自著の小説・詩の紹介(巨人戦)

ブックマークに、歌謡詞、旅情詩の無料サイトと小説の電子版有料サイト。毎月1と15日に小説の執筆状況、歌謡詞等を掲載

高木徳一の小説の執筆状況と『冬』の歌謡詞(巨人戦)

2011-09-20 11:10:26 | 小説

 今日は。

 団扇で扇ぎ、新聞を読む。蚊が目の前を。障子に止まる。叩いた。<wbr></wbr>ぺシャッと。鮮血滲みた。叱られた。先日、張り替えたばかりの障<wbr></wbr>子・・・・・・

 暑さ寒さも彼岸までと昔の人は言いました。確かに、残暑厳しく、20日頃まで30度前後だそうで、大変ですね。

 11日の日曜日に、子供神輿の付き添いをしました。大震災、原発事故の影響で盆踊りと大人神輿を中止したので、自治会では子供らの思い出にと子供の山車と神輿を出しました。祭りは子供達の笑顔が溢れ、楽しかった。午後になると女神輿の子<wbr></wbr>供の担ぎ手が極端に少なくなり、20代前後の女性を勧誘したら、<wbr></wbr>中国人。瀋陽から1年間日本語学習で留学中とのこと。私は3年弱<wbr></wbr>北京に駐在しており、話が盛り上がった。記念にと神輿を担ぎ、写<wbr></wbr>真を撮り、話題の中心。私は当時を回想した。事故もなく無事に済<wbr></wbr>み、良かった。

 さあ、今日から執筆活動。曇りだったので帽子を被らず、大団扇でワッショイと大声を上げ、声が嗄れました。休憩所ごとにお菓子配布とお茶補給。出発時のお神酒、昼のお握り二つ、2時頃には会長宅で小さな缶ビールに、梨、饅頭、そして3時に町内巡回を終えました。神輿解体時にお腹が張ったみたいでおかしいと。反省会で折り詰めの野菜類を摘み、ビールを2杯飲むと、お腹が少し痛む。急遽飲み食い中止。帰宅後胃薬飲んだら、30分後胃酸のみ吐いてすっきりでホッとした。ところが、翌朝頭が帽子を被ったようなうっとうしさ。疲労、軽い熱中症かと思い、安静、首冷やしをしたが治らず、4日目に先日メタボ健診で健康優良児と言われた医者に解熱鎮痛薬を頂いた。朝、昼、晩、翌朝飲んだら治った。薬の偉大さに今更ながら敬意。健康のありがたさを再確認。

 昨年も食べすぎ飲みすぎで同じ医者に掛かったのに、またしても繰り返してしまった。がっつかず、歳相応の分量を考えねばと。

ここまで15日に書いて、また少し頭がボーっとしたので、書き込みを中止しました。3連休を薬を飲んでゆっくりしたのです。眼鏡を掛けると、治るので、目の疲労で、レンズを調節する毛様体の筋肉が凝り固まって頭痛を起しているのでしょう。40代の頃、帽子を被ったような症状が2、3週間続き、飲み屋で友人に話したら彼の父親が同じような症状で眼鏡を掛けたら治った由。早速、大学病院で目の検査をして眼鏡を購入したら治った経緯があるのです。

脳腫瘍の懸念は2年前に耳鳴りで脳のMRIを撮って貰い、聴神経に腫瘍もないし、他にもない由。

 目の酷使に注意して、遠くを見たり、目のマッサージが大事かと。

1.政治・経済

  野田内閣が始動し、実行力を期待します。関係閣僚は被災地で2,3日暮らすぐらいの気概をもって現場の意見を汲み取り、行政を手際よく動かして欲しい。失業保険の再々延長がなされているようだが、被災者の雇用対策が急務です。防災ビルと水産加工場の建設を同時に。

  世界を見渡しても、景気のよい地域はブラジル、インドネシア、インド、中国、ドイツ、韓国くらいですかね。日本を初め、米国、EU諸国が大分落ち込んでいます。しっかりした日本経済の舵取りを野田内閣、頼みましたよ!

