今日は。
東京は、このところ低温室に閉じ込められたようで、電気ストーブを脇に従え、キーを叩いています。柚子を刻んで入れた大根と夏蜜柑を口に運び、風邪を引かないようにビタミンCを摂取しています。白梅も満開で、紅梅の蕾も準備をしています。
小説が頭を占領し、16日になってカレンダーに済みのXを入れた段階でブログ書き込みの15日が過ぎたのを、脳が知覚し、慌てて今準備したのです。
政治では、与謝野元財務相が鳩山首相を『平成の脱税王』と呼び捨て、新聞の読者欄で種々の意見が掲載されていますね。思い切ったネーミングと思いました。故人献金問題から、その原資が母親からの資金提供でその際相続税を支払っていないので、まとめて納めたそうですが、二年間は時効で税を逃れた由。詳細は不明ですが、これが許されるなら誰でも、指摘を受けてから納付すれば、時効の恩恵に預かれると思いますね。当人に落ち度があったのだから、逃れた税を寄付すればよいと思います。
また、民主党の小林千代美議員に北海道教組が違法献金をしていたらしいと報道されています。
国民の信託を得た民主党及び民主政権は、ここで自浄能力を発揮し、『政治と金』の問題に早くけりをつけ、緊急の政治課題をこなし、経済活性化をして欲しいです。
社会問題では、殺人事件が多発している昨今ですが、昨日(16日)高円寺駅で酒によってふらつき線路に落ちた失神女性を間一髪線路に寝かせ、自分は退避穴で助かったと報道されました。児童福祉施設職員で元ラグビー部員だった佐藤弘樹さん(24歳)は東JRから感謝状が贈られたとの美談話です。近くの人に駅員への連絡を頼み、緊急停止ボタンが押されましたが、電車は彼女の上を通過したそうです。無我夢中だったとの事。
転落防止の対策は、1.ホームに柵と扉を設置(全国の駅では膨大な経費) 2.ホームの下に退避穴の設置 3.障害物自動列車停止装置 4.ラッシュ時に見張り駅員を多めに配置 5.酒を飲んだ後は、酔いすぎ仲間を、酔いを醒ませるとか、同行(一人飲みの場合は自覚のみ)がありますね。私は新入社員の頃、飲み過ぎて駅のベンチで寝転がされていたら、帰宅中の先輩らに顔を叩かれた。また、ふらつきながらホームの端を歩き、電車にかすりそうになった事が思い出されます。
スポーツでは、冬季オリンピックが華やかですね。モーグルで上村愛子選手が4位で惜しかったです。一面トップで大きく報じられていました。オリンピック毎に7,6,5,4位と年齢と逆比例して順位を上げてきたのは立派です。かつて、金、銅メダル獲得者の里谷選手は予選15位だったかな、決勝で勝負に出て、スピードがかなり出ていてコントロールが効くのかと思っていたら第二エアーでバランスを崩し転倒してしまった。一発に賭けた迫力に圧倒されたものです。その彼女の記載はほんの僅か。かつての功労者の扱いにマスメディアの残酷さを見ました。そしたら、里谷選手の果敢な挑戦に感動の記事がブログに多く掲載された由。
テレビ画面が切り替わり、スピードスケートの男子五百米での長島選手の銀メダルと加藤選手の銅メダルの場面となり、思わず拍手しました。両選手、お芽出度う御座います。本日(17日)の女子は吉井選手の五位入賞が最高でした。また、カーリングは米国に大逆転勝ちし、幸先よいスタートを切りました。上位入賞選手の活躍記事も大事ですが、参加選手が自己ベストを出せたのか、もしも自己ベストを出せていたら何位に入っていたのか、自己ベストを出せなかった原因はなどの分析があれば、当人へのエールにもなるし、読者もその人に親近感を持つと考えます。
プロ野球の巨人に育成ドラフト一位指名で入団した背番号100の星野真澄投手(25歳)がテレビに映し出され、阿部捕手が球を受け、原監督が見詰めていました。阿部捕手が「いい球を投げ込んでいる。おちおち出来ないぞ」と、同じ左の内海投手に投げかけると、彼は苦笑していた様子。早く支配下選手に上り、即戦力として大いに期待したいです。名前も元エースの桑田真澄投手と同じなのがいいですね。
