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徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

美術館を巡る小旅行

2011-07-07 | 美術に関するお話


皆さまいかがお過ごしですか。
7月となり今年も後半に突入しました。
1年があっという間に終らぬように
日々の暮らしを充実させたいと思います。

2011年の前半を振り返ると
やはり
3月11日以降の
不安定な日本の動きが気になりますが
あえて
良い事に目を向けると・・・
我が家における一番の想い出は
<美術館を巡る小旅行>
です。

旅行に出かけたのは
6月上旬。
梅雨期にも関らず
雨が降らなかった数日間でした。

今回の旅マップです。





1日目

大阪の自宅を出発。
名古屋市美術館にて



「写真家・東松照明 全仕事」展を鑑賞。
その後
諏訪湖に向かって北上
諏訪湖に隣接するホテルで宿泊。



2日目

午前中、諏訪湖周辺でくつろぎました。



昼食は蕎麦定食。
お店の畑で採ったばかりという
山菜のてんぷらが美味でした。



午後から清里へ移動。
清里フォトアートミュージアムにて



「2010年度ヤング・ポートフォリオ」展を鑑賞。
その後
太平洋に向かって南下



移動中、里山の美しい景色に心が和みました。

富士山麓のホテルに宿泊。



3日目

今回の旅の主な目的は
杉本博司氏が設計に関わったという美術館を見ること。

その美術館の名前は
IZU PHOTO MUSEUM
 
2009年、秋に開館した写真を専門とする美術館
クレマチスの丘”という施設内に位置しています。



上の施設案内の看板は日本語表記ですが
IZU PHOTO MUSEUM だけがアルファベット表記です。
国際的な活動を前提とする意味で
日本語表記を避けたのでしょうか?
いろいろと、その訳を考えてしまいました。

美術館の建築は
外観・内装ともに
杉本氏が設計に関った事がわかる部分が多くありました。
特に館内の椅子に注目。
杉本作品をご存知の方は
「これは・・・アレではないか!」と思うはず。



IZU PHOTO MUSEUMにて
「富士幻景 富士にみる日本人の肖像」展を鑑賞。

その後
クレマチスの丘の施設を一巡しました。



郊外に位置する文化施設の平日は
ひっそりとした印象がありますが
クレマチスガーデンには多くのお客さんがあり驚きました。
どうやら
ガーデニングに興味がある人を対象に
観光バスで訪問するツアーがあるようです。
また
施設スタッフの接客がホテル並みであった事にも驚きました。
バブル崩壊以降にできた施設のためか
よく考えられた集客術だと感心ました。



夕刻



Yoshieは三島駅から新幹線で帰阪。
Takayukiは東京に移動、品川のホテルに宿泊。

4日目
Takayuki
東京工芸大学にて
日本写真芸術学会のシンポジウムに参加。

5日目
Takayuki
川崎市民ミュージアムにて
ピンホール写真芸術学会のシンポジウムに参加。
その後
夜間、高速道路を激走して帰宅。



以上
旅の全行程です。

Yoshieは仕事の都合で旅を継続できず3日目に帰宅。
ザンネン・・・
Takayukiは引き続き東京方面に向うという旅でした。

展覧会の内容については
後日、当ブログにて記す予定です。



Yoshie

<お知らせ>

【1day ワークショップ 参加者募集中】
シルクスクリーン体験7月24日(日) / ピンホール写真研究9月11日(日)

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創造的に生きる

2011-06-17 | 美術に関するお話


堅苦しい言い回しですが
私の人生において
大きく影響を受けた出会いがあります。
それは
高校1年生の担任の先生との出会い。

入学して1ヵ月後の個人面談中
「学校生活には馴染んだか?」
「授業についていけるか?」
などの会話の中で
「部活はしないのか?」

質問を受けました。
当時、私は
勝負にこだわる部活をしたいと考える
体育会系気質でした。
幾つか仮入部したところ
楽しむ事を優先するクラブが多いように感じ
入部先を決めかねていると返答すると
「甲子園で優勝するレベルで活動している体育会系の美術部に入らんか?」

