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徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

夏の総括

2010-09-10 | 美術に関するお話


今年の夏を振り返ると



日傘をさすようになりました。
(正確には雨傘を日傘代わりに使用)
一晩中エアコンをかけて寝るようになりました。
植木を枯らしてしまいました。

暑さに絡むことばかりの初体験。

その他に
美術館・アートイベント巡りを
あまりできなかった事が残念でした。

特に
金沢21世紀美術館で開催されていた
「ヤン・ファーブル×舟越桂」展を
見逃した事は致命的。



春先から“必見展覧会ファイル”にパンフを入れていましたが
日帰りで行こうか
一泊しようかと悩んでいるうちに
会期が終了してしまいました。



私にとってヤン・ファーブルは特別なアーティストです。

過去に最も感銘を受けた展覧会は?と聞かれると
1992-93年に水戸芸術館で開催された
「ANOTHER WORLD」展と即答します。
その理由は
ヤン・ファーブルの作品に感動したからです。
(展覧会の構成も素晴らしかったです。)

展覧会の図録



図録の表紙は彼の作品
「青の時間」シリーズの一部分です。

絹の布に青いボールペンで描いた巨大なドローイング。

画面の細部を見ると
線の中から十字架と昆虫の形を認識できます。
それは
夜の虫たちが寝静まり、昼の虫たちが目覚め始める間の
一瞬の静寂の時を意味しています。

この作品を見た時
私は人生の節目を意識する時期であったため
自分を重ねて
作品を鑑賞した記憶があります。
18年も前の事ですが
その時の感動は今も鮮明に覚えています。

今回は彼の作品から
どのような刺激を得れるのか
とても楽しみにしていたんですね。
なのに






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昨日のこと。



虫の音色が響く静かな夕刻でした。



東の空には
暑さの象徴・入道雲が力強く存在していましたが



西の空には
秋を感じるほうき雲。

今、まさに季節が移行してゆく瞬間だと思いました。

この瞬間をファーブル流に解釈すると

夏が寝静まり
秋が目覚め始める間の
一瞬の静寂の時


言えますね。


補足
「ファーブル昆虫記」のジャン・アンリ・ファーブルさんは
ヤン・ファーブルの曾祖父にあたります。




Yoshie


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徳永写真美術研究所
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