アロマテラピー学習ブログ

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排泄の仕組みと疾病

2008-03-11 17:37:46 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
排便のメカニズムには自律神経が深く関与している。
 食べ物が胃に到達すると 胃がふくらみ、胃から大腸に信号が送られる。
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 大腸が反射的に収縮し、便を直腸に送り出そうとする。胃が空だと、より強い刺激となって信号が送られるため、特に朝食後に強く起こる。【胃・大腸反射】
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 便が直腸に到達すると 直腸の壁が刺激され、便が到着したという信号が大脳に送られて、便意がおこる。 結腸に信号が送られ、結腸は活発な運動を開始して、直腸へさらに便を送り込もうとする。【直腸・結腸反射 】
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 大脳は下腹部にいきむように命令を出す。
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 直腸が収縮して肛門括約筋がゆるみ、便が排出される。さらに、お腹に力を入れていきむことで腹圧が高まり、便の排出がスムーズになる。

肛門括約筋
 内肛門括約筋…いつも肛門をある一定の力で締めている筋肉。自律神経支配で不随意筋という自分の意思では緩めたり締めたりできない筋肉である。
 
 外肛門括約筋…皮下部、浅部、深部からなる筋肉で、内肛門括約筋を取り囲むようにあり、排便の際に締めたり、緩めたり自分で自由にできる筋肉(随意筋)である。

便秘
【症状・説明】
便秘とは、排泄される便が硬くて少なく、しかも便の出るのが以上に遅れている場合をいう。2~3日に1回、週に3回以上あれば許容範囲である。
 ふつうの便秘では、初期には苦痛が少なく、何日かたてば自然に排便がおこなわれる。しかし、次第に慢性化してくると、いろいろな自覚症状が現われてくる。
一般症状としては、食欲不振・肌荒れ・胸やけ・げっぷ・口臭・腹部膨満感・下痢部圧迫感・腹痛などがあらわれる。また、神経症状として、 頭痛・めまい・動悸・不眠・精神不安・疲れやすい・精神集中力や作業能 力の低下などがおこる。ときには発熱をみることもある。
 また便秘になると痔や高血圧をはじめ、色々な病気の悪くなる原因となる ので、適切な治療法で直すことが大切である。


便秘の種類
1)器質性便秘≪消化管の障害≫
■腸の炎症・閉塞などにより腸の通りが悪くなるために起こり、腹痛、吐き気などの症状が起きる場合(早めの検査と治療が必要)
■先天的な腸の長さや大きさの異常によって起きる場合
■直腸ポリープにより肛門の内圧が分散して起きる場合
  A)先天性
   巨大結腸症
   S状結腸過長症
  B)後天性
   特発性巨大結腸症・大腸がん・直腸がん・腸管癒着など

2)機能性便秘≪排便メカニズムの障害≫
  A)急性便秘
 ■便の成分になる食物繊維の摂取が少ない場合
 ■体内の水分不足により、便の水分が不足した場合
 ■環境の変化による身体的ストレスが生じた場合
 ■寝たきりのなどの状態のため、腸の運動そのものが低下し、腸内の便の滞留時間が長期化した場合
 ■薬剤の副作用
  B)慢性便秘
    a)弛緩性便秘:≪腹筋力の低下により全体的に便を送り出す力が弱まり腸の動きが悪くなる≫
     高齢者や妊娠経験者に多くあらわれる症状だが、もっとも多い便秘のタイプ。最近では、若い女性にも多く見られるようになってきた。内臓が下垂ぎみの人は、腸もたるみやすく、弛緩性便秘になりやすい傾向がある。また、便秘薬の常用者も、薬の刺激で便意を催させるため、ますます腸の機能が低下して、弛緩性便秘になることがある。激しい腹痛などの強い症状はめったに起こらないが、便秘が長く続くと腹部膨満・頭痛・肌荒れなどの不快な症状があらわれる。まずは腹筋を鍛えると同時に、食事において、食物繊維を多く摂ったり、善玉菌を増やして腸内環境を整えたりすることが大切である。
    b)直腸性(習慣性)便秘:≪便意を我慢するなどによる排便反射の鈍化≫
     長い間、腸内に溜まっている便は、水分が吸収されて硬くなっているので、コチコチの便が排泄される。直腸性便秘の人が、浣腸や便秘薬を使って直腸に強い刺激を与え続けるとますます悪化し、さらにひどくなると、痔で苦しんだり、大腸ガンを引き起こしたりする危険性もある。正しい排便習慣を取り戻すことが大事である。朝食をきちんととり、便意を感じたら、すぐにトイレに行くことを心がける。
    c)痙攣性便秘:≪過敏性大腸炎など自律神経の障害≫
     日頃のストレスや睡眠不足、自律神経のアンバランス、特に副交感神経の過緊張等により、腸が過敏に反応し、痙攣した状態になって便の通りが悪くなることで起こる便秘。便意があってもなかなか出すことができず、出たとしてもごく少量のコロコロとした硬い便という症状が特徴。ストレスの他にも、下剤の乱用によって発症したり、過敏性腸症候群の便秘型としてあらわれたりすることがある。痙攣性便秘の場合は、既にストレスで腸が荒れているため、食物繊維を摂ることは過剰な刺激となり、ますます便秘を悪化させる恐れがある。食物繊維と呼ばれるのはほとんどが不溶性食物繊維だが、水溶性食物繊維もあるので、食物繊維を摂取する場合は、昆布・わかめなどの海藻類やこんにゃくなどを摂取するようにする。そして原因となるストレスを解消するために、まずは過労や睡眠不足を避けて、できるだけリラックスできる方法を探すとよい。
    d)食事性便秘
     繊維の少ない食物を偏って食べていると、腸壁に適当な刺激がなくなって便秘することがある。また、食事の量が極端に少ない場合・水分不足も便秘になる。食物繊維の多い野菜果物を食べることで排便を促す。