文化面では、放浪作家と言われている立松和平さんの多臓器不全の突然死です。まだ62歳だそうで驚きました。知人作家によると、取材旅行先で夕食後だからゆっくりしようと言うと、これから取材のまとめをするからと座を離れた由。帰国の空港で直ぐにレポートを出版社に手渡し、このように身体を休める余裕を作らなかった事が死期を早めたのではと追悼されておりました。テレビのリポーターとして、独特の抑揚でゆったりした話し振りが一回聞いただけで脳髄に焼き付きました。彼の作品はまだ読んでいませんが、受賞歴をみると、『遠雷』で野間文芸新人賞で映画化される。更に、『道元禅師』で泉鏡花賞と親鸞賞のW受賞など華々しく、世界を飛び回り、環境問題にも数々の提言をしていますね。人生を濃く通り過ぎたのだと痛感しました。ご冥福をお祈り致します。
さて、今回の作家別書評は、アイウエオの逆の方から選び、吉田修一さんにしました。
『あの空の下で』(木楽舎、2008年)と『さよなら渓谷』(新潮社、2008年)を読んだ感想です。
1.易しい言葉で、テンポ良く読めた。(これを見習いたいと考えた。私も投稿先の評価者から 分かりやすい文章であると言われましたが、自分としては単に語彙が少ないからだと思って います)
2.語彙が豊富で種々の言い回しをしている。(例:短パンに絞られるような里美の大腿。水面を魅惑的な色に変える。扇風機がねっとりした空気を掻き回している。強い日差しが、まるで重さを持っているように肩に伸しかかってくる)
3.『あの空の下で』は短編集で、旅のエッセイも挿入されています。臨場感のある描写で、自分ならこう考え、こう行動するなどと考えながら読みました。旅は、バンコク、ルアンパバン(ラオス)、オスロ、台北、ホーチミン、スイスです。このうち私が訪れたのは出張で台北に数回です。当時を思い出しました。
4.『さよなら渓谷』の出だしがいきなり、母子家庭の一人息子の幼児が行方不明となり、川で遺体で見付かった場面です。目撃した人が居なくて、その内母親が事情聴取を受け、逮捕され、隣人の旦那の名前を挙げた事から旦那も事情聴取を受ける羽目になった。てっきり、推理小説で犯人探しと思い、また平成18年(2006年)4月9日に秋田県藤里町で起きた畠山鈴香被告(無期懲役刑が確定)による長女と近所の男児の殺害で、世間を騒がせた事件をヒントに書かれているのだろうと直感しました。新聞記者、警察が絡んでいるので、犯人を予測しながら読み進めて行くと、隣人夫婦の過去へと遡り、意外な結末に導かれ、してやられたと思いました。
略歴:1968年 長崎県生まれ、法政大学経営学部卒、
1997年 『最後の息子』 第84回文学界新人賞、
第117回芥川賞候補
2002年 『パレード』 第15回山本周五郎賞
『パークライフ』 第127回芥川賞
2007年 『悪人』 大仏次郎賞、毎日出版文化賞、映画化
他に、『横道世之助』『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』など
驚かされる受賞歴で、頭が下がります。心理、情景などの描写を学んでゆきたいと痛烈に感じました。
最後は私の執筆活動ですが、仮題『カメレオン人生』は120枚を終え、残り4、50枚程度になりました。自殺のエピソードがあって、少し暗いので、明るい自作の歌を挿入している最中です。
10作目の『小説歌謡詞』を完成させましたので、口ずさんで下さい。
炎に死す(改訂版)
七五七七調
一. ふわふわ雲に パパがいる
あなたいいわね 産みたいの
ソウル発の 青い翼
炎に包まれ 日本海
愛しい名前 目を焦がし
お腹が蹴られ 来し方思う
二. あなたの手解き ソフトテニス
ペアで活躍 ベストツー
火事でふた親 既に亡く
肌着のプレゼン 婆ちゃまに
デートに誘われ ドキドキよ
夢を叶える 夜の高校
三. 仕方ないのね 悲しみは
あなたが選んだ セレブ嬢
隠れ愛人 噂され
家出た弟 結ばれた
身延の山へ 妹と
お前はどうする 母の語り掛け
四. テニス仲間の プロポーズ
あなたの影で 首を振る
課長になった あなたから
おろせと言われ 頷いた
弟、子を持ち 仲直り
嫁いだ妹(いも)と 昇仙峡
五. 部長から 取締
あなたの抜擢 嬉しいが
心の距離が 遠ざかる
出張先に 誘われて
今この時を 甘えたい
虹に包まれ あなたとわたし