徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

VIEW OSAKAシリーズ、 ミッション完了

2015-07-01 | 写真に関するお話


東松至朗氏の
VIEW OSAKAシリーズ3作目となる写真集
「 HOUSES 」

本日
2015年7月1日付けで発行されました。



同じ装丁で
「 THE DOME」
「 RIVERS 」
「 HOUSES 」

進むなか
写真数が73枚、76枚、82枚 と徐々に増えています。
VIEW OSAKAシリーズの完成を迎えた今作は
 質量の重さを感じると同時に
 ミッションをやり遂げた達成の重みも感じます。



今回の表紙・裏表紙は
3階建の住宅街を写した写真で繋がっています。

私にとっては普段、目にする風景です。
しかし
生活圏が異なる人にとっては
驚く住宅街だと以前に伺った事があります。

と、言いますのは・・・

夫・Takayukiの郷里から
徳永写真美術研究所に来客があった時
鶴橋駅から研究所までの道すがら

「いや・・・驚きますね、この3階建。
都会独特の戸建住宅ですね。
車が家の中に入るんですねぇ・・・。」


驚かれました。

そう言われて、あらためて考えると
地方にはこのような住宅街は珍しい(ない?)事に気づきました。

特別な事と認識していないので
撮影しようと思わない大阪を
丁寧に記録した東松作品。

この三部作に収められた全ての写真には
緯度・経度を示すGPS情報が記されています。

21世紀初頭の大阪を写したVIEW OSAKAシリーズは
後世において私たちの生活の場を見知る記録となるはず。
 

祝・プロジェクト完遂!


記:徳永好恵

写真集はコチラでお求めいただけます。

関連記事:2作目の「 RIVERS 」には寄稿文を書いています。



<徳永写真美術研究所の活動>




2015年に開催する講座は4講座。

<作品制作研究講座:表現活動の土台を作る>

< 銀塩写真講座:銀塩写真作品の制作>

<古典印画技法講座:サイアノ&ヴァンダイクプリント>

<シルクスクリーンプリント講座:写真作品として制作>

 

ご関心のあります方は下のフォームよりご連絡ください。




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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。


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はじめての寄稿文執筆 : MISSION of VIEW OSAKA

2014-09-06 | 写真に関するお話


昨日、教員会議に出席し
夏休みが終わったと実感しました。
来週から後期授業が始まります。
徳永写真美術研究所の講座も始まります。
今週末は心機一転!という気分です。
・・・ということは、あたりまえですが
今年度の前期は終わったということ。
あっという間の前期でした。
突然の引越しで
バタバタした日常が続き
このブログの更新回数は少なめでしたが
たくさんの出来事がありました。

東京への美術鑑賞弾丸旅行や
TIPAの講座以外の活動や
帰省生活中の驚きの出来事や
その他、いろいろ・・・・
ブログに掲載しそびれた事が多々あります。
時期を逃した報告となりますが
機会を見て、書いていこうと思っています。
これからも本ブログへ
お立ち寄りいただけるとうれしいです。

ここまでは前置きです。



私にとって
今年度前期の一番の出来事は
やはり、引越しですが・・・
表現活動にまつわる事では
ある写真集に対する
寄稿文を書かせていただいた事です。



寄稿した書籍は
東松至朗氏の2冊目となる写真集
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VIEW OSAKA シリーズ
RIVERS
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私の文章は見開きの構成で、英訳が付いて仕上がりました。



この執筆依頼を引き受けるにあたり
あらためて
寄稿文とは何か?誰に向けて何を書くべき?文体は?
・・・と基本的な事が気になり、
写真集に限らず、様々なジャンルの
作品集に添えられた寄稿文を
リサーチすることから始めました。
論文課題に取り組む学生のように
大学図書館に通う日々でしたー。
このリサーチは、今後、どこかで役に立つはず。
きっと。



下の写真は、写真集のカバー裏面です。



 VIEW OSAKA シリーズは三部作として仕上がるとの事。
先月末に次の 「 HOUSES 」 の進行状況を拝見しました。
まとめるには、まだ時間がかかりそうでしたが
着々とミッションは遂行されていました。 
三部作の完成を楽しみにしています!

