deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう10‐2

2010年01月21日 23時39分23秒 | 物語系



『この距離だと、君と私の能力はどっちが速いんだろうね。』
彼女は俺の胸に手を当てる。
『このまま黒い石を引っこ抜いてあげるから。』
指先数センチが胸に食い込む。
「いって~…。【セピアブレット】。もう一人の彼女を思い出させる。」
『ぐっ…。まだ…意識が戻っていないのに。体が…。出て…くる…な。』

「2人で…、1人なんだよね?だったら…、【ブレット】。もう一人の彼女の思いを止(とど)める。」
『体が…拒否する…!』
指先の数センチが俺の胸に食い込んだままでいた。痛かったけど、なんでかな。堪えられた。
「【ブラックブレット】。今出てきている人格の彼女は眠りにつく。」
きっと能力を使い切った時、自分がどうなるのか分かっていたのかもしれない。これで残りはあと【2発】。

『…う、…ん。』
「意識が戻ったって言えば…、いいのかな。」
『ごめ…ん。痛かったよね。』
彼女は指を引き抜き、そっと撫でた。
『ごめんね。…君にこんなことさせて。』
「あー…、でも俺以外いなかったかも。こんなことできる人間って。」
『そう…だよね。変かもしれないけど、ありがと。』
「…まだ、終わってないんすよ。」
『そっか…。そうだよね。』
消えてなくなるのかな、能力を使い切れば。

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