レジが突然故障する、の巻

店長が私を呼ぶ。真顔。

「なんかやらかしたかな？とほほ…」おそるおそる近づく。

「レジが動かないんだようう」POSのタッチパネルが真っ暗。幾ら触ってもうんともすんとも。

「何かコード抜けてない？見てみて」仕方なく地べたを這いずり各種コードを確認。

そういう時に限って両手に山積みの買い物かごを持ったお客様がレジカウンターにいらっしゃる。

「まかせた」店長は私にそう言い放ち、手計算で会計を始めた。

「まかせた」…っていわれてもなあ。引き続き地べたを這いつくばう。



（画像はイメージです）

普段の私なら慌てふためいてフリーズしてしまう案件だけど

お客様対応は店長がしているのでここは一つ冷静になれた。

這いつくばいながら「電源がOFFってことはONにすればよいのでは？」と思いつき

POSのパネルの裏にある「POWER」ってボタンを長押しする。

「び」という音と共に作動開始。無事立ち上がる。めでたしめでたし。

店長は「凄いね～。機械に強いんだねえ。」にこにこ私を見つめる。

「いや、全然強くないです」と必死に申し立てても「またまた謙遜しちゃって…」とにこにこ。

「マシントラブルが起きたらこれからもお願い。」今度はまた真顔。

う～ん困ったな…

店長の冗談と受け止めて明日も精一杯仕事をしているふりをしよう。