今日は。
お正月早々大変なニュースが飛び込んできましたね。日本時間13日に起こったハイチの大地震です。100年間地震はなかったそうですが、マグニチュード7の激震で、石つくりが多い中心都市が壊滅状態であり、死者数が20万人に達するかもと言われております。早急な国際的支援が期待されます。日本の学校の耐震化もこの不況で進んでいない由。心配ですね。
政治では、小沢幹事長の個人事務所と資金管理団体『陸山会』や鹿島建設などに検察が強制捜査に乗り出し、幹事長の土地購入費用の4億円がダム工事を巡るゼネコンからの裏金ではないかとの疑いだそうですね。検察は適正な捜査活動をお願いします。小沢氏の選挙手法は多くの秘書を置いて、情報収集、立候補者選定などで多額の経費が要るからどうしても金集めが極端になるのだろうとのこと。そうなると、鳩山首相のような資産家を選挙で選べば、資金集めの心配もなく、政治に専念できるが、庶民感覚が分からないので、失業、家計のやりくり、弱者などへの政策への手落ちが危惧されますね。ですから、志を持った人がなればいいのですが、『初心忘れべからず』が歳月、権力掌握と共に忘れがちです。監視役である国民、検察が目を光らせる必要があるのです。
ここまで書いた翌日15日に、元秘書の石川議員、秘書の大久保被告(西松建設の企業献金の虚偽記載容疑で公判中)と池田元私設秘書が土地取引の収支報告書への不記載で政治資金規正法違反容疑で逮捕され、事件は急展開をみせましたね。
経済は日経平均が10600円前後で、米国同様やや回復傾向ですね。中国、インド、ブラジルが世界の経済を引っ張り、世界的な上昇気流になるよう切望します。現時点で、高校生や大学生の就職内定率が低く、まだ予断は許せませんが・・。早く国会で予算を通し、事業の実施で、会社、社員が潤い、消費の拡大につなげて欲しいです。
スポーツでは、野球は自主トレの真っ最中で、巨人は2月27日に鹿児島で西武とオープン戦の開始予定です。2浪して憧れの巨人に入団した長野(ちょうの)選手は外野手ですね。ラミレス選手、亀井選手、松本選手、谷選手、鈴木選手、工藤選手、矢野選手らに高橋由伸選手が復帰して、外野手の層は非常に厚いので、彼は相当努力しないと一軍は難しいですよね。歳なので1年目からがむしゃらに突き進んで欲しいです。そうすれば、全体の底上げになりますので。
相撲では、ヤンキーな少年だった千代大海が引退しました。豪快な突き押しで3回優勝を果たし、長い間お疲れ様でした。大関在位が65場所と歴代1位だそうですが、最近では勝ち越しがやっとという状態で、批判がありました。横綱を倒すような強い大関を求めるならば、大関は10勝以上が当たり前にして2場所連続で10勝未満で降格にしたらどうでしょうか。
冬季オリンピックに、葛西選手、岡部選手、岡崎選手らベテランが選出され、若手の奮起を期待します。
先日(14日)、芥川・直木賞が発表され、芥川賞は該当作なしでしたが、直木賞は『ほかならぬ人へ』(白石一文氏、51歳)と『廃墟に乞う』(佐々木譲氏、59歳)のダブル受賞でしたね。ご両人、お芽出度う御座いました。白石氏は父親も直木賞作家でしたが、貧乏だったと述べられ、作家生活の大変さを感じました。
今回の発表に注目していました。
何故なら、千葉大関係の閉鎖ネットの 『Crio] からのお知らせに、直木賞候補作の中に千葉大教育学部卒の辻村深月さんの作品『ゼロ ハチ ゼロ ナナ』が入っているというのです。
早速、辻村深月(つじむら・みづき)さんを検索しました。
その結果:
1980年2月29日山梨県笛吹市生まれ。千葉大学教育学部卒業。
2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
他の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ロードムービー』(以上、講談社)、『太陽の坐る場所』(文藝春秋)、『ふちなしのかがみ』(角川書店)がある。
新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ているとの事。思春期の若者の揺れる心を描いたミステリーなどで人気の高い辻村深月さんが新刊『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』(講談社)では一転、30歳という大人の女性を主人公に据えた。母親殺しの重要参考人として指名手配されたチエミと、彼女を捜す幼なじみのみずほ。2人の姿を追いながら、結婚、出産、仕事……岐路の年齢に立つ女性たちが抱える切実な思いと、母と娘の宿命的とも言うべき愛憎を浮かび上がらせている由。
山梨県生まれで、先日山梨学院大付属高校が高校サッカー日本一になっていたので、彼女の結果に注目していましたが、今回は残念でした。更なる活躍を期待しています。
そうそう、千葉大卒の作家といえば皆さんご存知の海堂尊さんがおられますね。外科医から病理医になっていて、『チーム・バチスタの栄光』がベストセラーになり、次々と医療小説を発表されています。
私は近頃、小説の書き方を先人に見習うために、受賞作や人気作家の作品を読んでいます。作家名のアイウエオ順に目を通し、折角だから書評でもブログに書き込んでいこうと思いましたが、残された時間も短いことですし、自分も作品を書かねばならないので、図書館の書棚から無作為に手にとって、一頁を読んで面白そうなものから読むことにしました。
そこで今回は小川洋子氏の『完璧な病室』(福武書店、1989年)を取り上げます。
