Tokkoちゃんの気まま日記

感じたままに~ 心のままに~ 好き放題書いてます

柔らかな手

2019-01-20 09:56:19 | 母便り
 母の熱や炎症反応の原因が解らないままになっている
施設の顧問を務める内科医は
「ご家族がこのままでは心配だから直ぐに総合病院等を受診したいと思うなら、そうして貰えば良いと思う」
そんな回答だったそうだ

 高齢者の場合、例えそうして原因を突き止めても結局は病院は何も出来ない場合が多い
つまり、母を病院に連れて行き、長時間待って様々な検査を受ける
それで原因を突き止めても、手術も出来ないだろうと言う事だ

 主治医の仰る意味は良く解る
父親がそうだったから・・・・・・
大腸に大きな癌が見つかって、熱や食欲不振の原因は突き止めた
しかし、手術には大量の麻酔薬を使う為に体力が持たないだろうと言われた
抗がん剤も90歳近い人には投与出来ないとも言われた
つまり、原因が解っても治療の道は無かった

 母も検査で疲れさせ、病院でインフルエンザでも貰えば逆効果になる
父を見守ってくれた妹は、点滴に連れて行ったらインフルエンザを貰って
父の死期を早めたのではないかと思ったと言う

 三人で昨夜話し合った
私は貴方達が、直ぐに病院に連れて行き検査を受けさせて欲しいと言えばそうすると言った
しかし妹達も、主治医の言わんとする事を理解できたようだ

 結論は
「今は見守ろう」 だった
主人の父・私の父も 享年89歳 だった
母も丁度、その命の山に差し掛かっている

 昨日、看護師さんと話し合った後 母の部屋に行った
「来てくれたん~」
そう言って差し伸べた母の手を握ると、とても柔らかかった
「お母さんの手、柔らかいね~羨ましいわぁ~」
と私が言うと
「なんもせんと寝てるだけやからやぁ~」
と笑う

 おじさんをもう許そうと決めた事で
母の事もとても素直に、愛おしく思えた
高齢になり、施設で暮らす寂しさを思い遣れた

 忙しい・疲れた を口実に余り訪ねて遣れなかった
この命の山を越えられるかどうかは解らないが
出来るだけ沢山、この柔らかな手を握って上げたい