ぼけの花

のらりくらり日々感じたこと。
自分のための記録。

満を持して

2017-12-11 20:43:46 | どくしょ

山崎豊子全集6.7.8 白い巨塔。

10年ぐらい前だったか。昼の再放送で唐沢くんの財前教授観てどハマり。
未だ自分にとってキングオブドラマ。
いつか原作読んでみたいと思いつつ膨大なページ数に尻込みしていたがようやく時が来た。

組織に生きる人らの欲望、名声、地位。
それに対し患者に寄り添い医学と真摯に向き合う医師たち。
一家の主(ワンマン社長)を突然亡くした家族と会社の行方…。
全て発端は、最終的になんだか良い人みたいになっちゃってる東教授じゃないの?なんて思っちゃうけど。

財前と里見。
両極端な二人だけど、根っこは同じ志や気持ちがあるんだろな。
この二人を足して2で割らないと世の中生きづらいよなあ…。
しかし善な里見より自分のいいように推し進める財前の方が魅力的に見える。
短所や弱点こそがその人の魅力、愛すべき部分だったりするのかなと思うこの頃。
まぁ自分の短所は短所としか見られないんですがね(苦)。

自分が一番信頼している人間は里見で、女として愛しているのはケイ子…。
口には出さずそう思ったところに財前の本来の姿が見える。
だからこそ最後の剖検要望書には泣けた。

山崎豊子の半端ない取材力と人間の描き方に壮大な人間ドラマを観た。
読んでる間中、頭の中にはあのオープニング曲(調べたら「果てしなき野望」ってタイトルなのね)とヘイリーのアメイジンググレイス。
終盤はタンホイザーが延々と流れておりました。

本もドラマも良き作品。