deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう3‐2

2009年12月09日 23時06分26秒 | 物語系
町をぶらぶら歩きながら、誓約のことを思い出していた。
「たしか…、対象者に触れなきゃいけないんだったけか。となると、鳩には撃て…ない。あ~、もう。」
その場で座り込み、変な誓約を作ってしまったと後悔していた。
「あとまだあったな…。弾丸の本数が決まってるのと、対象者は一人ってのと。調子よくなって難しいようにしちまったなぁ。」
落ち込んでいると電話が鳴った。友達のリュウジからだ。
「どうしたんすか、リュウジ君。」
『お前今暇か?アパートの鍵なくしてしまってさ~。管理人のおばちゃんが今旅行に行ってて部屋に入れないんだよ。今からお前のアパート行くから、しばらく泊めてくれ。』
「え?ちょっ…ちょっと待てって。」
『じゃあ今から行くから。じゃあな。』
なんつー強引なやつだ。仕方ないからアパートに戻ることにした。

『おぅ、すまんな。』
「断る前に電話切んじゃねえよ。」
『そんなこと言うなよ。な?頼むって。』
気乗りしないままリュウジを家に上げた。

「鍵どこでなくしたんだよ。大学にあるんじゃないのか?」
『それが無くてよ。カバンとかツレのアパートとか探しても見つからなかったんだ。』
「いつ管理人のおばちゃん帰ってくんの?」
『ん~、たしか三日後?』
「…帰れ。」
「んなこと言うなって。この通り!頼む!」
土下座までしてしまうコイツは、これが癖みたいなものかもしれない。
(いっつもこればっかりだ。…ん?あ、ちょうどいいや。)




続く

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