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徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

思考が螺旋状にグルグルまわる美術鑑賞

2011-03-02 | 美術に関するお話


兵庫県立美術館で開催中の
森村泰昌
“なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術”

行きました。



この展覧会は
一年をかけて日本を巡回。

東京都写真美術館
豊田市美術館
広島市現代美術館

経て
ようやく
最後の巡回地
作者のホームグラウンドである
関西での披露です。



本展については
既に
マスコミの報道を見すぎたため
初めて見る作品には思えませんでしたが
実物を前にして
その存在に圧倒されました。





私は
既に知っているつもりのモリムラ作品を見る。

作者・森村泰昌氏は
既に誰もが知っているであろう映像を元に作品を作る。

“既に知っている”という感覚は
何を根拠に生まれるのだろう。

作者が引用した元映像の大半は知っていたが
ところどころ知らないものもあった。
しかし
知っていると思い込んでしまう。

私は
モリムラ作品と元映像の区別が曖昧になり
別の意味で
作品を解釈している状態に気付いた。



思考が螺旋状にグルグルまわる美術鑑賞でした。

本展は4月10日(日)まで。
ぜひ!



Yoshie

2011年4月からスタートする3講座、受講生の募集をはじめました。
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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美術に触れる原体験*大阪市立美術館

2010-11-26 | 美術に関するお話


先日
晩秋の澄んだ空に感動しました。



上の写真は天王寺公園で撮影。

空とイチョウは大好きな組み合わせです。
特に夕刻の光で見る
この青色と黄色は心に沁みます。





久しぶりの天王寺。
目的地は大阪市立美術館です。



知り合いが
二科展に出品しているので訪れました。
余談ですが・・・工藤静香さんも出品。

二科会は1914年に結成され
今回、なんと95回目の開催であるとの事。

実は私も幼少の頃
“こども二科展”という部で
出品していた経歴があります。



展示の際には、毎回
親に連れられ美術館を訪れました。
しかし
3-5歳くらいだった私は
美術館の重厚な建築に圧倒され
また
足音しか聞こえない静かな会場を怖いと感じ
この空間から早く逃げ出したかった事を
はっきりと記憶しています。



その後
油絵を描いていた高校生の時は
毎年この美術館で
作品を展示するなどの縁があり
ホームグラウンドのような存在でした。

私にとって
大阪市立美術館は
美術に触れる原体験の場所だと言えます。

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私的名画悦楽法の試み-大塚国際美術館-

2010-11-03 | 美術に関するお話


<大塚国際美術館での報告2>

この美術館に展示されている名画は
全て陶板であり、本物ではありません。
そのため
館内での写真撮影はO.K.

頻繁に展示物の前で
記念撮影をおこなう人々に遭遇しました。

日本の美術館ではありえない光景だ・・・
と思っていたところ
ふっと
ひらめきました。

「私も撮影しよう!」


実は
先月に当ブログで記載した
「写真とは何か」を問う記事での
作品を複写する意味について
いろいろと考えていたところだったのです。

さっそく
名画の複写を試みました。

もちろん
普通に複写する訳ではありません。

題して
「私的名画悦楽法」

画面の中で美意識が反応する部分を切り抜き
別次元で
新たに絵画を生み出すという手法です。

例えば





ゴッホの「種をまく人」の場合・・・



クロード・モネの絵はこのように・・・



パウル・クレーは・・・



マーク・ロスコは・・・



お気づきでしょうか。
名画を元に生み出したこれらの図は
すべて
橙・黒・白・青

色で構成されています。
しかも
言葉では表現しきれない中間色。

私が最も心惹かれる色面世界です。
絵筆を持たずして
描いたような錯覚に陥り
高揚感に包まれました。

十数年ぶりに本気で油彩画を描きたい気分になりました。



本日、最後の写真です。



今日のブログの流れでこの写真を見ると
某写真家の作品を複写したかのように見えますね。
いえいえ
こちらは私が美術館を後にしての帰宅中
車中から撮影した写真です。
夕暮れの海を撮影しようとして
ピント位置がズレてしまっただけです。