3)症候性便秘

4)薬物性便秘

下痢
【症状・説明】
 水分がふつうの便よりもはるかに多く、液状に近い状態(約85%が水分 )になると下痢という。食べ物の消化と吸収は、小腸で行われ、水分は大腸で吸収されるが、その過程で何らかの原因で腸管の運動が以上に高まっているときに下痢が起こる。
 下痢が起こったときは、下痢便に血液が混じってないか(赤痢や腸チフス、腸炎ビブリオ性食中毒)、熱があるか(赤痢、腸炎ビブリオ性食中毒、サルモネラ食中毒など)、腹痛や吐き気があるかを確認することが大切である。こういう場合は緊急手当が必要な病気であることが多いので、すぐに医師の診察を受けるべきである。

 急性下痢…急性下痢は激しいときには1日に10数回も水瀉便が出ることがあり、体の水分が不足し、ときには脳貧血をおこして、便所でたおれてしまうこと もある。また、急性下痢はウイルスの感染性と非感染性に分類される。急性下痢は大腸菌、赤痢菌、腸炎ビブリオ性食中毒、ウイルスなどによっておこる急性の大腸の炎症(感染性下痢)や、食べ過ぎや水・アルコール の飲み過ぎ、寝冷などによる消化不良性(非感染性下痢)が原因となっておこる。

 慢性下痢…1日に1、2回の軟便があるという程度のものもあれば、ちょ っとしたことで下痢を起こすというものもある。また、下痢をしなくても、腹が鳴る、腹がはる、ガスが多い、年中便意を感じるということもある。 その他過敏性大腸炎(下痢と便秘を繰り返す様な症状)がある。慢性下痢は消化吸収障害、腸の慢性炎症、大腸粘膜の過敏、アレルギー性下痢などのたくさん原因がある。これらの原因が重なりあって起こることが多い。

乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)消化器系統で乳糖の消化酵素(ラクターゼ)が減少して生じる不耐に関する諸症状もある。

【対策】
 下痢の予防には、食べ過ぎや飲み過ぎを避けるなど、日頃の食事に気を付ける事が必要だが、下痢を起してしまったら、早めに治す事が大切である。その時回復の助けとなるのが、抗菌作用や整腸作用のある梅やハチミツ、ニンニクといった身近な食べ物である。
 また、「おなかの調子を整える」働き で知られている『オリゴ糖』は、腸内細菌の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす作用により下痢に効果的といわれている。
 下痢による脱水症状を防ぐために、緑茶やスープなど温かい水分を摂る事も必要である。
 下痢がおさまった後は、半日か1日ほど絶食をして、 消化の良いおも湯やおかゆなどの流動食から始めるようにする。2~3日は、腸内細菌はまだ整っていないので油の強いもの、香辛料の強いもの、アルコールは避けること。


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