くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

芸大『現代邦楽アンサンブル・コンサート』

2017-11-04 07:54:45 | 雑記
文化の日の昨日、上野の芸大に「現代邦楽アンサンブル・コンサート」を聴きに行ってきました。

演奏したのは、ドイツの作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンの『TIERKREIS(12宮=12の星座)』、日本初演。それに芸大作曲科4人の若手の創作曲を挟んで、龍笛・笙・尺八・琵琶・三味線・琴(13弦と17弦)の邦楽アンサンブルに、日本舞踊と詩の朗読を加えた、意欲的なパフォーマンスでした。

終演後、雅楽専攻の清田裕美子さんにどんな楽譜を使ったのか尋ねたら、やはり雅楽の唱歌(しょうが=視唱)譜ではなく、五線譜でした。さらに驚いたのは、手にした龍笛を見たら何とプラ管⁈ さすがは「弘法筆を選ばず」、この笛であの澄みきった高音を響かせられるとは、感嘆しきりでした。

雅楽、能楽、歌舞伎など、伝統墨守が尊ばれる邦楽の世界で、新しい風を呼び込もうとする若い芸術家たちの挑戦に直に接することができて、とても清々しい一日でした。今日尺八を吹いたのはイオ・パヴェル君という留学生? 洋楽では若手芸術家の卵がフランスやドイツに留学するのは当たり前の時代。洋楽、邦楽の垣根を超えて音を楽しむ営みを、これからも応援したいと思います。
(自らも笛吹き爺さんを目指します。)

開演前には秋晴れのキャンパスを散策して、東京音大(現東京芸大音楽学部)初代学長の伊沢修二の銅像にご挨拶。実は伊沢修二は信州伊那市の生まれ。その縁で、毎年秋には芸大フィルハーモニー・オーケストラの合宿と記念演奏会が伊那市で今も続いていて、今年もつい10/28(土)に第九合唱団に参加した娘夫婦が楽しかったと報告してきたばかりでした。