くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

《無用之用》

2022-04-09 10:32:00 | 作品
〈空なる器に春の夢溜まる〉【久世樹】

 『伊那谷の老子』の英米文学者・加島祥造の名訳で『タオー老子』を読み直していたら、ふとこの器が目に留まり、鉛筆を手にしていました。ほとんど自画像かも⁉︎

 『挺埴以為器 当其無有器之用』

「粘土をこねくって、
ひとつの器をつくるんだが、
器は、かならず、
中がくられて空(うつろ)になっている。

この空(うつろ)の部分があってはじめて、
器は役に立つ。
中がつまっていたら、
何の役にも立ちやしない。」