、独特なおかしみが生まれますね。そこもトムとはちょっと違う形で。トムは変に過激な方へ過激な方へ動いて行ってしまいますが、ハックはハックですごく手ぶらで先に進んで行ってしまうけれども、やはりリアリストで。

トムはやっぱり権威主義ですね。

―なるほど。

だから「本にこう書いてあったから」と前例ばかり出しますね。

―そのトムとハックと一緒にいるときの掛け合いは独特なおかしみが出てきますね。マーク・トウェイン自身はどっちに自分を投影しているんでしょうか。

うーん、自分はトムみたいだけど、ハックみたいになりたいと思ってるんじゃないですか。『トム・ソーヤーの冒険』と比較するとよく分かるんですけど、トムはほんとにハックになりたくてしょうがないわけですよね。『ハック・フィン』の中では、ハックが「トムだったらどうやるだろう?」てよく思うシーンも多いけれど、『トム・ソーヤーの冒険』ではもっと強い形で、トムは「ハックみたいに生きたい」と思ってるし、『トム・ソーヤーの冒険』っていうわりと「お行儀のいい小説」も、本当は『ハックルベリー・フィンの冒けん』みたいな小説になりたがっている感じがすごくよく分かる。

<figure id="attachment_15317" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15317"> <figcaption id="caption-attachment-15317" class="wp-caption-text">柴田元幸さん訳『トム・ソーヤーの冒険 』(新潮文庫 2012年)</figcaption> </figure>

―なるほど。「小説の構造」自体が、ですか。面白いですね。

要するに、ハックのほうが「より周縁的」なんですよ。アメリカ文学って、大体その「周縁の人間が輝く」っていう構図になりますから。

文学的でないものが、本当は文学的なんだという態度

―ヘミングウェイもこの『ハック・フィン』を取り上げて、「今日のアメリカ文学はすべてマーク・トウェインのハックルベリー・フィンという1冊の本から出ている」と書いていますね。

要するに、アメリカってヨーロッパの「延長線上」でもあり、ヨーロッパの「否定」でもあるわけじゃないですか。つまり、ヨーロッパで「自由」とか「平等」の概念が生まれたとすれば、アメリカはそれをより拡大した。まあ実は、インディアンの迫害とか、黒人奴隷とかいて、その理想がきれいに実現されたわけではまったくないけれど、とにもかくも、例えば「貴族制」みたいなものを廃止して、ヨーロッパで生まれた「自由」や「平等」という概念をアメリカは拡張したので、見方を変えれば、そういう「貴族制」とかそういうヨーロッパ的なものを「否定」して、アメリカという国ができてる。
だから「ヨーロッパの延長線上」なのか、それとも「全然違うモノ」を作ってるのか。とても微妙なところがありますよね。その中で、ヨーロッパで生まれた近代文学ってものに対しても、やっぱりアメリカは、その文学性みたいなものを「否定」するところから始まってると言ってもよいと思うんですよ。もちろん「継承しつつ否定」です。だから、「文学的でないものが、本当は文学的なんだ」っていう態度が、アメリカ文学は非常に強い。それが一番よく表れてるのは『ハック・フィン』ですね。

<figure id="attachment_15320" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15320"> <figcaption id="caption-attachment-15320" class="wp-caption-text">原作挿絵より
http://www.gutenberg.org/ebooks/76</figcaption> </figure>

―なるほど。その「文学的でないものが、本当は文学的」という作品が1885年刊行ですから、もう130年以上前ですよね。それが今でも全然面白く読める。もちろん差別表記とか歴史的に問題にもなったりもしましたが、通奏低音の価値が変わらない部分、もちろん変わってる価値観と変わらない価値観があるんですけど、このハックが奴隷を逃がして「地獄へ行こう」と決意するあたりは、われわれ現代人も深い感銘を覚えますね。

そうですね。読者が当時の価値基準を分かってくれさえすれば、今でも作品に共感してもらえると思いたいですね。

―ただ、あとがきで書かれてたのが、作品の中身は「黒人を逃がさないことが良心」の時代設定で書かれてますけど、トウェインが書いた頃黒人は解放されつつあったのでしょうか? 