書籍情報はコチラ
http://blog.zaq.ne.jp/tomatofotohouse/article/12/

 書籍の入手はコチラ
http://siracusa.thebase.in/ 


記:徳永好恵


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【ご案内】


現在、徳永写真美術研究所では
2014年度秋冬講座の受講をお受けしています。

◎作品制作研究講座2 : 表現活動の土台を作る 9月13日スタート

◎写真講座2 : 銀塩写真作品の制作 9月28日スタート

◎シルクスクリーンプリント講座2 : 写真作品として制作 10月19日スタート

◎表現研究講座2 : コラージュ×シルク 2015年1月18日スタート

興味のあります方は、ご一報ください。

http://www.tokunaga-photo.com/class

講座についてのお問合せはコチラ

 http://www.tokunaga-photo.com/contact


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西に東に美術鑑賞Day その2 

2013-12-26 | 写真に関するお話


会期が終ってからの掲載となりましたが・・・

今月、下の写真展に行きました。

オサム・ジェームス・中川 写真展
「 沖縄 - オキナワ - OKINAWA 」

会場:京都造形芸術大学 Galerie Aube



アメリカを拠点に活動する
オサム・ジェームス・中川氏による写真展です。
展覧会場は下の3シリーズで構成されていました。

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沖縄戦で追い詰められた多くの住民が身を投げた断崖絶壁を
人の目を超える高解像度で描いた「バンタ」。

住民の信仰に深く結びつきながらも戦時中には病院や防空壕
さらには集団自決の場となった洞窟をとらえた「ガマ」。

今なお沈黙のうちに存在する戦争の痕跡を見つめた「リメインズ」。

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沖縄返還時の記憶を持たない私にとっては
沖縄は美しい空と海・・・
バカンスの土地でしかありません。

琉球王国としての歴史
第二次世界大戦において地上戦がおこなわれた事
戦後、アメリカに占領された事
いまなお
在日米軍基地が多くある事
など
知識としての認識にとどまります。

そのような私は
本展にて視覚と触覚で
地上戦の時を生きた住民の
心理の一端を体感できたように思いました。
写真展で触覚?と疑問に思われるかもしれませんが
この展覧会の見どころは触覚です。

「バンタ」と「ガマ」のシリーズは
ロールの出力紙にプリントされた大きな作品のため
観る者の身体を画像の中に置く形で鑑賞でき

高解像度で仕上げられた画像は
視覚を超え触覚にまで訴える迫力を持っていました。



オサム・ジェームス・中川氏のウェブサイト

記:徳永好恵

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写真に関する書籍について/ 復刻版「光畫」と「映像試論100」

2013-05-24 | 写真に関するお話


急に暑くなりました。
目の前の室温計は31.4度。
まだ5月、さすがにクーラーは早いと思うので
我慢していますが
気分が悪くなってきました。



しかし
この時期にクーラーを付けると
体温調整を上手くできず
夏風邪をひくんですね。
きっと。
これ、いつものパターンです。



ここ1ヶ月
知人の個展や
これは必見!と思う展覧会が続き
自称、美術鑑賞オタクと言っていた20年前と
同じくらいのペースで美術鑑賞に励んでいます。

昨日は終日、京都で
市バスの1日乗車券を購入して
美術鑑賞。
しかし
バスの路線図を頭に思い描けず
ほとんど歩いていました。
16084歩、10.5km

二日前は
11914歩、7.2km 
この日は仕事帰りの美術鑑賞。
閉廊間際に潜り込み長話・・・。
迷惑な客人だったと反省。



最近の活動の中で
購入した写真に関する書籍がコチラの2冊。




復刻版の写真雑誌「光畫

創刊号の「映像試論100」

私は本を読む時
あとがきや編集後記を必ず読みます。

同時期に購入したこの二冊
両方共に
編集後記から読みました。

光畫」の編集後記は
野島康三氏、中山岩太氏が記しています。

<一部抜粋>

いい仕事=いいものは
なかなか世間にわからないものだ。
いいところを見るだけの眼を持つ者が少ないためと思う。
・・・本月号は記事に挿画を沢山入れる都合から
「写真」を減じなければならない事となってしまった。
本誌の面目たる「写真」を減じる事は実につらい。
かなりいい作品を割愛してしまった。
しかし、それがために見ごたえのする
写真だけだと言うことが出来る。
(野島康三)



