アロマテラピー学習ブログ

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参照。

関節リウマチ

2008-03-21 12:16:27 | 解剖生理学(免疫系)
 関節リウマチは、70~100万人の患者数を数え、30~50代の女性に好発する。ひとつの関節にとどまらず、左右対称性に全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じ、進行すると関節が壊れる。
 しかし、微熱、食欲減退、全身倦怠感(けんたいかん)などの全身症状や、目や口の乾きなど涙腺(るいせん)や唾液腺(だえきせん)、さらに、皮膚、肺などの関節外臓器の症状を伴うこともあり、膠原病のひとつとして位置づけられる。すなわち、従来、関節の病気との認識でしたが、現在ではリンパ球の異常による内科的疾患と考えられている。
 関節の炎症が持続すると、関節の破壊を引き起こし、関節の変形や強直(きょうちょく)をもたらし、その結果日常生活動作に制限を来す。関節の破壊は発症2年以内に最も進行するため、極力早期に診断し、適切な治療を開始することがいちばん大切である。

 関節リウマチの原因は不明だが、遺伝や感染する病気ではなく、免疫異常が関係している。
「免疫」というのは、体に外から異物が入ってきた際に、それを見分けて攻撃し、体を守るシステムだが、「自己免疫」の病気では、このシステムに狂いが生じ、自分自身の体の一部を攻撃する。免疫の司令塔がリンパ球だが、リウマチでも自分自身を攻撃するリンパ球が病気を引き起こす。
 そもそも、「リウマ」とはラテン語で「流れる」という意味だが、その理由は長い間不明だった。現在、自分自身を攻撃するリンパ球が、全身の関節や臓器に流れていき、あちこちの関節滑膜(かつまく)で炎症を起こして痛みやはれを生じ、皮膚、肺、涙腺、唾液腺などで皮下結節やリウマチ肺などの関節外症状を引き起こすと理解されている。

日和見感染

2008-03-21 11:49:03 | 解剖生理学(免疫系)
日和見感染は、免疫力の低下により、健康な動物では感染症を起こさないような病原体(弱毒微生物・非病原微生物・平素無害菌などと呼ばれる)が原因で発症する感染症である。

後天性免疫不全症候群(AIDS)などに代表されるように免疫力低下を招く疾患に罹患している、
臓器移植等で免疫抑制剤を使用中である、
あるいは加齢に伴う体力減衰等の要因によって動物の免疫力が低下する
と、通常であればその免疫力によって増殖が抑えられている病原性の低い常在細菌が増殖し、その結果として病気を引き起こすことがある。すなわち日和見感染とは、宿主と病原体との間で保たれていたバランスが宿主側の抵抗力低下により崩れ、宿主の発病につながるものである。日和見感染を起こす病原体の中には薬剤耐性を獲得しているものも含まれており、いったん発病した場合にその治療に有効な薬剤が限定されることから、医学上の大きな問題になっている。なお、免疫力の低下により易感染性になった人のことを、易感染宿主(コンプロマイズドホスト)という。

ヒトの主な日和見感染症
・細菌性日和見感染
MRSA感染症 -- 緑膿菌感染症 -- レジオネラ肺炎 -- セラチア感染症--等
・真菌性日和見感染
カンジダ症 -- クリプトコッカス感染症 -- ニューモシスチス肺炎(旧カリニ肺炎) --等
・ウイルス性日和見感染
ヘルペス -- サイトメガロウイルス感染症 -- 等
・原虫性日和見感染
トキソプラズマ症 -- クリプトスポリジウム症 -- 等

AIDS

2008-03-21 11:37:11 | 解剖生理学(免疫系)
後天性免疫不全症候群(Acquired Immuno Deficiency Syndrome:AIDS )は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症の事である。

HIVはたいへん弱いウイルスで、空中や水中では生きていることができないが、いったん人の体内にはいると免疫を担当している細胞を集中的に攻撃して次々に破壊してしまう。そのため免疫システムの機能が低下し病気を防ぐことができなくなってしまう。HIVのことを「エイズウイルス」という場合がある。

