独断と偏見

日々の出来事

横浜事件「無罪」

2010-02-05 10:09:55 | インポート

「犯人が被害者を裁いた判決」とし、またしても冤罪の記事が。
横浜事件とはそもそも太平洋開戦翌年の1942年7月に細川嘉六が総合雑誌「改造」の中で論文、「世界史の動向と日本」を発表。アジアの安定を訴えながら侵略戦争を批判する平和へのメッセージだとされています。国の検閲をパスして発表されたのですが、陸軍が共産主義の宣伝として激しく攻撃。同年9月14日に治安維持法違反で検挙。そこから始まる一連の弾圧とされています。
出版関係者や共産党だと決め付けられた人が芋づる式に検挙され拷問に次ぐ拷問ででっち上げの自白をさせて有罪に仕立て上げるていったというものです。拷問は「両手を縛って竹刀でムチャクチャ」「2人くらいでやります」「ある者はこん棒のようなもので、ある物はロープで直径1cmくらいのものを2~3本」「手をロープでしばられて吊るし上げられた」等の証言が残っています。この拷問により4人が獄死。
1945年8月15日に終戦を迎え急展開しています。1ヶ月後に公判と判決を1日で終わらせる異例で安易なやり方で雑誌編集者6人を有罪。最後まで容疑を認めなかった中心人物の細川氏は審理を打ち切る「免訴」。そして、占領軍に今までの権力犯罪や思想の取り締まった責任を問われないようにするために裁判記録は焼却したとされたとされています。
再審申請を3度も棄却。その理由は「裁判記録がない」という納得のいかないもの。
しかし、今回の判決に関係者は司法が冤罪を生んだ事実に真摯に向き合った横浜地裁の姿勢に「敬意を評したい」と涙を流したそうです。弁護団も「私達が期待した中でもっとも素晴らしい内容だった」と。
足利事件の影響もあるのではないかという声もありますが、公平に納得のいくものとなったようです。

2007年に関係者が今も人事ではないと書いてある文章がありました。「拘禁二法、国家機密法、共謀罪と何故繰り返すのか」と。
確かに芸能人やスポーツ選手のスキャンダルや有名人の揚げ足と取る報道は加熱しますが、こういった法案が決まっていっていることの報道って少ないように感じます。報道する側に言わせると皆も関心がないだろうということなのかもしれません。そんなかたいことは抜きで何とかなっているのが「今」なのかもしれませんが「これから」にしわ寄せがこないことを願いたいものです。

コメント
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