虎ノ門の中国文化センターで開催中の「卓民水墨画展」を見てきました。
1958年上海生まれ、1997年に帰化して日本名大竹卓民さんは、現在東京芸大大学院保存修復日本画研究室非常勤講師として学生達を教えながら、北宋山水画を現代に継承する制作を続けておられます。
今日は偶然にも卓民さんご本人の講演「北宋山水画の名画を読み解く」を聴講でき、後半には郭熙(かっき)の『早春図』を模して自ら筆を取って山水画の手本を描くパフォーマンスを間近に見て、改めて東洋絵画の奥深さに気付かされました。
水墨山水画の本質は、山の下から山の峰を仰ぎ見る「高遠」と、山の前から山の奥をうかがう「深遠」、近い山から遠い山を眺望する「平遠」を、一図の中に総合する「三遠法」にあり、「山形歩歩移」(歩くごとに山の形は刻々と移り変わる)といわれる、空間、時間の「間」を捉える宇宙観であり、私たちが明治以来当たり前のように受け入れてきた、西洋絵画の明暗法や陰影法や透視法にしばられてカメラのレンズのように固定してしまった眼を、もっと自由にしなければならない。
参考に紹介された、建築家磯崎新の『見立ての手法』を是非読んでみたいと思います。
会期は3/9(金)まで。
1958年上海生まれ、1997年に帰化して日本名大竹卓民さんは、現在東京芸大大学院保存修復日本画研究室非常勤講師として学生達を教えながら、北宋山水画を現代に継承する制作を続けておられます。
今日は偶然にも卓民さんご本人の講演「北宋山水画の名画を読み解く」を聴講でき、後半には郭熙(かっき)の『早春図』を模して自ら筆を取って山水画の手本を描くパフォーマンスを間近に見て、改めて東洋絵画の奥深さに気付かされました。
水墨山水画の本質は、山の下から山の峰を仰ぎ見る「高遠」と、山の前から山の奥をうかがう「深遠」、近い山から遠い山を眺望する「平遠」を、一図の中に総合する「三遠法」にあり、「山形歩歩移」(歩くごとに山の形は刻々と移り変わる)といわれる、空間、時間の「間」を捉える宇宙観であり、私たちが明治以来当たり前のように受け入れてきた、西洋絵画の明暗法や陰影法や透視法にしばられてカメラのレンズのように固定してしまった眼を、もっと自由にしなければならない。
参考に紹介された、建築家磯崎新の『見立ての手法』を是非読んでみたいと思います。
会期は3/9(金)まで。