2.社会

  芸能界と暴力団との関わりは以前から騒がれていました。その関係で島田紳助さんが芸能界引退を発表。警察庁長官は暴力団撲滅を声高に言い、証拠を積み重ね実行中です。

 自殺する人、生きたいのに難病で死ぬ人、災害で死ぬ人など死の形態は様々です。目的を持って、仲間を作って、生きていれば良いことが必ず来るなどと言葉で言うのは簡単ですね。悩める人への専門家や周囲の人の援助が必要ですね。

  インド北部から周辺のネパール、中国に掛けてマグニチュード6近い地震で、建物倒壊、土砂崩れが起こり、70人以上の死者だそうで、地震頻発年になり、お互い事前準備が必要ですね。

 台風12号は約90名の死者や行方不明者をだしました。特に紀伊<wbr></wbr>半島の和歌山、奈良、三重の3県で被害がひどく、平均年降雨量約<wbr></wbr>4000ミリのところその半分を6日間で降ったのでたまりません<wbr></wbr>。洪水、土砂崩れが発生。
避難指示が出されていなかった地区もあったようですが、住人は山<wbr></wbr>に囲まれているので、何処に避難しても同じだわとのインタビュー<wbr></wbr>。津波被害対策と同様、災害用ビルの建設、防護壁の建設、職(山<wbr></wbr>)住(町)分離などが必要では。

 15日の昼前、ヘリコプターが飛びかいうるさいなと思っていたら、<wbr></wbr>翌朝の新聞で同じ葛飾区高砂8町内で38歳の娘さんが2階トイレ<wbr></wbr>で硫化水素発生中で近寄らないでの張り紙をして自殺したと。助け<wbr></wbr>に行った母親がトイレで、父親がその近くで倒れて亡くなったらし<wbr></wbr>い。親としては咄嗟に助けたいと思うのは人情。なお、硫化水素の<wbr></wbr>怖さも専門家でなければ判らないし。痛ましい

3.医療

 マウスから精子幹細胞を取り出し、別のマウスから取り出した精管<wbr></wbr>に注射して精子作成に成功。この精子を顕微授精させた受精卵をマ<wbr></wbr>ウスの子宮に戻すと子供誕生。孫の代まで異常なし。人の応用が待<wbr></wbr>たれる。

 骨の深部にある骨細胞が破骨細胞を増やす蛋白を製造していること<wbr></wbr>を、東京医科歯科大の高柳教授らのチームがマウスで発見。破骨細<wbr></wbr>胞が古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨を作る。この蛋白を増強す<wbr></wbr>る物を見付ければ古い骨が溜まる骨疾患の治療になる。

 東大(院)の畠山教授は、胃に棲むピロリ菌がCagA蛋白を作り<wbr></wbr>、この内のEPIYAモチーフの部分が人の細胞内の蛋白と同じ構<wbr></wbr>造であると発表。このモチーフが酵素と結合し、細胞分裂に異常を<wbr></wbr>起し、胃癌発生の可能性を示唆。更なる研究が待たれる。

 東大の菅原名誉教授らのチームが『人工細胞』増殖に成功。有機化<wbr></wbr>合物で球状の器を作成し、そこにDNAやDNA合成酵素を入れて<wbr></wbr>、水溶液の温度の上げ下げを20回繰り返した。DNAの複製が出<wbr></wbr>来、分裂し、100万倍に増えた。DNAは大腸菌由来であるが人<wbr></wbr>工的な物でも可能らしい。無生物から生物誕生のシナリオの再現を<wbr></wbr>目指しているが、癌治療に役立つDNAの大量生産の応用が考えら<wbr></wbr>れるとも。

4.スポーツ

 巨人は何をもたもたしているのかと歯がゆいが、選手は一生懸命なのだろう。相手だって必死なのだから。勝負はどちらかが勝つもの。強くて運があるほうが勝利すると思えばイライラが減る。非難するのは簡単、後は当事者特に監督、スタッフの起用法と決断力が大事。今日から首位ヤクルトとの戦い。しっかりやってよと言う他ないわ。中日、巨人、阪神、広島の内、どこが2位、3位となるやら・・。

 なでしこジャパン、五輪出場おめでとう! 世界選手権優勝後のセレモニー続きで疲れ、またプレッシャーに勝っての出場権獲得。この国難時期に勇気と夢を与えてくれ、国民栄誉賞に値する。

 大相撲は関脇の稀勢乃里、琴奨菊が8勝1敗で全勝の横綱白鵬を追う展開。2関脇はこれから上位陣と当たり、真価が問われる。日本人大関誕生が期待されるが・・。

5.文学

 宮部みゆきさんのテレビドラマ『魔術のささやき』は犯人探<wbr></wbr>しが楽しかった。半ばで犯人をほぼ当てられた。私の時効シリーズ<wbr></wbr>は犯人の境遇、動機、心理状態を主眼に描いていますが、犯人探し<wbr></wbr>も面白そうなので書いてみたいと思います。

