”玲瓏”管理人のつぶやき

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甲子園という魔物

2007年08月24日 | イチロー
 第89回全国高校野球選手権大会は、広島県代表の広陵高校と佐賀県代表の佐賀北高校の決勝となった。ボストンレッドソックスで活躍する松坂大輔選手の横浜高校ノーヒットノーラン優勝のときもそうだった。昨年のマー君対ハンカチ王子のハイレベルな投げ合いもそうだった。今回もドラマティックな展開となった。7回までヒット1本に抑えられていた佐賀北が8回逆転満塁本塁打をかっ飛ばしそのまま逃げ切り優勝したのだった。

 広陵高校エース野村投手の調子はよかった。7回まで10奪三振、被安打1、失点0。自慢のスライダーのキレがよく、佐賀北高校につけいるスキがないように見えた。誰もがこのまま広陵高校の優勝かと思った土壇場だった。

 問題の8回。布石はあった。キレのあるスライダー、この球を佐賀北選手が度胸良くか?捨てにかかった。見送る。審判はボールとジャッジ。いや、それはストライクでしょう、と思えた球もボール。それまで伸び伸び投げていたエース野村投手の腕が小さくなっていく。そして押し出し。そして、そして逆転満塁ホームラン。

 審判がストライクとジャッジしてくれていたら間違いなく結果は異なっていただろう、というたらればはある。しかしそういうものを含めて野球なのだ。広陵高校の捕手があからさまにどうしてこれがストライクじゃないの?というジャスチャーもあった。もっともだと思った。高野連は審判は絶対だと主張する。広陵高校の監督が選手をかばい審判を批判するコメントも出した。高野連は厳重注意をした。

 MLB1年目の松阪選手、そして岩村選手も実はその洗礼にあっている。日本よりMLBの審判の質は悪いだろう。気分でストライクゾーンが変わっているようだ。日本人には考えられないが、MLBのストライクゾーンは外角低めが広く、台形のようなものと解釈されているのが一般的だ。

 それまで常識だと思っていたものが通用しなくなったとき、あらためて何が答えとなるかを考えられるか?なのだ。審判がストライクをボールと判定したから審判のせいにするのでは進歩は望めない。ある意味、それは機械でないファジーな人間社会の縮図かもしれない。

 審判が判定したボール、ストライクからその審判のストライクゾーンを判定し回が進むにつれ変化していくところまで柔軟に読むことができるか、そんなところまでプロはやっているんですとひけらかしてくれたのが江川卓氏だった。高校生にはまだちょっと辛かったか。

 ひとつ言えるのは、甘い球を逃さずそれをホームランした佐賀北3番久保選手が優勝貢献人だということだ。言うのは簡単だがなかなか甘い球をホームランしろと言われてもできない。ましてや決勝戦8回という土壇場だ。プレッシャーは尋常でない。結果がすべて。そんなこんなでやっぱり佐賀北高校ナインを褒めるべきなんでしょう。優勝おめでとう。

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