勧誘を受けました。
担任は
美術の先生で、美術部の顧問だったのです。
“体育会系の美術部”というフレーズに心が動き
私は、その場で即、入部しました。

その活動は確かに体育会系でハードでした。
油絵の具と溶き油にまみれ
早朝練習ならぬ、早朝描きに取り組み、必死の活動。
歴代の美術教師や年配の卒業生が時々やってきて
容赦ない批評にさらされ泣く事もしばしば。
なぜ、高校生がそこまで描く事に自分を追い込み、没頭できたのか。
また、先生はどのようにして、その環境を作る事ができたのか。
今になって
稀有な環境だったとあらためて思います。

高校卒業に際して
先生から長文の手紙をいただきました。
私の宝物です。
その一部分を抜粋





先日
その先生の個展に伺いました。



今は教職を退き、画業に専念する日々。
山にこもり修行僧のように生きているとの事。
1万枚描く目標の中で
現在、約2000枚目くらいだそうです。

自分に残された時間で
どれだけの事ができるだろう。

人生のタイムリミットを意識して
私も
創造的に生きてゆこうと気を引き締めました。



Yoshie

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書籍の森 / 司馬遼太郎×安藤忠雄

2011-04-29 | 美術に関するお話


今月
初めて訪問したギャラリーが二つあり
両方とも
安藤忠雄氏の建築でした。

展示会場に滞在中

安藤建築は
背筋を正させるような威圧感があるよね・・・
でも、その感じって
美術鑑賞には程よい緊張感なのかも知れない・・・
など

ぼんやりと考えている時
突然
行っておきたい安藤建築があった事を
10年ぶりに思い出しました。

その建物は
司馬遼太郎記念館



気になりはじめると
ソワソワ・・・さっそく行ってきました。



司馬さんの自宅の敷地に氏が設計した建物があります。



東大阪の庶民的な住宅街に
安藤建築がどっしりと鎮座していました。



館内入口へと向かうアプローチ部分。

日常を遮断するかように
緑のカーテンで建物は覆われていました。

アプローチをゆっくりと進む時
司馬さんの懐に潜入する気分になります。

記念館は
地下一階から地上二階までの
3層吹き抜けの空間に設置されている
高さ11mを越える本棚がみどころです。
本棚には
2万余冊の蔵書や司馬作品が
収納されています。

採光は最小限に留められ、鬱蒼とした書籍の森のよう。

その空間は
司馬遼太郎と安藤忠雄による
コラボレート作品と言えるのではないかと思いました。

建物内部は撮影禁止のため写真がありません。
コチラのサイトを参照下さい。


ひとつ残念なのは
これらの書籍
読む事も触れる事もできません。
見るだけです。

司馬詣をした気分にはなれますが・・・。



Yoshie

<追記>
ミュージアムグッズの販売コーナーで
司馬さんが執筆した本を長時間立ち読みしました。

 

来館の記念に上の本を購入。
現在
電車の中で読む本としてカバンに入れています。


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自分のルーツを確認した展覧会

2011-03-24 | 美術に関するお話


大学時代の恩師・小名木陽一先生の展覧会へ行きました。



展示会場の入口です。

黄色のロープで
「 o n a g i 」

自身の名前が描かれています。



会場には
織物・ドローイング・ロープによる造形物

展示されていました。



展示のメインは
「黄色い箱」
「黄色のパイ」
「黄色いピラミッド」
「黄色い半球」
「黄色い四角」
「黄色い円盤」

名付けられた巨大な織物作品。



実はこれらの作品は
既に何度も拝見しています。
なかには学生の頃に
制作をお手伝いした作品も存在。



現在
写真に関る活動をしている私ですが
この展示会場に身を置くと
自分のルーツはココなのだと再確認し
昔の記憶が甦ってきました。



こちらが小名木陽一先生です。
にこやかに私たちを迎えてくださり
小一時間ほど
近況報告と昔の懐かしい話で盛り上がりました。

会話の中で
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この展覧会に
若いカップルが来たのだけれど
数日後
また来てくれたんだよ。
面識のない人たちですよ。
ボクの作品を見てたら元気が出たんで
また来たんだって。
ボクもうれしくなりましたよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というお話がありました。