6.小説の執筆状況

  時効シリーズ5の仮題『ダイヤの疼き』はグリコ・森永事件を題材にしていて、1ページ目を書き始めたばかりで、1週間ばかり頭痛で中断していました。今日から少しずつ無理せず、書いてゆきます。

7.『冬』の歌謡詞   A. 冬の指輪 (七七調一. 闇が迫れば     溢れる光ここは函館      下界は街よ頭上きらめく     青いオリオン   巡り会えたわ     優しいあなたあなたに寄り添い  夢見るわたしラララー        ララーラー 二. 闇が迫れば     流れる光   ここは麻耶山     神戸の街頭上きらめく     赤い大犬通い始める      心と心 互いに伸びる     太く赤い糸    ラララー        ララーラー  三. 闇が迫れば     明かりが灯る    ここは稲佐山    長崎の街   頭上きらめく     黄色い子犬     ついに来ました   婚約指輪震える手触り    いついつまでも  ラララー       ララーラー B.鎮魂山(七五調一. 冬の思い出     蘇る白銀踏み越え    旭を見る   穂高連峰       目の前に共に登った      冬山よアーアー   笑顔で乾杯   ほろ苦い   二. 冬の思い出     懐かしむ ガスを乗り越え    一歩ずつマッターホルン    目の前に共に登った      冬山よアーアー   記念写真   雪焼け顔   三. 冬の思い出     胸を刺す希薄な空気      何のそのチョモランマ      目の前に    共に登った      冬山よ    アーアー   山に抱かれし   友一人


高木徳一の小説の執筆状況と『秋』の歌謡詞(文学界新人賞作品の書評、巨人戦)

2011-09-02 10:51:08 | 小説

 今日は。

 早、九月に突入ですね。台風12号のお陰でやや蒸し暑いです。四国、東海の上陸予想地の方々は勿論、暴風雨圏が広いので皆さん注意して下さい。

 先日、菩提寺で先祖に感謝する施餓鬼に参加。自分がこの世<wbr></wbr>にいるのは先祖の存在があればこそ。毎年8月20日で蝉がうるさ<wbr></wbr>いほどのはしゃぎようで暑いのに、当日は秋雨前線の影響で一気に<wbr></wbr>30度台から26度と秋に突入。

 一昨年は枝を落とし、昨年の柿の実はわずかでしたが、今年に期待。それが現在例年の3分の1の小ささで、熟して落下しています。一つ食べましたがぐじゅぐじゅして美味しくありません。50年と古くなったので、歳のせいで精力が無くなったと思われ、検索しました。その結果、100年、300年の老木でも見事に実がなる由。一年おきに当たり年はあるがとのこと。そうなると、原発事故の影響か? でも、近所の柿木は例年通りの大きさ・・。原因不明・・。でも、夏みかんは例年通りで楽しみです。

   

1.政治、経済

  海江田氏に逆転勝ちの野田佳彦氏が首相に就任。小沢、鳩山グループにも配慮した党運営人事で、党内協力での船出となる。閣僚も実務能力のある方々にお願いしたい。先ず第一に経済の活性化策を打ち出して欲しい。エネルギー政策は・・、節電で夏は乗り切ったが、今後どうするのか。現存の原発への更なる耐震化と津波対策を施しながら新エネルギーの開発が必要。

  日経平均は9000円に戻したが、1ドル77円前後の超円高はそのまま。震災復興への投資で民需拡大を。中小企業や農業、漁業者などへの資金援助で再生化を。

   

2.社会

  苛め、病気、生活困窮による自殺の防止策、虐待の防止策、島田紳助君の芸能界引退で驚いた暴力団の撲滅策など社会の闇を少しでもなくそう。対策関係者は努力されていると思うが、一般人も関心を持っての協力が欠かせない。

社会面も、善行、寄付、自殺や虐待からの克服など明るいニュースを多くしたいものです。

先日、天竜川下りで2名が亡くなり、3名が行方不明とのこと。12歳未<wbr></wbr>満は救命胴衣着用義務だがほとんどがつけていない由。またそれ以<wbr></wbr>上のヒトには着用を勧めているが、暑苦しくなるからと評判が悪いと<wbr></wbr>のこと。①個人が危険を認識し、防止すべき ②主催者側による危<wbr></wbr>険防止対策の徹底、法令化、義務化  ③面倒、暑苦しいなら、よ<wbr></wbr>り危険な区域に入る時だけ着用義務に(飛行機のベルト着用サイン<wbr></wbr>のように)