HIV感染者とは、
何の症状もなくHIVに感染している以外は普通に日常生活をおくる事のできる人。

AIDS患者とは、
免疫システムの働きが低下し、日和見(ひよりみ)感染症やカポジ肉腫といった
重い症状の出ている人のこと。

私たちの体は空気中に存在する細菌やウイルスが体内に侵入してきたときに、これらを攻撃して排除する巧妙な仕組みを持っている。この免疫システムのおかげで、病気にならずに済んだり、病気になっても軽い症状で済んでいる。
この免疫システムの中心、いわば司令官にあたるのが白血球の中のリンパ球の一種、「ヘルパーT細胞」である。ヘルパーT細胞は体内に侵入者を発見すると他の免疫細胞に指令を出して攻撃を命じる。ところが体内に入ったHIVは、このヘルパーT細胞に好んでとりつき、どんどん自分をコピーし増殖して、やがてこの細胞を破壊してしまう。

HIVはこれを延々と繰り返すので、ついに免疫システムは司令官を失い、結果免疫が正常に働かなくなる。こうなると健康なときには何の害にもならない微生物や病原菌も退治できなくなり色々な病気にかかるようになってしまう。

HIVの感染が成立するためには、感染者の血液や精液・膣分泌液、母乳などHIVを多く含んだ体液が、粘膜に触れるか血管に入り込むという条件が必要である。感染者の体液が皮膚についたくらいで感染しない。なにしろHIVは空気や水に触れれば死んでしまうほど弱いウイルスですから、日常の社会生活で感染を恐れる必要はまったくない。

エイズが発症するまでの期間、いわゆる潜伏期間が 非常に長いことがエイズの特徴。

・急性期…感染すると一部の人には急性感染症状(風邪に似た症状で熱が出たり喉が痛くなったりする症状)がみられる。しかしほとんどの人には特別な症状がみられない。

・無症状期…その後、全く症状のない状態が続く。この時期の感染者を無症候性キャリアという。この期間の個人差は大きく、短い人で1年、長い人では10年以上といわれている。

・前駆症状期(ぜんくしょうじょうき)…潜伏期間を過ぎると前触れ的な症状がみられるようになる。そして全身が徐々に消耗しエイズ発症が近いことを感じとれるようになる。前駆症状→リンパ腺の腫れ、1ヶ月以上続く発熱、持続性の下痢、体重の減少、全身のだるさ、寝汗など。

・エイズ発症…症状が進むとカリニ肺炎、カンジダ症といった日和見(ひよりみ)感染症、カポジ肉腫、脳症、痴呆症などの神経障害など重い病気にかかる。これらが発症した状態をエイズという。

日和見感染症とは健康なときなら何でもない細菌やウイルスに感染して起こる病気のことである。

人の体には、約300種の細菌をはじめ、酵母やウイルスのほか、さまざまな寄生性の微生物がすみついている。通常、人にすみついている微生物は有害性が低いが、高齢者などからだの弱った人や免疫抑制剤を投与されている人の場合、これらの微生物が増加して問題を起こすようになる。このように、すみか(宿主)の不調で、寄生している微生物が悪さをするまでに増加することを日和見感染という。


アレルギー疾患と自己免疫疾患

2008-03-21 10:51:46 | 解剖生理学(免疫系)
アレルギー疾患
外部からの抗原に対し、免疫反応が起こる疾患。ただしその抗原は通常生活で曝露される量では無害であることが多く(たとえば春先の花粉そのものが毒性を持っているわけではない)、不必要に不快な結果をもたらす免疫応答が起こっているといえる。 アレルギー性疾患とも言う。

アレルギー疾患の例
・アトピー性皮膚炎
・アレルギー性鼻炎(花粉症)
・アレルギー性結膜炎
・アレルギー性胃腸炎
・気管支喘息、小児喘息
・食物アレルギー
・薬物アレルギー
・蕁麻疹

自己免疫疾患
自己の体を構成する物質を抗原として、免疫反応が起こる疾患。特定の臓器や部位の障害、炎症をもたらしたり、全身性の症状を呈する場合がある。

自己免疫疾患の例
・関節リウマチ
・膠原病
・円形脱毛症

アレルギー

2008-03-21 10:42:49 | 解剖生理学(免疫系)
アレルギーとは、免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こることをいう。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能である。