奴隷制自体はもうなくなっています。でも、差別はいろんな形で、残ってたわけですね。ようするに「人は売買ができなくなった」けれど、たとえばこの時代に黒人と白人が結婚できたかっていうと、それはありえないわけです。そもそも、ハックとジムが「白人と黒人が筏で一緒に旅をする」って、いくらハックが浮浪児とはいえ、その設定自体一種のファンタジーなんですよね。

<figure id="attachment_15318" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15318"> <figcaption id="caption-attachment-15318" class="wp-caption-text">原作挿絵より
http://www.gutenberg.org/ebooks/76</figcaption> </figure>

―だからなのか、そのハックとジムがミシシッピを下りながら、ほんとその「自由」ですよね。ほんとアメリカ人が一番愛するであろう「自由」の精神が、最後まで低いところにずっと流れているような。なにか「安心」や「権威」にも頼らないで、なんていうかその「俺は学もないから偉い人のいうことなんかよくは分かんねえけど行きたい道を勝手に進むよ」みたいなスタンスで。だから「ザ・アメリカ小説」っという感じがすごくしますね。たとえばその精神はケルアック『オン・ザ・ロード』にまで連綿と受け継がれていくのでしょうか。

そうですね。なんかとにかく、アメリカは「じっとしてるっていうのはダメ」なんですよ。常に動き続けてることで、ある種生きることの実感が生まれるっていう。『オン・ザ・ロード』なんかまさにそうですね。

―最後に簡単な質問なんですけど、今後柴田さんが、マーク・トウェインのあと、なにか訳される予定っていうのは今教えていただける範囲でありますか?

たくさんあるんですけど、ほとんど、僕は生きてる作家の翻訳をやってるので、スティーヴン・ミルハウザーポール・オースタースティーヴ・エリクソンケリー・リンク、他にもまだいるんだけど、そういう作家の新作を訳します。古典はとりあえずもう訳さないかな。

―そうなると今回の『ハック・フィン』は貴重なものですね。

でももうちょっと英語読めるようになったら、もう一つの、「グレートアメリカンノベル」であるメルヴィル『白鯨』も訳したいとは思っています。

―そうですか!『白鯨』も訳者によってだいぶ文章が違いますね。

そうですね。でも『白鯨』の既訳はいいのがたくさんあるので、僕がやる必然性はまあまだないと思ってるんですけど。

―なるほど。柴田訳『白鯨』も出す機会ありましたらぜひ!本日はありがとうございました!それでは、イベント楽しみにしております!

ありがとうございます。

イベントレポート!「喋っている」のではなく「書いた」小説

イベント直前の突撃インタビューでしたが控室で快く受けていただきました。まもなくイベント開始時刻。感謝の気持ちを抱えていざ会場へ!

<figure id="attachment_15331" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15331"> <figcaption id="caption-attachment-15331" class="wp-caption-text">青山ブックセンター本店の会場は満員御礼!</figcaption> </figure>

100名ほど収容できる会場は満席で大盛況。イベントは『ハックルベリー・フィンの冒けん』の英語と翻訳について実際に英語の原文を見ながらお話しされるのに加えて、事前に参加者から受け付けた質問にできる限り回答するスタイルで進行しました。『ハック・フィン』の英語について、柴田先生は次のように話されました。

<figure id="attachment_15300" class="wp-caption aligncenter" aria-describedby="caption-attachment-15300"> <figcaption id="caption-attachment-15300" class="wp-caption-text">会場入り口で『ハック・フィン』も販売!イベント終了後は希望者へサインも!</figcaption> </figure>

「この小説は過去の翻訳でも『ハックが喋っている』かのように読めるが、『綴り間違い』や『文法ミス』が原作の中に散りばめられているように、明らかに『ハックが書いた』という設定でマーク・トウェインは作っている。『喋っている』『書いている』この両方を再現する必要がある」。この点を柴田さんは改めて強調し、過去の翻訳では「ハックにしては『漢字』が書けすぎている」ことを指摘。「ここに『新訳』をだす余地があると思った」。今回「ハックが日本人であればあまり漢字が書けなかったであろう」という設定のもとで、積極的に漢字を開く形で訳出されたそうです。

