東京リサーチ日記

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正しい知識で消費者が冷静に行動していれば、品不足が起きることはなかったのであろう・・・

2011-05-13 00:00:00 | 情報・日記
 2011年5月13日、2011年3月11日の東日本大震災が発生後、人々はどうしていたのか・・・千葉県市原市の金融機関に勤めるある人(27)は職場の外へ出ると、数キロ先にあるコスモ石油の巨大な液化石油ガスタンクが炎上し、爆風が全身を覆った。空へと燃え上がる黒煙…。あの瞬間、「何か大変なことが起きた」と感じたそうである。数日後、妻(27)と千葉市の自宅からスーパーへ走った。レジには行列ができていた。2リットル入り飲料水6箱(24本)、カセットコンロ用ボンベ15本、菓子パン10個、カップ麺5、6個を30分並んで買ったそうである。なぜ、この行為を行ったのか、その理由は、「棚から持ち去られていく様子を見ていると、保存できるものは何でも買っておかなければという気になった。モノを少しでも手元に置いておきたかった」という。そのため、自宅のの冷蔵庫わきには、ペットボトルや保存食が山積みになっていたそうである。その気持ちはわかるが、これは人道的によくない行為である。その行為がはびこると、被災地への物資が届かなくなる恐れが出るからだ。「自分だけさえよければいい」と言う考えは日本を自滅させるだけである。それは「そもそも、モノが作れなくなったわけではなく、わが国は生産力も備蓄もある。本当の危機ではないのに買いだめ行為によって危機を起こしている」のだ。買いだめ連鎖のため、首都圏の大手スーパーが震災5日後の2011年3月16日、食料品と日用品30品目について需要と供給の状況を調べた。飲料水の需要は平時の31倍に上り、パスタは27倍、カップ麺は14倍、米は10倍。日用品ではボンベが30倍、乾電池が16倍だったのだ。一方で、供給も飲料水が2・5倍、パスタが3・6倍、カップ麺が2・7倍、米が2倍など大半が平時を上回った。もし、あのとき消費者が冷静に行動していれば、品不足が起きることはなかったといえるのだ。後の2011年4月4日に再び調査したところ、買いだめが一巡したため、米とカップ麺の需要は震災前の3割減、2割減に落ち込んでいた。トイレットペーパーとティッシュペーパーも1割減だったのだ。互いの疑心暗鬼から買いだめといった行動の結果であろう。人々の心の中は常に善と悪が共存しているのかもしれない。正しい知識を持っていれば、消費者が冷静に行動していれば、品不足が起きることはなかったのであろう・・・(佐々木和夫)