   

3.地震対策

 先日、思いがけない手紙が葛飾区建築課からきた。耐震診断をして<wbr></wbr>5万円を業者に支払い、区から補助として7割位戻ってきていた。<wbr></wbr>その補助制度を見直し、65歳以上や身体障害4級以上の方や同居<wbr></wbr>者がいる場合は10割補助にした由。嬉しい限りで67歳の私は早<wbr></wbr>速、申請した。

   

4.医療

 理科大のマウスの研究によると、慢性アレルギーには好塩基球が関<wbr></wbr>与し、これを刺激する蛋白TSLPも関係しているとのこと。この<wbr></wbr>二者を抑制する薬が見付かれば治療出来るかも。期待される。

   

5.スポーツ

 夏の高校野球は応援していた西東京の日大三高が優勝し、準優勝には青森の光星が輝いた。高校生諸君、ご苦労様でした。光星は昨年12月にレギュラーがブログに酒を飲んだことを書き込んでいて、本人も飲酒を認め、天国から地獄へ。高野連は厳重注意を。青森出身の近所の主婦は、地元のレギュラーは3人くらいしかいなくて、ほとんどが近畿からの野球留学生で関心がない由。彼らが天狗になった一面もあったかも。団体競技では各人の生活態度が全体に及ぼすので、指導者はしっかり指導を。

 プロ野球は、巨人が横浜に連勝して、首位ヤクルトに1.5差に縮まり2位に。1日にヤクルトが広島に勝って2差。<wbr></wbr>しかし、3.5差に横浜以外の5チームがひしめきあうセ界。巨人は打線も連打がでるようになり、2日からのヤクルト3連戦。1戦1戦大事にいこう!

 韓国デグは出張で病院医師に治験依頼に行っ<wbr></wbr>たことがあるので、懐かしく、そこでの世界陸上では、ハンマー投げの室伏選手が日本初のメダルで金<wbr></wbr>を獲得。おめでとう!女子マラソンで赤羽が5位。女子1<wbr></wbr>00、200米走で福島千里が日本人初の準決勝へ。でも、準決勝で歯が立たず。 他の種目では他国との大きな差は歴然。陸<wbr></wbr>上選手の育成方法を再考しなければ世界との差は縮められない。英<wbr></wbr>才教育とか待遇面の改善を!

   

6.芸能

 竹脇無我さんが小脳出血で死去との報に接し、驚いております。私<wbr></wbr>と同じ昭和19年生まれの67歳。父上の昌作氏の美声アナウンスが今<wbr></wbr>でも耳に残っております。デビュー時、無我とは変わった芸名をつ<wbr></wbr>けたと思っていたら、ただ今ネット検索したら本名とのこと。父親<wbr></wbr>の自殺、長兄の半失明、次兄の死から稼ぐため俳優業に。成功した<wbr></wbr>が、一方二枚目俳優としての実生活面との乖離の悩みなどからうつ<wbr></wbr>病、糖尿病、離婚など波乱に飛んだ一生でした。お疲れ様でした。<wbr></wbr>ごゆるりとお休みください。

   

7.第112回文学界新人賞受賞作(文学界6月号)の書評

 1)甘露(水原涼作、21歳、北大文学部在学)

  (1)書評

 ①札幌の大学生の僕が鳥取の実家に帰省する。実家には祖母、父母、うつ病で大学院を中退した長姉がいる。表向きは平穏だが、父と長姉の近親相姦の現場を見、沈み行く家族を感じ、いたたまれず実家を去る僕の心情を描いている。

 ②情景と心理の描写が細かく、語彙が豊富。例:『沈みながら、その歪みに耐えながら家は、決定的な陥没を、むしろ待望するように待っている』『杖ではもう弱り切った身体を支えることができず、でも、車椅子を誰かに押してもらうことは夫をビルマ戦線へ送り出し一人で銃後を行き抜いた矜持が許さず、それでも花の世話がしたいがために辿りついた妥協点がこのシルバーカーだった』

 ③近親相姦を隣室から覗いた僕が自慰にふける場面があるが、近親相姦は人から隔離された場所で行うだろうと考える。選考委員の一人もそう述べている。わざと見せ付ける意図があれば別だが。

 ④近親相姦の部屋は長姉が可愛がる猫部屋で、鳥やネズミを食べ、ここでの生々しい生と背徳の性を描いているのか。または、父が長姉に哀れみを感じ、女への脱皮を試みているのか。