「トム・ソーヤーの冒けん」てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょうしたとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょうもあるんだけど。
 それで、その本はどんなふうにおわるかってゆうと、こうだ。トムとおれとで、盗ぞくたちが洞くつにかくしたカネを見つけて、おれたちはカネもちになった。それぞれ六千ドルずつ、ぜんぶ金(きん)かで。つみあげたらすごいながめだった。で、サッチャー判じがそいつをあずかって、利しがつくようにしてくれて、おれもトムも、一年じゅう毎日(まいんち)一ドルずつもらえることになった。そんな大金、どうしたらいいかわかんないよな。それで、ダグラス未ぼう人が、おれをむすことしてひきとって、きちんとしつけてやるとか言いだした。だけど、いつもいつも家のなかにいるってのは、しんどいのなんのって、なにしろ未ぼう人ときたら、なにをやるにも、すごくきちんとして上ひんなんだ。それでおれはもうガマンできなくなって、逃げだした。またまえのボロ着を着てサトウだるにもどって、のんびり気ままにくつろいでた。ところが、トム・ソーヤーがおれをさがしにきて、盗ぞく団をはじめるんだ、未ぼう人のところへかえってちゃんとくらしたらおまえも入れてやるぞって言われた。で、おれはかえったわけで。

—マーク・トウェイン著/柴田元幸訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』pp10-11 導入部

さらにインタビューでもお伺いした「文法的に正しくない英語がいかに雄弁であるか」を論じ、この文学というものに独特の強みを与えている点を指摘されました。『ハック・フィン』以降のその例として、バーナード・マラマッドやJ. D. サリンジャーの作品の一節も紹介し、それをプロジェクターに映しながら、正しい文法で整形すると、テキストが持っている「切実さ」と「力」が消えてしまうことを説明。しかし「間違い」をそのまま翻訳で再現することは、「訳者が間違えている」とも思われてしまうため、極めて困難であり、その訳すことのできない「間違い」をどう伝えるか。その「間違い」を別の形で伝えることの必要性も説かれました。そして『ハック・フィン』にはこうした「間違い」があふれているものの、それを正しい英語と比較しながら、その「切実さとパワー」を新訳で伝えようとしたことを解説されました。

翻訳者としては「訳者の工夫が目立つとよくない」ことを認識しているが、「今回は目立ってしまうことはある程度仕方がない」ものとして覚悟していることも述べました。

その後は会場からの様々な質問に答え、アッという間に1時間半が終わりました。

イベントを終えて

いかがだったでしょうか。「文学的でないものが、本当は文学的」というアメリカ文学の態度が色濃くあらわれた作品『ハックルベリー・フィンの冒けん』。130年以上前に生み出されたこの作品が柴田さんの新たな訳出で蘇りました。ぜひ手にとって、新しい『ハック・フィン』の世界を体験してみてください。


パンデミックが変えた人生、バイオリニストから食事宅配人に転身

2020年04月21日 12時50分06秒 | 社会・文化・政治・経済

4/20(月) 17:59配信 ロイター

ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の第2バイオリン奏者だったテッポ・アリマッティラさんは、いま高齢者に食事を宅配する仕事をしている。音楽家から食事宅配へ転身した理由とは。


 バイオリニスト テッポ・アリマッティラさん
 「一番大変なのは同僚や仲間と一緒に演奏したり、観客と音楽を共有する、つながりや喜びが持てないことだ。いつかは戻ってくると信じているが本当に恋しい」

 楽団はヘルシンキ市が運営しているため、アリマッティラさんは厳密には公務員になる。

 ヘルシンキ市はアリマッティラさんを含む市職員の配置転換を実施。感染が最も懸念される高齢者に、食事や薬を届けるなどの支援業務にあたらせている。

 これは公務員にとっても、解雇や一時帰休を回避することにもつながる。

 市の文化事業担当者はこう語る。

 ヘルシンキ市文化・レジャー課 トミ・ライティオさん
 「公共サービスが終了した時に、公務員に仕事があるかどうかを判断するのはその部門の責任者しだいだ。もし仕事がなければ、このプロジェクトに参加するか、仕事を辞めるしかない。

 ヘルシンキ市は1人も解雇者を出さないようにしたい。いまわれわれは危機的状況にある。その危機に対処する仕事に人を割り振るのだ」

 フィンランドは15日、ヘルシンキ周辺で道路封鎖を解除するなど、移動制限を緩和した。

 だが高齢者などは依然として社会的距離を保つことが推奨されており、アリマッティラさんは自分の新しい仕事は、今後も重要だと考えている。

 「身寄りのない高齢者や、基礎疾患などで外出できない高齢者にとっては、これ(食事の配達)が唯一の他者との接点かもしれない。

 2メートルの距離を保ちながらではあるが、お年寄りにとって大切なことだ。だから私にとっても大切な仕事だ」

 

最終更新:4/20(月) 17:59
ロイター