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とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

また一つ脱機械~田植え2025

2025年06月03日 | 山里から

今年の苗も立派に育った。みのる式苗箱のメリットは健苗を作れること。

田植えの準備は苗箱切りから。苗床深く伸びた根をワイヤーで切りはがすのだが、けっこう腰にこたえる。

そして田植え前の本代掻き。今年は大小二枚の田んぼをそれぞれ計3回掻いた。3週間ほど間隔をあけて代掻きすることで、その間に発芽してきた田草を浮かせて枯らす。後から後からキリ無く湧いてくる田草を少しでも減らすための無農薬栽培における除草技術の一つ。

トラクターの回転などで片寄った土をレーキでならす。

さらに、小さい方の田んぼは畦の両側からハシゴを交互に引っ張り均平(大きな田んぼはトラクターに専用のレーキを装着して均平)する。

そして、いよいよ明日が田植えとなったら、いったん水を抜いてスジ付けをする。

 

一昨年からのオール手植え化に伴い、スジ付けをするようになったのだが、なかなかまっすぐに引けない。

来年への反省と対策は、畦際の最初の一スジを長い板などを使ってまっすぐに引くこと。最初の一本が肝心だ(と思う)。

そして田植え。

大きな田が5月19日、小さな田は5月26日に、友人知人お客さんらの助けを借りて田植えした。皆さんありがとう。

反省点は碁盤目状のスジを水没させないこと。作業に伴い水が濁ると碁盤目が見えなくなり正確に植えられなくなる。きちんと植えないと後々の除草や稲刈りがやっかいなことになる。

田植え後10日目、苗の活着を見計らって、除草作業を始める。本代掻き(最後の代掻き)から2週間が経っているので田草も芽を出し始めている。

最初はエンジン付きの除草機で調子よくやっていたが、三分の一ほどを終えたところで故障。米作りを通して小さな機械を随所で使うが、毎年、故障無しで終わることほぼはない。粗放農業(小規模、無農薬、有機肥料)とエンジン付き機械は(中古ばかり使っているせいかもしれないが)あまり相性はよくないと思う。そもそもクスリ(除草剤)を撒けば田んぼの底をガリガリかき回す機械なんかいらないしね。でも最近は農薬に耐性をもった田草も出現していて、クスリを撒いても草ぼうぼうの田んぼも散見される。集約農業(大規模、機械化、農薬、化学肥料)の方も自然(生命力)との相性はよくないのかもしれない。一方で、毎年コツコツ手(道具)除草を続けていると、次第に草は減ってくる。我々の農業は自然との相性はよいわけだ。

機械が壊れたので、昔使っていた除草具を引っ張り出して再開。

動力機械でやれば一人で1日ですむ作業が、舎長と二人で3日かかる。

ただ、両方を同時期に使ってみてわかったのは、手道具の方が圧倒的に草を浮かせられるということ。

このもやしみたいなのがコナギ、オモダカ、ホタルイなどの幼草。これを成長させてしまうと、さらに数倍もの日数、炎天下で泥田を這う奴隷労働をしなければならなくなる。ということは、後の手間まで含めると、手道具除草も悪くないかも。

浮いた草を食べに?鴨たちもやって来た。

去年の田草取りは一昨年よりは楽だった。今年はどうかな? 頑張るぞ!