 (2)選考委員の選評

  ⅰ.破綻のない散文を統御するのは大したことだ。

  ⅱ.性描写が巧い。空疎な比喩や紋きり型のイメージに頼ったところが多い。

  ⅲ.出だしの不穏さがラストまで続ける筆致は素晴らしい。生々しいにおいと湿度とを描ける人。だが、近親相姦の性交は必要だったか・・。

  ⅳ.性衝動に駆動されて選考委員をねじ伏せた。隣の部屋で父と娘が相姦に至るはずはない。

  ⅴ.実父と実姉のセックスをここまで執拗に描けるのは立派な才能。各場面の筆力は賞に値する。

 2)癌だましい(山内令南作、52歳、食道癌で療養中)

  (1)書評

 ⅰ.祖父母、両親、兄も亡くなり、一人になった福祉介護士の麻美が食道癌を宣告され、悲嘆せず、ただ食欲だけに生き甲斐を感じて、食べまくるが、狭窄部によって吐き出され、液体しか胃に運ばれない。凄まじいまでの苦しみ、痛みに耐え、食べる喜びを噛み締める。

 ⅱ.仕事がとろい麻美は職場の癌と陰口を叩かれていて、本当に癌になってしまった自分を笑う。

 ⅲ.描写が詳細であるが、食べ吐き出し、食べ吐き出しの繰り返しが多いと思う。

 ⅳ.癌宣告時に悲観せず、癌治療もしない麻美に違和感を覚えた。作者は末期ならじたばたせずに何か一つよりどころになるものがあれば生を全うできると叫んでいるのかも。

  (2)選考委員の選評

 ⅰ.話がループしているという批判も出たが、食べようとするが食べられなかったということの反復の執拗さが本作品の迫力。触覚的なおぞましさを惹起している。

 ⅱ.治療で癌に勝つのではなく、食べる欲求を持ち続けることで嚥下困難な癌と闘っている闘病小説で受賞に値する。

 ⅲ.出だしから強烈な凄みと迫力がある。内容がループしているようで強く押せなかった。

 ⅳ.最初は汚濁の衝撃が凄まじかったが、どんどん無神経なおばさんの話へといった感じがして強く推せない。

 ⅴ.最終的に僕一人がX。無敵のヒロインものとして呼んでしまったが、断トツに凄みがあり、受賞に反対できない力が漲っている。聞けば、作者自身が食道癌とのこと。

   

8.小説の執筆状況

  時効シリーズ4作目の『秋田の偽千円札事件』を題材にした仮題『富士が泣いている』は2週間寝かせたので、再チェックして私設編集長に渡し、読後感を聞きます。

現在5作目の『グリコ・森永事件』を調べ、構想を練りましたので、エピソードをはめ込みます。事件の動機は何か・・、仲間割れしない理由とは・・、本当に現金奪取に失敗したのか・・

注意点としては、調べて書くと兎角解説的に陥り易く、前述の受賞作のような迫力に欠ける嫌いにならないようにしたいです。

   

9.『秋』の歌謡詞 A. 『里の秋祭り』  (七七、七五調 一. 里の紅葉が     色付く頃は 垂れた稲穂が    お出迎え    幼馴染の       顔合わせ 昔話に        花が咲く   鎮守の森は      笛太鼓   アーアー友がいる  そばにいる  二. 秋空澄んで      風吹く頃は  皆の子供が      綱を持つ   揃いの半纏      着こなして   山車の太鼓が     賑やかに  途中で増える     人の数  アーアー友がいる  そばにいる 三. 西日を浴びて     日焼けの頃は   幼馴染に        汗落ちるワッショイワッショイ  ワッショイな神社に戻り       差し上げる  手締めの顔に     絆あり  アーアー友がいる   そばにいるB.『悲願の彼岸花  (五五、七五、七七調一. 彼岸花          彼岸花 何故に花茎(はなくき) 高くなる  誇り高く         生きてきたわ判ってもらえぬ     彼がいる   彼の心は        空いていますか  教えておくれ      彼岸花  二. 彼岸花          彼岸花     何故葉の前に      花が咲く華があるとは       思っているわ   判ってもらえぬ      彼がいる 彼の心は         咲いていますか教えておくれ       彼岸花 三. 彼岸花          彼岸花 何故にそんなに    身を焦がす  心に赤色        点(とも)しているわ    彼の心は        何色ですか    教えておくれ      彼岸花