アレルギーが起こる原因は不明であるが、抗原に対する過剰な曝露、遺伝などが原因として考えられている。

アレルギーを引き起こす環境由来抗原を特にアレルゲンと呼ぶ。

☆急性アレルギー

■Ⅰ型:即時型反応(アナフィラキシー反応)

    肥満(マスト)細胞・好塩基球の細胞膜
     + 
    免疫グロブリンE
     +
    抗原

 →免疫反応が刺激となり、肥満(マスト)細胞・好塩基球からヒスタミンが放出。
 これにより、かゆみ・むくみ・血圧低下などが見られる。

 【症例】
   ○アナフィラキシーショック
     生死に関わる重篤な症状。
     ハチに刺されての死亡例の多くは、アナフィラキシー反応による
     血圧低下と気道の浮腫みによる呼吸困難が原因とされる。
     ※ペニシリンショックも、アナフィラキシーショックの一つ。
   ○喘息
   ○じんましん
   ○花粉症
   ○アレルギー性鼻炎  など、一般的なアレルギー反応


■Ⅱ型:細胞障害(溶解)型反応

    自己細胞の細胞膜
    +
    抗原

 →・自己細胞まで貪食される。
  ・免疫グロブリンGやMが、自己細胞自体まで溶かす。
  ・NK細胞が自己細胞まで攻撃する。

 【症例】
   ○ウイルス性肝炎(B型・C型)
    ※ウイルスを攻撃しようとして、肝細胞を破壊してしまう。
   ○自己免疫性溶血
   ○不適合輸血
   ○血小板減少
   ○紫斑病       など



■Ⅲ型:アルサス型反応(免疫複合型反応)

   免疫複合体(可溶性の抗原+抗体)

 食細胞が処理しきれなかった複合体は血液やリンパ液に乗って全身を回る。
 そして、複合体は沈着しやすい組織に沈着・血管壁破壊。
 さらに、肥満細胞や好塩基球が刺激されてヒスタミン放出。

 【症例】
   ○血清病
   ○糸球体腎炎
   ○リウマチ
   ○膠原病        など、難治療の自己免疫疾患。



☆遅延型アレルギー

■Ⅳ型:ツベルクリン型反応(遅延型反応)

 T細胞は、マクロファージから抗原情報を受け取り、
 情報伝達物質サイトカイン(リンホカイン)を作る。

    サイトカインによって増殖した好酸球
    +
    免疫グロブリンE

 好酸球から、アレルギー反応を起こす物質が放出、発症。
 この間1~2日かかる。


 【症例】
   ○ツベルクリン反応
   ○臓器移植
   ○臓器移植
   ○接触性皮膚炎(アトピー)    など

自己免疫疾患

2008-03-21 10:29:02 | 解剖生理学(免疫系)
自己免疫疾患とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系(リンパ球のB細胞、T細胞)が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称である。

自己免疫疾患は、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、
特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に分けることができる。 関節リウマチや全身性エリテマトーデス (SLE) に代表される膠原病は、全身性自己免疫疾患である。

20世紀初めには、パウル・エールリヒ (Paul Ehrlich) により提唱された、免疫系は自分自身を攻撃しないとする自己中毒忌避説 (Horror autotoxicus) を代表とする考え方が主流であった。しかし、その後の研究により自分の体の構成成分を抗原とする自己抗体が発見されるにつれ、自己免疫疾患の存在が明らかになっていった。現在では、自己免疫が関与している疾患や、自己免疫の関与が示唆される疾患が多数知られている。

女性で一番多い「便秘」「冷え性」「肌荒れ」には、自己免疫疾患が関係している場合が多いと言われている。理由は明らかになっていないが、ホルモンが関与しているという説がある。また、慢性的に経過し、難治性であるため、日本では公費負担の対象として定められた特定疾患に含まれている疾患も多い。

