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一日も早い回復をお祈りいたします

似ているところ

2009-11-15 16:36:15 | Weblog
グレイガーデンズのジョセフ・ケネディ。
1幕目の川久保くん とても美しく凛々しい。
絵に描いたような完璧な(その時代の結婚相手として)男性ですが
どうも それだけではない雰囲気を漂わせています。

それは もとのお話がそうなのか
演出家の亜門さんの意向なのか
川久保くんの中から出てきたものなのか分かりませんが、
パンフレットやいろんなインタビュー等を読むと
グレイガーデンズのお話が もともとイディ親子のお話
女性(型にはまることが出来ない女性)に対するお話なので
愛情もって向けられる目線が
1、イーディ親子
2、ゲイかな(両方かな)と思われるグールド、ジェリー
3、ネコ
4、ニュートラルな態度で接してくれるリー姉妹とブルックス
5、力で抑えこもうとするブーヴィエ少佐と野望あふれるケネディJr.

・・の順番のようなのです。

なので ここでは エリート予備軍のジョセフ・ケネディは
かっこよくて華やかだけれど よく見ると「ヒール扱い」。
光と影の裏返しでもある存在。
またヒール(悪役)として存在しているかのように見えて、
一方でエリートで敬虔なカトリック教徒の人間であるがために
愛する女性よりも 自分の立場を優先してしまう辛さと悲しさ。
狭間で一瞬悩んでしまう壊れてしまいそうなもろさも伝わってきます。

そのあたり 風魔で飛鳥武蔵だった川久保くん
ヒールでありながら 主役以上に気になる存在、
感情移入をしてしまう役を演じたことが そうさせるのか。
悲哀が佇まいに染み込んでます・・。


他の役では どうだったかと思って 考えてみると。

リチャード3世のリッチモンド伯は 
自分のことを疑ったことも無く正しい道を突き進む役。
だから 精神面での挫折や屈折はまだ経験がない感じ。
野心が強いところ、女性が好きなところは?同じですが。

少将滋幹の母(母恋ひの記)の藤原敦忠。
地位も頭脳も美貌も人望も何もかも持ち合わせていながら
どこか満ち足りていない、冷酷な一面もある敦忠。
美しいお母様が一番で その為には結構残酷な仕打ちも
女性に対しても異母兄弟の滋幹にもしてしまう非情ぶりに
「敦忠(川久保くん)怖いよ・・。」
と思ったものです。

敦忠さまとジョセフ・ケネディは どこか近いものがあります。
タイプは少し違いますが。

敦忠にとっては お母様の関心を自分にむけることが一番。
ジョセフだと 高い上昇志向と保身、
桁外れた野望とプライドを保つことがそうでしょうか。
女性はどんなに愛していても 2番目でしかない。

それは自分でも分かりきっていることだから
ジョセフは逃げずに その場でイーディにはっきり
「無理だ」と告げるのです。
その扱いに自分自身も傷付きながらも どうすることも出来ないジョセフ。
冷たい態度をとりながら とてもとても辛そう。

だから この場面イーディもジョセフも どちらも傷ついていて。
見ていて辛いです。




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