マダムと拡声器

駅前で買物をして自宅までとぼとぼ歩く｡

途中、前方から妙にエフェクトされた

話声が聞こえてきた｡

大音量でラジオを聴いてる感じがしたけど

近づいたら拡声器を使用していた｡

どう若く見ても後期高齢者と思われる

やや腰の曲がったマダム｡

片手に杖、片手に拡声器といった出立で

よろよろ歩きながら語る。

ただ小声な上に音が割れてるので

何の主張をしてるのか不明｡

そしてこちらのマダムは私と同方向に

行くようで

なにやら尾行もしくはストークしてる如く

私はマダムの後を歩く｡

そのうち

耳が慣れてきたのか

「アベ」とか「キシダ」とか「ゾウゼイ」

なんてワードが所々聞き取れる｡

なるほど

リベラル方面の主張をされてる方でした｡

後期高齢者になっても積極的に

行動する姿は見習いたいと思います。

しかしながら

反対してるのはよくわかりますけど

具体的な事は何言ってるかわからない

…というのが

プロも一緒だったりするなぁ

…と独りで微笑む｡

これだけマダムは頑張っているのだから

仲間の皆さんは

もっと高性能の拡声器をプレゼント

してあげればいいのに

…もうすぐクリスマスなので

そんな風に思ったりして｡