治療法は疾患により異なるが、免疫異常が疾患の原因となっていることから、多くの疾患でステロイドと免疫抑制剤が第一選択の薬剤として用いられる。

免疫不全

2008-03-21 10:10:05 | 解剖生理学(免疫系)
免疫不全とは、先天性または後天的に免疫機能に異常をきたした病態のこと。

B細胞機能に異常のある液性免疫不全と、T細胞機能に異常のある細胞性免疫不全があり、前者の場合はとくに化膿性の細菌感染にかかりやすく、後者の場合はウイルスや真菌に感染しやすい傾向がみられる。

また、免疫不全には免疫に関わる特定の因子の欠陥によって起こる原発性免疫不全症候群と、なんらかの病気が引き金となって起こる後天性免疫不全症候群がある。一般に、先天性免疫不全症候群は出生10万人に対し2~3人と、ごくまれな疾患だが、例外的に頻度の高い疾患もあり、IgA欠損症やC9欠損症のように健康と思われていた人でもときに発見されることもある。一方、からだの免疫機構が侵されることによって起こる後天性(続発性)免疫不全症候群の場合は、エイズのような感染が原因で起こるものだけでなく、悪性腫瘍の結果起こるものや自己免疫疾患にともなって起こるもの、その他さまざまなものがある。

免疫不全は大きく2つに分けられる。
一つは活動低下。
免疫系の活動が低下すると、感染症やガンになりやすくなる。
もう一つは活動昂進。
免疫系が働きすぎることで、アレルギーや自己免疫疾患になりやすくなる。
自己免疫とは免疫系が自分のからだの組織を攻撃してしまうことである。

免疫力

2008-03-21 09:31:23 | 解剖生理学(免疫系)
免疫力の正体は白血球
血液は液体部分の血しょうと、白血球、赤血球、血小板からなるが、
免疫力の正体は「白血球」。白血球が免疫力をつかさどることになる。

白血球には、リンパ球(白血球の35%)、顆粒球(60%)、
マクロファージ(5%)の三つの免疫細胞がある。

それぞれの役割分担はまず、
マクロファージが司令塔的な役目をして異物の性質を調べる。

くわえて、マクロファージは比較的大きな細菌や異物を食べる。

顆粒球は、からだのなかに入ってきた細菌や死んだ細胞を食べて分解する。

一方、リンパ球はそれよりも小さい異物やウイルスと闘う。

つまりこの、三つの免疫細胞は、それぞれ役割分担をして細大漏らさず、
私たちのからだを守るように機能しているのである。

このように白血球がおこなう免疫活動は、からだに細菌や異常細胞など異物が発生すると始まるのだが、白血球では「リンパ球」が病気に対して免疫力を発揮する主役で、がん細胞などの異常細胞をやっつける役目はリンパ球が担う。

また、リンパ球(35%)、顆粒球(60%)、マクロファージ(5%)の割合は、
マクロファージを除いて常に一定というわけではない。

たとえばリンパ球が増えると、顆粒球の割合は減ることになる。

免疫力の主役はリンパ球だが、理想の割合は、リンパ球が白血球の35~41%で、
顆粒球は54~60%といわれる。

ちなみに、統計によると病気を抱える人のリンパ球の比率は30%以下で、病気ではないが不快症状を抱えている人は30~35%、そして特定の疾患や不快症状などもない、健康な人のリンパ球は35~41%となっている。

つまり、健康である(病を治す)ためには、リンパ球の割合が35%以上必要ということになる。

リンパ球の増減にもっとも影響を与えるのは、心身に受けるストレスである。

ストレスとは、人間関係からくる悩みすぎや不安、限度を超えた疲労、睡眠不足などである。

このようなストレスがリンパ球に影響を与えるのは、白血球の支配に「自律神経」がかかわっているからである。

自律神経とは、意志と無関係にからだの機能を調整している神経をいう。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があるのだが、心拍や体温調節、排泄、生殖をそれぞれ役割分担している。

そして、交感神経は顆粒球を、副交感神経はリンパ球をコントロールするが、たとえば肉類を食べると交感神経優位に働くことになる。

肉の場合は酸性食品で消化時間が短いため、食べるとすぐに活動に反映され、交感神経が優位に働く。

すると、顆粒球が増加し、リンパ球の割合は減ることになる。


免疫力をコントロールする自律神経
自律神経は全身に分布し、心拍や体温調節など生体活動のほとんどを自動的におこなっている。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、食事に関する食欲や消化も自律神経のはたらきで調整され、副交感神経優位では食欲が旺盛になって消化がよくなり、交感神経優位では食欲が低下する。

