「売れないと餌代もかさみ、経営は苦しい」

　２０１７年１月２５日、出荷量が全国トップだった福島県の養殖コイが、福島第一原発事故のあおりで２０１１年は２位に転落し、２０１２年現在、生産者の経営が厳しさを増していたのだ。放射性物質の検査で安全が確認されているものの、消費者の不安が払拭されないためだ。生産者らはより安全性を打ち出そうと、池底の泥を吸い込まない養殖方法に切り替えることを決めたのだ。福島県の出荷量は２００４年から７年連続で日本一だった。１１年には前年比３５％減の７０５トンに落ち込み、茨城県に抜かれた。最も養殖が盛んな郡山市で、約７０万匹を養殖する最大手の「熊田水産」は前年比で４割減。熊田純幸(すみゆき)社長（６９）は、「売れないと餌代もかさみ、経営は苦しい」と話したが、あれから４年以上経つが現在は・・・（井森隆）