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チョイ巣立ち

2025年05月24日 | 山里から

いなり寿司のようだったチョイたちにも少しずつ大人の羽根が生え、

体重も日増しに増え、尻からも羽根が生えてきた。

天気のよい日には外に出て、

いつの間にかヒヨコ電球もいらなくなった。

5月22日、入舎からちょうど4週間目。ヒヨコ部屋から大人の小屋へ引っ越しすることになった。

最後の体重測定。

入舎初日、4月24日はお姉ちゃんたちが産む卵より軽かった。1ページ前の記入欄には35g、35g、41gとある。ひと月足らずで5倍になったわけだ。

今ではずっしりと腕に重い。

さあ、これからはここがあんたらの家だよ。

引っ越しの前に「デイサービス」で(お姉ちゃんたちの外出中に)何度か大人部屋に来ていたので、勝手は承知。すぐに大人の給餌器でエサを食べ始めた。

でもお泊まりは今日が初めて。日が暮れてくると不安と寒さで「ピーヨ、ピーヨ」と鳴き出した。

夜中に見に行くと、3羽、部屋の隅で団子のように固まって寝ていた。今年のヒヨコも無事に育った。私たちも肩の荷が下り、少しだけ緊張がほどけた。

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お天道花2025

2025年05月10日 | 山里から

わが舎で最も遅い山桜Bが散り4月が逝き、

5月に入ると、待っていたかのように花々が咲きあふれてくる。

わが舎の周りを見回しても、シャガ。

ツツジ。

藤。

日本タンポポ。花を摘んで砂糖を加えて煮詰め、舎長はタンポポジャムを作る。

ウワミズザクラ。

カリン。

山椒。

アマドコロ。

聞き慣れない名前だが、甘みのある根が滋養、強壮、強精剤として古くから知られる薬用植物。ちなみに山と渓谷社発行『薬草』には、「常用すると顔のしみがとれて顔色がよくなり、身が軽くなり長生きできる仙薬とされている」と書かれている。おお…試してみようかな…。

そんな花々を束ねて「八日花」を作る。

「お天道花」とも言われ、太陽の恵みに感謝を込めて、旧暦4月8日(この地域では新暦5月8日)の朝、東へ向けて立てる。舎長は毎年欠かさない。

1年で最も美しい季節が始まる。

 

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チョイ入舎

2025年04月27日 | 山里から

今年も京都北部のY養鶏場から生後1日の新入舎員たちがやって来た。片道1時間半の山道を迎えに行き、昼過ぎ、到着。まずはクリ先輩にごあいさつ。

今日からここでみんなと一緒に暮らすんだよ。

「よろちくおねがいちま~ちゅ…さあ、計るよ」

舎長が両の手のひらの中に3匹を掬い取ると、あらあら不思議、ピヨピヨピヨピヨ鳴いていたヒヨコたちが鳴き止んだ。親鶏に抱かれているように温かく安心できるのだろう。

まず白っぽい産毛のあんた。チョイコから秤に乗ってください。そうそう言い忘れてました。今回で19代目になるピーコたちの世代名は「チョイ」。舎長の友人のニャアさんが名付けた。

35g。

チョイチャとチョイクロも秤に乗って…

「35、35、41」

去年のチョビたちが34g(チョビコ)、37g(チョビチャ)、44g(チョビクロ)だったから、まあ、平年並みかな。

体重測定終了。寒かったろう、ヒヨコ部屋に入りなはれ。しばらくはここがあんたらのネグラや。

さっそくヒヨコ電球の下に集まってウトウト。今は食べて寝るのがこの子たちの仕事。

早く大きくなれよ。

外に出るとお姉ちゃんたちが新入舎員を見に?やって来た。

あ~あ!どこを歩いたらそんな足になるんよ。その汚い足でテーブルの上に乗らんといて!

やっぱりヒヨコのうちが一番かわいい。年に一度の至福の子育てが始まる。

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春うらら(2)

2025年04月21日 | 山里から

4月に入ると苗作りを始める。

塩水で種籾を選別し、積算100度になるまで水に浸け、発芽間近になってからもみ箱に振り入れ、苗床に置く。

その2週間ほどの間に、桜は咲いて散る。

何度も書いたことだが、「さ」は田んぼを表す接頭語、さつき、さみだれ、さおとめ、さなぶり…、そして「くら」は神が宿る場所。すなわち、さくらは田んぼの神の依り代となる木。

だから桜にはすこしだけ思い入れが強く、毎年花見は欠かさない。

今年は二度、花見をした。一度目は大堰(おおい)川の土手。毎年恒例の場所。

咲きも残らず散りも始めず

艶やかな里の桜。

そして二度目はわが舎の山桜(A)。里の桜より10日ほど遅れて咲く。ソメイヨシノと違い、上へと伸びる姿が清々しい。

夕暮れ、土間の外にテーブルを出し、鍋を囲んで花見。

そして山桜(A)が散り始めるころ、その奥の山桜(B)が咲き始める。

田んぼの神様に見守られて苗たちもすくすく育ってゆく。

(写真は去年の5月1日時点の苗)

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