体調に関していえば、興奮の体調をつくるのが交感神経で、リラックスの体調をつくるのが副交感神経になります。

白血球には「リンパ球」や「顆粒球」などの免疫細胞があり、これらの白血球に占める割合は、無理をしたりストレスが加わるとリンパ球と顆粒球の比率は変動する。

この白血球の変動を支配するのが自律神経であるが、自律神経の交感神経が優位になったときにリンパ球の割合が減り、リンパ球の割合が減ったときに免疫力が低下し病気が起きる。

交感神経優位の状態が長期にわたると、交感神経が過緊張して粘膜や組織に障害がおき、血管が収縮して血流が悪くなって体調をくずし、病気を発症する。

病気の改善では、交感神経が過緊張の状態から、食事や休養などからだにとって有効な刺激を受けることで副交感神経が優位になると、交感神経の緊張がゆるんで血管が拡張して血行がよくなり治癒に働く。

また、病の改善には食事が「腸管」にストレートに働きかけるため、ひじょうに有効である。

腸管とは、消化管としての「小腸」「大腸」などであるが、この腸管には全身の免疫細胞の6割が集まっている。


免疫細胞の6割が集中する腸管
自律神経の副交感神経が優位になってリンパ球が増えると、免疫力が正しく働く方向に影響する。

食事は、この副交感神経を優位に導くもっとも有効な手段になる。

食事は休息や睡眠と同じリラックス体調をつくるので、おいしいものや温かい料理を食べてよりリラックスできれば、副交感神経が優位になり免疫力が高まっていく。

また、食べ物を食べたときの腸管(小腸、大腸など)がおこなう蠕動運動(ぜんどううんどう)、消化、吸収、排泄などもすべて副交感神経に支配されている。

そのため、食事をとり始めると腸管が働いて副交感神経が働きはじめ、とりわけ消化や排泄作用のよい食事は、より副交感神経に働きかけることになる。

食事以外にも副交感神経を優位にする方法として、呼吸法や半身浴などの入浴、アロマセラピーなどがあるが、これらの方法と食事が違うのは、「腸管」が働いて副交感神経が優位になる点である。


小腸と免疫細胞

2008-03-21 09:12:10 | 解剖生理学(免疫系)
特に栄養を吸収する作用を持つ小腸には、有害な異物を一緒に吸収しないよう、全身の60%の「免疫細胞」(リンパ球)が配置され、免疫システムが働くようになっている。

小腸に送られてきた食物の中に一緒に来た細菌やウイルスなどのからだに有害な物質がやってくると、「白血球」や「リンパ球」に危険信号を発する。すると、免疫細胞(「白血球」や「リンパ球」)から異物として攻撃を受け、体内に吸収されないようになっている。
 
「免疫細胞」を活性化させるためには、細胎内の「ミトコンドリア」を働かせなければならないのだが、それには「食物繊維」と「温度」が必要になり、温度が低いとあまり慟いてくれない。具体的には「内臓温度」が 1°C下がると30%の「免疫力」が低下する。

するとウイルスなどを殺す能力が弱くなるため、風邪が治りにくくなったり、合併症を起こしたりする。

それ以前に、「免疫力」が弱くなるとウイルスに感染する危険性もグツと高くなる。

増え続けている花粉症などのアレルギー性疾患も「免疫力の低下」によって起こりやすくなるため、突然花粉症になっちゃった、という人は冷えが原因でなっていることも考えられる。 

その他、疲れやすい、ストレスを感じやすい、なども「免疫力の低下」が招く症状の一部である。

リンパ節

2008-03-21 08:39:54 | 解剖生理学(免疫系)
 ヒトの体の中には血管のほかにもリンパ管が全身に広がっている。全身の組織中の細胞と細胞との間の組織液は、毛細血管を経て血液中に戻るが、一部(約10%)は毛細リンパ管に入り、静脈に送られる。この循環をリンパ系といい、その中を通る液をリンパという。

