寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3303話) 伸びしろ

2022年04月13日 | 人生

 “鍼灸マッサージ師として夫と治療院を営んで二十七年目となった。技術向上のため四半世紀世話になってきた大阪の勉強会へは今も月に一~二度参加していて、「教わったことを体得できるまで」との思いで通ってきた。講義と実技を繰り返すうち、ここ数年はそれまでよく分からなかった理論や技術が頭と体に溶け込んできて治療成績も良くなったように思う。改善点を指摘されたことで、それがさらなるモチベーションにつながっている。
 来年六月で六十歳となるが、自分にはまだ伸びしろがあるように思え、引退は考えていない。九十七歳の現役看護師がいるとの記事を最近読み、驚くとともにわが背中を押された。体が動く限り、誰かの役に立ちたい!”(3月22日付け中日新聞)

 愛知県一宮市の鍼灸師・四ッ谷さん(女・58)の投稿文です。もう還暦に近い人が、まだ伸びしろがあると主張される。これは職業によるだろうか。自分の技術で生きている人だからであろうか。ここ数年、治療成績も良くなったと感じておられる。それならよりまだこれからと思われて当然であろうか。寿命は長くなった。四ッ谷さんにはまだ40年の人生があるかも知れない。まだ終わる歳ではないし、鍼灸師をやっておられる間はこの気持ちで過ごして欲しいと思う。
 勤め人であったらもう定年、いや定年でなくても職場の扱いが大きく変わる人は多いだろう。退職されて第二の人生に入る人も多かろう。ここが自営業か勤め人かで大きく違うところである。この歳まで来れば、もう振り返って良い悪いではない。これまでの人生から次のことを考えるだけである。全く違った道を進むことによって、伸びしろが大きくなることもある。先を見ることによって楽しみも生まれる。


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