黄色の作品世界によって
震災の重苦しい空気を
吹き飛ばしたとの事なのですが
私は
先生の穏やかな表情からも
元気が出たのだろうと推測します。
実際に、私は、この日
小名木先生と会えて
とても元気になりましたので・・・。



最後に新作を紹介します。



バナナ



レモン

ロープで形作った小さな作品ですが
微笑を引き出す力を秘めていそうです。



小名木陽一展
3月27日(日)まで
12:00-19:00
最終日は18:00まで
会場
galleryマロニエspace5(京都)




Yoshie

現在
2011年4月からスタートする3講座、受講生を募集しています。
 ●基礎から作品制作まで              【写真講座】
 ●写真表現のひきだしを増やす【表現研究講座】
 ●版表現としての写真【シルクスクリーンプリント】

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日常生活の新たなるアイテム

2011-03-10 | 美術に関するお話



大学時代の後輩・ジョウちゃん一家が運営する
ブリコラージュ”を訪れました。

ずいぶん前から
伺いたいと思っていたものの
なかなか機会がなく
やっと!の訪問でした。



家具工房を店舗仕様にした建物です。

一階は木のおもちゃや家具のショップ

オーダー家具・リフォームのオフィススペース。

二階はギャラリースペース。



二階へとあがる階段です。



築50年余の建物との事。
風格が漂う木のディテールにゾクゾクしました。



天井の梁は
建物に対する愛着が伺える丁寧な補強がなされていました。



空間にどっしりと存在する
テーブルや椅子は
ブリコラージュのオリジナル家具です。
写真では見辛いですが
手前と右端にある椅子の
骨太なデザイン、その存在感に魅了されました。



それから
もう一つ、私の好奇心を刺激したのが
このドアです。



ガスの配管をドアの取っ手に使用しています。
木と工業製品の質感のギャップがオモシロイ。
TIPA暗室のドアにも!とひらめきました。



さて
今回の訪問の目的
「暮らしのかたち展」の展示風景です。



土なべ
シャツをリメイクして作ったかっぽう着
木の台所道具

展示・販売です。

週末には
土なべ料理の会
リメイクワークショップ

開催します。



私のお目当ては
「土なべ」

以前より
ご飯を炊飯器ではなく
土なべで炊きたいと思っていました。

会場には様々なサイズ・色・デザインの土なべがあり
すべて一点モノ。

サイズは2人用、色はご飯が美しく見える黒と決めていました。
迷ったのはデザイン。
みんな微妙に形状が異なるのです。
こんな時は目を細め
“コレ”と思えるモノを直感で選びます。
たいていの場合
私の目には
選ぶべきモノが光って見えます。
この日は
ギャラリーライトがスポット的にあたっていた
この土なべに決めました。



実のところは
ご飯を炊く時、吹きこぼれが垂れないデザインだと
考えた上で決めました。



さっそく、その晩
ご飯を炊こうと思いましたが
最初は
薄いおかゆを炊いて“目止め”という作業をしてから
使用するとの事でした。



一日おいて
昨日
人生初の土なべでの炊飯。

『はじめチョロチョロ中パッパ、ブツブツいうころ火をひいて、赤児泣いても蓋とるな』
という文句の要領で
しかし
何度も蓋をとって炊き具合を観察。

おこげも作りたかったので
香ばしい匂いが漂うまで炊きました。



イメージ通りに炊けました。
おこげも程よくできてました。

炊飯予約や保温ができないという難点はありますが
しばらくは土なべ生活を楽しもうと思います。



この「暮らしのかたち展」は3月13日(日)まで。
場所は大阪・大正です。
ぜひ。



Yoshie

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