 毛細リンパ管が合流し太くなったものがリンパ管で、多くの弁を持ち、とくに太いものでは弁のところがふくらみ、数珠状につながって見える。

 リンパ管にはところどころリンパ節(腺)というソラマメ状の丸いふくらみがついている。

 リンパ節は新しいリンパ球や免疫抗体を産生し、細菌や異物を処理している。リンパ管は、リンパ節を経由しながら、最後はリンパ本幹となって静脈に注ぐ。

 リンパ節は全身から組織液を回収して、組織内に進入、あるいは生じた非自己異物が血管系に入り込んで全身に循環してしまう前にチェックし、免疫応答を発動して食い止める関所のような機能を持っている。

 個人差があるが、全身に600箇所くらいあるといわれており、主に首・わきの下・足の付け根などに存在する。そのうちの半分くらいのリンパ節が集まっているのが首の付け根の鎖骨部分である。

 この鎖骨リンパ節はリンパ液が体中をめぐり運んできた老廃物が行き着くところなので、リンパの流れが鈍りやすくなる箇所である。自分の手で首や鎖骨周辺に適度な刺激を与え、リンパの流れを促進させてやることは、今すぐにでもできる健康への第一歩といえる。

■主なリンパ節は次のとおり。
・鎖骨(鎖骨リンパ節)
・脇の下(腋窩【えきか】リンパ節)
・アゴの下(顎下リンパ節)
・腹部(腹部リンパ節)
・脚の付け根(鼠径【そけい】リンパ節)
・ひざ裏(膝かリンパ節)
・耳の前(耳下腺リンパ節)
・(頚部リンパ節)

免疫細胞

2008-03-21 08:22:57 | 解剖生理学(免疫系)
免疫機能を司る免疫細胞
は、私たちの身体を構成する約60兆個の細胞のうち約2兆個、重さにして約1kgほどのものである。
全細胞のうち毎日3000億個以上の細胞が死に、同じ数だけ新しい細胞が生まれ、免疫細胞も1日に100億個が入れ替わる。このような膨大な数の細胞が、一生懸命働いてくれることで私たちの身体は守られている。

免疫細胞はどこで造られる?
各免疫系の器官でそれぞれの免疫細胞は造られる。免疫系器官には骨髄、胸腺、リンパ節、血管、膵臓、腸などがある。その中で一番重要な骨髄には、リンパ球や赤血球の元になる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が存在している。骨髄で造血幹細胞の分裂から生まれたリンパ球のうち、胸腺に行ったリンパ球はここで教育されてT細胞(胸腺由来)になり、全身に供給される。それ以外のリンパ球はB細胞(骨髄由来)になる。

免疫細胞は白血球
免疫細胞は非常に沢山あるが、元をたどると1種類の細胞から生まれる。免疫細胞のほか、血液の中のものはすべて1つの種類の細胞から生まれる。それが、造血幹細胞(多能性幹細胞=原始マクロファージ)である。
免疫細胞は造血幹細胞から分化して生まれてきた白血球である。分裂した細胞はリンパ系幹細胞とマルチ系幹細胞になるが、最終的に生まれる細胞はリンパ系がT細胞、B細胞、NK細胞。マルチ系がマクロファージ、顆粒球(好中球90%以上、好酸球、好塩基球)、赤血球、血小板となる。

免疫細胞の成分
免疫細胞を構成しているのはアミノ酸である。アミノ酸は、私達の身体を作り上げている重要な物質、タンパク質を構成している成分である。アミノ酸は20種類有り、その組み合わせによって、身体のほとんどの部分が作られている。

加齢と共に免疫機能は崩れる
年齢を重ねるごとに免疫細胞の機能は低下する。
この主な原因は、免疫細胞のT細胞の生産を担当する胸腺と、リンパ球をたくさん含んだ脾臓の萎縮が加齢とともに他の臓器に比べて、速くなることが考えられる。