<追記>
お時間がありましたら
上の某写真家のリンクページを
お読み下さい。
なかなか興味深い記事です。



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名画の海に溺れる-大塚国際美術館-

2010-10-30 | 美術に関するお話


徳島県鳴門市にある
大塚国際美術館へ行きました。

1998年のオープン当時
陶板名画の美術館として
話題になりましたが
訪れる機会がありませんでした。

この度、12年を経て
やっと
訪問のチャンスが巡ってきました。

機会を得たのは
仕事先の学校にて。
遠足に同行したのです。

道中のバスでは
最前列の教員席に座りました。

なかなか良い眺めです。

しかし



あいにくのお天気。


明石海峡大橋を走行中

雨のため
鳴門の渦の見学が中止となり
11時から早々と
お弁当を車中で食べる事に・・・。



支給されたお弁当の彩りがすばらしく
どんよりとした気分が一掃されました。





12時ちょうどに目的地に到着。



音声ガイドを手にして
美術鑑賞の旅に出ました。



館内に足を踏み入れると
まず
エントランスの向かいの
システィーナ礼拝堂に吸い寄せられます。



天井にはミケランジェロの絵画世界が広がり
想いはヴァティカンへ。

目の前にあるのは
実物ではないと理解しつつも
厳かな気持ちになりました。



絵画の複製だけでなく
壁画の他、お墓、洞窟など
絵画が存在する環境ごと
再現した展示も随所に存在。



モネの睡蓮の絵があるエリアには
もちろん
蓮池がありました。





私は音声ガイドにより
展示品の理解を深めていましたが
専属ガイドの存在に気がつきました。
ガイドさん名前は
“大塚アート君”
ガイドロボットです。



展示壁面の間をうまく通り抜け
作品の前に来ると解説を始めます。



そこそこ多くのお客さんが
大塚アート君に寄り添い
解説に聞き入っていました。



ラファエッロの薄暗い空間にいたカップルに対して
解説をしている様子を目にした時
ゾクッとしました。
SF映画のワンシーンのよう・・・



展示点数は1000余点。

音声ガイドを聞きつつ
全ての展示を見尽くすことを
目標に頑張った4時間半。

名画の海に溺れました。



Yoshie

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京都ぷらぷら歩き

2010-09-23 | 美術に関するお話



京都に行ってきました。



仕事では定期的に往復していますが
今回は観光客の視線で
京都の街をぷらぷらと歩きました。



写真は鴨川から見た比叡山。

学生時代
この付近に住んでいたので
見慣れた風景のはずですが
ゆっくり歩いていると
様々な発見があり、楽しいひと時でした。





ここは紙問屋さん。
店先にハンパモノの紙片が
50~150円程度の値段で販売されていました。
写真の女性のように
私もワゴンに吸い寄せられ





こまごまとした品を購入しました。

左から・・・千代紙
オニオンペーパーのような薄紙
金粉が漉き込まれた和紙テープ
ブロック状のメモ紙(?)
硫酸紙

全て異なる質感。
手触りの魅力にこだわる私には
しびれるラインナップです。
しかし
紙の用途が思い浮かびません。
こうして
捨てられないモノが増えていきます。



今回の京都行きは
幾つかの展覧会を廻る事も兼ねていました。

そのひとつが
masaco.さんの展示に立ち寄ること。

展示は
恵文社一乗寺店にて。
「pepper」Three Brand Exhibition2



masaco.さんは
遊び心を日常にとり入れることをコンセプトに
衣服を制作されています。



“遊び心”とは・・・こんな感じ。



こちらは服ではなくiPhoneケースです。



あまりにカワイイ仕立てだったので
思わず購入してしまいました。


<裏面>
細かな部分まで良く考えられています。
私はiPhoneケースとしてではなく
デジカメケースとして使用する予定。

今回の展示は20日で終了しましたが
来月、10月21日~25日に
東京での展示があります。
ぜひ!



Yoshie




先日、徳永写真美術研究所にて開催した
シルクスクリーンプリント1dayワークショップに
masaco.さんご夫妻が参加してくださいました。


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