薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

視察「道の駅 保田小学校」

2017年10月27日 | 日記

1期生の議員10名で、廃校になった校舎の利活用について視察してきました。

まず向かったのは、家族で何度か訪れたことがある鋸南町の「道の駅 保田小学校」。

鋸南町の人口は昭和25年16,500人をピークに減り続け、現在は8,500人。2060年には2,700~3,600人にまで落ち込むことが予測され、教育施設の再編計画(統廃合)に早くから取り組んでいました。

しかし、盛んだった農林漁業の減退に加え、学校の閉校により地域コミュニティの核を失った影響によって地区人口の減少傾向が加速してしまい、このままでは地域活力を失ってしまいかねないという危機感から「都市交流施設・道の駅 保田小学校」プロジェクトに取り組んだのです。

保田小学校はH26年3月で廃校になったのですが、プロジェクトが始まったのは廃校前のH24年度からというから驚きです。その理由は「使わなければドンドン老朽化してしまうからブランクをおかずに進めたかった」ということ。

それゆえに自主財源で施設の状態や商業施設としての検証など基本調査を行っています。先に方向性や企画を決めてから、見合う交付金がないかを探すという取り組み方に、行政の本気度が表れていますよね。

設計者の選定には全国から37応募があり、公開プレゼンテーションを行って、200人もの町民が集まったそうです。町の活性化にどんなアイデアが持ち込まれるのかを町民にも公開するということは、開かれた行政として見習うべきことです。

他にはない特徴を打ち出しているのが道の駅保田小学校。学校という1つの軸を大切にするコンセプトが随所に感じられました。

 

こちらは一階にあるレストラン。

 

校舎2階の教室のベランダを広げて作った通路には、学校の校章やかつて使っていた机と椅子。給食のコンテナなども置かれていました。

 

これは平均台。なんだか懐かしいですね。

 

この右側の教室は宿泊施設に変身。ロッカーや机は当時のままです。平日の稼働率は3割程度ですが週末は6割。夏休みになるとほぼ満室という人気。畳ベッドは奥よりも手前のベッドは低くなっていて、寝相の悪い子どもでも安心です。

こんな注意書きに、童心に返りますよね。

大部屋もあり普段は70人の宿泊が可能なのですが、災害時にはパーテーションで仕切って避難場所としての活用を考えています。太陽光発電や自家用発電もあり、炊き出しもできるような設備も整えています。

こちらは、かつての体育館。お土産や農産物などが並ぶ買い物スペース。

保田小学校のネーミング商品がズラリ。随分交渉されて商品化に至ったそうです。

H27年12月にオープンし、目標の年間来客数27万人を大幅に上回る60万人の来客数。年間売り上げの目標2億7千万円も半年でクリアし6億1千万という素晴らしい結果を、メディアに取り上げられ注目されてきたものだと冷静に分析し、もっと積極的にPRしなければ来客数は維持できないと自ら発信するフェイスブックを始められました。

市原市の廃校になった校舎の利活用について、鋸南町のように本気になって取り組まないと感じました。

午後から向かった「シラハマ校舎」は後日に報告させていただきます。


最新の画像もっと見る