”玲瓏”管理人のつぶやき

"玲瓏:羽生善治(棋士)データベース"管理人たいがーの独り言(HP更新情報含む)

イチロー打法

2006年06月14日 | イチロー
 イチローの快進撃が止まらない。この6月は出足から好調を維持し、Monthly Average は5割を超える。イチローファンとしてはこのまま維持してもらいたい反面、どこか不振を畏れる。ま、すぐ切り替えられるところが一流の証なのかもしれませんけどね。

 さてイチローの打撃はこれまでの理論を覆すものだと言われてきたが何が違うのか?ちょっと考えてみた。それを紐解く鍵はネクストバッターボックスでのイチローの入念な準備に隠されている。元来、身体の硬かったと言われるイチローは、十分な屈伸、伸脚をして身体をほぐす。そして自らのスウィングをチェックする。

 プロ野球観戦でよく見られるシーンとしては、ネクストバッターはピッチャーとの間合い・呼吸を確かめるために、ピッチャーの投球に呼応してスウィングシミュレートしているところだ。しかしイチローはほとんどしない。バッティングセンターで培った技術をベースにしたイチローは自分のリズムで主導権を握るからだと言われる。

 またイチローのスウイングは独特だ。言ってしまおう。それは”ゴルフスウィング”(あ~、言ってしまった)を意識していると思われる。それを思い描きながらスウィングチェックしているように思えてならない。

 従来のセオリーに基づくスウィングでは、右バッターなら右足を軸にして体重を乗せる。それはバットを構えて振り切るまで変わらない。一方、ゴルフスィングは右打ちの方なら最初は右足に体重を乗せてインパクトを境に左足に体重を移動させる。

 この利点はインパクトをした後すぐに走りだせる点だ。しかしあまりある欠点がある。十分なためができる筋力がなければ”突っ込む”形になりやすい、いわゆる壁ができないことや、体重移動による視点位置の移動に反応できる”目”を持てなければ変化球に対応できなくなる点だ。並はずれたバネと優れた目、それに呼応する腕があってこそ、この打法が成立するのだ。”ハンドアイコーディネーションが卓越している”と言われたのはその表れだ。イチローならではと言える。

 またこの打法の特質としては、低めには強いが高めにはバットに振り回されることになる傾向だろうか?先日の第3号3リーランは苦手と思われる高めの球をいわゆる”大根切り”してのホームランだった。これが出ているうちは好調のバロメータなのかもしれない。