徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

自分のルーツを確認した展覧会

2011-03-24 | 美術に関するお話


大学時代の恩師・小名木陽一先生の展覧会へ行きました。



展示会場の入口です。

黄色のロープで
「 o n a g i 」

自身の名前が描かれています。



会場には
織物・ドローイング・ロープによる造形物

展示されていました。



展示のメインは
「黄色い箱」
「黄色のパイ」
「黄色いピラミッド」
「黄色い半球」
「黄色い四角」
「黄色い円盤」

名付けられた巨大な織物作品。



実はこれらの作品は
既に何度も拝見しています。
なかには学生の頃に
制作をお手伝いした作品も存在。



現在
写真に関る活動をしている私ですが
この展示会場に身を置くと
自分のルーツはココなのだと再確認し
昔の記憶が甦ってきました。



こちらが小名木陽一先生です。
にこやかに私たちを迎えてくださり
小一時間ほど
近況報告と昔の懐かしい話で盛り上がりました。

会話の中で
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この展覧会に
若いカップルが来たのだけれど
数日後
また来てくれたんだよ。
面識のない人たちですよ。
ボクの作品を見てたら元気が出たんで
また来たんだって。
ボクもうれしくなりましたよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というお話がありました。

黄色の作品世界によって
震災の重苦しい空気を
吹き飛ばしたとの事なのですが
私は
先生の穏やかな表情からも
元気が出たのだろうと推測します。
実際に、私は、この日
小名木先生と会えて
とても元気になりましたので・・・。



最後に新作を紹介します。



バナナ



レモン

ロープで形作った小さな作品ですが
微笑を引き出す力を秘めていそうです。



小名木陽一展
3月27日(日)まで
12:00-19:00
最終日は18:00まで
会場
galleryマロニエspace5(京都)




Yoshie

現在
2011年4月からスタートする3講座、受講生を募集しています。
 ●基礎から作品制作まで              【写真講座】
 ●写真表現のひきだしを増やす【表現研究講座】
 ●版表現としての写真【シルクスクリーンプリント】

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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頬を緩めて日常を過ごす。

2011-03-15 | 日常生活のお話


惨事に直面し
心穏やかな日常ではありませんが
テレビやネットの情報源から離れると
静かに
季節の変わりゆく様子が見受けられます。



梅と桃の花が同時に見れるこの時期
いつもは
自転車で行く郵便局へ
あえて
カメラを手にして歩きます。

先ほど
手紙を出してきました。



道すがら、桃の木を観察。

梅の花は「もうすぐ冬が終る」
桃の花は「いよいよ春が来る」

季節の移ろいを実感します。



秘密のスポットを紹介。
自宅から徒歩3分の場所です。



手前に見える白い花は梅。
奥に人影が見えます。



2人の姿が



近寄ると










もっと近づいてみましょう。



味わいのある表情です。

実は
この、おふたり
“カカシ”の役割を担っています。
現在は冬仕様。
夏はTシャツ姿で畑の中に設置されるのですよ。



現在
日本中
緊急事態
24時間体制の報道
Twitterでのリアルなつぶやき
・・・
大量の危機迫る情報に
心拍数が高まります。
しかし
こんな時こそ
心を静かに
するべき事を見極め
粛々と遂行しようと思う。



Yoshie

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日常生活の新たなるアイテム

2011-03-10 | 美術に関するお話



大学時代の後輩・ジョウちゃん一家が運営する
ブリコラージュ”を訪れました。

ずいぶん前から
伺いたいと思っていたものの
なかなか機会がなく
やっと!の訪問でした。



家具工房を店舗仕様にした建物です。

一階は木のおもちゃや家具のショップ

オーダー家具・リフォームのオフィススペース。

二階はギャラリースペース。



二階へとあがる階段です。



築50年余の建物との事。
風格が漂う木のディテールにゾクゾクしました。



天井の梁は
建物に対する愛着が伺える丁寧な補強がなされていました。



空間にどっしりと存在する
テーブルや椅子は
ブリコラージュのオリジナル家具です。
写真では見辛いですが
手前と右端にある椅子の
骨太なデザイン、その存在感に魅了されました。



それから
もう一つ、私の好奇心を刺激したのが
このドアです。



ガスの配管をドアの取っ手に使用しています。
木と工業製品の質感のギャップがオモシロイ。
TIPA暗室のドアにも!とひらめきました。



さて
今回の訪問の目的
「暮らしのかたち展」の展示風景です。



土なべ
シャツをリメイクして作ったかっぽう着
木の台所道具

展示・販売です。

週末には
土なべ料理の会
リメイクワークショップ

開催します。



私のお目当ては
「土なべ」

以前より
ご飯を炊飯器ではなく
土なべで炊きたいと思っていました。

会場には様々なサイズ・色・デザインの土なべがあり
すべて一点モノ。

サイズは2人用、色はご飯が美しく見える黒と決めていました。
迷ったのはデザイン。
みんな微妙に形状が異なるのです。
こんな時は目を細め
“コレ”と思えるモノを直感で選びます。
たいていの場合
私の目には
選ぶべきモノが光って見えます。
この日は
ギャラリーライトがスポット的にあたっていた
この土なべに決めました。



実のところは
ご飯を炊く時、吹きこぼれが垂れないデザインだと
考えた上で決めました。



さっそく、その晩
ご飯を炊こうと思いましたが
最初は
薄いおかゆを炊いて“目止め”という作業をしてから
使用するとの事でした。



一日おいて
昨日
人生初の土なべでの炊飯。

『はじめチョロチョロ中パッパ、ブツブツいうころ火をひいて、赤児泣いても蓋とるな』
という文句の要領で
しかし
何度も蓋をとって炊き具合を観察。

おこげも作りたかったので
香ばしい匂いが漂うまで炊きました。



イメージ通りに炊けました。
おこげも程よくできてました。

炊飯予約や保温ができないという難点はありますが
しばらくは土なべ生活を楽しもうと思います。



この「暮らしのかたち展」は3月13日(日)まで。
場所は大阪・大正です。
ぜひ。



Yoshie

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思考が螺旋状にグルグルまわる美術鑑賞

2011-03-02 | 美術に関するお話


兵庫県立美術館で開催中の
森村泰昌
“なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術”

行きました。



この展覧会は
一年をかけて日本を巡回。

東京都写真美術館
豊田市美術館
広島市現代美術館

経て
ようやく
最後の巡回地
作者のホームグラウンドである
関西での披露です。



本展については
既に
マスコミの報道を見すぎたため
初めて見る作品には思えませんでしたが
実物を前にして
その存在に圧倒されました。





私は
既に知っているつもりのモリムラ作品を見る。

作者・森村泰昌氏は
既に誰もが知っているであろう映像を元に作品を作る。

“既に知っている”という感覚は
何を根拠に生まれるのだろう。

作者が引用した元映像の大半は知っていたが
ところどころ知らないものもあった。
しかし
知っていると思い込んでしまう。

私は
モリムラ作品と元映像の区別が曖昧になり
別の意味で
作品を解釈している状態に気付いた。



思考が螺旋状にグルグルまわる美術鑑賞でした。

本展は4月10日(日)まで。
ぜひ!



Yoshie

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