収載されている『完璧な病室』は101回芥川賞候補作(1989年)で、『揚羽蝶が壊れる時』は7回海燕新人文学賞受賞作(1988年)だそうです。一読しての感想を列挙します。
1.精密画が浮かび上がるような文章で、描写が細かい。
例えば、『石榴が裂けたような痛み』『患者に順番を知らせるアナウンス・・・。まず苗字だけを尻上がりにコールして、それからフルネームを告げる。そのリズムは波のように狂いがない。』『せみの声に鼓膜を吸い取られたかのように、無口にお寺の精進料理を食べた』『陰毛は平坦な腹の先にポソポソ残っている。その奥でかおりのないぱさついた性器が、息をひそめている。母性や性欲のシンボルを抱えていつもじめじめしていたはずの性器が、今では弾力のないゴムのように縮こまっている』など。
2.著者略歴をみると、早大文芸科卒となっていたので描写方法を相当訓練したものと考えた。しかし、文学部、文芸科は全国に多数あり、また毎年卒業生がいるのに、文壇に残れるのはほんの一握り。やはり、本人の資質、努力、環境、運とかがなければ一流にはなれないのだと痛感した。
3.『完璧な病室』では、病院の教授秘書である私が愛しい弟を二十一歳の若さで突然血液の癌に冒され、死んでいくまでの心の葛藤が描かれている。主治医に孤児院経営者の息子を配し、孤独とはを互いに見詰め合う工夫に感心しました。
4.『揚羽蝶が壊れる時』では、私は男を作り出て行った母と離婚した父の母に育てられるが、やがて祖母が痴呆になってゆく過程と施設に預けた後の心の揺れを恋人と関わりながら赤裸々に描写している。体験されたのかは知りませんが、実体験者のように臨場感がある。
小川洋子略歴(出典: 新潮社):
1962年、岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。
1988年 『揚羽蝶が壊れる時』(海燕新人文学賞)
1991年 『妊娠カレンダー』(芥川賞)
2004年 『博士の愛した数式』(読売文学賞、本屋大賞)
『ブラフマンの埋葬』(泉鏡花文学賞)
2006年 『ミーナの行進』(谷崎潤一郎賞を受賞)
他の著書 『冷めない紅茶』『密やかな結晶』『薬指の標本』『アンネ・フランクの記憶』『沈黙博物館』『偶然の祝福』『まぶた』『海』『博士の本棚』『夜明けの縁をさ迷う人々』『科学の扉をノックする』など
彼女の作品は読者にこびず、独特な静謐感、喪失感を描く作品が多いとの事。この輝かしい略歴を見て、旺盛な作家活動に頭が下がります。
さて、私の場合ですが、仮題『カメレオン人生』が50枚目にきました。プロット表の一割で、枚数が50枚になってしまい、もし100枚以内の応募先に出すのであればかなり割愛する必要があります。或いは、中篇での応募先でもよいのですが。何しろ、疑問に思ったことや名所、旧跡が検索で直ぐに分かり、これも、あれも描きたいとなってしまったからです。主題は、自己や組織の保身、環境に応じる能力、いじめと夫の自殺を乗り越えセレブへと・・。
作品を短縮すると言えば、14日の午後8時からNHKラジオの『我が人生に乾杯』で桂小金治師匠(84歳)が司会の山本晋也監督との遣り取りで喋っていました。自分は落語家出身なので、出演時間に合わせて話を長くしたり短くする訓練は出来ており、テレビのご対面番組では長文の手紙を短くして話してきたというのです。そんな能力を自分も持ちたいと思いました。彼は給与が10倍高い映画に誘われ、脇役ながら活躍し、テレビ時代になると『怒りの小金治、泣きの小金治』として大人気になりました。現役を引退後は全国で人生経験の講演をしているそうです。その彼が戦後、父親と父親の実家からリヤカーに僅かな家財道具を積んで3日掛かって東京に来る途中、芋畑があり、あの芋が食べたいと言ったら父親が盗んで食べればこれから先ずっと芋を見た時には罪悪感を感じて生き続けてしまうぞ。それに耐えられるかと諭されたそうです。それを聞いて、私は小学校で週番をしていた時、教室の書棚に鍵が掛かっていなかったので全国標準テストの試験用紙を失敬して、高得点を取り、また大学時代、友人の別荘に行き、近くのトウモロコシ畑で皆で失敬して食べたようです。今となっては遠い思い出で本当にしたのだろうかと思いますが・・。何かの折に思い出します。このエピソードは小説に引用して、いくらかは体内から抜け出ていますが・・。彼の父親は体験から出た言葉なのでしょうか、それとも伝聞、知恵によって体得したのでしょうか分かりませんが。私はこの経験によって、就職してからロッカールームにあった忘れられた財布を事務課に届け、その他の刑事罰への抑止力になっています。彼は子供や他の人にも叱る時、褒める時にも口先でなく、心からしろとアドバイスされていました。実感です。
最後に、これから即席で創ります8作目の『小説歌謡詞』を口ずさんで下さいね。
希望の確率 (癌シリーズ ②)
五七五調
一. 波高し 爺が転げて 海の中
驚く我は 漁師に別れ 銀行マン
ひた走る 出世街道 一番だ
生まれでた 三人息子 逞しく
長男の フィアンセは 由美子さん
乳癌と 聞かされし我 許さない
アーアー 駆け落ちの 殺し文句に 負けたー
二. 若き日に 由美とのペアで 勝ち進む
関東の テニス大会 第三位
水無月の アヤメ祭りで ポロポーズ
旅に出た 由美の乳房に しこりあり
父君に 末期の癌 知らされて
婚約の キャンセルレター したためた
アーアー 明くる年 桜散る頃 あの世へとー
三. 恋人よ 嫁の名前と 由美がらみ
同じ病 不思議な縁 震えたよ
キャンドルに 新郎新婦 火を点す
由美になった 隣の妻が 吐き出した
嘘は駄目 私の癌は 治ったの
お前の死 勝手に決めて 気が楽に
アーアー 見えにくい 弱者の心 身に沁みたー