徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

写実絵画の回廊で写実と写真について考える。

2013-10-26 | 美術に関するお話


2010年に開館した
写実絵画専門の美術館を訪問しました。



美術館の名は<ホキ美術館>。
千葉にあります。

ホキ?と、不思議に思い、調べてみると
㈱ホギメディカルの創業者である保木将夫氏によって
設立された美術館であるとの事。
保木氏は
この美術館を「写実の殿堂」にしたいと考えているそうです。




訪問した際の展示は
「光と風をかんじて・・・」展でした。

この展覧会の主旨を読み取り
・・・をかんじるよりも
写実的に描く事とは
どのような意味を持つのだろう。

写実と写真の関係も含めて
いろいろと考えながら館内を巡りました。



この美術館は
日本初の写実絵画を専門とする事で
開館時より注目されていますが
建物も注目されているようです。 
美術館の周囲には
建物を撮影する幾人もの人を見かけました。

美術館を正面から写した写真です。
この角度からは、小規模のように見えますが
実は、かなり、奥行きがあります。



裏側から見ると、このような感じです。
カメラレンズの歪みではなく、建物が湾曲しています。



突起した構造を支える柱がない事に驚きます。

大きな彫刻作品を見るように
長時間、建物を見続けました。

それにしても・・・
住宅街に存在するこの美術館
周囲との違和感がありすぎで
オモシロイ風景を作り出していると思いました。

また
建物の内部も非常に込み入った構造で
迷宮世界に迷い込むような展示空間でした。

実のところ・・・
絵画作品よりも
建築作品を見に行ったという印象の方が
記憶に強く残った気がします。

記:徳永好恵

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大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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長崎→出島→南蛮文化→スペイン→アントニオ・ロペス→長崎県美術館

2013-10-17 | 美術に関するお話


私の趣味のひとつに
美術館巡りがあります。

学生の頃より
国内の美術館はすべて訪問しようと
思い続けています。

しかし
美術館と名がつく施設はたくさんあるので
少なくとも
国公立の美術館は制覇するつもりです。



今年の夏は
初めての訪問となる長崎県美術館へ。

道中、カーナビの誘導に従うなかで
気になる事が・・・
「出島」という地名があったのです。



歴史で習う扇形の島の事だろうか?
調べてみると、その通りでした。

今は埋め立てられたため
島ではないのですが
長崎県美術館のすぐ傍に出島が位置します。

この地域は
南蛮文化が伝来した
文化ゾーンである事を理解しました。

南蛮とは
スペイン・ポルトガルを示すはず。

今回、訪れる展覧会は
現代スペイン・リアリズムの巨匠
アントニオ・ロペスの展示



長崎→出島→南蛮文化→スペイン→アントニオ・ロペス→長崎県美術館

連想しながら美術館に入館しました。



会場は絵画が中心であるものの
リトグラフ、彫刻作品もありました。

幾つかの表現技法が混在する展示でしたが
アントニオ・ロペスの眼を通した
写実世界を見ることができる内容でした。



彼の作り出す世界は
ありのままを描く意味の写実ではなく
心象風景を写実する表現です。

一見すると写真と見間違う画面ですが
近づいて、よく観察すると
緻密に描き込まれた部分

そうでない部分があり
ロペスが何に意識を向けていたのか
読み取れました。

チケットやフライヤーに使用された
鉛筆画の少女はロペスの娘・マリアさんです。
余白の扱い方が
日本人の美意識に響くだろうと
メインイメージに起用されたのだと思います。
私の美意識にも響きました。

記:徳永好恵


追記
フライヤーに下の記述がありました。

作者自身が展覧会にあまり積極的でないこともあり

大規模な個展はおそらく日本では最初で最後となるかもしれません。
このまたとない機会にロペス芸術の粋を是非ともお楽しみください。

このような文章、初めて見ました。
何故か、クスッと・・・。


現在、このアントニオ・ロペス展は
岩手県立美術館にて巡回中。
10月27日まで。


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ゴーヤ栽培報告2013

2013-10-10 | 日常生活のお話


10月に入り
夏は終わったと言える時期ですね。

しかし
我が家のゴーヤは
いまだに毎日
15~20輪ほど、花咲きます。

今日は雄花・雌花が揃って咲いたので
受粉作業をおこないました。
けれども
実が出来ても
大きく成長しないと思うので
今日にも明日にも
片付ける予定です。


言う事で・・・
自分にとっての夏を終らすために
今年のゴーヤ栽培報告を
おこないます。



お付き合いいただける方は
下にスクロール願いします。




2シーズン目の<ゴーヤ栽培2013>

昨年はどのくらいの確率で生育するのか
分からなかったので10株ほど
プランターに植えたため
実が大きく生育しませんでした。

そこで
今年は3株に絞りました。

しかし
6月下旬に
強風にあおられ
2株の根元が折れてしまい
早々に脱落




残る1株となり
憧れのゴーヤカーテンは
無理だろうと思いましたが
なんとか
形作る事ができました!



外観はこんな感じです。

ベランダの形状に合わせて
タコ糸でゴーヤネットを編みました。

さすがに1株なので
ボリュームがありませんが
ベランダに面するリビングは
薄っすらと緑の世界に包まれ
涼しげな印象を与えてくれました。

ゴーヤカーテンを作るという目標は
達成できたと言えます。



いっぽう
実のサイズは昨年と同様程度
さほど大きくならずに
熟してしまいました。



今期最後の収穫となったゴーヤたち。



熟したオレンジの実はアクセントカラーに。



先ほど
炒めてポン酢漬けにして食しました。
この瞬間
私の夏が終ったという事になります。



気付けば、家の付近には
金木犀の香りが漂っています。
もう、秋が到来していました。

記:徳永好恵




【 ご 案 内 】

現在
2013年度 秋・冬講座の受講を受付しています。

作品制作研究講座 10/13スタート
シルク応用講座 2014 /1/12スタート

講座内容については
徳永写真美術研究所ウェブサイト

講座案内のページをご覧ください。




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