ready go! 

一日も早い回復をお祈りいたします

29日の続き

2007-06-30 13:26:29 | ラジオ

29日の 続きです。

よーし、いくぞー!ハハ!ィエイ?!

(ゆういち)
くがしま海岸の浜辺で 花火をした。
花火を 手に持って振ると 光の残像が 闇に浮かんでは 消えた。

まりこさんは なんだか 無理して はしゃいでいるように見えた。
「わ~、綺麗! あやかちゃん きれいだよ~☆」 
「きゃ~、ハハハ!」

あやかちゃんは いっぱい笑っていた。朝の雰囲気とは 全然違った。
「お父さん! それ 火つけて。」

刑事の はやみさんは うん、やっぱり楽しそうに見えた。
「さあー、行くぞー!」

で・・、肝心のオレは どうかと言うと・・。

「さえきゆういち! ロケット1号・・ いっきまーーす!!」


(ラジオ)
さーて、みなさんも どしどし リクエスト下さいね。

一通り 花火をやってしまうと みんなで 浜辺に座った。
あやかちゃんのラジカセで ラジオを聞きながら。

(まりこ)「ゆういちくん。」
(ゆういち)「ん?」
「ここまで 来れたの・・ゆういちくんの おかげ。」
「え?(笑) オレ 何もやってない気がするけど。」
「ううん。私ね、彼とは 完全に終わったと 思ってたんだけど。やっぱり 駄目だったみたいで。」
「そんなに簡単に 無理だよ。」
「そういうものかな?」
「・・いいんじゃないかな? 忘れなくても。」
「そうね。でも・・。」
「ん?」
「お陰で ちゃんと お別れできた・・かも。」
「そっか。」


(あやか)
お母さん。今 お父さんと お母さんの海に 来ています。
あやかは 元気です。来週から ちゃんと学校に行きます。
安心してください。

(はやみ刑事)
あやかの事は 心配するなよ。
なんとか二人で やってくからな。
お前の事を 毎日話すよ。お前が やめてって 言うまでな。



~石垣島
(さと)「あーい、あかねさんも ここにいたのね。」

ゆきさんと 夜の浜辺に いたら お母さんが やってきた。
「まったく 仲間外れは ないよ、ゆきさん。」
「ごめんね、さとさん。」
「何 持ってるんですか?さとさん。」
「ラジオ。海で 聞きたくなってね。」

メールの受信音
「あ。」
メールが、放送局のディレクターから 転送されてきた。
あの 例の中学生の女の子からのメール。

その内容は、
「くどうあかねさん。
お母さんの使っていた私の大事なラジカセを 直してくれた おじいさんには もう一度会いたいと 思う人が いるそうです。
その人は ゆきさん・・という名前で おじいさんは その人の事が ずっとずっと大好き だったそうです。
ゆきさんから もらったラジオ。ずーっと大事にしているんです。
だから、私も お母さんのラジカセを 大事にしたいと思います。」

「ゆき・・?」

「あのー、お名前 ゆきさん・・でしたよね?」「えぇ。」
「このメール 見て下さい!」

(さと)「ほれ、ラジオ聞くよ!」
(ラジオ)
えーと、時刻は 10じ54分になります。
あー、本日 最後のリクエストは・・。
今日 実は ハッピーなニュースありましたよねー。
ハワイで 遭難したけど、奇跡的に助かった やまなかこうたろうさん。
実は 彼、漂流しながら ある曲を口ずさんで いたらしいんですねー。
それじゃ その曲 かけちゃいましょう、星に願いを。



(ゆういち)「まりこさん・・。」
(まりこ)「こんな事って あるんだね。」
「この曲・・。」
「この曲は 今日から ゆういちくんとの 思い出の曲にする。」
「ああ。」
「助かって良かった。」
「そうだね。」

星が たくさん あった。
オレは 何を願えばいいんだろう?
すぐには 思いつかないけど、また こんな夜があったらいいな・・と。
まりこさんが そっと手を伸ばしたので 
オレは その柔らかい手を 優しく握り返した。

(あやか)「お父さん!この曲、この曲だよね?!」
「うん、この曲だな。」
「お父さんと お母さんが一緒に聞いた曲だよね。」
「雨宿りした小屋の中でな。」
「お母さんが 大好きな曲。」「ああ。」
「もしかしたら お母さんが リクエストしたのかも。」
「お父さんも そう思う。」
「お母さん 見てるね。」「ああ。きっと見てる。」

私は 心の中で お母さんに言った、ありがとうって。

「お父さん。」「うん?」
「ありがとう。」


また続きます。




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