5月15日、15時30分過ぎ。山羊の鳴き声が聞こえてきた。ベヒベヒベヒ~! 誰が鳴いているのだろう? 変な声だなあ…
15時40分、外に繋いでいた山羊を小屋に入れていた舎長から私の携帯に電話がかかってきた。クリの様子が変だという。クリが小屋に入ってすぐにオシッコをして、それを舐めているという。
ヤギ小屋に駆けつけた。舎長によると、その後、タランとしたオリモノのようなものも出てきたという。おそらく第1次破水(尿膜液)と第2次破水(羊膜液)だったのだろう。
15時55分、予定日より2日早く出産が始まった。窓際に立ったクリのおしりから羊膜のようなものが見え始めた。いきんでいる様子だがなかなか出てこない。腹ばいになったり立ち上がったりを繰り返す。
16時00分、クリのおしりから子ヤギの頭が出てきた。立っているのが苦しいのか、そのまま腹ばいになった。子ヤギの首が絞まらないだろうか。気が気でない。引っ張り出そうか? 舎長の友人が、親戚の自宅出産(もちろん人間の)で、立ち会っていたみんなで赤ちゃんの頭の毛を掴んで引っ張り出したという話を思い出した。今ならその心境がよくわかる。
ガンバレ~!息を詰めて、見ていると、ようやく前脚の肩が出てきた。すると、するりと全身が現れた。は~、安堵のため息。
羊水で濡れた子ヤギの身体を舐めるクリ。クリが舐めるとだんだんと子ヤギの毛が起きてふさふさとしてくる。
興味深そうにのぞくカヤ。
しばらくして2頭目の出産が始まった。今度はすんなりと出てきて、
文字通り、産み落とした。
ほ~。時間を確認すると16時10分。1時間近く経ったように感じたのだが、出産開始からわずか15分。根源的時間感覚(byハイデガー)ってやつだね。難産だと思い拳を握りしめて見ていたが、実際には超安産だったわけだ。
今回初めてクリの出産に立ち会うことができた。前回の出産のとき、舎長は20~30分おきにヤギ小屋を覗いていたが立ち会うことができなかった。15分で産んでたのなら、そりゃ無理だわなあ。
羊水を舐め取るクリ。ガン見するカヤ。
初乳を飲む最初の子。
2番目の子もおっぱいにたどり着いた。
よくがんばったな~
ヤギ小屋の緊張が解ける。カヤの表情も緩む?
大仕事をあっさり終えて大あくび。
ご苦労さん。舎長からポカリスエットをもらい、
何事もなかったように干し草を食べ始める。
翌朝、小屋を覗くと、子ヤギたちは身体を寄せ合って眠っている。
おっぱいを飲んでいるとき以外は死んだように眠っている。
起きてきたので、
舎長が2人の、肉髯(ニクゼン=あごの下のタブ)、角(ツノ)、タマタマの有無を確認。
結果が判明した。
最初の子=オス、無角、肉髯あり。2番目の子=オス、有角、肉髯あり。
もらってくださる方は下記までご連絡を。引き渡しは3か月後です。
メールアドレス:toricotoya@gmail.com
電話:090-3715-1082