2号は創刊号よりとてもいい出来栄えだった。
読者諸兄も認められた事と思う。
3号雑誌いうものは世間によくある。
熱に炎えた連中がヤツサモツサで始めたが
意見が合わないとか
経済的にだめによるとかで
とてもいいものでも
とかく、3、4号で消えてしまう。
そして老練な著述家等の種になるのだ。
ただし
光畫は異なる。
始めから損をする考えで
ただ光畫を続けるという事が目的で始めた新雑誌だから
経済的問題で止める気はない。

同人の意見は始めから御互に尊重し
分割しているのだから問題が起こる筈がない。
3号雑誌だろうなんて考える人は
その常識の貧弱さを語るだけだと言いたい。
(中山岩太)

1932年の号に記されたこの文章、現在でも強く響きます。

いっぽう

「映像試論100」は
初めての雑誌制作に奮闘する様子と
創刊に対するご挨拶が記されています。

<一部抜粋>

・・・勢いだけで原稿をA5サイズの用紙に当てはめていきました。
何だかヘンテコな箇所があるかもしれませんが、ご勘弁ください。
とにかく皆さんの原稿があって出来た冊子です。
ありがとうございます。・・・
(K.A)



『映像試論100』は、写真を中心に据え

筆者による自由なテーマで書かれた論文やレポートを
まとめ冊子として発行します。
伸び伸びと自由なものを!と船出しますので
「いま書きたいことから」でご一緒いただけますと嬉しいです。・・・
・・・このような海のものとも山のものとも分からぬ
お声掛けにも関わらず
原稿を届けてくださった筆者の皆様
エントツ(柱広告)で参加してくださった皆様
そしてこの一冊をお求めくださった読者の皆様
ありがとうございます。
次号もぜひお付き合いください。
(T.A)

発行人のお人柄が伺える文章です。
第二号は夏の終わりに発行予定との事。
楽しみです。


お知らせ
復刻版「光畫」はzenfotobooksより購入できます。
「映像試論100」はPort Gallery Tより購入できます。


Yoshie



<徳永写真美術研究所の講座案内>



シルクスクリーンプリント応用講座
6月30日、7月14日、28日
全3回
カラー写真をCMYKに色分解し4色刷に取り組みます。




詳しくは
http://www.tokunaga-photo.com/class.html

 

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芦屋カメラグラブ創設時の宣言文を心に刻む

2012-10-18 | 写真に関するお話




本日
傘をさしながら美術鑑賞に励み、
12920歩、8.3km歩きました。
行き先は芦屋と大阪市内。
芦屋では10年ぶりくらい?に
芦屋市立美術博物館を訪れました。
目的の展示は「芦屋写真展」。

芦屋で写真と言えば
中山岩太、ハナヤ勘兵衛らが率いた「芦屋カメラグラブ」。
この度、その流れを継承すべく
「芦屋写真協会」が設立されるとの事。
この協会の事務局は
(株)ハナヤ勘兵衛となっています。
先人の功績を引き継ぎ
新たな写真の動きが始まるようです。
今後の活動に注目。



「芦屋カメラグラブ」の創設時に
 
総ての作家に
敬意を払う
然し我々は
新しき美の創作
新しき美の発見
を目的とす 


宣言されたそうです。
紳士的でありながらも
なんて挑戦的な宣言でしょう。
この内容は
私達が運営する徳永写真美術研究所の
目指すところでもあります。
しかと心に刻みました。



記:徳永好恵 

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