東京リサーチ日記

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約110人が入れ墨ありと回答・・・

2017-02-11 00:00:00 | 情報・日記
 2017年2月11日、2012年大阪市による市職員への記名式調査で、約110人が入れ墨ありと回答したことが話題になったのだ。民間企業では入れ墨社員に対してどのような対応が可能なのだろうか。橋下徹市長は当初、分限免職の可能性を示唆していた。分限免職は民間の普通解雇にあたるが、解雇にはそれ相応のハードルがあるのだ。「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働契約法16条)。つまり「イメージが悪いから」「わが社の社員として相応しくないから」といった理由だけで解雇するのは不当なのだ。どのような状況なら解雇が可能なのか。まず、入れ墨NGであることを採用時に明示していたかどうかである。ある社会保険労務士は次のように述べている。「一般的に入れ墨は、反社会的勢力との関わりをにおわせるものとして受け止められています。採用の過程で『入れ墨はお断り』と明示したにもかかわらず入社後に発覚したのであれば、解雇が認められる可能性はあります。場合によっては、虚偽申告したとして懲戒解雇が認められる可能性もゼロではない。また、採用段階で、反社会的勢力との関わりや、関わりをにおわせるような行為からの徹底的な断絶方針を明示していれば、入れ墨社員はお断り、という点についても明示があったと解釈できると考えられます」また、「一般的な感覚からファッションの域を超えると思われる入れ墨は、解雇を後押しする材料の一つになります。またマネジメント職で部下や取引先に入れ墨を誇示して、事実上のパワハラが起きているようなケースも解雇は認められやすいでしょう」と述べている。以上のように、入れ墨そのものを理由に社員をクビにするには一定のハードルがあり、ほとんどのケースにおいて、解雇にはプラスαの条件が必要になる。どうしても入れ墨社員を雇いたくないのなら、採用段階で遠慮願うしかない。採用前はまだ労働契約関係に入っていないため、企業に採用・不採用を決める自由が幅広く認められているのだ。日本では解雇は意外にも難しいのだ・・・(井森隆)