T細胞が老化の影響を受けやすい主な理由は、T細胞の補充がほとんど新生児期に限られ、その後十分に補充されないためである。したがって、老化に伴って免疫細胞・免疫組織の機能は多かれ少なかれ低下するが、中でも免疫応答全体をコントロールするT細胞系が特に影響を受けやすいと考えられている。マクロファージも減少する。
また加齢による胃腸の衰えからくる腸内の細菌バランスの崩壊なども免疫低下の原因と考えられる。

骨髄

2008-03-21 07:47:17 | 解剖生理学(免疫系)
骨髄は骨幹の内腔(髄腔・ずいくう)、および海綿質の隙間にある。

骨髄は赤色骨髄黄色骨髄に区別される。

赤色骨髄は、血液に富んでいるので赤色にみえて赤血球、顆粒白血球、血小板が作られている。

黄色骨髄は脂肪に富むので黄色にみえ、造血機能はない。

年とともに赤色骨髄の脂肪細胞が増えて黄色骨髄に変化する。

老人は若年者に比べて赤色骨髄が少ないので、造血機能が衰えて貧血になりやすくなる。

☆造血作用:生後一年くらいは全身の骨にあるが、成人してしまうと椎骨や頭蓋骨、骨盤、大腿骨など限られた部位で生産されることになる。

様々な血球とその仕事

2008-03-20 17:49:12 | 解剖生理学(免疫系)
血球は骨髄中にある未分化の幹細胞という同一の細胞から作られると言われている。

赤血球
・未分化の肝細胞→核小体が小さくなり・細胞小器官減少→無核の赤血球になり血中へ
・酸素を運び二酸化炭素を回収する。
・中央が凹んだ円盤型で無核である。
・鉄を含む血色素(ヘモグロビン)の影響で赤い。
・柔軟性にとみ、変形しやすく細い毛細血管も容易に通過できる。
・寿命は約120日。
・毎日全赤血球の1/120が肝臓・膵臓で破壊され骨髄で新生される。
・ビタミンB6・B12・葉酸・銅などの助けを借りて生成される。
・男性500万個/立方ミリメートルよりも女性のほうがやや少ない450万個/立方ミリメートル。(女性ホルモンには赤血球産生を抑制する作用がある

血小板
巨核球の細胞分裂によってできる。
凝固因子との共同作業により血管を補修する。(止血、凝固)

白血球
・未分化の肝細胞→リンパ芽球・単芽球・骨髄芽球それぞれが分化し、
リンパ球・単球(マクロファージ)・顆粒球となる。
・生体防御作用(特異的防御機構)に関与し免疫系システムの主役である。

●リンパ球
・自己と非自己を見分ける機能を持つ
・目的の抗原だけを狙い撃ちすることができる
・白血球の36.5%をしめる
・免疫作用の主役でT細胞・B細胞からなる。
・リンパ芽球が胸腺で分化したものをT細胞、
・ファブリチウス嚢で分化したものをB細胞という。
・T細胞は細胞性免疫、B細胞は体液性免疫の作用を持つ。

T細胞
リンパ球中の細胞性免疫機構を担う、胸腺で分化される細胞
・免疫系全体の指令塔的な役割を持つ
・サプレッサーT細胞・ヘルパーT細胞・キラーT細胞に分かれる
T細胞は直接異物の排除処理を行う(食作用)
・単球のマクロファージが異物を食べその特徴をT細胞やB細胞に伝える(抗原提示)
・化学伝達物質であるリンホカインを産生

<キラーT細胞>
細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)として分化したもの、殺し屋細胞で食作用を持つ。
・好中球やマクロファージからの抗原提示により分析した抗原への打撃
<ヘルパーT細胞>
抗原(異物)に適合した抗体を生産するための指令をB細胞に与える。
<サプレッサーT細胞>
B細胞が抗体を作り過ぎないようにコントロールする。

B細胞
リンパ球中の体液性免疫機構を担う。ファブリチウス嚢で分化する細胞
・T細胞の指令に基づき、タンパク質より抗体を産生する。
・再侵入された場合に備え抗体の再生記憶をする。
・マクロファージがうまく食べられない抗原に付着して食べやすくする
(オプソニン効果=免疫食作用)
抗体は免疫グロブリンといわれるタンパク質Ig(IgG.IgA.IgM.IgD.IgE)がある。

IgG=胎盤を通過し感染後3週間ほどで現れるので即効性はない。二次免疫応答で多量に産生される。血清中で最多。オプソニン作用を持っている。

IgA=分泌されるときは2量体になっている。分泌型で初乳・唾液に含まれる。粘膜系の免疫作用に関与する。

IgM=感染後最も早く作られる抗体

IgD=B細胞と関係すると考えられる。新生児のリンパ中に存在するが、不明な点が多い。

IgE=即時型アレルギー(喘息等)に関与する。肥満細胞や好塩基球に結合する。

<記憶B細胞>
一度、弱った菌や殺傷された菌(抗原)を身体に入れて、抗体を作っておけば、長い間B細胞はそれを記憶している。次に、その菌に(抗原に)感染したときに、その記憶が呼び覚まされて直ぐに抗体を作って対抗することが出来る。

<形質細胞>
Bリンパ球が分化した細胞。核は偏在し、車軸核と呼ばれる。免疫グロブリンを生産する。急性炎症末期から慢性炎症の病巣に出現する炎症細胞の1つでもある。B細胞-免疫芽細胞-形質細胞系は液性免疫に関与する。

NK細胞(ナチュラルキラー)細胞
胸腺で分化する
抗原認識がないので無差別に抗体を攻撃する
ウィルス・細菌・がん細胞などに有効
笑うことでUPしストレスで減少するといわれる
非特異的防御機構・特異的防御機構両方で活躍する

●単球
骨髄で産生され、最も未熟なものは単芽球monoblastと呼ばれる
血液中では単球
組織にでるとマクロファージ(大食細胞)
・肝臓ではクッパー細胞
・肺胞では肺胞マクロファージ
・皮膚ではランゲルハンス細胞
・骨では破骨細胞
貧食、T細胞への情報伝達


●顆粒球
好酸球(抗原抗体複合物の摂取除去・寄生虫やアレルギー性疾病に増加)

好塩基球(アレルギー反応、炎症部位の血管拡張・血液凝固の抑制・好中球のヘルプ)

好中球(白血球中最大・細菌・ウィルスの摂取・消化・白血球中最多・活発な食作用)

免疫の仕組み

2008-03-20 16:02:50 | 解剖生理学(免疫系)
免疫
〔疫病を免れる意〕伝染病などに一度かかると、二度目は軽くすんだり、まったくかからなくなったりすること。生体が自己にとって健全な成分以外のものを識別して排除する防衛機構。

特異的防御機構
・侵入物を認識して特異的に反応・処理する免疫機構
・1度感染すると抗体ができて再び感染しないなど
 のリンパ球中心の免疫機構(麻疹やおたふくなど)
・T細胞による細胞性免疫とB細胞による体液性免疫がある

細胞性免疫
移植片に対する拒絶反応のようにTリンパ球(T細胞)自身が対象を攻撃する免疫

体液性免疫
細菌感染の防御のようにリンパ球が生産する抗体による免疫。B細胞を中心とした免疫でマクロファージを介して抗原情報を得たヘルパーT細胞が、B細胞に働きかけることにより、B細胞が形質細胞に変化して抗体(免疫グロブリン)を産生する。体液(血液)の中に敵が侵入し存在している時に働く免疫で、免疫の主役たちが血液やリンパ球の中に存在するので体液性免疫と呼ばれる。

抗体
抗原の侵入を受けた生体がその刺激で作り出すタンパク質の総称。その抗原だけに結合する性質があり、結合によって抗原である細菌などを溶解したり、毒素を中和するなどして生体を防御する。免疫グロブリンに属する。免疫体。

抗原
生体内に侵入して抗体をつくらせ、その抗体とだけ結合して反応する物質。細菌毒素・菌体成分や多くの異種タンパク質がこれに該当する。アンチゲン。

非特異的防御機構
・一般的な異物・侵入物に対する無差別的な排除システムである。
・防御壁としての皮膚や粘膜
・局所にある抗菌性物質(胃液・腸内細菌など)
・好中球や単球による無差別的排除機構